Isanan の駄文ブログ

… 自作小説(?)やら何やらの駄文を、気が向いたときにだらだらと書き連ねて行くブログです

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 あなたは周囲を探った。そうするうちにも魔物の息遣いが近付いて聞こえるようになっていた。すると岩の陰になって、地面に開いた穴が見つかった。それは洞窟の天井部に開いた小穴なのだろう。穴の中はそのまま広い空間へと落ち込んでいて、松明をかざしても底まで見通すことはできない。非常に深く、落下して無事に済むとは思えなかった。ただ穴は狭くて魔物が通り抜けることはできないだろう。すぐ後ろの角から、魔物の噴気音が響いた。迷っている時間は無い。あなたは、


銀色のロープを持っているか?
持っていればこちらへ、
持っていなければこちらへ
進め。
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テーマ:
 ブログの概要を変更しました。

 メッセージボードに「作品紹介」を載せてみました。
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 あなたは岩壁沿いに進路を取った。それは進むうちに岩壁を登る坂道になり、遂には岩の間を裂け目のようにぬって走る狭路へと形を変えた。所々で分岐して迷路のように入り組み、傾斜は厳しく走りにくかった。後ろから叫び声が響いた。魔物もあなたを追って来たようだ。

 走り進むうちに何度となく分かれ道が現れてあなたの頭を悩ませた。広い道は進みやすそうだったが、それは魔物も追って来やすいことを意味していた。狭い道は魔物を避けるには良いのかもしれないが、進み難く行き止まりに当たる危険も高かった。何にしても闇と霧で先は見通せず、正しい道がどれかは分かりようも無い。あなたは運と勘を頼りに進まざるを得なかった。

 今、あなたは細く複雑に折れ曲がった険しい道を走っていた。そして何ヶ所目かの角を曲がった時だ。その先は行き止まりになっていた。あなたは振り返り魔物の気配を窺った。後方から空気を震わせて咆哮が聞こえた。魔物はあなたを追って来ている。引き返すことも進むこともできなかった。あなたは窮地に立たされた。


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 あなたは手斧を取り出すと、絡み付いた木の根に向けて無茶苦茶に切り付けた。魔物はもう、すぐ後ろまで迫ってきていた。あなたは再び扉に体当たりを試みた。扉はわずかに開き、狭い隙間が生じた。あなたはそこへ飛び込んだ。そして石壁の向こう側に出ると、今度は急いで扉を押し閉じようとした。壁一枚を隔てて、魔物の噴気音が鳴り響いた。

 轟音が響きあなたは強い衝撃を感じて扉から吹き飛ばされた。魔物が扉に打ち当たって来たのだ。轟音がもう一度響いた。扉が半分ほど開き、隙間の向こうに魔物の光る目が見えた。完全に開いたら魔物も通り抜けることが可能だろう。三度目の轟音が響いた。扉は砕け散って、穴の開いた石壁は音を立てて崩れ出した。崩落はそのまま周囲一帯の洞窟にも拡大しようとしている。あなたは全力で走って、その場から離れた。

 相当遠くまで来て、あなたは止まった。崩落もほぼ収まり、この場所までは及びそうに無い。あなたの後ろの洞窟は崩れて完全にふさがっていた。魔物がどうなったかは分からないが、こちらに来られなくなったのは確実だった。そしてあなたが引き返すことができなくなったのも。あなたは洞窟のさらに奥へと足を進めた。


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 あなたはさらに何度か扉に体当たりを試みた。しかしそれは全くの徒労に終わった。絡み付いた木の根をあなたは素手で必死になって掻き取ろうとした。だがそんなあなたのすぐ後ろで、魔物の噴気音が鳴り響いた。振り返ると、目の前に爛々と輝く魔物の目が見えた。それがあなたの目に映った最後の光景だった。


 あなたの冒険は終わった。
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