いずみホールのブログ

スタッフのリレー執筆で、ホールでの出来事や、主催公演の詳細&裏話などをお届けします。


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大阪では先日梅雨入りが発表されました。・・・うらはらにいいお天気が続いていますが、湿気&日差しも日に日に強くなり、雨の季節の到来を感じる今日この頃です。

さて、本日は来週に迫ったアルディッティ弦楽四重奏団の公演で初演される西村朗氏の新作について概要をお知らせします。「バルトークの《6番》に、渾身入魂で挑む」と作曲前に語っていた新作、いったいどんな曲ができがったのでしょうか??気になるところです・・・。西村氏自身による解説が届きましたので、一足はやくお目にかけます。

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 弦楽四重奏曲第6番〈朱雀〉                西村朗作曲

String Quartet No.6“Suzaku—The Vermilion Bird”       Akira Nishimura

 

 『作品解説/西村朗』

 この作品は、尊敬と感謝を込めてArditti Quartet に献じられている。

 前作「第5番〈シェーシャ〉」の作曲から4年を経た2017年の1月から4月にかけて東京において作曲。

 この四重奏曲は、東洋的な「夏」の観念を主題としており、古代中国における夏の象徴としての神鳥「朱雀(すざく)」からインスピレーションを得て作曲されている。

 中国の伝説上の「朱雀」は、四神(the Four Symbols)のひとつであり、南方を守護する神獣である。この作曲では、「朱雀」と関連する様々なイメージのうち、〝鬼(Ghost)〟〝星(Stars)〟〝火(Fire)〟〝翼(Wings)〟という四つのイメージが、曲想や構成に強い影響を与えている。

 また、この曲には〈朱雀の飛翔の音列主題〉が存在し、その原形や変形、断片群が曲の流れの中で見え隠れする。

 その音列の原形は、D-B-E-H-F-Ges-C-A-As-G-Cis-Dis である。

 曲は次の二つの楽章から成る。

 

《I》鬼(Ghost)と星(Stars)

《II》火(Fire)と翼(Wings)

 

 これら二つの楽章は対立的ないし個別的な性格ではなく、「朱雀」の複合重層的で動的なイメージ像一体の言わばふたつの鏡像である。

 ふたつの鏡像を映ずるふたつの鏡面はそれぞれに歪んでおり、 そのためにふたつの鏡像の共通性も歪んでいる。そのような複楽章構成となった。

 「朱雀」のイメージを通して「夏」を主題としたのは、夏に象徴される生命の盛りの輝きと夜の深い闇の神秘性、超自然的なエネルギーの見えざる高潮などヘの賛美の念がつのったためである。

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・・・東洋的宇宙観にも通じる西村ワールドの片鱗を感じていただけましたでしょうか??

ぜひ、多くの皆様に初演にお立会いいただければと思います。チケットは好評発売中。公演情報は以下のとおりです。詳しくはリンクをクリックしてください。

 

 

弦楽四重奏のフロンティア -1 アルディッティ弦楽四重奏団6月18日(日)15:00~ /いずみホール

 

アルディッティ弦楽四重奏団

 

バルトーク:弦楽四重奏曲 第6番
クルターグ:オフィチウム・ブレーヴェ(小聖務日課)op. 28
リゲティ:弦楽四重奏曲 第2番
西村 朗:弦楽四重奏曲 第6番(2017)【世界初演】

 

一般¥5,000 学生¥2,500
弦楽四重奏のフロンティアセット券 ¥9,000(6/18+6/29) 

 

 

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