プロローグ


‘はじめよか’

横目でまこっちやんをちらりと見やる。毎日が戦いの日々にしては

なにげない、さらりとしたことばの掛け合いで始める。

‘はじめよか。’

挨拶もこめてまこっちやんも真にいつもの合図を送る。

しかし、いつもにしては何の話しも始まらない。


真は ‘なんでや? どないしたん? お前からはよ話せ’と、言葉に


ならない思いを目でおくるが、まこっちやんは黙ったまま。

元来の気性の激しさからか大きな顔が一段と大きく見える。

‘あのな、今日はわしの生い立ち話すことにしたわ’

‘みんなそんな話し聞きたないって、知ってることやし’

‘知ってることと、ほんまのことは違う’

‘?’

‘わしな、今までみんなに話してきた事、あれ、みな作り話しやねん

 真実のみを話してきた俺やし、自分のことについても

 今日から1話1話ほんまのことお話しするわ’



はじめよか・・・・



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