4月28日(金) 教師の過労常体慢性化を報道&ミッフィー展

 

 今日の東京新聞は夕刊のトップで教師の過労状態が慢性化していることを報じている。他紙はわからないが、そのわきの森友問題も含め、東京新聞が「市民の目線」で報道していると思う。教師の過労はけっして教師だけの問題ではない。疲れた先生がおぢ得ることは、子どもを不幸にする。ヨーロッパの国々はだあら、教師の待遇に特別の配慮をしている。電通の過労ももちろん問題だが、この状態は広く問題になってきたことなのに、なぜか労働基準局も検察も動かない。もっともっと国民の関心を高めたい。

 全然違う方向からもう一つ。銀座の松屋でミッフィーの作者「ディック・ブルーナのデザイン展 シンプルの正体」をやっている。5月8日まで。少し前に「ミッフィー展」があったので、もういいやと思いつつ行ってみたら、全く違う視点からの展示だった。「シンプル イズ ベスト」はディック・ブルーナの格言だが、デザイナーとしての仕事、それを支えた若き日の個性的なスケッチなどは興味深いものだった。おすすめです。

    *

 5月からは新しいテーマでこのブログを構成していきます。お楽しみください。毎月の詩、俳句とその楽しみ方、読み聞かせの本(5月は「はじめよう、アニマシオン」)書く10冊、そして「楽しい時間、アニマシオン!」を一つずつ。それに例会や読書の本、暮らしぶりなどです。お楽しみに。若い人にはお役に立てると思います。それなりの年配の方には、それなりに刺激になると思います。「岩辺泰吏 午後の歩き方」の第二幕というわけです。

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4月27日(木)曇り 男の友情=『猟師の肉は腐らない』

 

 いやあ、おもしろかった!!

 醸造学の権威であり、食文化論ではしばしばマスコミに登場する小泉武夫先生。「辺境を旅し、世界中の珍味、奇食に挑戦する〈食の冒険家〉」であると紹介されている。著書は130冊以上という。その「大先生」が渋谷の居酒屋で逢った猟師と意気投合。その故郷の独り暮らしの小屋を訪ねて数日を一緒に暮らす話である(簡単に言えば)。

 その人は、「福島県東白川郡矢祭町大字小高林字滝の口丙 猪狩義政」。「義兄にゃ」と「先生」呼び合いながら、二人の友情は深まる。人呼んで「八溝のターザン」の義兄にゃは、父親との二人暮らしだった子ども時代から猟師の知恵の全てを受け継いでいる。猪を撃ち、兎を捕り、野菜を育て、どぶろくをつくり…。まさに自給自足の生活。「先生」はそこから多くのことを学びながら、その人柄に敬服し信頼を深めていく。

 二度目の訪問となる第二部の冬の八溝の生活。手負いの大猪に半死半生状態の傷を負って戻って来た猟犬クマに、義兄にゃは手当の全てを施してから、一人でその敵を討ちに出かける。意識が戻ったクマは傷だらけのまま、その後を追う。クマは敵の猪に食らいつく。そこへ義兄にゃが鉄砲を撃って敵を討つ場面は、息もつかせず読み進んだ。そして、猟犬と飼い主との信頼関係と愛情に深く感動した。

 おもしろかった。ちなみに、「先生」は私と同じ1943年生まれなんだ。すごい酒飲み。ダイナミックな生き方だ。もっとこの人の本を読みたくなった。

小泉武夫『猟師の肉は腐らない』(新潮社2014年)

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 4月26日(水)曇り 明学で新入生歓迎「読み聞かせ講座」

 

 明学大の今年度新1年生を勧誘するために、「読み聞かせ入門講座」を行った。しばらくぶりに戸塚キャンパスに出かけた。2,3年生のポップコーンメンバーが先生方の協力を得て、授業の始めなどに時間を持たせてもらって呼びかけた。昼休みの短時間におこなったが、なんと30名近くが参加してくれた。

 6年前に始めた「おはなしポップコーン」は、幸い、継続して活動を続けてきた。とりわけ夏の相馬市での被災地視察とおはなし活動は一泊二日のボランティアとして続けてきた。今年も行おうと計画している。「現地に立つ」ということが、第一だからだ。

 アニマシオン的なゲームをちょっと入れて楽しんでもらったが、さてどれだけ参加してくれるかな?

 本日使ったのは、『ムニャムニャゆきのバス』(長新太)、『おかあさんの目」(あまんきみこ・くろいけん)、『いちねんせい』(谷川俊太郎・和田誠)『まるさんかくぞう』(及川賢治・竹内繭子)でした。

 

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韓国民舞に打ち込む高校生

=映画『でんげい~わたしたちの青春~』

 

全国高校総合文化祭に臨む大阪府代表の建国高校伝統芸術部(でんげい)の生徒たち。在日の4世にあたる若者だ。指導の先生の叱り飛ばす声に泣きながら食らいついてゆく。家族の応援が何よりの力になっている。そこには民族的な自覚と誇りをかけている。韓国から大学教授が指導の応援に駆けつけて合宿指導する。限界に挑む練習だ。「でんげい」に娘が入ると友人に相談したら、「嫁にやると思え(覚悟しろ)」と言われたと父親が語る場面がある。

しかし、考えてみれば、日本の各地代表の高校生もまた、同じような練習に打ち込んでいるのだろう。私は9月21日に花巻で行われる賢治祭で鬼剣舞を踊る高校生を見たことがある。その迫力はすごいものだった。また、花巻農学校で、休日に鬼剣舞を先輩から教えてもらう高校生の真摯な姿には心から感動した。

「日韓の関係は止まっているが、それを打開できるのは文化だ」という趣旨のことを、韓国の教授が語るが、彼らはそういう責任感も持っているだろう。ぜひ、観ていただきたい。新宿南口5分のk’sシネマで28日までのモーニングショー(10:20~12:10)。

 4月24日(月)晴 懐かしい語り=『小さな赤いめんどり』

 

小さな家に、一人暮らしの貧しいおばあさんがいた。「家をそうじしたり、小さなはたけをたがやしたり、小さなしきものをつくって売ったりしました。おばあさんのブリキのコップは、いつも銀のようにひかっていました。しんちゅうのろうそくたては金のようにかがやいていました。おばあさんの家にある金と銀といったら、このふたつと、庭のキンポウゲと、へいぎわのギンセンカだけでした。」

 おばあさんはいつも話し相手がほしいと思っていました。そんなある晩、小さな音でドアをたたいて、小さな赤いめんどりがやってきました。おばあさんはとても大事にめんどうをみていたが、元の飼い主の男が現れて取り戻そうとした。男はろうそく立を代わりに取っていった。めんどりは不思議な力を持っていて、部屋を掃除し、食事をつくり、縫物をし、おばあさんを助けた。おばあさんは豊かに暮らせるようになった。それを見た男がまたやってきてめんどりを奪っていった。めんどりはその夜、元の卵の殻の中の青い石を見つけるとそれを飲み込んだ。すると、声がもどってきた。めんどりが鳴くと、その声であたりのおんどりたちがやってきてめんどりを助け、男とおかみさんをこらしめた。

 めんどりはおばあさんの元へ戻った。本当は鳥の女王だったのだ。そして、言葉を話すことができるのだった。

「ふたりとも、いつまでもいつまでも、おしゃべりをつづけました。」

「さて、おばあさんは、百と一さいまで長生きして、とうとうなくなりました。おばあさんのおはかの石には、赤いめんどりがほられました。おばあさんが死ぬと、あかいめんどりも、いなくなりました。おばあさんをおいかけて、天国へとんでいったのでしょう。」

 ……。

 とてもなつかしい語りの本です。1969年に出版された『小さな赤いめんどり』(大日本図書)を元にして、小池アミイゴさんが新しく挿絵を入れて出版されたということで、私には教師2年目、教室で読み聞かせをすると、子ども達が目を輝かせて聴いてくれた頃のリズムとストーリーの本だ。ストーリーテリングでやってみたいなあ。アリソン・アトリ―作、神宮輝夫訳、小池アミイゴ絵『小さな赤いめんどり』(こぐま社2017年3月、1,200円)保塚図書館で。

4月23日(日)晴 森の音楽会

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 4月23日(日)晴  故郷で森の音楽会

 

 昨日は先輩の山荘で「森の音楽会」を開いた。演奏は「清水フィルハーモニー管弦楽団有志」。有志と言っても全メンバーの3分の1の23名が参加してくれた。第2回となって、前回より10名近く多くのメンバーが参加しての演奏だった。ここは、静岡市の奥、梅ヶ島温泉の一角にある山荘地区。西井先輩はもう20年ほど前に一番奥の2,000坪購入して独りで切り拓いてきた。今では10数軒の山荘が建つ地区となっている。

 主催の「ぶなの会」は、55年前の高校生サークルだ。当時清水市内には5つの高校があった(公立3、私立2)。そのすべての高校から多いときは300人、いつもは50~200名が毎月の例会に参加していた。平和を考え、高校生の生活と未来を考え、討論し、歌い、フォークダンスをした。広島の原水爆禁止世界大会にカンパによる数名の代表も送った。その頃は、大会は統一して開かれていて、高校生分科会もあった。

 10年ほど前から同窓会を開くようになり、昨年からは音楽会も主催するようになったものだ。2年目の今回は、シャンソンとフォークソングも加わった。聴く側も約40名。山荘の庭にもあふれて行われることとなった。(ちょっと寒かった)

 まだ桜は咲いて、水仙は盛り、ツツジもきれい、「山笑う」から「山装う」へ美しい時期に入ってとてもいい時間となった。

 中心メンバーの我々は、前日21日から今日23日まで泊まり込んで果てしないおしゃべりをした。梅ヶ島あたりにはブナは自生しないので、西井さんが長野まで行って、3本のブナを庭に植えてくれてある。もう5メートルくらいの木になっている。みんなが揃う時間をまだまだ楽しんでいきたい。

 

 

 4月20日(木)晴 動物園でアニマシオン=『本、だ~いすき!』

 

 動物たちも本が好き……というお話は、『しー、しずかに! ここは動物たちの図書館です』が、我が家の孫たちのずっと読み継いでいる絵本だ。ここにもう1冊を加える。保塚図書館で子どもコーナーの手に取られている本の一つだ。

ある夏の日、移動図書館担当のモリーはまちがえて動物園の中に車を入れてしまった。もりーはそこでドアーを開いて本を読み始めた。ドクター・スースの物語だ。すると、ミンクトムースが近づき、さらにいろいろな動物が続く。たちまち、全ての動物たちがやってきて、それぞれに好きな本を読みだす。中には、自分で物語を書き始める動物もいる。タスマニアデビルはどんな物語を書いたと思う? ニシキヘビやペンギン、ヤマアラシは? 昆虫館では俳句を書いたそうだ。ナナフシやコガネムシ、ハスデやマダガスカルオオゴキブリになって俳句を作ってみよう。

モリーは動物園に新しい図書館をつくったそうだ。スタッフを雇いましたよ。だれだと思う? ビーバー12ひき、コウノトリ1羽、ヌー一頭だそうですよ。こうして、動物園を訪れた人は、本に夢中になっている動物たちを見ることになった…というお話。絵も表情豊かでユーモラス。とっても楽しい。いろいろなアニマシオンが考えられますね。

たとえば、モリーがまず声に出して読んだのはドクター・スース『ぼうしをかぶったネコ』、カワウソには『ハリー・ポッター』、キノボリカンガルーは『少女探偵ナンシー・ドルー』、大きなヘビはトミー・ウンゲラーの『クリクター』、大きな白アリたちは『オズの魔法使い』、赤ちゃんうさぎたちは『おやすみなさい おつきさま』というわけです。パンダはどんな本を望んだでしょう? もちろん、中国語の本です。

 カバがこれまでの自分の生活を本にまとめて動物園大賞を採りましたが、どんなタイトルだったでしょうね?

 …というふうに。

私はいま、一冊の本、教材をその読書または読解に終わらせるのではなく、それを「窓」にして「その先の世界へ」誘うアニマシオンを開発していきたいと思っています。

文:ジュディ・シエラ、絵:マーク・ブラウン、訳:山本敏子(新日本出版社2013年1,500円)

*明日から23日まで清水東高校時代の仲間たちのお泊り会です。先輩の山荘でコンサートもします。24日に再会しましょう。 

 4月19日(水)晴 『ちいさなうさぎのものがたり』

 

 灰褐色というのだろうか単色で描かれたレナード・ワイスガードの絵がとてもやわらく、かわいく、野うさぎのくりくりした目がじっとこちらを見ていて離せなくなります。子ども達もさらにうさぎが大好きになりそうな絵本です。

 野うさぎの巣穴であかちゃんが3匹生まれた。目が開いて動き出すと、母うさぎは「ようじんしなさい」と繰り返します。野うさぎには森は敵ばかり。気を許してはなりません。大きくなって独り立ちしたリトル・ラビットは畑に入ってわなにかかり、農夫に捕まります。そして子どものペットとして大事にされるが、逃げ出して野に戻り、仲間の中に入る。そうして、自分が子育てをする時がやって来る。

「そんなある日、リトル・ラビットは、牧草地のそばに巣あなをほると、だれにもみつからないようにていねいにかくしました。草をその巣にいれ、草のうえには自分のからだからぬいた やわららかくて あたたかな毛を しきつめました。

 そして、もりつぐみが夕暮れのうたをうたったとき、リトル・ラビットは、母さんになりました。牧草地のはずれにある このきもちのよい巣あなで、うまれたばかりの子どもたちに 乳をのませたのでした。」

 とても丁寧に訳されている。響きのよい、やわらかな文章が、子どもと読むときの子守歌となるでしょう。

 保塚図書館で見つけた本。『ちいさなうさぎのものがたり』アルヴィン・トレッセルト文、レナード・ワイスガード絵、安東紀子訳(ロクリン社2017年3月 、1,500円) 

 

 4月18日(火)雨のち晴れ 『東京新聞・平和の俳句』に入ったよ!

「東京新聞」が3年前から行っている「平和の俳句」はファンが増えている。『琉球新報』も始めている。1面左上の入選を目指すも、なかなか入らない。その入選漏れの中から2か月に一度、「記者の一句」が選ばれて特集される。

 その「文化部・矢島智子」記者の一句に選ばれた。

――春風や壁より窓を求めをり   岩辺泰吏

(記者選評)

 吹く風が心地いい季節になった。窓をいっぱいに開け、自由に吹き抜けていく風は何を運んでくれるだろう。岩辺さんは元小学校教諭。米国とメキシコ国境に築かれようとしている壁だけでなく、人々の心の壁が高くなり、子ども達を育む現場さえ息苦しくなっている現状を案じている。

  *

「小学校の先生らしいやさしい響きの詩ですね」と電話があった。うれしい! 次は1面を目指そう!

 ちなみに、琉球新聞の平和の一句

――軒下を平和と決めたつばめの巣  宜野湾市 多良間典男(76) 

 

読書のアニマシオン4月例会レポート

 

 「読書のアニマシオン研究会(アニマシオンクラブ)」の4月例会は、4月15日(土)13時30分~16時30分、明治学院大学白金キャンパス2号館2202教室で行いました。

 

1.ショート・アニマシオン=「春の絵本で遊ぼう」

 ショート・アニマシオンは「春の絵本で遊ぼう」。アニメーターは渡部康夫さんです。テキストは『はるがきた』(ジーン・ジオン文、マーガレット・ブロイ・グレアム絵、こみやゆう訳、主婦の友社2011年)。

 

まず、絵本を開いて3ページまでを読みます。なかなか春がやってこないと嘆く大人たちに対して、男の子が「できることをやろう」と提案して、町を挙げて春を告げる活動をします。さあ、それは何でしょうか? という問いかけで、グループになって相談します。グループにはクレヨンや色紙、シールなどが用意されて、そこから自由に持ち出して、与えられた〈灰色の町〉を変えていきます。

 多くのグループは、街路樹や町を花模様に色づけていきました(写真)。マイクで春の鳥の声を流すというものもありました。それを発表しました。最後に、絵本の続きを読んで終わりました。

2.ワークショップ=「クイズ、国語辞典!」

 アニメーターは井上桂子さん。はじめにいろいろな辞書のあることを考える小さなゲームをしました。本番は、小学生用の国語辞典をグループに配布して始まりました。

①説明の言葉の方から用語を推理するというゲーム。2~3人のグループで、「食べ物」を4つくらい考えて、国語辞典を引きます。そこに書かれている解説文をそのまま書き写します。

②全体を2つのチームに分けます。並んでいる順番が〈対決〉の相手です。先攻後攻をじゃんけんで決めます。先攻から説明の文章を読み上げます。相手側の〈対決者〉が食べ物の名を当てます。自分で正解したら2点、「タイム」をかけてチームのアドバイスを受けたら1点、間違えたら0点です。

 合計点の多いチームが勝ちです。

③次に様々なジャンルから言葉を選び、その解説を書き出して推理するゲームを行いました。

3年生ぐらいから楽しめるゲームであると紹介されました。

――協議で出された意見

1.まず、どのような展開であるかをモデルケースでやってみせてイメージをつかませるとよいのではないか。

2.得点やルール(タイムの掛け方、チームと相談するときの約束等)は始めにしっかり説明して、途中では変えない。

3.全体を2つに分けると、1チームの人数が多くなるので、多数のチームで競ったらどうか。出題チームが読み上げたら、回答を紙に書いて「イッセのセ!」で掲げて(あるいは黒板に貼りだして)正解を確認し、得点表に書いていく。全員の参加の意識が高くなるだろう。

4.中間に「作戦タイム」などを設けることで、「協議」することを楽しむことができる。「相談する」プロセスを大事にしたい。

5.国語辞典は同じものでなくてもよいのではないか。各自が持ってきた辞書などにより、説明に違いがあることに気づくことも学習ではないか。

……等々。

言葉への関心を引き出す大事な提起のアニマシオンであったことが確認された。

――感想

●自分なりに言葉に説明を加えてみるというのはとても意義深いものだと感じた。辞書の役割を考えさせることは大切だと思った。いろいろな辞書や事典、物語の表現の違いを感じとると、物事の見方が変わってくるように思う。そこに新たなアニマシオンの糸口が見えてくるのではないだろうか。(w)

●辞書に楽しく触れられるワークショップでした。最初にルールを共有して、途中でルールは変えないとした方が、活動がスムーズにできたかと思います。討論にありましたが、「協同する楽しさ」「クイズに答える楽しさ」作戦を立てる楽しさ」等、活動を通じて子ども達にどんな時間を過ごしてほしいかという願いが大切だと思いました。(M)