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2012-02-14 16:57:18

2月14日(火)雨『海のしろうま』

テーマ:アニマシオンの本

214日(火)雨 『海のしろうま』

 猟師であったお父さんば海で死んでから、母ちゃんは病気になり、ぼくはだいすけじんちゃんと暮らしている。じいちゃんが海へ出ると、ぼくは庭の大きなイチジクの木にのぼってじいちゃんを待つ。じいちゃんは、「嵐の日には沖を白い馬が何千頭も走る」という。それは魔物で舟を引き寄せる。じいちゃんは二階建ての見張り台と作ってくれる。夏の夜、その上でじいちゃんと寝た。じいちゃんは海の話をしてくれる。ぼくは白馬の幻影を見る。熱が出て寝込んでいる間に、じいちゃんは漁に出て嵐に遭いかえらない。別にうなされるぼくの前にしろうまが現れる。ぼくはしろうまにのって沖に向かって声を限りに叫んだ。「じいちゃーん、もどってこーい!」「だいすきじいちゃん、もどってこーい!」。すると、遠くからじいちゃんの声が聞こえてくる。「はるぼう、はるぼう!」

 そして、きいちゃんは目の前にいた。「風がじいちゃんの船を岸に吹き寄せてくれた」「はるぼうの思いが届いたのかもしれんねえ」とおばちゃんも言う。

 ダイナミックで、ぐいぐいと運ぶ。海に生きる人々の日々が生き生きと描かれる。そして、少年と猟師・じいちゃんがとてもいい。長新太さんの絵がそれをさらに骨太に、少年の目線に立って描いている。津波の時であるけれども、だから、この本をもう一度読んでみたい。作者・山下明生さんは瀬戸内海生まれなのだと言う。私にも故郷清水の潮の香りがわきあがってくる。理論社20031300
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.14海のしろうま」

2012-02-13 19:52:40

2月13日(月)晴れ 少年よ!『YUKICHI―福沢諭吉の青春時代』

テーマ:アニマシオンの本

 213日(月)晴れ 少年よ、大志を抱け=『YUKICHI―福沢諭吉の青春物語』

 日中は暖かだったけれど、夜には雨が降るという予報だ。白金キャンパスも受験の学生であふれていた一週間が過ぎて、静かさの中にある。

さて、福沢諭吉の伝記となれば、もうすっかり知っているような気分になるものだ。私もその「傲慢」なる一人で、入手してしばらく脇に置いておいた。昨夜、ふと読みたくなって開いたらおもしろくて引き込まれて、一気に読んだ。

 福沢諭吉が学問を志して、大阪、緒方洪庵の適塾で学び始め、そこで蘭学に打ち込んでいく仲間たちとの青春群像。そして、自分は何に生きるものであるかに悩み、見出して江戸に向かうまでの物語である。そういうと、下級武士であった諭吉がその身分制度ゆえに苦しんで学問を志したのだと言いたくなる人が多いだろう。

 そういう「既成の物語」をこえていかなければならないところに後から行く作者の苦しみがあるだろうし、また読者を新しい切込みでひきつけうる誇りと喜びもあるだろうと思った。

 特に、支援者であった兄が亡くなって中津に戻って福沢家を継がなければならなくなった時に、なお学問への思いあふれて、母に願い出る(そしてそれを受け入れる母!)下り、また貧しい少年が学問への意欲に燃えて適塾の門を叩く姿に、学問というものが人にとってどのような希望を開くものであるのか、確信を深めていくくだりなどには、感動深くした。

 少年よ、大志を抱け!という言葉は手垢に汚れてしまった感があるけれど、しかし私は困難の今日こそ掲げたいと思う。「YUKICHI」というタイトルには蘭学という日本を世界につなげ、挑戦していこうとした若者の情熱を表しているのだろう。中川学氏の絵も小気味よく、まさに「青春物語」にふさわしい。高学年からのおすすめだ。くもん出版2011.12140
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.13[YUKICHI』

2012-02-13 11:34:36

教師入門講座「はじめのいっぽ!」案内

テーマ:アニマシオン催し

 教師入門講座「はじめのいっぽ1」

主催:学びをつくる会

つよく・あかるく・やさしく・かるく・・・

はじぇものいっぽを元気にふみだすために

定員:40名(先着順)

日時:226日(日)13001600

スケジュール:

1300~受付開始

13301415 学習

「多様な子どもの世界から見えてくるもの

~教室いっぱいに広がる“対話”を受けめながら~」

  ・・・ 渡辺 克哉先生(小・東京)


特別新教育のベテランとして、一人ひとりの個別の教育・発達  課題をていねいにとらえ、共同の学習の「場」を生みだしていく実践は、すべての先生方に学んでほしい原点です。

14301545 交流

 参加している学生、信任・ベテラン・・の交流の場です。クラスでも活かせるアイディアを使って、まずは参加されているみなさん、なかよくなりましょう!

15001545 交流ワークショップ

―子どもとの出会い、どうする?

会場:法政大学富士見坂校舎3階 教職実習室

(外堀校舎4階と連結)JR飯田橋、市ヶ谷より徒歩

連絡先:大日方真史masahumi8@gmail.com

2012-02-12 09:42:45

2月12日(日)晴れ『ウミガメと少年』

テーマ:アニマシオンの本

 212日(日)晴れ 『ウミガメと少年』

 晴れてはいるが、冷たい空気だ。インフルエンザがすごいスピードで広がっている。

 野坂昭如氏の戦争童話はじっくりとした語りで深い感動を残す。この本の舞台は、沖縄本島南部浦添の浜。昭和20年、最後の戦場となった沖縄。水平線を埋め尽くして米軍が襲う。その中を、ウミガメは産卵にやってくる。その一部始終を一人、ガマの中から見つめていた少年哲夫。卵を助けようとするが、割れたその中身を食べて命を少しつなぐ。しかし、もはや生きる力は戻らなかった。哲夫も海へ沈んでいく。

 著者独特の語りで、子どもにはややわかりにくい飛躍があるが、それでも丁寧に丁寧に語られていく。そくそくと悲しみと戦争への怒りがわいてくる。男鹿和雄氏の絵が素晴らしいのである。始めと終わりの「平和な」明るい日差しの中の風景と少年のシーンがいっそう深く「そこにつながる時間に何があったのか」を問いかける。できればこれを紙芝居にしたいものだ、あるいはスライドと語りの形でもできよう。しっかりとした時間のある時に。かつては、「平和を考える日」のような時間をどこの学校でも設定していたものだ。

 吉永小百合さんがライフワークとして語り続けるシリーズ第三作の原作ということだ。(スタジオジブリ・徳間書店、20081700

*そうそう、昨日朝、『イエスの言葉』を記入したが、午後にNHKでこの人を取り上げていた。すてきな番組だった。
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.12

2012-02-11 10:00:40

2月9日(土)晴れ 故郷の言葉で語れ=『イエスの言葉―ケセン語訳』

テーマ:アニマシオンの本

 211日(土)晴れ ふるさとの言葉で語れ=『イエスの言葉―ケセン語訳』

 晴れ。少し落ち着いた気分の暖かな日ざしだ。なんだか心身のこわばったような疲れの一週間だった。

 被災地からのレポートもたくさん出てくるようになった。私が参加してきた日本作文の会の機関誌『作文と教育』、教育科学研究会の『教育』にも現地教師のレポートが載るようになった。苦しみに満ちて振り絞るような声だ。「がんばれ」とか「がんばろう」とかいう声はとてもかけられない。もう十分に頑張っているのだから。だからといって、「がんばらないで」という表現も好きにはなれない。なんだか「外側」の目線だ。

 この本は201112月発行で、この受難の中で、被災者であり、被災地の医師として奮闘しつつ、書かれた本である。一行一行に病院をまげる荒廃とした光景がしみ込んでいる。「神」はこのような苦しみの時、どういう言葉を私たちにかけているのか・・という、もっとも切実な回答を求めて、故郷の言葉で考えようとしたものである。単純に日本語訳された『聖書』を土地の言葉に置き換えたのではない。原点のギリシャ語に戻り、日本語訳の『聖書』の不十分さを指摘しつつ、いま、苦しんでいる故郷の人々が納得のいく語りとは何かを追及した労作である。内面に深く問いかけられる。列をなす人々の診療にあたり、破壊された故郷も見つめながら、時間を見つけて原書を開き、気仙地方の「フツウ」の人々の言葉で(漢語は使わない)考えていった。その時々に書かれるs「外の様子」に涙を流した。実を削って書かれている。どのような「現地レポート」にも勝る「ふるさとからの手紙」である。どのような人にも読んでいただきたい。山浦玄嗣著、文藝新書、780
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.9『イエスの言葉」

2012-02-09 19:45:57

2月9日(木)晴れ ⑩いのち=『青葉の笛』

テーマ:アニマシオンの本

29日(木)晴れ ⑩いのち=『青葉の笛』

 三省堂国語6年「あまんさんのへや」は、「いのち」です。そこでは宮沢賢治の『風の又三郎』を取り上げています。不思議な少年の世界、そして男の子たちの世界。東北の、いや田舎育ちの私たちにはとても身近な世界であり、故郷の輝く日々の情景です。いま、東北の子どもたちはその喪失に孤立感を深めているでしょうし、これから何年もたってあらためてそれを思うでしょう。

 わたしは、このシリーズの最後として、『青葉の笛』(ポプラ社20071200円)を強くお勧めしたい。これは高学年、中学生に読んでいただきたいし、先に述べたようにいま、いのちを考える時にまたたちかえる原点です。『平家物語』でも名場面と評価の高い「敦盛の最期」の再話です。いつもは「・・・です」と語るあまんさんが、「であった」「と強い響きの言葉を畳み掛けるようにリズムよく語っています。そしえt、時代物の挿し絵では評判の高い村上豊氏がりりしい少年武士を描いていて、ほれぼれします。戦の空しさ、命の尊さ、そして人の世の無常・・を物語っています。そして、6年生からであれば、『平家物語』のその章をも朗読してあげていただきたい。

 「私は再話ということはしていない」とあまんさんは話していました。その保持馬手の試みであったのですね。さて、明日からまた好きな絵本などの紹介に戻ります。
岩辺泰吏の午後の歩き方

岩辺泰吏の午後の歩き方-2.9

2012-02-08 20:25:23

2月8日(水)曇り⑨「友だち=『きつねのかみさま』」

テーマ:アニマシオンの本

 28日(水)雨のち曇り⑨「友だち=『きつねのかみさま』

  

三省堂国語5年「あまんさんのへや」のタイトルは「友だち」。

「わたしのつくえの横に、好きな本ばかりならべている古い大きな本だながあります。・・

さまざまな親友が横にいるような気がします。わたしは折にふれて、この親友の世界に出かけています」

と、あまんさんあh「好きな本があることのすばらしさ」を語っています。さあ、あまんさんの本にはすてきな友達がいっぱいですから、どの本をこのタイトルで取りあげてもいいわけです。そして、年齢とともに、主人公の子どもたちより脇役の人物に共感が深くなっていくのも楽しいことです。

ここでは、『きつねのかみさま』にしまいsた。りえちゃんと弟が縄跳びをきっかけにきつねたちと友達になっていくのですから。さっと「違う世界の友だち」ができるのはまさに子どもの特権だと思います。そのことのすばらしさが描かれているファンタジーです。酒井駒子さんのたっぷりとした絵がいいんですね。輝いています。ポプラ社、20031100
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.8tomodati

岩辺泰吏の午後の歩き方

2012-02-07 14:57:37

2月7日(火)雨 ⑨「こころ=『きつねのおきゃくさま』」

テーマ:アニマシオンの本

27日(火)雨 ⑨「こころ=『きつねのおきゃくさま』」

 三省堂国語4年生「あまんさんのへや」のタイトルは「こころ」である。金子みすゞ『わたしと小鳥とすずと』をあげて、「見えないもの、小さなもの、かげになっているもと、ときにはみにくいもの、いらないと思われているものにまで、そのまなざしがあたたかく注がれている」と説いて、「本を読むことで、わたしたちは作者の「心の旅」にふれる喜びをもらえます」と呼びかけている。教師がまず、この呼びかけにこたえたいものだ。

 さて、あまんさんの“心の旅”を訪ねて私たちは読み進めてきたわけだけど、ここで、私は何を取り上げようかととても迷った。そこで、学生にも読み聞かせで人気の高かった『きつねのおきゃくさま』を選ぶことにした。きつねの「心意気」がいいのだ!! はらぺこきつねと、やせたひよこの出会いから始まる。ふとらせておいしくいただこうと我が家に連れていって、もてなした。太ってきたヒヨコが、散歩に出るとやせたあひるに会う。「親切なきつね」だからここにおいでと誘うひよこ。ひよこをうさぎがやせたうさぎに会う。「かみさまみたいに親切なきつね」だと兎を誘う。三匹をもてなすきつねの家におおかみがやってくる。きつねは身を賭しておおかみとたたかい三匹を守って死んでいく。「世界一やさしい、親切な、かみさまみたいな、そのうえゆうかんなきつね」として。孤独なきつねの「心の旅」に思いを馳せてみたいものだ。

 ふたまえいごろうさんの民話タッチな絵がまたすばらしいのだ。「むかしむかし、あったとさ」に始まり、「とっぴんぱらりのぷう」で終わる。昔話の語り口である。三省堂は2年生にこれを配置している。ペープサートにしたりして、役割を交代しながら演じあうと楽しいだろうな。
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.7あまんさん・こころ

岩辺泰吏の午後の歩き方-2.7きつねのおきゃくさま

2012-02-06 13:25:04

2月6日(月)雨 ⑧「学校」

テーマ:アニマシオンの本

26日(月)曇りのち雨 ⑧「学校」

しょぼしょぼと雨が降っている。会議の隙間にこれを書いている。8階の窓からは、古いチャペルと発破を落としたイチョウ並木に挟まれた学内の道が雨にぬれて少し輝いている。その向こうに低い家並みがあって、さらに向こうは高いビルの壁がそそり立っている。そして、空は重く灰色だ。このロケーションが四季につれて変化していくのがとても楽しい。毎日、一句ひねりたいと思うけれど、そうもいかないのが器量のなさだ。

さて、三省堂国語3年生の「あまんさんのへや」のタイトルは「学校」である。

「みなさんは、学校がすきですか。わたしは、今でも、自分が小学生のころのゆめを見ることがあります。」とあまんさんは呼びかけている。「わたしは体があまり強くなくて、運動が苦手だったので、運動がとくいな、強い人にあこがれていました。」と。そして、「学校では、いろいろな人に出会えます」と書いている。

 ところで、あまんさんの作品で、学校を舞台に描いているものはどうも見当たらない。『雲のピアノ』の中で、わずかに「森のピアノ」に「西の森きつね小学校」の山野コンタロウ」と名乗る校長さんが出てくる。とても律儀な先生で、学校に一つしかないグランドピアノを調律してほしいと現れる。届いたのはみかん箱ぐらいの箱に入ったかわいいピアノだが、出して直して、弾いてみるうちに、大きくなって・・・。

 そして、持って帰るときは、校長先生がメヌエットを三回弾くと、見る間に小さくなって、例の箱に入れて持って帰る。お礼は小さな竹籠に入った丸い小餅だった。学芸会で弾く時は招待してくれるというわけで、ヒロシもチカも喜んで小餅を食べながら、ぺったんぺったんと餅をついてくれたきつねの子どもたちを想像するというお話。かわいくてとってもすてきなファンタジーだ。

あまんさんの描く、幼稚園も保育園もかわいくて愛情に満ち、子どもたちの歓声にあふれている。小学校もあまんさんの中ではその延長にあるのだろう。そうでありたい・・・。
岩辺泰吏の午後の歩き方-2.6

岩辺泰吏の午後の歩き方-2.6
2012-02-05 11:01:10

2月5日(日)晴れあまんさんのへや⑦「花をかう日」

テーマ:アニマシオンの本

 25日(晴れ)やや暖か あまんさんの部屋⑦「花をかう日」

 

 昨日、例会で好評だった『カモノハシくんは どこ?』をアマゾンで調べてみたら、なんと9800円以上の値がついていた。びっくり。やめてしまった。おちつくのを待とう。

 三省堂国語教科書2年生の「あまんさんのへや」のテーマは「ことば」になっている。「わたしは一人っ子だったので、お姉さんかお兄さんがいたらいいなあと、いつも思っていました」とある。そして、『ぼくをいじめるとねえちゃんがくるぞ』という絵本が紹介されている。迫力のある表紙だ。すぐ読みたくなる。

 テーマは「おもしろくて、読んでいると、どんどん元気が出てくる。ことばの力ってすごいなあと思います」にある。でも、あまんさんの本で「お姉さん」が登場するとてもすてきな絵本があるので、そちらを紹介したい。作者は自分の願いを作品で実現できるからいいな!

 わたし・まこは三年生。三年前に尾根ちゃんは突然に目の痛みを訴え、そのまま失明した。家の中は言葉も笑い失ってひっそりとしてしまった。閉じこもるお姉ちゃん。そこへ盲導犬のシェピイがくる。その触れ合いからお姉ちゃんに笑いと言葉が戻ってくる。そして、今日はお姉ちゃんの誕生日。私はありったけのお小遣いでにおいのいい花を探してアラセイトウの花束を買う。家に向かうと、向こうからシェピイと歩き始めたお姉ちゃんが見える。その後ろにお母さんが見守っている・・。お姉ちゃんとシェピイは道路を横切ろうとしている。しっかりと渡ったお姉ちゃんとシェピイ。おかあさんの姿はもうなかった。お母さんは階段を踏み外して骨折し、家で寝ているはずなのだ。

 『花をかう日』、絵は味戸ケイコさん。これがいいんですねえ!ぴたりと呼吸のあったすばらしいイラスト。心に深く残る作品だ。中・高学年からぜひおすすめだ。(ポプラ社19991300円)
岩辺泰吏の午後の歩き方-Aマンさん2年

岩辺泰吏の午後の歩き方-2.5花をかう日

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