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2009-12-26 21:19:38 テーマ:言の葉・引用

『岳人』 2006年 10月号 知られざるいい道をさがせ座談会

樋口一郎  私は沢登りも山スキーもやらないので、ハイキングの延長というか自分のできる範囲で自然あふれる原始境といえる場所に至る事ができる、そんな穴場探しに最大の魅力を感じます。


-  樋口さんはヤブを好んでいるわけではないのですね。


樋口  ヤブは手段であって目的ではありません。ヤブは薄ければ薄いほどいい。しかし、ヤブが薄いと人が踏まれて無いことはあまり無いので、結果的に濃いところに行ってしまいがちですね。そういうところは、そこに至るルート上もすばらしいいろいろなポイントがある。まったく事前の情報がないなかで自分が発見する喜びですかね。

 私は『沢登り』の対極の概念で『尾根下り』を提唱しております。尾根下りは次々に枝分かれする、いわば巨大な迷路であり、一本間違っただけでももう大失敗。完璧な地図読みと現場判断が求められる、ささやかなサバイバルゲームといえます。そしてその場で求められるものは「自然を読む力」に尽きますし、山の自然を最も堪能できる点においては、対極とは言いながら『沢登り』と『尾根下り』は案外似たような概念を持っているのではないでしょうか。残念ながら愛好者の数は雲泥の違いですが。 (p.37-38)



2009-10-23 00:20:17 テーマ:言の葉・引用

『日本の山と高山植物』 小泉武栄

はじめに


第一章 世界の中の日本の山

      

      1 日本の山が美しいとはどういうことか


      2 日本アルプスはなぜアルプスの仲間入りができたのか


      3 世界一の強風と多雪


      4 雪渓が珍しいわけ


第二章 高山植物の分布と生活


     1 日本の山に高山植物がある不思議


     2 美しく多彩な高山帯の景観とその成因


     3 高山植物の生活環境


第三章 日本の高山植物の起源


      1 日本に分布する高山植物の起源


      2 氷河時代に南下した


      3 高山植物はなぜ大切なのか


      4 お花畑は高山植物の避難場所


第四章 ヨーロッパアルプスにはなぜハイマツ帯がないのか


      1 ハイマツ帯がないヨーロッパアルプス


      2 日本の高山と欧米の高山、どちらが正統派か


      3 タトラ山脈のムゴマツ帯


      4 ヨーロッパアルプスはスタンダードになれない


第五章 高山の地質・地形と植物群落

     

      1 高山では地質が違えば地形が違う


      2 山の形と名前


      3 地質と高山植物の分布にはどのような関係があるか


      4 地質が違うとなぜ植物の分布が違ってくるのか


第六章 岩塊斜面はいつできたのか


      1 岩塊斜面の形成期を推定する


      2 日本の山の森林限界が低いわけ


      3 ハイマツはなせ岩塊斜面に生育できるのか


      4 岩石の節理密度が決めるお花畑の分布-中央アルプス


第七章 地質の成り立ちとプレートテクトニクス


      1 日本アルプス、北と南を比較する


      2 日本の山の地質はなぜこんなに複雑なのか


      3 新しい地層-新第三紀層と第四層


第八章 山の成り立ちと山地の地形


      1 山脈はどうしてできるのか


      2 日本の山脈の生い立ち


      3 日本の山脈はいつ隆起したか


      4 山は侵食によってどのように変化するか


第九章 氷河時代とその影響


      1 氷河時代がやってきた


      2 氷河地形はどのようにしてできたか


第10章 火山と火山活動が作り出す作り出す植物群落


      1 日本の火山


      2 世界の火山


      3 火山の植生をみる


第11章 得意な植生分布


      1 縞枯れはなぜ起こるのか


      2 土石流と洪水がつくる植物群落


      3 多雪山地の高層湿原


      4 偽高山帯の成立


おわりに



地学と植物学の橋渡し。

初学者の私にはとても面白く読めた。

総合的な山の学問を志向されてるようだ。

他の新書も読んでみよう。




2007-12-15 04:00:00 テーマ:言の葉・引用

『民俗誌・女の一生 母性の力』 野本寛一 目次 

序章 海女舟と田植の情景―民俗世界とジェンダー論

    海女の息綱 情景の底にあるもの 早乙女と田植囃し 嫁の受胎力 女たちのことづて


Ⅰ章 女になる道

    

    1 ママゴトと盆竈 

      マネビとゴッコ 儀礼としてのママゴト

    

    2 十三歳―成女への階

      十三参りの知恵 契約姉妹 オバフンドシ

   

    3 月経と月小屋

      初潮と呪力 女の褌 月小屋の安息

   

    4 お針

      衣を担う

    

    5 腰巻の話

      シンボルとしての腰巻


Ⅱ章 嫁ぐ

  

    1 婚礼前夜と門出の日

      顔を剃る 嫁と死者の門出


    2 長持唄のドラマ

      リョウゲン節


    3 床入りと第三の女

      「送り婆様」との出会い オバの力


Ⅲ章 嫁の日々


    1 産む―臼と出産

      『後狩詞記』の村へ 臼の合理性 男のツワリ 魔除けの弓射


    2 産小屋

      産屋入りの体験 産土と祭りの砂 始原の産屋

 

    3 出産前後

      妊婦・産婦の食べ物 授乳に関する伝承


    4 間引きと産女

      子はらい 産女


    5 嫁と姑

      女同士の葛藤 伝承と授受

   

    6 里帰り

      弾む足どり


Ⅳ章  女の仕事と休日


    1  『一人前』と嫁田の話

      ノルマか保護か 嫁田の話


    2 食―多彩な食法

      晴れとケの餅 赤飯とシラムシ 母性の発露


    3 衣―自己完結と達成感

      女の手仕事 誇り高い仕事


    4 主婦権の譲渡

      米・味噌・漬物 ドブロクの甕破り


    5 女人講と浜おり

      月待ちと女人講 会食と宴 浜おり 海水による禊ぎ


Ⅴ章 嫗(おうな)への坂


    1 血の道を越えて

      猿の頭と人骨 男達の助力


    2 久高島フバワクの現代的意義

      クバの霊力


    3 姥の象徴性―究極の母性

      婆の群像 おんば様 山姥の母性 栄光の乳房


Ⅵ章 女の力と民俗信仰


    1 稲作系芸能と女性

      田遊びと孕み女 稲作予祝の子産み


    2 山の母源性と女性

      山の神と出産 資源管理と山の神


終章 開かれる産屋―ラマーズ法の周辺

    「な見たまひそ」の伝統 母性の復権


参考文献

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