(C)2006WarnerBros.EntertainmentInc.andDreamWorksLLC
硫黄島プロジェクトの第1弾「父親たちの星条旗」は見てないんだけど、
こっちもなかなかの評判だと聞いていたので、初日に見てきました^-^
監督はクリント・イーストウッド、出演は渡辺謙、伊原剛志、二宮和也、中村獅童、加瀬亮。
1944年、小笠原諸島の南に位置する硫黄島。
アメリカ軍が目前に迫る中、栗林中将(渡辺謙)が着任する。
後方支援や援軍がない中で、日本はどう戦うのか。
36日間、国を家族を守るために戦い抜いた日本兵を描いたお話です。
ずっしり来ました、ずっしりと。
~以下、差し障りない程度にネタバレ。字の色変えませんね^-^~
栗林閣下や西中尉(伊原剛志)など、歴史上実際に戦った人物を据えて、
ドラマチックにではなく、兵士の気持ちに主眼をおいて描かれています。
「手紙」がテーマだから、もっとお涙頂戴モノに仕上がっているかと思ったんだけど、
手紙はちょっとしたスパイス、というか実在したものだから話に含めたけれど、
視点はあくまでも若き一兵士・西郷(二宮くん)から見た戦争に絞られている。
いやークリントすごいわ ̄ー ̄
アメリカ人が日本人の視点でどこまで描けるかというのが最大の問題だったし
最高の話題だと思うんだけど、実に見事でした。
まるで日本の映画みたい!
果たして獅童さんのように、あんなに上官に反抗していいのか?という疑問は残りますが(笑)
当時の軍人の心をよく表せていたと思います。
全く違和感なく見れますよ。
戦闘シーンは圧巻。
もう絶望的な気持ちになれること間違いなし。
リアルさでいけば、夫が言うには「父親たちの星条旗」のほうがリアルだったそうですが、
所々目を背けちゃった^-^;;
特に自決シーンは気持ち的にも見ていなくなかったなー。
悲しすぎるよ。
勝つ可能性も低く、かと言って逃げることもできない戦い。
こんな絶望的な戦いを強いられた兵士の心の中には
大切な人を守りたい、ただそれだけだったんじゃないだろうか。
栗林中将の言葉
「自分たちの子供たちが本土で1日でも長く安泰に暮らせるならば、
私たちがこの島を死守する1日には意味があるんです!」
これだけを心の拠り所に戦ったのかな。
一番印象的だったのは、アメリカの捕虜との交流。
何のために戦った戦争なのか、一番疑問に思った場面だった。
個人同士には何の憎しみも恨みもないし、
祖国に愛する家族を残してきたのは敵兵も味方も同じだものね。
国と国の戦いは何も生み出さないんだということを
さりげなく表現してしまうクリント、やっぱりすごいぞ!
泣かせ所とか、そんな小細工一切なしで
半モノクロ調の映像に戦いの実際のみを表現していく。
だからこそ余計に絶望感や虚無感が感じられて
「戦争なんてしちゃだめだ」という気持ちにどっぷりさせられる映画です。
渡辺謙や伊原剛志はもちろんのこと、
若手の二宮くんや加瀬亮もいい味出してました。
余談ですが、
二宮くんの奥さん役は、エンドロールで「NAE」ってなってたんだけど、
裕木奈江だったのね!!
1場面だけだったけど、すごくいい場面でした^-^