アイフルの期限の利益喪失の抗弁に対して期限の利益の再度付与の再抗弁を認めた判決をいただきました。

さいたま地判平成27年3月6日(平成26年(ワ)第718号不当利得返還請求事件)です。

依頼者のご承諾を得たので,判決文 をpdfで掲載します。

以下はその抜粋です。


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証拠(乙A2,4)及び弁論の全趣旨によれば,第1取引及び第2取引(以下,併せて「本件各取引」という。)については,原告が約定の支払期日に利息又は元本の支払を怠ったときは,被告アイフルからの通知,催告がなくても当然に期限の利益を失う旨の特約が付されていたこと,原告は,別紙1の1記載の取引のうち「利率」欄が26.28パーセントとなっている取引の次の行の「年月日」において,約定の支払期日から「日数」欄(ただし,「利率」欄が26.28パーセントとなっている行のもの)記載の日数分遅れて弁済をしたことが認められる。

しかしながら,証拠(甲A4)及び弁論の全趣旨によれば,被告アイフルは,支払の遅滞があった場合でも,原告から支払を受ければ,支払がされた日までの遅滞期間を遅延損害金利率で計算し,以後は通常の約定利率での取引を継続していたことが認められ,これによれば,被告アイフルは,期限の利益を再度付与していたというべきである。

なお,原告は,被告アイフルの期限の利益の喪失の主張が信義則に反して許されないと主張するが,原告主張の事情のみでは,被告アイフルの主張が信義則に反するとまではいえず,証拠を検討するも,被告アイフルの主張が信義則に反して許されないとまで認めるべき事情を見出すことはできない。

したがって,本件取引を利息制限法に引き直して計算する際にも,上記遅滞期間についてのみ利息制限法所定の遅延損害金利率を適用すべきである。

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アイフルの期限の利益喪失の抗弁については,最高裁判例が未だ存在せず,下級審判例は①信義則違反で排斥するもの及び②期限の利益再度付与で排斥するものに分かれるように見えます(そのほかにも,時機に遅れた攻撃防御方法で排斥するもの,弁済期主張立証欠缺で排斥するものなども散見されますが,これらは民事訴訟法上の問題であって民法上の問題ではないので,とりあえず脇に置いておきます。)。

私自身は,アイフルの期限の利益喪失の抗弁については,「仮に最高裁判所がこの論点について判断するとしたら,約定利率適用期間については期限の利益再度付与が認められ,遅延利率適用期間については期限の利益再度付与も信義則違反も認められないだろう。」と予想しており,今回の判決については「異存なし。」との感想です。

ただ,アイフルは基本的に全件控訴の方針のようですし,今回の論点はアイフルが全国的に力を入れて争っている論点なので,まず,控訴してくるのでしょう。

今後,東京高等裁判所の控訴審判決をいただくことになると思いますが,最後まで気を抜かないで対処しようと思います。

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