「いしゃちゃん結婚しない?」


ケイトさんと狩りに行きたくてレベルをあげていたプリーストは、よく他の人からそういう声をかけられました。


そもそもプリーストの容姿は可愛らしく、キャラクターのスキルも他職の支援で、ペアを組みやすいため、そういった声はかけられやすいようです。


リアルで女性である。ということも大きなポイントだったらしく、明らかにナンパのような人もいました。(住んでる地域聞かれたり、年齢聞かれたり。とか。)


それを見兼ねた昔からの友人が、結婚してしまえば減るから。と声をかけてくれました。


キャラクターは♂ですが、リアルでは女性で、一緒にいると楽しく、よく狩りにも行きました。


結婚をすれば、その狩りの効率だって上がります。


断る理由のない話でした。


けれど。


未婚でいたら、もしかしたら。もしかするかも。


そんな考えから、どうしても彼女との効率婚に踏み切れませんでした。


ケイトさんと結婚したい。


私にとっての、この頃の「結婚」とは、あくまで相方とかそういうもりではなく、ネタ婚ですが。


形だけでもそうなれたら。と憧れました。


彼を追いかけたスクリーンショットだけが、少しずつ増えて行きました。


馬鹿な話をしたり


狩りに行ったり


寝落ちした彼の隣に座ったり。

そんな些細なことを続けて、浮かれていました。



「いしゃさんのそのプリ、結婚とかしないの?」



溜まり場のギルドメンバーが、ふとその話題に触れました。



「いあーお金ないですし。」



「この前でたレアアイテム売れたらしいじゃん。」



「あれ、ほんとですか、まだお金もらってないですよ」



「ごめ、渡すわー」



売ってくれていたのはケイトさんで、商人のキャラクターからお金を受け取りました。



「ありがとうございます。」



「いしゃん結婚しないんだね。」



「相手もいませんしねー」



「俺は?」



はい(  ゚ ▽ ゚ ;)?



えーっと…



「いいですよ。」



棚からボタ餅が山ほど転がり落ちた気分でした。




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今の彼氏と喧嘩するたびに更新している気がしないでもないいしゃです。


これから謝罪の電話でもいれるつもりです。