無節操ニンゲンのきまま生活

映画、本、歴史、旅行など
広く浅く多趣味な無節操備忘録ブログ
2015年2月よりイギリス・オックスフォードの近くで生活しています


テーマ:
横山 秀夫
クライマーズ・ハイ

前に図書館でハードカバーを借りてきて泣き。

今年待望の文庫が出たので、買って再読してまた泣き。

先々週、先週とNHKドラマの再放送をやっていたので、見てまた泣き(笑)

そんなすんごい本です。



時は昭和60年。

群馬の北関東新聞社の記者・悠木は、

数年前に叱り付けた直後の部下に死なれてしまったという過去をもつ。

家庭にめぐまれなかった悠木は新しい家族を持ったものの、

子供にどう接するべきか悩んでいた。

そんな中、同僚の安西に難所・衝立山に登ろうと誘われる。

しかし、約束の晩、昭和60年8月12日の夜に日航機がレーダーから消えるというニュースが入り、

悠木は日航全権デスクに抜擢される。

一方約束していたはずの安西はその晩、山とは逆の繁華街で倒れてしまう。

・・・というようなお話。



話は、あの世界最大の航空機事故・日航機墜落事故の取材で東奔西走する

新聞社が中心となる。

現場の惨状、呆然とする遺族、ネタを引き出そうと躍起になる記者たち。

ここに悠木の過去、家族、死んだ部下のいとことのかかわりや

山仲間の安西と繁華街のナゾが絡みあってくる。



横山さんは実際に、事故当時は群馬の上毛新聞社の記者をしていたそうで

飛行機事故や現場の場面はものすごく重みがずっしり伝わってくる。

520名もの人が一瞬にして死んだという事実、

もちろん一人一人にはその死を悲しむ遺族があって、

バラバラになった遺体を必死に集める警察や自衛隊の姿があって、

読むたびに胸がきつくきつく締め付けられる。


そういえば、当時は4人が生存してたということで奇跡を感じたり

機中で書いたと思われる遺書が見つかっていたたまれない気持ちになったり、

子供ながらに事故の大きさを感じていたけど

その当時がフラッシュバックしてくるくらい緻密に書かれている。


そして当然この事故を取材した記者にも思うところは色々ある。

当たり前のことなんだけど、読む方としてはつい忘れがちになることですね。

記者の思い、また新聞社として読ませる新聞をつくるのか、売れる新聞をつくるのか、という

ジレンマなども伝わってきます。



また、悠木の息子に対する思いや安西とのかかわりにも注目。

男親ってこんな感じなのかな。

家族を養うために働き、でも働いているうちに家族とは疎遠になっていく。

そのうちに何のために働いてるのか、家族は自分にとって何なのか疑問に思うものかもしれない。




というふうに、悠木をとりまく色んな要素が絡み合ってるんだけど、

最後はすべて1つに終結して、どでかい感動を生むんだよね。

しかも横山さんの書く作品は、どれも男の人がやたらかっこよく見える。

「男は黙して語らず」というちょっと昔タイプの男が

感情を殺したり感情を爆発させたりする瞬間に、静かなドラマができあがるっていうか・・・。

男同士の絆は、心の奥深くのところでつながっているように思える。

だから言葉はいらないのかもしれない。


最後はちょっとできすぎの感がある終わり方ですが、

いいのいいの。最後ぐらい絆を信じて終わりたいもの。



横山さん、恐るべし。

この「クライマーズハイ」と「半落ち」だけで、もう無条件に敬服します。

激しくオススメしたい作品です。



下りるために登るんさ--。

だが、下りずに過ごす人生だって捨てたものではないと思う。

転んでも、傷ついても、たとえ敗北を喫しようとも、

また立ち上がり走り続ける。

人の幸せとは、案外そんな道々出会うものではないだろうか。

クライマーズ・ハイ。

一心に上を見上げ、脇目も振らずにただひたすら登り続ける。




AD
いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)

izuraさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。