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2012-02-17 11:53:09

・響かせて見せてくれ

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 観客はなぜ芝居を見に行くのか。役者が自分のなかからもっとも良いところを見せ、役になりきって、演じてくれるからだろ。役者自身が自分の良いところを出したとき、そこが響いて届くだろ。響かせないで、惰性でセリフを言う舞台なんて行きたくなくなる。響かせるとは、役者と観客との間にあるもの。そこで生まれてくるものなんだな。これが大切なことなんだよ。響かせて見せてくれよ。(語り塾での講義から)

 演劇のワークショップなら、もっときつく言われるらしい。わたしには「響かせる」という説明をきいただけで、共感、感動、血流の急な流れとは一味違うものが体内で湧きおこっていた。それを表現するのはむつかしい。これまで注意してこなかった視点だと気がついている。声や思いが相手にとどいているかは気にしていたが。わたしの思いが響いているかどうか、考えたことはなかった。

レッスンはここから始まる。来週も先生の言葉に集中しよう。多少のシゴキは覚悟しよう。先生の言葉の奥にはまだ深いメッセージが潜んでいるから。

2012-02-16 11:02:49

・煙の歌を知っていますか

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暖炉や薪ストーブを使うと煙がでる。その煙が不快なので「法規制を」という新聞投稿があったという。煙が嫌だという都会人は案外いる。かれらは、子ども時代にキャンプに行ったことがないのかもしれない。一日でも二日でも野外体験をしていれば、食事の用意をしてくれるおじさんおばさんが火をおこしているから、樹木や枯れ草のにおいを知っているにちがいない。煙が風にそっておよぐようすもながめているのではなかろうか。

わたしにとって煙は郷愁を呼びおこすものである。10代のころ浜田市の国立病院にいて、夕方になると土手に座り、川向こうの畑の中に建つ家から煙が立ち上るのを眺めていた。家へ帰りたい、いつになったら退院できるのだろうと、煙の先端をじっと見ていた。煙が出ている家では、家族がなにやかやと一日のできごとを親に聞いてもらっているだろう。夕食を食べているかもしれない。ごくあたりまえの光景が、わたしにとっては強い憧れだった。煙が立ち上るところでは、人が住んでいる。病院にいれば、住んでいるとも暮らしているとも言わない。

煙はにおう。目にしむこともある。煙のにおいは許可なく入ってくるが、人間だってそれぞれニオイをもっている。ニオイはもともと地上にあり、存在を知らせてくれるものではなかろうか。

プラターズが歌う『煙が目にしむ』が大好きだという友人もいるけれど。





2012-02-14 16:12:30

・原稿を読む日

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 自由な世の中で、すぐ訴えなければならないほどのことはない。だが探してみたい。自分はどんな価値観をもっているのか。それを自らに問いかけて書かれた文章の束を読む。紙の感触からつたわってくるものがある。それは何か。伝えるのはむつかしい。パソコン画面で読むと、どの作品もみな良く見えるが、平面のきれいさということもできる。奥行きは見えない。ところが紙に印字されたものからは、いろいろ見えてくるものがある。紙を手にもって、こういうことを表現したいのか、と考えてみる。急がなくてもよいのだ。

使われている用紙も同一ではない。なぜか会社のネーム入りの用箋に印字してきた人もいる。どこのキッチンにも置いてある品物を製造している会社だ。こちらは別の仕事をしているような錯覚にとらわれる。親しみもわく。そうは言っても、と付け加えたくなる。会社のものを使うのは、おじいさんが会社員の時代の流行りだったけどね。公私は分けなさい。会社の名入りのTシャツを着ているようにしか見えないけど。論文提出もマラソン出場も同じノリなのかな。




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