天王洲アイル、再び | long island sound

天王洲アイル、再び


9.13 tennouzu isle


ぶつぶつ言いながら早く起きて区役所へ。今度ちゃんと地図をプリントしておいて、元気がないものを、すたすたと歩き出す。気分なんかどうでもいい。気持ちに負けたら、今日は日本での最後の一日になってしまったのかもしれない。


区役所で外国人登録所証明書の更新。この間入国管理局で在留資格の変更を申請した時、住所がまだ滋賀県として登録されていた儘だと指摘されて、すぐに役所に行って更新してくださいって言われたが、流石俺のことそれをギリギリまで延長して、今日在留資格の取得の締め切りと同じ日にすることにしてしまった。更に、持参している現金は550円。出発時間、午前10時。入国管理局は午後4時までで、その間引き出しをしないと歩いて帰るしかない。引き出しって一言で言っても、俺のカードを取り扱ってくれる銀行は殆どない。今迄こういう時に日本で開いた口座から引き出しをするんだが、今迄「こういう時」と何度も遭ったので、その残高とは600円位の程度だ。という訳で、起きた瞬間から猛ダッシュ。


区役所迄問題はなかったが、それから新宿での銀行に行ったらトラブル発生。引き出ししようにも、ATMから残高不足ってメッセージしか出ない。残高を確認すると俺が求めていた額の10倍以上が表示されるくせに、何故か出てこない。窓口で訊いてみようと思っても時間がなくて、仕方なく要求していた金額を逓次に減らしてみて、或る程度に至ったらやっと金が出てきた。多くはなかったが、少なくとももう少し生きていける位で、そして何より入国管理局迄の往復が出来る程だったので文句なしに早速天王洲アイルへ。



9.13 tennouzu oohashi


初めて天王洲アイルに行った時から、約1箇月後。前とそっくりの晴れた青空と広い海。緑に包まれた都会の島に、強い魅力を感じた。今の俺、自信なんてちっともないが、何故か良い気分になってしまった。前と同じく道を歩いて河を渡る。管理局に着いたら用件を素早く片付けて、ストレスがふっと飛ばされてしまった。案ずることはもう一つしかない。勉強することしか、何も考えなくて良い。勉強ならできるさ。それしか何も出来ないんだもの。



9.13 kameari station


管理局で待ちながら読みかけた「棒になった男」を、陽当たりの良いところに座って読み終えてから写真を撮りながら駅まで歩いていった。本当に綺麗なところだな、東京って。この街に来て2箇月も経っていないのに、何故かいつの間にか1年間も過ぎてしまったような気がする。