【第1話】  出会い、そして一目惚れ。 | 酒と涙のジャズハウス実現物語

酒と涙のジャズハウス実現物語

大学時代、ジャズピアノに挫折。社会人になって、再度チャレンジし、

恥をかきつつ実践を積むこと2年。なんとかあやしげなアドリブができるように。

次なる目的は、私のような超初心者が気軽に演奏できる敷居の低い

セッションカフェを作ること。そんな夢の記録です。

といってもライブハウスのことです。
 思わず事業計画書を一日で書きあげてしまった

最初の物件との出会いは、こんな感じでた。



 きっかけは、今年の6月のこと。
とある不動産に貼りだされていた情報が目にとまり、

気なくその店にふらりと入っていったのです。



 中にいたのは上品な年配の女性。

笑われるのを覚悟で「ジャズセッションができる

ライブハウスを作りたいんです」といきなり言ってみると、

一笑に付されるどころか、「ジャズはいいわね」と、

その不動産の女性もかなり乗り気で、

あれこれと手持ちの図面を出してくれました。
 近所でも一軒ジャズのライブハウスを取り扱った不動産だとか。



 その帰り道、写真ではあまりよくわからないひとつの物件を
 覗いてみることにしたのです。

 坪数は若干狭かったのですが、値段も手ごろで、
 はじめての私でもリスクは少ないかなと思える家賃。

でも、あまり期待はしていませんでした。



しかし、予想外にもこの物件を一目見た時、
 早鐘のように胸が高鳴ったのです。




 手前はしゃれた鉄製の格子でガードされ、

薄暗いスケルトン(コンクリむき出し)の店内がぱっくり

口をあけています。

店の向かいには4台程度のコインパーキング。

 まるで、アメリカの狭い路地にひっそりと佇む

隠れたライブハウスを発見したというイメージ。




ちょうど黄昏時だったのですが、ふとその風景に重なって

頭の中にオールドジャズの調べが聴こえてきたのです。

「手前は硝子壁にして奥にステージ、グランドピアノ

を置いて…」

などなど、夢がどんどん膨らんでいきます。




まるで、恋愛と同じです。夢ばかり膨らんで、

相手の欠点など見えません。

その後の障害がどうであれ、二人の間には

運命的な絆があるといった大きな勘違い。



でも、前に一歩すすむきっかけになったこの恋愛パワーも、

今にして思えばとてもありがたいことでした。