2月13日(月)晴れ 少年よ!『YUKICHI―福沢諭吉の青春時代』
テーマ:アニマシオンの本2月13日(月)晴れ 少年よ、大志を抱け=『YUKICHI―福沢諭吉の青春物語』
日中は暖かだったけれど、夜には雨が降るという予報だ。白金キャンパスも受験の学生であふれていた一週間が過ぎて、静かさの中にある。
さて、福沢諭吉の伝記となれば、もうすっかり知っているような気分になるものだ。私もその「傲慢」なる一人で、入手してしばらく脇に置いておいた。昨夜、ふと読みたくなって開いたらおもしろくて引き込まれて、一気に読んだ。
福沢諭吉が学問を志して、大阪、緒方洪庵の適塾で学び始め、そこで蘭学に打ち込んでいく仲間たちとの青春群像。そして、自分は何に生きるものであるかに悩み、見出して江戸に向かうまでの物語である。そういうと、下級武士であった諭吉がその身分制度ゆえに苦しんで学問を志したのだと言いたくなる人が多いだろう。
そういう「既成の物語」をこえていかなければならないところに後から行く作者の苦しみがあるだろうし、また読者を新しい切込みでひきつけうる誇りと喜びもあるだろうと思った。
特に、支援者であった兄が亡くなって中津に戻って福沢家を継がなければならなくなった時に、なお学問への思いあふれて、母に願い出る(そしてそれを受け入れる母!)下り、また貧しい少年が学問への意欲に燃えて適塾の門を叩く姿に、学問というものが人にとってどのような希望を開くものであるのか、確信を深めていくくだりなどには、感動深くした。
少年よ、大志を抱け!という言葉は手垢に汚れてしまった感があるけれど、しかし私は困難の今日こそ掲げたいと思う。「YUKICHI」というタイトルには蘭学という日本を世界につなげ、挑戦していこうとした若者の情熱を表しているのだろう。中川学氏の絵も小気味よく、まさに「青春物語」にふさわしい。高学年からのおすすめだ。くもん出版2011.12、140円



















