歴史には常にターニングポイントがある。そのターニングポイントでどう判断するかが、後の行方を左右する。

 

太平洋戦争より遥か以前、アメリカの鉄道王ハリマンが日本政府に持ち掛けた、南満州鉄道の買収。結果に日本側がハリマンに南満州鉄道を譲らなかったが、買収が成立していたらその後の日米開戦はなかったのではないかと指摘する歴史家もいる。

 

ただ、歴史にifはない。

 

昨日、韓国政府が日本との軍事情報協定(軍事情報包括保護協定『GSOMIA』)を一方的に破棄した。伏線としては、韓国の元徴用工訴訟問題があり、その後に日本政府が輸出優遇対象国から韓国を除外した問題もあると思う。

 

この決定が日韓の関係、東アジアの安定、そして朝鮮半島問題を含めた米中露という大国のバランスにおいて、果たして正しい結果をもたらすのか。

 

この決定は韓国が日米ではなく、中露に歩み寄る初めのステップになる可能性はある。また、安全保障の観点から言えば、そのようになれば我が国の防衛ラインはかなり下がる事になり、竹島問題も含めて将来的にもいまのような状況を改善しなければならない時がやってくる。

 

今回の出来事は間違いなく、日韓、東アジア、米中露の将来にとって一つのターニングポイントになるのだろう。

 

30年~50年という中期スパンで見た時に、今とは大きく違う状況が現れているのかもしれない。

 

もう10年前になるが、自衛隊の幹部と話していると韓国政府が開発しているミサイルを大変警戒されていた。「彼らは同胞である北朝鮮に向ける事はない。では、なんのために、どこに向けて配備しようとしてるのか?」

 

将来に禍根を残さないように、政府の外交努力にも期待したい。

 

それにしても、トランプ大統領の東アジアに対する関心が対北朝鮮というビジネスチャンス以外に向いていないのが残念でならない。アメリカの力の衰えも感じる。