2005-07-21 22:20:13

さよなら 俺 02

テーマ:ブログ
何を焦っていたのか解らないこともないのだが
僕は『僕の不完全さ』を受け入れることがうまく出来なかった。
周りの全てが羨ましく、
少々極端だが、
世界中の僕以外の人間全てが
輝いているように見えた。

僕は居場所を求め、深夜の酒場やライブハウスやクラブだとか
1人CD50にまたがってあてもなく朝日が見えるまで徘徊した。
彷徨えばさまようほどに
世界は僕の手の届かないところにあるように思えた。

僕は『俺』を捨て去ることにした。

僕は『俺を形づくっている俺らしさ』を排除しようと考えた。
記憶のカスタマイズ。俺の再構築。

俺について整理してみる。

俺は平凡なサラリーマンの家庭の長男として
7歳までほぼ一人っ子同然に育てられた。
母は少々ヒステリックな傾向があり
一度火がつくと手の着けられない所があった。
小学2年生の俺を相手に喧嘩をして
家にしばらく戻ってこなかったこともある。
父は無口で感情を言葉にしない。
団塊特有の傾向なのかも知れないが
俺が何か問題を起こすと語らず
哀しそうな目をして俺を見るだけだった。
俺は絵が好きだった。
描くことがとても好きだった。
夢中になってずっと描いていた。
両親は動物園だとか遊園地だとかの写生大会に毎年連れていき
毎回何かしら受賞した。
俺はそれが嫌だった。
母親は進学に関しても彼女が諦めがつくまで
過剰な期待を俺に持った。
小学生のころは、苦手なスポーツ以外はまとまな成績をとるように努めた。
俺は物心ついた時から『俺はからっぽな人間だ』と証明して歩きたかった。
だから、期待をかけられれば必ず裏切るようにしたし
がっかりさせない程度に調整することにした。
期待されるのは嫌いだ。
俺は何も持ち合わせていない。
俺は俺の思うペースで俺の思うように生きたかった。
それでも、何故か教師は俺に期待をした。
母親は踊らされたようにそれを家庭に持ち込んだ。
仕方なった。
まだ俺は無力だった。
明るいニュースもあったし、
悪いこともあった。
それでも少年時代はそういうものだと
少年ながらに思っていた。
そういうごく小さな世界の中で
平凡に生まれ、ナイーブながらも育った。
俺は俺の中に手のつけられない程の『獣』を感じていた。
それは往々にして俺を悩まし
良くも悪くも俺を導いていた。
俺という器を脱ぎ捨てて、何もかも引き剥がしてしまったら
そんな哀しい『獣』がそこに居るのだった。

『獣』と心中をする覚悟で
俺は『俺』を抹殺しようと試みることにしたのだ。

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