江戸っ子は皐月の鯉の吹流し

         口先ばかりで腹わた無し

2005年06月28日(火) 17時27分08秒

「・・・・・・?」

テーマ:俺が想うに

 




 増税ねぇ・・・
 

 何だかそれで騒いでるねぇ・・・・

 

 しかし何かトンチンカンになってやしねぇかい?
 

 一体何遍同じ事繰り返しゃぁいいのかねぇ・・・・・・?


 少子高齢化なんかの問題で

税金を上げねぇ事にゃぁ国が立ちゆかねぇてぇ訳なんだろうけど
それ自体は解るよ、幾ら梅雨でも銭は降って来ねぇからな。

それに善ぃ悪ぃは別にして人間が摂理に逆らった結果なんだから
そりゃぁどっかで帳尻合せねぇ事にゃぁ仕様がねぇだろ。



 ただいっつも想うけど、
政府の悪ぃところはテメェ達が先ずやらねけりゃならねぇ事を
あっちへうっちゃっといて、ちょいと良さ気な案が出りゃぁ
ホイホイと簡単なものにばっかり食い付きゃがるとこだ。


それもまだ全く別の問題で
そいつを誤魔化そうてんならまだ可愛い気があるてぇもんだが、
やれ年金だの保険だのって散々っぱら矛盾を叩かれてるところへ以ってきて
そいつを一つも解決出来ねぇウチから増税だなんて金の話を
平気なツラして言いやがるから
この野郎こんチキショウ盗人猛々しい野郎だてぇ事んなる訳だよ。


そりゃぁそうだよ言われたって仕方がねぇや
「その前にやる事有るだろバカ野郎っ!」ってなるよ。
いつも言ってる通り順序が逆さだっての、
スカートを穿いた上からパンツを着ける女が居るのかバカ野郎。


我々国民からしてみりゃぁ盗人に追銭だよ、驚いちゃうねホントに・・・。


毎日働きもしねぇでステーキ喰ってタクシー乗って好きな物買って、
それで銭貸してくれなんて言われりゃぁ
誰だってふざけるなてぇ事んなるだろ普通に考ぇて。
それと一緒だよ、
無駄を省く努力を一つもしねぇどいて増税だなんて言われたって
金輪際聞ける話じゃぁねぇってんだよ。

全く当りめぇの事でこちとら書くのもバカバカしいや。



 しかしそれ以上に一番バカななぁマスコミだないつの世も。
あの政府税調の石何とかってぇ人の話をよく聞いてから記事にしろよ。
政府税調てのは決定機関じゃぁねぇんだから
飽くまでも問題定義なんだよ。


確かに政府のやってる事と言やぁ碌な事ぁしちゃねぇよ、
だけど国民の方もちぃとは考え直さなけりゃならねぇんじゃぁねぇのかね。
何にしたってここまでなるのに黙ってたなぁ
国民のせいでもあるてぇもんだ、違うかい?
文句があるなら選挙に必ず行く事から始めやがれてんだよ。


北朝鮮の事にしたって何にしたって
前にも言ったけど無関心てのが何しろよくねぇ。
普段新聞もろくすっぽ読まねぇのが
事が起きたとなりゃぁ何でもかんでも政府のせいにして騒ぎ出す。


金儲けに精を出すのもそりゃ大事だよ、
しかしそれ以前に人として常に抱えてなけりゃならねぇ事があるだろ。
次の世代の者達がどうなろうと知ったこっちゃねぇてんなら別にいいけどな。


民主主義だか何だか知らねぇが
テメェさえよけりゃぁ人様の事ぁどうでもいい、
文句を言う事だきゃぁ一人前、確かにそれも結構だよ、
だけどそいつが真綿でテメェ達の首をジワジワ締上げてるてぇ事に
そろそろ気付こうじゃぁねぇか。


教育の問題から何から一から十まで
全ての事に言えるんじゃぁねぇのかい?
サラリーマンだって職人だって何だって等しく人間だ、
どちらさんもクソ忙しいなぁそりゃ解るよ、俺だってそうだよ。
だけどその為に家族やご近所てぇのがあるんだろ?
昔から何でも助け合って生きてきたんだろ?


人の事にゃぁ関心も持たねぇ、口も利くかねぇ、
国はおろかテメェの住んでる町の事すらどうでもいい、
そのくせ何かありゃぁ汽車も電車も皆止める様な騒ぎしやがる、
かと言ってその時だって協力一つしやしねぇ、
そんな連中が国のやる事に口を出す資格はねぇってんだ。


今度の増税でもこれだって問題定義の一つなんだよ、
決定した訳でもねぇのに大騒ぎしやがって・・・。

国もそうだけど国民だって先にやる事ぁあるんじゃぁねぇのかね?
一体誰の国だと想ってやんだい。


無論俺もそうだけど、
せめて義務を果たしてから権利を言おうぜ。
アイデンティティてぇもんをしっかりと持って
長い時間をかけて築いた文化を有効活用しようじゃぁねぇか。


 こりゃぁ一人一人のちょいとした意識の問題だろ?


 違うかい?



     - 今日は何だか落し噺をする気になれねぇ・・・。 -

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2005年06月24日(金) 16時06分48秒

キッカケは御畏れ多くも・・・?

テーマ:ブログ



今日は美空ひばりの17回忌だそうだ。

 亡くなってもう16年も経つのか・・・


 俺ぁガキの時分から美空ひばりの大ファンだった。
何と言うかひばりの歌声そのものが
俺にとってシックリくると言った方がいいのかも知れねぇ。


と言うのも、
またもや登場のウチのオヤジがひばりの大ファンで、
乳呑児の時分からその歌声を聞かされて育ったもんだから
家族の声と同じくれぇの親しみがあるからだ。

それに一番幸福感に満ち溢れた幼児だった時分に
常に耳に入ってた歌声だから
なんとも言えねぇ安心感に包まれる。


だから俺にとって「ひばりの歌声=子供時代の想い出」
って感じだ。

それと忘れちゃいけねぇ、死んだオヤジの想い出でもある。



 二・三日前にフジTVで
「美空ひばり秘蔵映像」てぇのがやってた。


江利チエミ、雪村いずみと供に三人娘が揃って歌うものや
故・古賀政男と共演してる映像など、
幻とも言える数々の秘蔵フィルムが映し出されてた。

しかしその中で何故だかえらく印象に残ったものがあった。
それは若々しいひばりが「りんご追分」を歌ってる白黒映像だ。


昭和45年の3月に放映された小川宏が司会の歌番組で、
オーケストラ脇のセットの階段から
ひばりが歌いながら降りて来るてぇもんだった。


まぁ今でもよくあるパターンのもんだが
その歌声は勿論の事、
映像全体がそこだけで映画のワンシーンになりそうな
染み渡る程の何とも言えねぇ雰囲気を醸し出てる。


理由は自分でもよくは解らねぇが、
数ある秘蔵映像の中で何故だかあの映像にゃぁ
さっき言った「想い出」みてぇなもんが
凝縮されて詰まってる様な気がしたんだ。


どうしてあの映像なのかホントに理由は解らねぇ、
何しろあれを観た瞬間ビリビリっと感じて目が離せなくなっちまった。

そりゃ俺自身の中で理屈にゃぁ出来ねぇもんで、
ある種の潜在意識が呼起こされる瞬間だった様な気がする。

それにオヤジの事だから
この映像をリアルタイムで観てたに違ぇねぇし、
小さかった俺もきっと一緒に観てたんだろうなと想うと何かこう・・・
感慨深い身体の芯から湧上る懐かしさで一杯になった。


ひつっこい様だが
何しろ俺ぁ「美空ひばり」と言うだけで暖かい安心感に包まれる。


それに連動してかどうか知らねぇが
美空ひばりを扱った番組がやると
何故だかお袋と二人、出来りゃぁ家族全員で観たくなる、
何だかホントに変だけど。


さっきっからひばり、ひばりと
呼捨てにしてやがるなんて言われそうだが関係ねぇ、
俺の中でひばりはひばり、
これでも最大級の敬意を払ってる積りだ。


 美しい空に美しい声でひばりが囀る、

そんな時代を少しでも垣間見れた俺ぁホントに幸せ者だと想う。


あの時あの時代
彼女が囀る事によってどれ程の人達が
勇気や幸福感を得られたかは計り知れねぇと想う。




     -   美空ひばりよ永遠に   -



               *



 美空ひばりでもう一人想い出す人物が居る。



 そりゃぁ昔ウチの近所に居たYちゃんてぇブリキ職人だ。

ブリキ職人てぇのは現代の様に
アルミてぇものが高価で余り普及してねぇ時代に
商店の看板を作ったり家のトタンを加工して取っ付けたりする
今で言やぁ板金屋みてぇな商売だな。


このYちゃんは前に話した「マーとキー」の
マー兄ぃの方と歳が一緒で幼馴染、
第二次大戦の時にゃぁ
陸軍の歩兵として一緒に戦った戦友同士でもある。


俺達がガキだった時分は二人ともまだまだ元気だった。
特にYちゃんは本当に威勢のいい
江戸っ子の代名詞みてぇな人だったんだ。


だけどその反面、戦争で生き残って帰って来た自分に対して
深い罪悪感を感じてるところが有ったらしくって、
8月15日にゃぁ靖国神社へ一人で出かけて
戦場に散った戦友達に対して一日中黙祷を捧げてたらしい。


普段からどこへ行くんでも必ず兵隊の帽子を被ってて、
夜も開けっ放しの玄関から覗くと
やっぱり兵隊の帽子を被ったまんま晩酌をしてた。

そして銭湯なんかで帽子を脱ぐ時でも、
それに向かって黙礼をしてから籠にしまうてぇ律儀な場面を
何度も見た事がある。


だが仕事となるとやっぱり威勢よく
リヤカーの出来損ないみてぇなのに道具と材料を載せて
それをチャリンコの横にサイドカーよろしくくっ付けて
颯爽と現場へと出掛けて行った。


まぁ現場たぁ言っても殆どが町内の
軽い補修みてぇな仕事ばっかりだったから
あっちの家からこっちの家へと
そのサイドカーに乗っかってシャカシャカと動き回ってた訳だ。



 Yちゃんは美空ひばりの大大ファンで、
ご自慢のその愛車にカセットレコーダ(ラジカセじゃなく)
を括りつけ、流れるひばりの歌声に合せて
気分よろしく軽快に町内を移動する。


彼もひばりの囀りに励まされた一人なんだろうなと想う。



 しかし ー
そんなYちゃんも普段は気のいいおっさんだが
一旦酒が入るとえらく厄介な大虎に変身しちまう事があった。


 ある年の祭りの夜、
盆踊りをやってる最中にベロベロのYちゃんが
フラフラしながらレコードを流してる御神酒所の中にと入ってきた。 


「おぉぉぅう、なんでぇぇこの威勢のわりぃ唄はぁぁ、えぇ・・・?」


「なんだよYちゃん仕様がねぇな、オメェさん呑み過ぎだよ」


「うぅぅ。。。ってやんでぇぇぶぇらぶぉぅめぇ・・・」


「何を言ってんだか解らねぇよこの人ぁ・・・ったく・・・」


「ぅぅうるせぇぇ、いいからお祭りマンボウゥやりやがれぇぇ・・・」


「お祭りマンボゥ? 冗談じゃぁないよ・・・・
          そんな唄ぁ流す盆踊りがあるかてんだよ・・・」


「な、なにをぅ? そんな唄だとこんにゃろうぅ・・・
          お、俺のしばり(ひばり)をバカにしやがったなぁぁ・・・」


そう言って
レコードの置いてある長机を引っくり返そうとしたまでは良かったが
もつれてんなぁ口だけじゃぁない、
足元もおぼつかねぇもんだから
そのまんまヨロヨロしてテメェの方が引っくり返っちまった。


「ぅぅぅ。。。チ、チキショゥ・・・ やりやがったなぁぁ・・・!」


「何にもしちゃいねぇよ、仕様がねぇな・・・ 
           ようっ! 誰かおカミさん呼んでくんなっ!」


もうこうなるてぇとYちゃんを止められるなぁ
30年連れ添ったおカミさんをおいて他にゃぁいねぇ、
何しろこのおかみさんは酔っ払って大虎んなったYちゃんを
たった一言でシラフに戻しちまうてぇ決め台詞を持ってるからだ。


「ちょいとおまいさんっ! 大概におしよっ!」


「おぅぅ? 出やがったなこのばばぁぁ・・・」


「みっともないねぇ全くっ! 早いとこウチん中へお入りよっ!」


寝っ転がったまんまのYちゃんの尻をペシペシ叩きながら
無理くり起こして連れて帰ろうとするんだが、
大虎は悪タレをつくばかりで中々言う事を聞いちゃくれねぇ。


「こりゃぁおカミさん、例の呪文しかねぇやな・・・」


町会長に促されたおカミさんは仕方なく
Yちゃんの耳元へ行って大声で一言


「おおそれおおくもっ!! (御畏れ多くも)」


するとあら不思議、
今までヘロヘロで横たわってグダグダ言ってたYちゃんは
パッっと起ち上がって
背筋を伸ばして敬礼をしたまま直立不動だ。


敗戦までは日本人なら誰でも
天皇陛下を口に出す前にゃぁ「御畏れ多くもっ!」ってんで
ピシッと姿勢を正したてぇ話があるが、
Yちゃんのあれにゃぁ驚いた。


俺も傍で見てたんだが何しろ一発だよ、
萎んだ風船に勢い良く息を吹込んだみてぇだったぜ。


どうやらYちゃんは軍隊で何かの拍子にこれをやり損って
上官から半殺しの目に遭された経験が有るもんで、
これを聞くと幾ら酔ってようが何しようが
起ち上がって姿勢を正して敬礼するようになったてぇ事だ。


その話をマー兄ぃから聞かされたおカミさんは
こいつぁシメタとばかりにこの呪文を調法に使ってたらしい。
まぁ人が悪ぃと言っちゃぁそれまでだが
何しろ酒癖の良くねぇY二等兵にゃぁ効果覿面だった訳だよ、
お気の毒に。


しかしすっかり大人しくなったY二等兵を
すかさず家ん中へ行進させたまま誘導したおカミ隊長は
ホントにたいしたもんだったぜ、一同敬礼して見送ったもんだ。



 明くる日、
おカミ隊長の見事な活躍で
つつがなく終了出来た盆踊りの片付けをしてるてぇと、
ご機嫌そうなYちゃんが「お祭りマンボ」を口ずさみながら
何事も無かった様なツラして手伝いに現れやがった。


「おうYちゃん、ゆんべは大変だったな」


「何がだい?」


「何がってオメェさん何も覚えちゃいねぇのかい・・・?」


「あぁ・・ ゆんべはちぃと呑み過ぎちまった・・・ エへへ・・・」


「エヘヘじゃぁないよ、呆れたねぇこの人ぁ・・・」



      「あ、あのよぅ・・ オイラぁ何かしたのかい・・・?」


    「何かどころじゃぁないよ、
       オメェさん御神酒所壊しちまうとこだったんだぜ!」


            「ええっ? オイラがかい・・・・?」


       「そうともよ、全く酒も程々にしちゃぁどうだい」


                 「面目ねぇ・・・・」


       「全く神様のお社に手をかけるなんざぁ
            とんでもねぇこった、解ってんのかいっ!?」


                    「・・・・・」


           「一体どう想ってんだい、ええっ!?」
         


              「そりゃぁ全くもって・・・・」



              「全くもって何だいっ!?」         


   

            「全くもって、御畏れ多いこって・・・」





            ー   お後が宜しいようで   -

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2005年06月20日(月) 07時39分19秒

街の子

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 一昨日テレビのドラマで「瑠璃の島」てぇのの最終回を観た。


 あれを観てて俺ぁ昔の下町の風景を想い出した。

規模や景観はともかく
あの物語に出てくる人達の在り方てぇか
人間を含めて島にある全ての物に対する触れ方みてぇなものは
ほんの30年前まで都心部でみられた風景だと想う。


ドラマの中の台詞に「お前はもう島の子だ」てぇのがあった、
あれ同様俺達は嘗て「街の子」だったんだよ。
実の両親は元より
近所のおいちゃんおばちゃん達皆で育ててもらったんだ。

幾ら粋がってつっぱらかっても
隣のおばちゃんは俺のおしめを替えてるし
裏のバァさんに至ってはオヤジのおしめまで替えてる訳だ。


ご近所付合いてぇのがねぇと生きられなかった時代で、
その分人の情、「人情」てぇものに囲まれて生きるのが
何の疑いもねぇ普通の事だったんだ。

まぁ当り前の事だけど
あの頃ぁ今とは全然違った世の中だった。
何が違うって姿形もそうだけど
そこで暮らす人達の在り方が全然違ったんだ。


そりゃぁ物は有ったよ豊富に。
それでも今ほどぁ便利じゃなかったし、
足りねぇところは助け合って暮らしてきたってぇ訳だ。


それに何よりも俺が楽しかったのは
明治生まれの人達がまだまだ元気だったから
色んな昔話や面白い話が沢山聞けたってぇ事だ。

俺達が子供の時分にゃぁ
あそこの家の角はああなっててとか
あの道の先は今と違ってこう曲がっててこんな建物があってとか。
そういう話を聞いてると
見慣れた町もまた少し違って見えてくるてぇもんだ。


昔の人達の中に残る風景と今俺達に見える風景とを
照らし合せて思いに耽ったり絵にしてみたり、
俺ぁそうした生活の中から郷土愛てぇのを育んだと想ってる。


街も人もどんどん姿を変える
そりゃぁどんな力を以ってしても止める事ぁ出来ねぇ。
前も話したけどこれにしっかりとついて行くしかねぇ訳だ。
でも例えば俺の潜在意識の中に残ってる風景は俺が死ぬ迄無くならねぇ。


夏の暑い日にザーっと夕立が来て
それが止んだ後涼しい風が吹いて来る。
雲の切れ間から夕焼けが顔を出して
小汚ねぇ長屋の屋根の上の方を見ると大きな虹が掛かってる。

カラスがカァカァと鳴き出す頃にゃぁお袋の
「ごはんだよーっ!」ってぇ声が聞える。
考ぇてみると昔は屋根が低かっただけ随分と空も広かった気がするな。


それと夜になりゃぁ沢山のネオンが光りだす街でもあった。
何日も遠くへ出かけて地元に帰って来た時、
そのネオンをみると妙に安心するんだ。

港に灯台ってぇのがあるけど
俺達にとっちゃぁあのキラキラと光るネオンが
船乗りが海から見る灯台の灯りと同じなのかも知れねぇ。


確かに俺達は新旧の狭間で
排気ガスと騒音の中で育った事ぁ間違いねぇよ、
そりゃ昔の人達にしてみりゃ哀れで味気のねぇもんだろう。


でも時代は常に動くんだ。
俺達が幾ら今の世の中味気ねぇと想っても
今育ってる子達にしてみりゃぁこれが自分の故郷ってぇ事になる訳だ。
だからそれを踏まえた上で人情てぇものを教えなけりゃならねぇ、
昔大人達が嘗て子供だった俺達にそうしてくれたように。


人に人格があるように国にも「国格」があるとすりゃぁ
それが国民性ってぇやつなんじゃねぇのかな、
だとすりゃぁやっぱり一人一人の人格がものを言うてぇ事んなる。


人が一番最初に覚える世間てぇのはご近所だろ。
だったらご近所の付き合いてぇのを大事にして
そこから人情てぇのを教えるべきじゃぁねぇのかな、
情のねぇ世の中が嫌だと想うならね。

日本人が侘び寂びを忘れねぇうちにやらねぇと間に合わねぇぞ。


俺が生まれ育った街は色んな人間が居た。
変わってんのも沢山居たからどんな街に行ってどんな変わった
人間を見てもちっとも驚かねぇ。
まぁそれについちゃぁこのブログでもボチボチ書いていきますよ。



 平成21年までに裁判員制度が始まるらしいが
あれ自体は避けて通れねぇとは想うよ、
市民社会が負わなけりゃならねぇ責任だよな、逃げちゃいけねぇ。


しかし法の何たるか、その真理を勉強しねぇでやるなぁ
時期尚早ってぇもんだ。

そんなもの国自体の精神が薄弱の状態で
そんな事をしても決していい事ぁねぇ。

隣に誰が住んでるかも知らねぇのが
同じ市民を裁かなけらならねぇんだぞ、そんな制度の前にやる事あるだろ。


新旧の両方をよく知ってる俺たちの世代、
つまり30代半ばから40代半ばにかけての世代が
やらなけりゃならねぇ事ぁ沢山あるぜぇ、こりゃぁうかうかしちゃいられねぇ。


それぞれの街のそれぞれの「街の子」
そいつらが大きな社会で出会った時俺もそうして育ったアタシもそうだ
ってなりゃぁそれが一枚岩の国作りになるんだと想うぜ。
何せホントに、子供は国の宝なんだからな。




 ここのところ具合が悪くて
更新が大分遅れちまいましたね。
まだちょいと本調子じゃぁねぇから今日もここいらでお開きって事で。


どちらさんも身体にゃぁお気をつけなすって。

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2005年06月16日(木) 17時43分15秒

美白の女王

テーマ:ブログ

 



 最近何処のテレビでも大騒ぎだねぇマイケル君。

 

 あいつ確か黒人だったよなぁ?
幾ら何だってああもあから様に漂白されちまったんじゃぁ
目のやり場に困るだろうによ。


まぁ今回の裁判の話ぁ
興味ねぇしどうでもいいから別に書かねぇが
何しろあの白い顔が気になって仕様がねぇ。


スリラーの頃から段々に顔を改造し始めて
いつの間にやら鼻の形が変わってたりしてやがったけど、
ああいうなぁ何のコンプレックスなんだろうねぇ。

いつだったか久し振りに奴をテレビで観た時
いきなり真っ白になってやがって度肝抜かれたのを覚えてる。


顔についちゃぁ俺も人様をどうこう言える面ぁしてねぇけど
整形をしようてなぁ一遍だって想った試しはねぇなぁ。
まぁ人それぞれの考ぇ方だから特に批判する気もねぇけど。


改造するについちゃぁどうでも勝手にすりゃぁいいが
誰が見ても解るものを
この期に及んでまだやってねぇって言張ってやがんだから

どういう了見なんだかねぇ、驚いちゃうよ全く。

周りの人間も何とか言ってやれてぇんだよ、
あれじゃまるで裸の王様だってぇの。
仕様がないねホントに。



 しかしマイケル君を見てたら
何年か前に亡くなった鈴木その子さんを想い出した。
悪気はねぇんですよ、決して・・・。


おのオバサンも最初に出て来た時にゃぁびっくりしたなぁ。
真っ白な顔してニッコリされた時にゃぁギョっとしたよな。
夜中真っ暗な部屋にいきなり立ってられたら気絶するなきっと。


でもあの人ぁ大したお方だったと想うよ俺ぁ。
20代前半の若さだった息子さんを不慮の事故で亡くされたり
と数々の不幸な出来事にも挫けねぇで、
いつもニコニコと周囲を和ませていたもんな。
中々出来るこっちゃぁねぇよ。


日本食の素晴らしさや
「健康」というものが人間にとって
何ものにも替えがたいてぇのを自らの経験を通して
世の中に伝え続けてきたんだからな。


正しいダイエットの方法だとか美白だとか
著書も幾つか有るようだけど、
特に女性はあの人のお陰で希望が持てた人ぁ沢山居るだろう。



惜しくも亡くなっちまったが
彼女の残した業績はただ単に見た目の話だけじゃぁなく
世の悩める女性達に未来への気力を与えたに違ぇねぇ。

それに世の中が健康に対する新たな認識を持てたてぇ事ぁ
何よりの財産だよな。


辛ぇ事も沢山有っただろうに
一つも見せねぇで世の為人の為に人生を捧げた偉人だよ。
やっと報われ始めたてぇのに
役目を終えたとばかりに孤高の才女は黄泉へと召されちまった。



 今は生前の希望通り
最愛の息子さんと同じ墓で静かな眠りついているてぇ事だ・・・。






 唐突だがウチの姉貴は美容師だ。
最近地元で美容院を新に開業して何だか一所懸命やってやがる。
偶にゃぁ俺の頭もやってくれって言うんだが


「忙しんだよっ! 床屋へ行きなっ!」


の一言で蹴散らされちまう。


昔散々っぱら実験台になってやったその恩も忘れやがって
いつか見てやがれあの女め。


 しかし・・・
俺ぁ昔からこの姉貴にゃぁ頭が上がらねぇ、トラウマかな・・・・。
(おっかねぇんだよあの女・・・・)


高校を出てから美容学校に通い始めたなぁいいんだが
弟だってのをいい事に年がら年中人の頭をいじくり回しやがって
当り前だくれぇの事を言いやがる。


「この首の上にくっ付いてるなぁ俺の頭だ!」


なんて事を言おうもんなら
どんな目に遭わされるか解ったもんじゃねぇから言えねぇ・・・・。



  - 夏のある日 -

 

 この日も学校から帰って来た俺を
待ってましたとばかりに羽交い絞めにして
無理くり椅子に座らしやがった。


「神妙にしなっ!」


「冗談じゃねぇよ姉ちゃん! これから友達と出掛けんだよ!」


「そんな勝手が許されるとでも想ってんのかい! あぁっ!?
                     いいから男らしく覚悟決めて座んなっ!」


「それに大体おまい(お前)、よくもこのアタシにそんな
                        一人前の口がきけたもんだねぇ・・」


数々の機密事項を握られてる俺としちゃぁ
この女暴君の理不尽な要求を黙ってきくしかねぇ訳だ。


ああじゃねぇこうじゃねぇとブツブツ言いながら
人の髪の毛を引っ張ったり千切ったりいいようにやりやがって
仕舞にゃぁ調子に乗ってパーマまでかけやがった。


そして雷様みてぇになった俺の頭を見て一言


「角でも付けてやろうか、イーッヒッヒッヒ!」


絞め殺してやろうかと想ったぜホントに、
そして恨めしそうな顔して見てるてぇと


「何だい、何か文句でもあるのかい」


「いいえ、ございません・・・ (涙)」


その頭を見た家族は腹を抱えて笑いやがるは
友達は一緒に歩いてくれねぇは
道行く人にゃぁ振返ってコソコソ笑われるはで、
全く散々な目に合わされちまった。


それから資格を取るまでの二年間というもの
何度となく頭をこねくり回されて年中雷様にされてた。

その女暴君が店を始めたてんだから
お客んなる人ぁ覚悟しなくっちゃぁいけませんぜ。



 まぁ今となっちゃぁいい想い出だが
あの女資格を取って一端になってからてぇもなぁ
数える程しか俺の頭はやってくれねぇ、なめやがって畜生!
俺の尊い犠牲を何だと思ってやがんだい全く。


先日その女暴君に
ビデオのダビングを頼まれてたんで
出来上がった物を持って店まで行った。


「よう、頼まれてたビデオ持って来たぜ」


「そうかい、ありがと、奥でお茶でも飲んできな」


「おう」


奥の休憩室に入っていくと
今年中学に入ったばっかりの甥っ子が着替えをしてる最中だった。


「おうお帰り、学校はどうだい?」


すると甥っ子は俺の顔を見るなり何やら急に腹を抱えこんだ。


            「何だい、どうしたい?」


        「いや、母ちゃんが言うんだよ・・・」


                「何をだよ」


        「叔父さんを見たらこうしろって・・・」


                「何でまた」




      「何でってそりゃぁ、ヘソを取られるから・・・」



          ー   お後が宜しいようで   -


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2005年06月15日(水) 13時50分07秒

最低でも本物

テーマ:ブログ



  谷 亮子の話しじゃぁねぇぞ。 
 

 歌舞伎や日舞といった

日本に古くからある伝統芸にゃぁ世襲制が多い。


ガキだった俺ぁありゃぁ何でだろうってんで
ある日ウチの叔母ちゃんに聞いてみた事がある。


「叔母ちゃーんっ! 叔母ちゃーんっ!」


「何だいこの子は騒がしいね、どうしたてんだよ・・・」


「何で?」


「何が」


「だから歌舞伎の家だよ」


「歌舞伎の家がどうしたてのさ」


「ああいうなぁ、何でそこんちの息子が跡を継ぐんだい?」


「バカだねこの子ぁ、おまいだって先行って
      このウチの跡を継ぐんじゃぁなかいか、それと一緒だよ」


「継ぐもんなんか一つもありゃぁしねぇじゃねぇか」


「そりゃおまいのお父っつぁんに言っとくれ、あたしゃ知らないよ」


なんというアホな会話だ。


この叔母ちゃんてのが実ぁ昔浅草の漫才師だったもんで
そう言う事にゃぁ詳しいだろうと想った訳だ。

俺も幼稚園に入るか入らないかの時分から
年中バスで浅草に連れてかれて、舞台袖で飴玉かなんか
しゃぶらされてたのをよく覚えてる。


その頃叔母ちゃんとよく一緒に板を踏んでたのが
ダブルけんじ、内海けいこ・よしえ、あした順子・ひろし
といった芸人さん達で、みんな大売れした人達だな。

因みにウチの叔母ちゃんは
ほんの一瞬だけしか売れてねぇ、瞬きする間程度だな。
しかもラジオだけ。


叔母ちゃんの言うにゃぁ
ああいう伝統芸能を継ぐ家てぇのは
家系で芸を守らなけりゃいけねぇ、
そりゃぁその家にとっての無形の家宝であり
先祖代々が必死んなって守り続けてきたもんだからだ。

そいつをおいそれと他人様に渡すなんざぁ金輪際出来ねぇ訳だ。
そうした継続てぇのは二度とやり直るもんじゃぁねぇんだから。


それよりも何よりも赤ん坊の時分から
「お前は○○屋○○左衛門の○代目を継ぐんだよ」
と言い聞かされて、どこに居ても誰からでも「若旦那」
と常に一段高ぇ所に置かれて
初めてその器量や所作てぇものが身に付くもんなんだそうだ。


しかも芸そのものと「継承する体質」てぇやつが
既に遺伝子に組込まれてなけりゃぁ
とてもじゃねぇが伝統芸の当代たる名跡は預かれやしねぇ。


そう言やぁ特に歌舞伎の家なんかぁ
何の疑問もなさそうにすんなりと後を継いで立派にやってるよな。
まぁ本人にしてみりゃぁ色々と葛藤があるんだろうが
最終的にゃぁ誇りを持って継いでいい芸を魅せてくれてる。


自分しか居ねぇってぇ使命感と誇り、
今言った遺伝子がなけりゃ無理だってぇ訳だ、
中途半端で投出す訳にゃぁいかねぇんだから。

まぁ平たく言やぁ他人は信用出来ねぇし
代々きたものを今更誰とて渡す訳にゃぁいかねぇてのもあるだろ。


何しろ世襲制でなけりゃ芸を残すなぁ不可能てぇ訳だ。
「芸道」を司る血ってやつが他の介入を許さねぇんだろうな。
「餅は餅屋の名人芸」忘れちゃぁいけねぇ基本中の基本だ。


 

 小さい時分から考える事を養うのが大事だってぇのは
前回も話した。
「三つ子の魂百まで」てぇ言葉はホントに的を得てるよな。
やっぱり昔の人てぇのは偉ぇもんだ。


まぁ一般家庭じゃぁ歌舞伎ほどの事ぁ中々ねぇにしても
そういう無垢な時から質のいいもの、本物に触れるてぇのは
本当に大事だと想う。

なにも高いものを買い与えろなんて言ってるんじゃねぇが
安くてつまらねぇものを幾つも与えるくれぇなら
例え一つでも高くて質のいいもんを与えた方がよっぽど為んなる。


大体からしていい物を安く買おうてぇのが
そもそもの間違ぇだと俺ぁ想うね。
そりゃぁ安くて質のいいのにゃ越した事ぁねぇが
世の中そうそう上手い事ぁいかねぇもんだろ。
安物買いの銭失いが一番いけねぇ、何一つ身に付かねぇからな。


それに何でも同じ物になっちまったら
「価値観」ってぇものがおかしくなっちまう。
これのどこが大事なのか、どこが素晴らしいのか、
何で高ぇのか、その有り難味すら解らなくなっちうよな。

質のいいものを求めるてぇ事は
そのものの根幹を知る事になると想う訳だよ。


三つ子のウチからものの本質に触れさせる。
そうすりゃぁ後んなって「本物」と「ニセモノ」を嗅ぎ分けられる筈だ。
決して贅沢をさせろってんじゃぁねぇんだぜ。

目先の物質的な事だけじゃぁなくって
色んな出来事に対する根幹を見抜く能力と
それを掘下げられる思考能力を身につけさせるにゃぁ
幼い時分に「本物」ってぇやつを
潜在意識に植えつけてやりゃぁ自然と素養になると俺ぁ想うね。


青年期に苦労を買って出るなぁいいと想う、
しかし幼年期に苦労をさせるなぁどうかと想うぜ。
特に男に金の苦労をさせるもんじゃねぇと昔からよく言ったもんだ。

あらゆる事に対して最低の線を高ぇ位置にしてやりゃぁ
何かでどん底になってもせめてその最低にゃぁ戻ろうとするだろ。


野菜は八百屋、魚は魚屋、餅は餅屋だ。
身近な専門職や職人達をバカにしねぇで学んでみりゃぁ
日本の病たる経済の本質も見えて来るたぁ想わねぇかい?
第一本物に触れられるぜ。


この前場所は忘れちまったが
どこから持って来たんだか解らねぇようなマグロを
国産本マグロてぇラベルをつけて売ってやがったなんて事件があったけど 
日本人てなぁ俺もそうだけど
いつの間にか魚の目利き一つ出来なくなっちまったんだな。


「最低でも本物」


こいつぁもしかしたら不景気に利く薬なのかも知れねぇ。



 余談になるが
やきとり屋によく「ネギマ」ってぇのがあるだろ?
やきとり屋のオヤジの話によりゃぁ
あの鶏肉の間にネギが刺さってる「ネギ間」ってなぁ
後んなって出来たもんらしい。


元々ネギマってなぁありゃ「ねぎマグロ」の事で、
しかもネギマの ”マ” は ”間” じゃぁなくってマグロの ”マ” で、
要はねぎとマグロが並んで刺さってるんで「ネギマ」って事らしい。

生じゃちょいとばかし頂けねぇ代物を
薬味のねぎと一緒に串に刺して火を通して喰ったのが始まりてぇ訳だな。


どうでもいいか別に・・・・・。




 てぇ訳で今回も長くなったから
落とし噺は遠慮しやしょう、終わんなくなっちゃうから・・・・   
(なんか楽してるみてぇになってきたぞ・・・)

      
       まぁ何しろどちらさんも見極めて行きやしょうや。
 
  

    ※  読者登録やコメントをして下すった方々に
        心からお礼を致しやす、嬉しい限りでござんす。

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2005年06月13日(月) 14時33分59秒

「ケツが痛けりゃ頭をさすれ」

テーマ:ブログ

    



    今回はppofceldekairo氏の
   「想像力」というテーマのブログを拝見させて頂き
   これを書くに至った事をここで先ずご報告しておく。
   
   氏のブログは大変興味深いので是非訪れてみる事をおすすめする。


 http://ppofceldekairo.ameblo.jp/entry-15df8d1e934851a97fe8a4014238cba6.html

   

   氏に心よりの敬意を払って。


 



   - 盗っ人にも三分の理あり -


 悪さをしたり他人様に迷惑をかけたりする野郎にも
それなりの理由がある、平たく言やぁそういう事だ。

まぁいかにも日本人らしいものの考ぇ方だが
最近じゃぁそうも言っちゃぁいられねぇのかも知れねぇ。


昔の盗っ人に三分の利があったその裏にゃぁ
貧富の大差だったり階級差別だったり
様々な社会背景が産出した犯罪への必然性が否めなかった訳だ。


いつ明日は我が身てぇ事んなりかねねぇってのもあったろうけど、
犯罪者てぇものに社会的弱者が多かったから
見方んなって出来りゃぁ助けてやりてぇっていう
日本人の長所たる「助け合いの精神」が強かったんだろうと想う。


「判官贔屓」てぇ言葉が残ってるくれぇで、
赤穂浪士の四十七士が300年以上経った今でも人気が有るなぁ
当にこうした理由と、基本的な社会矛盾への反発心からだろう。


しかし今ぁどうだい、ガキどもにゃぁ困ったもんだ。
三分の理どころかそれに至る経緯すら見当たらねぇ事が多い。
何しろ驚いちゃうよな、皆目理解が出来ねぇ。


いくら癪に障ったか知らねぇがヤクザの出入りでもあるめぇし
そうそう年中刃物振り回されたり爆弾放り込まれたりした日にゃぁ
世の中命が幾つあったって足りゃぁしねぇ。

全くこれじゃぁヤクザもんのがよっぽど大人しいや。


ゲームばっかりやってやがるからどうしただの
俺が今更ここで四の五のぬかしても仕様がねぇから言わねぇが
テクノロジーてぇやつはこれからもどんどん進歩して行くんだ、
こっちもその都度振回されねぇ方法を考ぇなけりゃ仕様がねぇだろ。

世の中便利にしようてぇのは結構な事だと想うし
俺だってそのご相伴にあずかる一人だ。
しかしその分歪みも出来る、頭押さえりゃ尾っぽが上がるてぇやつだな。
こればっかりゃぁ止めようがねぇ。


とは言え人間様が作った歪みだ、
こりゃぁ人間様が何とかするより他はやりようがねぇだろ。

前回の靖国の話然り、最近問題の少子高齢化然り、
いい悪ぃは別として世の中摂理に逆らやぁ生態系は壊れちまう。

丸い地球で生きる以上
この摂理てぇやつを見直すよりねぇんじゃねぇかと想うぜ。

水は高い所から低い所へと流れる、これも摂理だ。
ものの順序や流れを大事にしながら
何故こうした順序や流れがあるかを考ぇようぜ。


現代人が惜し気もなく捨てちまった先人の知恵ってのを
こんな時代だからこそもう一遍拾い直そうじゃぁねぇか。

どうやらこれから先ぁ
「温故知新」てぇのを実践する必要がありそうだ。


そりゃぁ簡単にゃぁいかねぇよ、だがここは一つ、
言い訳無しで正面から行くとしようじゃぁねぇか。
ガキを救うなぁ大人しかいねぇんだ。


今ガキどもに教えなけりゃならねぇなぁ
人間はどうやったってアナログで物事身体で覚える生物だってぇ事だろ。
しかもその殆どが割切れねぇもんなんだってな。


例えば恋愛は身体で覚えるしかねぇ、だけど割切れた試しがあるかい?

すぐに答えは出ねぇ、だからこそ人生てなぁ面白ぇ。


              *


「ケツが痛けりゃ頭をさすれ」なんてよく言われたもんだ。
痛てぇのはケツだけど原因は頭かも知れねぇ、
要は発想の転換だ。


大事ななぁ連想・想像して想いを巡らすてぇ事だ。
盗っ人にも・・・みてぇな格言めいた言葉ってなぁ
勿論読んだそのままの意味もあるだろう、
しかし殆どの人はその裏にある真意を考ぇる筈だ。


こりぁ当にそれこそが狙いなんじゃぁねぇかと想う。


相手に考えを伝えたきゃぁそのものズバリ言うわよ
ってのも一つの方法なんろうけど、
こうする事によって相手にその事をじっくり考える
要素を与えられる訳だよな。


一つの事柄で幾つもの考えを捻り出せるってぇ事んなる。
そして同時に一つの疑問から
幾つもの事を学べるってぇ事にもなる訳だ。

好奇心てなぁ想像力をかき立てる、これも摂理だろ。
そしてその好奇心の陰にゃぁいつだって
この「疑問」ってぇやつがいるんじゃぁねぇかと想うな。


ガキの時分にゃ年中「何で?」って言ってただろ?
この時期に疑問を与えるなぁ大事だよな。

三つ子の魂百までってぇくれぇのもんで
何でも摺込めるその時分に大事ななぁ、答えを教ぇる事よりも
答えを出す知恵、遊びや勉強の中から「連想」を容易に出来る
「想像力」を身につけるてぇ事が一番重要なんじゃぁねぇかな。


常識や知識を身につけるなぁ無論の事、
この努力して考える、想像して思いを巡らすってぇ行為が
社会に出てからの人間関係に大いに役立つもんだろうと俺ぁ想う。


まぁとは言ってもあんまりそれに固執し過ぎちゃぁ
禅問答みてぇになっちまうから
「ズバリ言うわよ」と上手い事使い分けていかなけりゃならねぇ。


されどこの禅問答、
あながち世の中を救う鍵にならねぇとも限らねぇ。


今はそれこそ、大人の想像力が試されてるってぇ訳だな。




  さて今回は枕がちょいとばかし長くなったんで
 落とし噺はご遠慮しやしょう。


 無理してやって飽きられてもいけねぇ。


 こいつぁ正しく、摂理ってぇやつかな・・・・・?



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2005年06月12日(日) 01時31分03秒

靖国参拝が外交問題・・・??

テーマ:俺が想うに


 靖国神社の首相参拝が

アジア諸国に最も不快感を与える重大な外交問題だ・・・・

なんてな事を言ってやがるが・・・ 


ありゃぁ何で外交問題って事になっちまったんだい?

まぁそうさせた張本人は日本人なんだけどね。


最初は中曽根元首相が現役総理の時分に公式参拝したのを
中国がグズグズといちゃもんをつけてきやがった訳だ。


そもそもあの時に黙って相手にしねぇでうっちゃっときゃぁ
今頃こんな調子付いたものの言い方をされずに済んだと俺ぁ想うね。

しかもあのジジィまた今んなってナベツネあたりとコソコソやって
読売新聞に反対記事を出させてテメェを正当化しようとしてやがる。
全く隠居部屋から出てくるんじゃねぇやい。


そもそも論を言っても始まらねぇが
とかく日本人てぇものは時に理解不能なお利巧さんに成下る。


あんなもの中国にしてみりゃぁ


「あれぇ? もしかしてこれって棚ぼたぁ?」


てなもんだったろうよ。


あいつらぁ日本を黙らせるのと金を巻上げるネタを
日夜せっせと研究してやがるんだから迂闊に隙を見せちゃぁならねぇ。

下手な鉄砲数撃ちゃ当たるなんてぇのを覚えられた日にゃぁ

馬鹿の一つ覚えで乱射してきやがるなぁ目に見えてた筈じゃぁねぇか。


大体こりゃぁ日本人の中に古くっからある宗教とか生き死に対する観
念の問題だろ? 


人間ってぇ生物の精神の根源を辿って行きゃぁ
全てこの宗教の観念に行き当たる筈だと俺ぁ想うね、
マナーだのモラルだのてぇのが最近騒がれてやがるけどそれも然りだ。

そのマナーやモラルってぇのを強いて日本語にすりゃぁそりゃ作法だろ、
この作法てぇのも元を正しゃぁやっぱり宗教からなるもんだと想うぜ。


恐れをなして神仏を拝み奉る、
土壇場の理性ってぇやつもそう云う観念からくるもんだろ。
要はそう云うなぁ全部大元の魂の問題だってぇ事だよ。


大和魂てぇのも戦後は否定され続けてきたもんだけど
日本人が2600年掛かって築き上げてきた訳だ、
俺ぁ今だからこそこれ程大事な代物はねぇと想うぜ。
人々の長い歴史の営みがあって
初めて今テメェ自身が存在してるてぇ事を忘れちゃならねぇ。


中国の思惑なんてぇものが碌でもねぇ事ぁ解りきってる訳だし
そんな下らねぇお家の事情に
一々まともに付き合ってられる程日本人だって暇じゃぁねぇ。

A級戦犯だのヘチマだのって最もらしいゴタク並べてやがるが
そんなもなぁテメェ達が四の五のぬかす話しじゃぁねぇや。


靖国に参拝するに当たっちゃぁ、
それこそ政治的ないやらしさはねぇ訳だから
総理大臣はおろか天皇陛下だって大手を振って公式参拝すりゃぁいいんだ。


日本人の起源に通じる話を国内でやってるものを
「外交問題だ」なんてぇのはまさしく愚の骨頂ってぇもんだ。

ましてやそれにつられて分祀だなんてぇのは最もよくねぇ、
そんな事をした日にゃぁ日本人の宗教観念は根が切れて
空中分解をおこしちまう。
こりゃぁ当に神をも恐れぬ所業で本末転倒も甚だしいや。
だったら逆に政治家なんてぇのは一人も行かねぇ方がよっぽどマシだ。


全く日本の大先生方ぁ揃いも揃って腑抜け面で全く情けねぇ。
おまけに棺桶に首まで浸かった様な大姑小姑が雁首揃えて
化ける程日本人やってるくせしやがってとち狂った事をぬかしやがる。


歴史問題にしたって散々っぱら反省して謝ってるんだし
言いたかぁねぇが出した金だって半端な金額じゃぁなかった筈だ。
お陰でこちとら鼻血も出ねぇじゃぁねぇか。


何しろだ、今政府がやるべきは
これ以上魂までは差し出せねぇって意思を国内外にハッキリと示す事だろ。
信仰心が強くって力もある国をしっかりと味方につけて、
兎に角日本人本来の宗教に対する観念と
大和魂を広く深く充分に理解をして貰う事だと俺ぁ想うぜ。


それを捨ててまで常任理事国入りなんかしたところで
得んなる事なんざぁ何一つだってありゃしねぇ。


それに後々諸外国から言われる事ぁ目に見えてる。
結局日本てぇ国の奴等は鼻っ先にぶら下げられた餌に目が眩んで、
平気で大切な魂までをも安く売渡した恥を知らねぇ最低の生物だってな。


どの国も信仰てぇのは犯しちゃならねぇ聖域だと相場は決まってる。
そこに下手に手を出しゃぁ拗れて戦争にまでなるんだぜ。


国際世論てなぁ厳しいからね、
馬鹿にされて相手にされなくなるなぁ取りも直さず
国ってぇ括りじゃぁねぇんだ、国民一人一人だなんだぜ!


                    *


 イキナリなんだけど俺がガキの時分にウチは一流の貧乏だった。
まぁ今だって貧乏にゃぁ違いはねぇが二流程度にゃぁなってる。

ウチに限らずここいらは貧乏人の家が沢山在った。

家に銭がねぇて事ぁ当然そこのガキだって小使いなんか持っちゃいねぇ。

偶に何だかの拍子で小銭が手に入ったってんで
三百円も持ってた日にゃぁ舎弟が三人は出来たってぇくれぇのもんだ。


まぁ何しろ充分な小使いが欲しいなぁ、いくらガキだって五分の魂だ。
何とかいい小使い稼ぎゃねぇもんかと
幼馴染のガキどもが寄り集まっちゃぁ日々思案に明け暮れてた訳だ。


 夏休みも終わりの頃のある日、
いつものように大黒様の神社で遊んでいるてぇと
賽銭箱の横っちょにカナブンがへばり付いてるのを見つけた。


ガキなんてぇもなぁ虫けらと見りゃぁ何だってひょいと捕まえる。
俺もそのへばり付いたカナブンを手に取ったんだかその時、
指に掴まって中々放そうしねぇそいつを見て
ちょいとした小使い稼ぎを思い付いちまった。


こいつの習性をうまく使やぁ荒稼ぎが出来るにちげぇねぇ。
勘のいい人ぁもうお気付きでやんしょ、そう、賽銭泥棒よ。
こいつぁシタリと早速作戦に取り掛かる事にした。
じゃぁその作戦てぇのは何か・・・ 説明致しやしょう。


先ずカナブンの胴体にタコ糸を括り付けてその糸の端を長く伸ばしとく。
延ばした先を持ってカナブンを賽銭箱の中へ入れる、
暫くして引上げりゃぁものを掴む習性があるから小銭を、
景気のいい日にゃぁお札を掴んで出てくるかも知れねぇて寸法だ。


丁度居合わせた酒屋の小倅と二人で
このカナブンを「ルパン四世」と名付けて調教をしようて事んなった。
小銭を何枚か寄集めといてタコ糸で括ったカナブンを上下させる、
しっかりと小銭を掴めるようになるまで何度も特訓をした訳だ。


しかしあのルパン四世の奴ぁいい仕事をしたよ。
確か二・三日で三千円以上は稼いだと想ったなぁ。
あの時分の下町のガキにしてみりゃぁ
一生遊んで暮らせるじゃぁねぇかと想うくれぇの金額よ。


だけどルパン四世の旦那は無理が祟ったのか
ほんの数日で過労の為にお亡くなりんなっちまった。(なんまんだぶ)
立派な墓を建ててやりてぇところだが虫が相手じゃそうもいかねぇ、
精々成仏してくんなってんで、大黒様のお社の脇へねんごろに葬った。


さすがに可哀想な事をしたてんで仏心が出ちまった。
もうこういうなぁよしにしましょうてんでその日はそれぞれ家へと帰った。


しかしその晩、ぐっすりと眠ってた俺ぁ
なんともおっかねぇ夢を見てうなされる事んなった。
熊程もでかいルパン四世が牙ぁむいて追っ掛けてきやがる夢だ、
助けてくれぇ~! ってんでパッと目が覚めた時にゃぁもう朝だ。


青い顔して朝飯も喰わねぇで酒屋の倅の家へ行った。
そしてその夢の事を話すとびっくり、
何と酒屋も全く同じ夢を見たって言うじゃねぇか。


こりゃぁ祟りだ怨念だってんですっかりブルっちまった。
豆盗賊の黒幕が二人して協議の結果、
この期に及んじゃジタバタしても始まらねぇから
盗んだ賽銭をそっくり返して
ルパン四世にもよくよく手を合せて謝りましょってぇ事んなった。


そしてその足で秘密の場所へ隠してあった銭を持って
大黒様へ行ってそれを全部賽銭箱へ返した。
それからルパン四世が埋葬されてる辺りへ手を合わせて
どうかご勘弁をてんで水をやって帰ろうとした。


しかし神社を出ようとしたその時、宮司さんが俺達を呼止めた。


「ほほう、手など合せてお前達にしてはめずらしいな」


「えっ? ま、まぁ・・・ へへへ」


「ほう、その顔だと何か悪い夢にでもうなされたな」


「へっ? い、いやぁそんなんじゃぁ・・・・」


「悪さばかりをしているから怖い夢を見るんだ」


「えへへ・・・ バレちまった・・・・」


      「だけど宮司さん、何でそんな事解るんです?」


           
           「何でってそりゃぁ、虫の知らせだ」



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2005年06月11日(土) 07時03分56秒

若貴兄弟が・・・

テーマ:俺が想うに

 何だか揉めちまってやんすねぇ・・・・

 

 どっちがいいだの悪ぃだのなんざぁ知らねぇし
そんな事ぁ言う気もねぇんでやんすがねぇ、
もうちょいとなんかこう・・・ 上手い事やれねぇもんかねぇ・・・


先代のオヤジの骸の前で口喧嘩おっ始めたってぇじゃねぇか、
しかもまだ病院に居るてぇのに。


昨日だかなんだかに貴乃花が
「言わない事は返って罪」なんて言ってやがったけど
俺ぁ何だかあれがどうも引っかかるんだよなぁ・・・・

黙して語らずってぇのが何だって罪になるってんだい?
何がそんなに癪に障るのかは知らねぇが
相撲協会や花田兄本人やその家族の事を考えりゃぁ
ペラペラ喋って恥晒すなんざぁ、その方が罪作りじゃぁねぇのかね? 


俺が角界の人間だったら
「相撲協会はテメェ達だけのもんじゃねぇやいっ!」
てな事んなっちまうだろう。


どうしても憎くって気に喰わねぇのは勝手だが
あの二人はテメェ達の事しか考ぇてねぇようにしか見えねぇんだよ。
もっと全体の事を見渡して考えやがれってんだ。

何処の世間にテメェの家の揉め事を
他人様にわざわざご注進するバカ野郎がいるってんだい。


そりゃぁ人の不幸は蜜の味ってくれぇのもんだから
面白おかしく書きたてりゃぁ喜ぶバカもいるだろうよ。

だけど見たくもねぇ聞きたくもねぇってぇ人間もいるんだぜ。
特に相撲ファンや二人のファンを悲しませねぇでくれよ。
少なくっとも人様に夢売ってるんだから。


大体相撲取りてなぁ人気商売だろ?
お客様は神様てんだよ、こんな事してちゃぁ
新弟子だって段々と来なくなるぜぇ、
そうすりゃ部屋だってやっていけなくなるんだ。

花田兄にしたってもうこの先
さわやか面してスポーツ番組なんてやってられねぇかも知れねぇぞ。


俺も一相撲ファンとして言いてぇが
兎に角もうこれ以上醜態を晒すなぁやめにしねぇかい?
今頃どっかの草葉の陰でお父っつぁんも泣いてるてぇもんだ。


仲良くしろとまでぁ言えねぇが
せめてお互いの家族の事だきゃぁ大事に考えようぜ、

     どうだい? 若貴さんよぅ。

               
                      *


 兄弟で想い出したが、
昔ウチの裏にちょいとした名物オヤジが二人ばかし住んでた。
この二人は実の兄弟で何だか異常に仲がいい。

兄の名は政吉、弟の名は喜代二、人呼んで 「マーとキー」
小汚ねぇ長屋に仲良く隣同士で住んでやがる。


この二人は中々腕のいい評判の左官職人だ。
仕事も真面目でいつもつるんで現場に出てるなぁいいんだが
その会話を聞いてるってぇとこっちの頭がイカレそうになっちまう。


「お~うキーの字ぃ、ネタぁ(材料)取ってくんなぁ」


「あいよぅ・・・」


「ところで何だねぇマー兄ぃ、
           このモルタルってぇのを考ぇた人ぁ偉いね」


「なんでぇ薮から棒にぃ」


「だってよぅ、これがなかったら家ん中ぁスケスケだよ、
            冬なんかぁ寒くって年中風邪しいてなくちゃぁならねぇ」


「その代わり夏ぁ涼しくって清々すらぁ」


「だけどそれじゃぁ蚊が入ってきていけねぇや」


「そしたら蚊帳を吊るがいいじゃぁねぇかい」


「あっ、なるほどぉ・・ それじゃぁ蚊帳を考ぇた人が一番偉ぇて事んなるねぇ」


「まぁそう云うこった」


「やっぱり兄ちゃんはすげぇなぁ・・・! (涙)」


「なんてったってそりゃぁおめぇ、兄ちゃんはアメ公と戦ったんだからよ」


「そうだったなぁ・・・・ (涙)」


「そうともよ!」 (アホか・・・)


仕事をしながらねんがら年中こんな調子だ。
兄のバカっ話を弟が涙ながらに讃えてやがる。
全くバカ兄弟もいいとこだ。



 ある日、珍しく一人で現場へと出掛けたマー兄ぃは
午後から雨んなるってんで早々に仕事を切上げた。


帰る途中で家に酒を切らしていたのを思い出したんで
ついでに酒屋へ寄る事にした。

今にも降出しそうだから近道をしようてんで細路地へ差し掛かった時、
酒屋の並びの家の勝手口から
若い男がズタ袋を担いで出てくる場面に出っくわした。


「見掛けねぇ野郎だなぁ・・・」


いかにも怪しいその若い男は、
訝しがるマー兄ぃを尻目にそそくさと細路地を出ようとする。


「あれぇ? あそこん家は確か年寄りの一人暮らしで・・・・」


「あっ! あの野郎泥棒だっ!!」


パッと振返るとビクついた顔でこっちを見てるその男と目が合った。

鬼気として睨み付けたマー兄ぃに恐れをなしたのか、
担いでいたズタ袋を道端に放り投げて脱兎の如く逃出した。


「この野郎っ! 待ちやがれぇいっ!!」


マー兄ぃも左官道具を放り出して追っ掛ける。
必死になって逃げる泥棒を袋小路に追い詰めたんだが、
逃げ場を失った泥棒は観念するどころか
今度は突当りの家の中へと逃げ込んだ。


「畜生めっ! 全く往生際の悪ぃ泥棒だ!」


「この盗っ人野郎めっ! 観念しやがれっ!!」


二階へ駆け上がって行った泥棒をそのまんま追っ掛けて
今度こさぁとうとう賊を追詰めた。


窮鼠猫を噛む、賊も必死でそこらの物を片っ端からひっ掴んでは
マー兄ぃ目掛けて投げ付ける。


さすがに手こずっていたんだが、
丁度天井から吊ってあった蚊帳がふと目に入った。

飛んでくる物を掻い潜ってその蚊帳を引っぺがし、
賊の足を引っ掛けて倒したところへそれを頭からおっ被して押え付けた。


「うぐぐぅぅ・・・!」


それでもバタバタ暴れるもんだから
被した蚊帳の端と端とでもって賊の腕ごと結わいつけた。


「この盗っ人野郎めっ! 神妙にしやがれっ!!」


「ほんの出来心なんです、勘弁して下さい・・・・」


「バカ野郎っ! 落語じゃねぇやいっ! どうあっても勘弁ならねぇっ!!」


ヘタリ込んでいるその家のおかみさんに110番をして貰って
縛った蚊帳ごと警察へ突き出した。
軍隊で鍛えたマー兄ぃの気迫にさしもの賊も敢無く御用となった訳だ。


何日かして地元の警察署で
警視総監賞と金一封を頂戴したマー兄ぃは
意気揚々と住処の長屋へと戻ってきた。


「いよっ! 政吉親分!! 日本一っ!!」


「てぇしたもんだぜ政きっつぁん! 町内の誇りだ!」


ご近所衆が総出で拍手喝采のお出迎えだ。
こうして凱旋パレードを果たしたマー兄ぃの下へ来て涙に咽ぶキーの字。
 
「兄ちゃん、おいらぁ鼻が高ぇよ、うれしいねぇ・・・ (涙)」


「おう、キーの字ぃ、こんなもなぁ戦地に比べりゃぁ軽いもんよ!」


「それで兄ちゃん、警察で勲章貰ったのかい?」


「おうっ! 金一封に警視総監賞よ!」


「おいらぁ兄ちゃんの弟で本当によかったぜぇぇ・・・・ (涙)」


      「やっぱり兄ちゃんはすげぇなぁ・・・! (涙)」


      「なんてったってそりゃぁおめぇ、
                 兄ちゃんはアメ公と戦ったんだからよ」


             「そうだったなぁ・・・・ (涙)」
        
                  「そうともよ!」    


            「やっぱり兄ちゃんが一番偉ぇ!」


            「いや、そうじゃねぇ、一番偉ぇのは」



                  「蚊帳考ぇた人だ」




            ー   お後が宜しいようで   -

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2005年06月09日(木) 07時19分48秒

サッカーW杯アジア予選

テーマ:スポーツ

   


   いやぁー大したもんじゃぁねぇか!!

 
 俺ぁ正直サッカーてもんはあんまり観ねぇし、
ルールすらよくは知らねぇ。「オフサイドぉ?」ってな感じだ。


だけど昨日の北朝鮮戦だきゃぁ何故だか最後まで目が離
せなかったな。


無観客試合って事で
最初は何だか練習試合みたく見えたけど、
その内選手の気迫がテレビを通して徐々に伝わってきた。


あのガランとした中で選手達の流す汗が飛散る音まで聞えて
きそうだ。


掛け合う声とボールを蹴飛ばす音が響いてる光景は
ある種の悲愴感さえ伝わってくるようだったな。

しかしそれにも増して、
試合会場の外で声を張上げて日本選手を応援してたサポータ
ー達の一所懸命の声援が選手の活躍を後押したのに違いねぇ。


一昨日なんかのニュース番組で
前日からバンコク入りをしてる日本人サポーターがインタビュー
されてた。

その中でリポーターが


「この感じだと会場の中にも入れそうですが・・・」


との言葉に


「そんな事をしたら日本の恥になるでしょ」と一言。


まぁ確かに当り前の事だけどな、
でもヨーロッパのサポーターなんかに比べりゃぁ行儀がいいし、
気合でも負けてねぇ。
これが日本人の真骨頂てぇもんだと何だか嬉しくなっちまった。


やっぱりスポーツってなぁいいねぇ、
あの在日の二人の選手が北朝鮮代表として戦ったけど、
あれも賞賛に値すると俺は思うぜ、中々出来るこっちゃぁねぇ。


彼等の中にゃぁ元々流れる朝鮮の血と
日本の米を食って培った血肉とが共存してる訳だ。

それを身体で知ってるあの二人は
自分達の出来るスポーツを通じて何とか少しでも日・朝の親交
に役立つ架橋たろうとしてるんだ。

いじらしいじゃぁねぇか、
俺ぁあの二人に勲章の一つもやりてぇくらいだ、権限がありゃぁ。


確かに国の威信を懸けて戦うのにゃぁ違いはねぇが、
それ以上に戦う側も応援する側も敵も味方も皆それぞれが
お互いを讃え合って認め合う。


武道やスポーツ程世界を平和にするものぁねぇのかも知れねぇ。


兎にも角にも


      サッカー日本代表W杯出場おめでとう!!
    
          ドイツが君等を待っている!! (アホか俺は)


                     *


 実は俺はガキの頃柔道をやってた。
二十歳前までやって一応これでも参段まで貰った。


小学校の四年生の時分から近所の街道場へ通い始めたんだけど
業界? でも稽古が厳しくって有名な道場だった。 
と言うかそこの師範、大先生(おおせんせい)てぇ人が何せ厳しかった。


最初の頃はエライ処に来ちまったもんだと想ったが
好き始めたもんだし、
何よりも強くなりてぇ一心で雨の中風の中せっせと通ったもんだ。


何しろ厳しいのぁ稽古だけじゃぁない。
普段の生活態度だとか口のきき方、要は日頃の所作にゃぁ特に厳
しかった。


道場の中でも外でもちぃとでもだらしのねぇ事でもした日にゃぁ


        「ぶぁかもぉぉんっ!!!」


てんで足腰起たなくなるまで有難くもキッツーイお稽古が続く。


口のぞんざいなのが多い下町でも俺は特に口が悪ぃ方だったから
まぁ年中大先生にゃぁ可愛がられた(しごかれた)もんだ。
今想い出しても背中の辺りがチクチクしてきやがる・・・。


 しかし・・・・ 
そんなものぁまだまだ甘ぇもんだったってぇのをある日イヤってぇ程
思い知らされる事になる・・・・。


中学校二年の冬、二月の始め頃、
その日ぁ朝から大粒の雪が降り止まなねぇ寒い日で、
夕方道場へ出掛ける頃にゃぁもう脛に掛かるって位に積もってた。


稽古着を小脇へ抱えて雪を踏締めながら道場へ行く。
やっとこさ着いて早速身体を温めようてんで準備運動を始めた。

少しして大先生が二階から道場へと降りてきたんで
兄弟子から順に上座へ挨拶をしに行く。


「大先生、宜しくお願い致します」


「うむ。。。」


大先生ともなりゃぁ余計な事は一切言わねぇ。

一通り挨拶も終わって身体も温まってきたところで乱取が始まった。

俺も気合を入れて稽古に取組んでるってぇと
その様子を上座で見守っていた大先生が手招きをしているんで
兄弟子に礼をしてその下へ行った。


「お前、稽古が終わったら二階へおいで」


「はい。。。」


二階へ来いなんて言われる事なんざぁ滅多にありゃしねぇ。
まぁ何だか知らねぇけど行きゃぁ解るだろってなもんで
その時ぁそう深くは考えなかった。


稽古が終わったってんで皆が着替える中
俺はそのまんまの格好で早速二階へと上がって行った。
しかしこれがいけなかった訳だ・・・・・。


大先生の居らっしゃる部屋の前の廊下に正座して


「失礼します。。。 あのぅ・・・大先生、何か・・・・?」


するとあのお方、バチンッと障子を開けて俺のツラぁ見るなり


「ぶぁっかもぉぉんっ!!!」 (えっ?)


日本中に響き渡るんじゃねぇかってぇ勢いで一喝だ。

ホントに耳がキーンッってなっちまった。

そして次の瞬間あのグローブみてぇなでかい手で


「ガチンッ!!」


頭をゴリラにブン殴られたのかと想うくれぇの拳固を頂戴した。


「身に覚えがあろう!!」


「へっ? ど、どの件ですぅ・・・・?」


思わず言っちまった。


「ぶぁっかもぉぉんっ!!!」 (今度ぁ世界中だ)

「どの件とは何事かぁっ!! 我胸に手を当ててよくよく考えんかっ!!!」


「へへーっ!」 


もうこれ以上は何も言えねぇ。

普段っから悪さばっかりしてるんで一体どの件が何処から漏れたのか
心当たりは佃煮にする程有るからさっぱり見当がつかねぇ。

暫く首を傾げてるてぇとまた


「性根が腐っておるなっ! そこへ直れっ!!」


そう言うや否やいつの間にか手に持っていた、
天秤棒に何やら小難しい字が書いて有るようなので平伏した俺
の背中をバッチンバッチン叩く、その痛ぇの痛くねぇの。


「そこへ暫く瞑想おれっ!!」


そう言うとピシャッと障子を閉めて部屋ん中へ入っちまった。


「・・・・・・・・・」


足が痺れるくれぇならまだいいが、廊下は板の間で窓ガラスなん
ざぁ割れっぱなし、おまけに北側なもんだから冷たい風がピューピ
ューと入ってきやがって寒ぃの何のって・・・。


しかし一番参ったのは
命一杯稽古をするから冬でも何でも汗だくんなる、そうすりゃ道着
も汗でびっしょりだ。


こんな事になるたぁ想ってもみねぇから着替えちゃいねぇ。
さっきまでぶっ叩かれてカッカしてた背中も段々と冷えてきやがった。

あ~ぁすっかり冷たくなっちまったよと想っていたんだか、
それにしてもやけに冷てぇ。
ふと手を後ろへ廻してみて驚いた。


何と北風のせいだか何だかで
背中に汗の氷が張ってやがった、冗談じゃぁねぇやホントにぃ・・・・・。


嫌でも背筋を伸ばしてなけりゃぁ冷たくって敵わない。
口を真一文字にして姿勢を正してジッと我慢の子だ。


それから推定約二時間半・・・
仕様がなく姿勢を正してる俺を見た大先生は、
反省したと勘違いしたのか、そろそろ勘弁してやろうと想ったのか


「後は自宅へ帰って充分考えるがよいっ!!」


「へへーっ!」 (またかい)


やれやれ、ようやっとお解き放ちだ。
しかしあの時どの件で怒られたのかは未だに解らねぇ。

凍りついた柔道着を脱いで私服に着替え
冷えきった身体を引きずるように家へと帰った。


家ではオヤジが相も変わらず
ウイスキーの水割り片手にテレビを観ながらヘラヘラ笑ってやがる。


「ただいま・・・」


「おう、遅かったじゃぁねぇかい」


「いやぁ今日は道場でエライ目にあった・・・・」


「へぇーそうかい・・・」


するといきなり、オヤジが俺の背中をまさぐり始めた。

       
      「何しやがんだよ、気持ちが悪ぃ」

    

      「いや、ちぃと氷を切らしちまったもんで・・・」

      

      「だから何だい」


        
      「だからおめぇの、背中から貰おうと想って・・・」


   
          -  お後が宜しいようで  -        

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2005年06月07日(火) 23時45分06秒

クール・ビズ・・・

テーマ:俺が想うに


     
   何ですかいありゃ・・・?

 
 何だかえらくご満悦の様でやんすがねぇ・・・
俺ぁまた何かのお祭りでも始まったのかと想っちまったよ。


 ありゃぁ衣替えをしましょって事とは違うのかね?
トンチンカンな格好して喜んでる場合じゃねぇよホントに。


簡単な事を横文字使ってわざわざ小難しくしてるだけじゃぁねぇか。
見てるだけで具合悪くなっちまう・・・・

仕舞にゃぁ巷でファッションショーまで始まっちゃうてんだから、
全くどうなってんのかねぇ世の中・・・・


だいたい何だってあれをするのに地球温暖化防止の話から入らなけ
りゃならねぇのかねぇ?
何しろさっぱり解らねぇや。 


ものの順序が逆さだってんだよ、
先ず大事なのは健康面、それから見た目にも清涼感を漂わせてどち
らさんもいい仕事をしましょってのが最初だろ。


それをハナっから温暖化防止だのエネルギーがどうしただのって言わ
れたって、スーツにネクタイがこうも鬱陶しくっちゃぁそんな事考える余
裕もねぇわな。

それにこういう事ぁ政治家よりも先に大企業がやるべきもんだろ?
テメェ達が人一倍エネルギーを使ってやがんだから。
真剣に考えろよホントに。


全くチンタラしてやがるから大先生方の下手なパフォーマンスの道具
に使われちまうんだ。

大きな会社が率先してやりゃぁ力関係でその取引先や下請けなんか
が順にやるようになるだろ、

そうすりゃ企業のイメージアップにも繋がるし従業員の作業効率も上
がろうてもんだ。
それが巡って地球にも人体にも甚だ宜しいって事になりゃぁ一石何鳥
もの話じゃぁねぇか。


そうなってはじめて政府の出番、大先生方のお出ましだ。
その企業を賞賛して自分達も右に倣えで実践すりゃぁ、放っといたって
俺もアタシもってんで他の企業も続々と参加する、
そうなりゃぁ自然と社会全体に浸透して行くってぇ寸法だ。


それにそうやって順を追って行かねぇ事にゃぁ環境保護への参加意識
なんてものが生まれる訳がねぇ、それぞれみんな忙しいんだから。
大事なのは一人一人の意識だろ? 違うのかい?




ホントに毎年想うけど、
昔っから日本の夏ってのはクソ暑くてジメジメしてるって相場は決まっ
てるんだからスーツとネクタイにゃぁ向かねぇ気候なのは解りきってる
訳だよ。

だったらそんなものはとっぱずして涼しくて見た目にもだらしのなくな
い格好をすりゃぁいいだけの話じゃねぇのかい?

まさか今更アスファルトを引っぺがしてコンクリの建物を全てぶっ壊せな
んて訳にゃぁいかねぇんだから、ここは人間様が着物の工夫をするより
他にゃぁ仕様がねぇだろ。
それを衣替えって言うんじゃねぇのかい?


それにそもそも仕事をするのにスーツにネクタイでなくちゃならねぇな
んてのは誰がいつ決めたんだよ、思い込みだろどせ。


まぁどうしてもダメだってんなら止めやしませんがね、
ただでさえクソ暑いところにわざわざ窮屈な服装してダラダラと汗流し
ながらやって来られても話を聞く気にもなれねぇわな。



今の世の中何でも「カッコイイ」
所謂「格好をつける」と「カッコイイ」とは違うだろ?


他所の国の表面ばかりを真似したっていい事はねぇ、日本にゃぁ日本の
やり方てぇもんがあるんじゃねぇのかねぇ・・・・


                   *


 俺がガキだった時分にウチの並びに綿屋があった。
綿屋って言っても解らねぇか・・・・、要は布団屋みてぇなもんだ。


まぁ30年以上も前の下町だからこそ成立った商売なんだろうけどな。
一人暮らしのバァさんが長屋の角で細々やってる店だった。

一人息子がいるにゃぁいるんだが別で暮らしてて滅多に家になんざぁ寄
りつきゃしねぇ。
仕事の都合で千葉だかどこだかで暮らしてたらしいんだけど、これだけ
近所に住んでて数える程しか見た事がねぇ。

ウチのオヤジとは歳が一緒で鼻タレの時分にゃぁ毎日遊んだ幼馴染だっ
たらしいな。


町内で一番ってくらいに口うるせぇババァで俺なんざ年中ガミガミ言わ
れてたもんだ。
何せ長屋の路地の出口を陣取ってるもんだから綿屋の脇を通らなけりゃ
学校にも行けねぇ、
全く関所みてぇなもんだ。


ウチのオヤジとなんざぁ年中憎まれ口のたたき合い、

朝っぱら店の前を掃き掃除してるバァさんに向かって出掛けついでに


「おうババァ、今朝も生きて目ェ醒ましやがったな」


するとバァさん


「お生憎様だねぇ、おまいの(お前の)葬式出るまでぁ死ねないね」


てな調子だ。


でもウチのお袋とは何故だか妙に仲が良くって、年中綿屋の店先でお
茶すすりながら駄弁ってたもんだ。


でも、そのバァさんはあれでいて中々粋な人で、
例えば初鰹の時期なら鰹の柄をあしらった帯をさり気なく身に付けて
みたり、菊の季節だって言やぁ鼈甲のかんざしに小さな菊の花を結わ
いて挿してみたりってな具合で何とも風流だった。

夏真っ盛りともなりゃぁ品のいい白地に薄い水色で蓮の葉をあしらっ
た浴衣を粋に着こなして店の前に打水をしてた。
これを「納涼」ってんだ。


文明の利器を使って涼しさを得るのも悪かぁねぇよ、俺だって使う。
何しろ手っ取り早ぇからな。

だけどそれ以前にスーツやネクタイなんてものは、それこそ地球の温
度を上げてまでしなくちゃならねぇもんじゃぁねぇだろ。
その他にも涼しくって失礼に当たらねぇ格好をする方法は幾らでもあ
る筈だ。


それに涼しさってものを五感で得ようとする手段は日本文化にも沢
山あるんだから、少しぁそれも生かそうじゃぁねぇか。


綿屋のバァさんみたく見た目で涼しさを演出するのも一つ、風鈴を取
っ付けて耳で涼しさを感じるのもいい。

クソ暑い時にわざと熱い蕎麦なんかを食って食後の涼しさを得るなん
てのも、先人が残した立派な生活の知恵だ。


四季の風流てぇものを知ってる日本人なら夏の暑さだって楽しむ事が
出来る筈だ。

そうやってみんなで「納涼」ってものに親しみゃぁ、環境保護にも繋がる
と俺ぁ想うぜ。

テメェの首根っ子締上げる様な野暮な布っぱしなんざぁ幾ら持ってたっ
て犬の首輪にもなりゃぁしねぇ。



                    * 



 もう一つ、エアコンで思い出したけど、嘗てクーラーってもんのお陰でエ
ライ目に遭わされた事がある。


昔はエアコンがある家なんてものは数える程しか無かった訳だ、
まぁ言う迄もねぇ事だが俺ん家だってそんな上等なものありゃぁしない。

ぶっ壊れそうな長屋に家族六人犇めき合って暮らしてた。
寝床と言やぁクソ狭い所に五人で雑魚寝状態だ。


俺から見た叔母ちゃん、オヤジの姉さんが一緒に住んでたんだがこの人
だきゃぁ一人で三畳の部屋を陣取ってやがる。

こちとら夏ともなりゃぁ夜なんか人熱れで眠れやしねぇのに、あのババァ
だけ一人部屋でスヤスヤと眠ってやがる。
何度寝顔に濡れ雑巾を被せてやろうかと想ったぜホントに。


しかし或る日、俺が小学校の・・・確か5年生の7月の始め頃かな、
博打で勝ったのか、はたまた浮気がバレたのか何だかはよくは知らねぇが、
オヤジがどこだかからオンボロのクーラーを安く買い叩いてきやがった。


「おう、テメェ等よく聴きやがれ! クーラーだぞコノ野郎! クーラー!!」
鼻の穴を倍くらいに広げながら帰ってきた。


「クーラー? ク、クーラーっておまいさん(お前さん)あのクーラーかい?」


「あのクーラーもそのクーラーもあるかいバカ野郎!
                デパートだとか銀行だとかにあるクーラー様よ!!」


「クーラー様かいおまいさん!」


「一同の者頭が高ぇ!」


「ヘヘェーー!」


バカ家族がアホな会話で狂喜乱舞だ。

全く天皇陛下が来たんじゃねぇんだから・・・・ 
朕はクーラーである。。。ってな勢いだ。

しかし我々家族一同、あの時くらいオヤジが神々しく見えたのは後に
も先にもこれ一遍きりだ。
思わず拍手を打って拝み奉ったもんだ。


  さて早速クーラー様に御鎮座頂くお所をお決めしなけりゃならねぇ。
一族郎党? 協議の結果、南の方角がいいんじゃねぇかてんで二階の物
干し側にお収まり頂く事と相成った。

その日の内に宮大工? を無理くり呼んで、いとも厳かにお取付あそばし
た訳だ。


さぁこうなるとクーラー様も天神様だ。
いよいよ家族一同身を清めなくっちゃぁならねぇてんで、いつもなら行水
で済ませる所を、この日ばっかりゃぁ揃って銭湯へ出かける事になった。


出かける道々お袋が


「いいかい、おまい達この事ぁ誰にも言っちゃぁいけないよ」


「何で?」


「いいから黙っときなっ! じゃないとクーラー様はお預けだよっ!」


言いたくって仕様がなかったが、お預けを食ったんじゃぁ敵わねぇ、
誰に話しかけられても頑なに口を結んで銭湯を後にした。

しかしそうやって折角黙っていたものを意外なお方が喋っちまった。
そりゃぁご当人のクーラー天神様だった。


かくして夜 ー

天神様と化したクーラー様の御前に平伏した家族一同のもとに現れた
ウチのオヤジもいつの間にやらすっかり神職の高官に早代わりだ。


「一同の者、面を上げぃ。。。」
(遠山の金さんじゃねぇやい・・・)


「この度、この家の主人による尊き働きにより、かけまくも賢き
                      クーラー天神様がご降臨あそばされた。。。」


「いよっ! 冷房屋!!」  


「つまらぬ合の手を入れるでない・・・」


「ではこれより。。 かくもあらたかな御霊験を賜るものと致す。。。。」
(いいから早くしやがれってんだよ・・・・)


一同二礼二拍手の後、

高官殿が代表して天神様のスイッチに手をかけた。


「各々方いざまいる。。。」
(今度は大石内蔵助だよおい・・・)


               「カチッ・・!」


と電源を入れたのぁいいが・・・・


               「・・・・・・・・」


プスリとも言ねぇ・・・


ネェちゃんを肘で突っついて

「ようっ、どうなってんだよ? えぇ?」


「知らないよアタシだって・・・」


首を傾げながら高官殿がもう一度手をかけようとした次の瞬間


               「グゥウォ~~ンっ!! グゥオォォ~~~ンっ!!!」


もの凄い大音響をたてながらクーラー天神様が大振動をし始めた。



いやぁ何しろ驚いた。
畳から3センチは浮き上がったんじゃぁねぇかな。

オヤジとお袋は思わず抱き合い、俺とネェちゃんは柱にしがみ付き、
当時まだ五つか六つだった弟は火が点いたように泣き出した。


そうやって右往左往してるうちに、クーラー天神様はスーッと静かにな
った。そうかと想ったら次にサーッと詰めたい風が出てきて徐々に冷
房効果が利き始めた。

どうやら後で何度か試したところによるとこのクーラー天神様、起きぬ
けに大あくびをして身震いをしねぇと目が醒めねぇらしい。


兎にも角にもこれで安心、快適な眠りにつけると想ったのも束の間、
今度は近所の連中が何事かと寝巻きのまんま表へ出てきた。


「おい、何だ何だ、どうしたどうした! 地震かい? ええっ?!」


「地震にしちゃぁ妙だよ、おーい! でぇじょうぶかぁーっ!」


ウチに向かって叫んでやがる。


「あ~あバレちゃったよ・・・ 天神様自分で教えちゃうんだから・・・」


何しろクーラー天神様の大あくびと身震いで長屋中が揺れ出しちま

ったんだからバレちまうのは無理もねぇ事だ。

仕様がねぇからお袋が出てって赫々然々とご近所に記者会見をした
んでその場は一応収まった。

まぁ何とかその夜は天神様もお静かだったもんで、涼しい思いでグッ

スリと眠る事が出来た訳だ。



そしてあくる日、
夏の短縮授業を終えて学校から帰ってきた俺は家に入るなりギョッとし
ちまった。

何だかクソ狭い家ん中が人でごった返してやがる。
よく見りゃぁ向う三軒両隣のご近所さんが、雁首揃えてクーラー天神を
御参りにやって来やがった。

帰ってきた俺を尻目に呑めや歌えの大宴会だ、全くこれじゃぁ足の踏み
場もありゃしない。

銭湯に行く時お袋が言った事をここになってようやっと理解ができた。
全く貧乏人につけるクスリはねぇ、困ったもんだ・・・


そしてすっかり出来上がった向かいのオヤジが待ちかねて


「ようっ! クーラー様はどうしたいっ!!」


そこへ満を持して、上機嫌の高官殿のお出ましだ。


「各々方いざまいる!」

(また始まりやがった)


「いよっ! 待ってましたーっ!!」

               
          「カチッ。。。 グゥウォ~~ンっ!! グゥオォォ~~~ンっ!!!」


「いよっ! 冷房屋!!  日本一っーー!!!」

(アホか)


拍手喝采だ。


そこへ丁度、一週間ばかり温泉旅行へ行っていたウチの叔母ちゃんが
何も知らずに帰ってきた。


「何だい、どしたんだいっ! こりゃなんの騒ぎだいっ!?」


大音響と大振動に慌てふためいた叔母ちゃんは右往左往だ。


「よう、お帰り」


「お帰りじゃぁないよ、こりゃ一体何の音だい・・・?」


「何ってそりゃぁおめぇ、クーラー様よ」


「クーラー様ぁ?」


「そうともよ!」



「何だそうかい、あたしゃまた、天神様のたたりかと想ったよ・・・」




                 - お後が宜しいようで -                     

















 

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