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ベース馬場です。

先日18日に下北沢SHELTERにユリイカというバンドのライブを観に行った。初ライブにして初企画。誰も曲を知らない状態でのライブ。



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写真はユリイカ含めこの日の出演者や友人と。


このバンドは自分と境遇の似ている奴が始めたバンド。
真っ直ぐに向き合っていたバンドが終わり、そのまま埋れてしまわないようにメンバーを集め準備を進め、多くの友人に見守られながら暖かい空気の中で初ライブを終えたバンド。

いくつかのオーディションで結果を出して幸先の良いスタートを切っている。何年も前から何度も自分と話し合いバンドの進め方についてたくさん相談をしてくれた。

そんな友人だから私情がたくさん入ってしまうだろうが、そんな気持ち関係なしに本当に良いライブをしていた。
ここまでの間に何度もスタジオ音源や仮のレコーディング音源を聴かせてもらって頭の中で勝手にイメージしていた景色を思い切り吹っ飛ばされた。
自分が多く語るのは何だが違う気がするので、もし興味を持ったら歩み寄ってみてください。ユリイカというバンド。






家に帰ってきてある映画を観ていて学生時代の頃の気持ちを思い出しながら今の自分と照らし合わせていた。

瑞葵はよく俺に対して
「青春時代を獄中で過ごした人間」と訳の分からない勘違いをしているが、そんなんじゃない。俺だって普通の中学生として過ごしていた時期がある。
勉強、スポーツ、行事、友人、恋愛など何才になっても縁のあることを短い時間でたくさん経験するたくさんのことが凝縮されている中学の3年間。

自分は小学校5年から野球を始めて中学でも野球部に所属することを選んだ。
と言っても野球に対する気持ちはどんどん薄れていった。中学2年でバンドに出会った自分は野球部の活動には参加せずに毎日友人の家でギターを弾いていた。
素行も悪くなってしまい顧問には
「頼むから部活に来ないでくれ」とまで言われた。野球部に所属していたなんて真面目に野球をやっていた人間には申し訳ないが自分にも真面目に野球と向き合っていた時期はあった。


その映画を観ていて思い出したのは他校との試合の時のあの気持ち。

狭い世界しか知らない自分にとって他校のチームのメンバーや監督の顔や会話を見ているだけで新鮮な気持ちだった。
強いと有名な学校のチームは自分達と違うユニフォームというだけでとてつもない威圧感があった。自分達とは違う掛け声や練習方法も何だが恐ろしい。自分の知らない世界で生きている人間と多く触れ合う時期だった。

あの時の相手チームを見た時のあの感情は今の自分の生活だと他バンドを観た時の感覚に近い。
自分達と違うメンバー編成、使ったことのない機材、どんな人か知らないスタッフに自分達が持っていない曲。

ミュージシャンという立場で同じ方向を見ている人間が多いからこそ他バンドをライバルや敵のように自然と意識してしまってるんだろう。

でも先日の会場でたくさんのミュージシャンに会った時のことを思い出すと何だが違う。
プライベートでも会っているバンドの友人、なかなか会えないけど強く繋がってるバンドの友人、昔一緒にバンドをやっていた友人、何度も共演したバンドなど。
打ち上げでも互いの近況などを語り合って会えていなかった時間を会話で埋めた。

同じ方向を目指しているけど野球の勝負と何か違う。
それは勝ち負けが無いからだ。商業的な数字や動員の数字という面で勝ち負けを決めることは出来るかもしれないけど。
野球は自分達が勝つ為に日々練習をする。
音楽活動では聴いてくれる人のために日々練習をする。


自分の意識を向ける場所は同じステージに立っている人間ではなく、そのステージを見に来てくれている人に向けるべき。

そんなの当たり前だと笑う人もいるかもしれない。でも自分にはなかなか気付くことが出来ないことだった。
だからこそ自分達のバンドの活動と他人のバンドの活動を比べる必要なんてない。今までも思い切り意識してきたわけではないが、少なからず意識してたのは事実。

数え切れない程のバンドがいる現代で自分達が音楽をする理由。それを忘れちゃいけない。

自分は会場の人達をハイハットで踊らせたいわけじゃなく、言葉や音で心を踊らせたい。
自分がやるべきことと他人がやるべきことを見失わないように今後も音楽活動をしていきたい。

そんなことを感じた1日だった。
もっと自分なりの形で自分達の曲を届けたい。まずはこの気持ちを明日の大阪と明々後日の立川にぶつけようと思う。





何だがここまで読み返すと熱血的で涙なしでは観れない感動的な青春映画を観たような感じで書いてるが、実際に観た映画は「おっぱいバレー」だ。
タイトルにつられて観てしまったという事実。なんかごめんなさい。でも面白い作品でした。


ここまで読んでくれてありがとう。またね。