• 07 Jan
    • *** 新年のご挨拶☆2016 ***

      ご挨拶が遅くなりましたが… 新年あけましておめでとうございます! アイリス動物病院が誕生して早5年が経ちました 時間というものは本当に早いですね… ここまでこれたのも皆様のお陰だと思っております! まだまだ至らない所もたくさんあるかと思いますが、 これからもスタッフ一同、日々精進いたしますので どうぞ宜しくお願い致します 2016年が皆様にとって 良い1年となりますように… 『今年もよろしくワン!』 By ナディ

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  • 20 Nov
    • 意外と知られていない食べてはいけないもの<第2弾>

      こんにちは 看護師の宮島です すっかり寒くなりましたね 皆様風邪などをひかれないように気をつけて下さいね では、遅くなりましたが意外と知られていない 食べてはいけないもの第2弾を 紹介していきたいと思います 〈鶏や白身魚などの骨〉鶏や白身魚自体の成分が影響を及ぼすわけではありませんが、 魚を丸ごと与えたり、食べ残した鳥の骨を与える際には注意が必要です。 牛骨などと比べ、鶏の骨は簡単に折れて断面が尖った状態になる為、 消化管に詰まりやすく傷をつける可能性があります 〈生の卵白〉卵白中にはビオチン(皮膚に生じる炎症を防止するもの)とだけ結合する アビジン(糖タンパク質)という物質が含まれています。 アビジンは消化管内でビオチン(ビタミン)と結合し、ビオチンの腸での吸収を阻害します。 これらを食べて続けるとビオチンの欠乏症になり、脱毛・皮膚炎・成長不良などを 引き起こしてしまう可能性があります アビジンは加熱するとビオチンと結合しない為、加熱調理すれば 問題はありません。 どうしてもあげる場合は、生卵はやめて、ゆで卵にしましょう 〈過剰な肉類の給与〉 肉類にはリンに比べて、カルシウムが非常に少ない為、お肉のみの食事では カルシウム不足となります レバーはカルシウムが少なくビタミンAの過剰摂取の可能性があります 生肉は病原性の細菌が潜んでいる可能性があります 特に豚肉はトキソプラズマ症に感染する恐れがあるので、加熱処理が必要です もちろん!夜ご飯用に味付けされたお肉や唐揚げもあげないようにしましょう 第1弾のものも含め、ヒトにとっては栄養価値のあるものや機能性が証明 されているものでも動物にとっては消化・吸収・代謝など機能も違うので、 ヒト用に加工された食べ物は与えない様にしましょう

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  • 06 Nov
    • ステキな絵本

      今日はアイリス動物病院の本棚をご紹介します  いろいろなジャンルの本が並んでいますが… 今回新入りの本がやってきました 当院に来てくれている、 とある猫ちゃんの飼い主さんから頂きました 『にゃんこ』という猫ちゃんのお話なのですが これがまた切ない… 私もじっくり読ませていただきましたが 優しい『にゃんこ』の行動にぐっときました いろんなことに戸惑い、悩み… それでも大好きな飼い主さんのことを思い行動する『にゃんこ」… 家の愛猫ちゃん達にもっと優しくしてあげたいと思えるお話でした 機会があればぜひお手にとってご覧になってくださいね アイリス動物病院 看護師 永野

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  • 30 Oct
    • 実は多い!犬の胆嚢(たんのう)疾患について

      胆嚢(たんのう)はどんな臓器かご存知でしょうか。 肝臓や腎臓と比べると、ちょっと分かりにくい臓器ですよね。 そこで、まず胆嚢について簡単にご説明します。 <胆嚢について> 犬の胆嚢は肝臓のほぼ中央に存在します。 肝臓で作られた「胆汁」を蓄積、濃縮しています。胆汁には消化、吸収を助ける働きがあります。 食べ物が胃から小腸(十二指腸)に入ると、胆嚢が刺激され収縮することで、胆汁を十二指腸に出します。 では、この胆嚢でどのような病気が起こるのでしょうか。 犬では主に次のような病気がみられます。 <主な胆嚢疾患>①胆嚢炎 ②胆泥症(たんでいしょう) ③胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ) ④胆石症 ⑤その他(ポリープ、腫瘍など) ※2つ以上の病気が併発していることもあります。 <症状・検査> ①胆嚢炎は、お薬などによる内科治療が中心になります。 ②~④の病気は、内科治療ではあまり効果がみられません。 しかし実際は元気な犬でも比較的よくみられます。 そしてこれらの病気は、末期になるまでほぼ無症状である事が多く、非常に発見されにくいのです。 そのため、健康診断や他の病気の検査(血液検査や腹部レントゲンやエコー検査)の際に偶然見つかることが多いのです。 ●血液検査 :肝臓の数値(GPT、GOT、ALPなど)の上昇がみられないこともあります。 ※肝臓の数値が上昇していても無症状であることがほとんどです。 ●レントゲン検査:ある程度進行していれば、肝臓の腫大、胆石がみつかることがあります。 ●エコー検査 :早期の胆泥症、壁の肥厚、粘液嚢腫、胆石などを無症状のうちに発見しやすい検査です。 レントゲン検査:胆石症 エコー検査:正常(左)、胆泥症(右) <治療法> 今までは経過観察や内科治療で様子を見ることが多く、末期になり状態が悪くなってから手術に踏み切ることが一般的でした。 しかし末期には、胆管閉塞、胆嚢破裂などにより黄疸、元気食欲の低下、嘔吐、下痢などの症状がみられるようになります。これは命に関わる状態です。 これらの症状は急性に起こることが多く、少し様子をみていることで手遅れになることもあります。状態が悪すぎると、手術をしても助からないこともあります。 そのため最近では、リスクを減らすため末期になる前に外科手術(開腹胆嚢摘出術)をするべきであるとの考え方が一般的になってきています。(人の場合は、同様の病気では腹腔鏡下胆嚢摘出術が一般的のようです) 当院でも、なんらかの胆嚢疾患があるわんちゃんが数多く来院されています。 そこで次回は、無症状でしたが胆泥症~胆嚢粘液嚢腫で肝酵素の上昇がみられていたわんちゃんをご紹介します。 アイリス動物病院

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  • 22 Oct
    • 2016年カレンダー

      こんにちは看護師の宮島です もう今年も残り2ヶ月となりましたね本当に時間が過ぎるのがはやくてびっくりです そして今日は皆様にお知らせがあります!!!2016年のカレンダーが届きました ピンク色で可愛らしいデザインです 今年もシール付きです 数に限りがございますので、欲しい方はお早めにお願いしますお一人様1つとさせて頂きます。11月からお配りさせて頂きます

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  • 20 Oct
    • オススメドックフード! BilJac -ビルジャック-

      今日はオススメのドックフードをご紹介します それがこちら! BilJac -ビルジャック-です もう使ってるよ!という方もいらっしゃるかもしれません これが結構美味しいらしいんです 粒はこちら! 珍しい形ですよね~ さくさくしてて、お口の小さい子犬さんでも食べやすいんです 小食のわんちゃんにも食べやすい!と好評です 試してみたい!というわんちゃんはぜひ1度お声かけ下さい みんなこんな風に必死になってくれることでしょう (もちろん個体差はありますのでご了承下さい) アイリス動物病院 看護師 永野

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  • 11 Oct
    • 意外と知られていない食べてはいけないもの〈第1弾〉

      こんにちは暑い暑い夏が終わり、やっと過ごしやすい気候になりましたね私はすごい汗かきなので暑い夏が終わり、ホッとしています(笑) ではでは今回は食欲の秋ということで、わんちゃんにとって意外と知られていない食べてはいけないものをいくつか紹介していきたいと思います!! 〈コーヒー・紅茶〉コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれています。これらをたくさん摂取すると、神経の興奮作用に反応して、嘔吐、下痢、不整脈などを引き起こしてしまいますワンちゃん、ネコちゃんだけでなく小さいお子さんや、妊婦さんにも同じ興奮作用が起こりますので気をつけて下さいね  〈キシリトール〉 キシリトールは『糖アルコール」という物質の一種で砂糖の代わりに使用されます。ヒトとワンちゃんでは体で起こる反応が違います。ワンちゃんがたくさん摂取すると血糖値を急激に下げ、フラフラする、意識を失う、けいれんを起こす、または肝臓にダメージをあたえてしまう可能性もあります私達の身近なものでキシリトールを含む食べ物は、キシリトールガム・アメ、ヒト用の歯みがき粉、いちご、カリフラワー、ラズベリーなどがありますネコちゃんには未だに不明だそうです 〈塩分の多い食品〉ワンちゃんは塩分に対する味覚が発達しておらず、たくさん摂取すると、心臓や腎臓の負担になります。ヒト用に加工された食品は、ほとんどがワンちゃんにとっては塩分が多い食品です例えば、マヨネーズ、ハム、チーズ、ウスターソース、かまぼこ、ワカメ、食パンなどがあります特に心臓が悪い子には、絶対に与えては駄目です!! 〈ハチミツ〉ハチミツ成分自体には有毒なものは含まれませんが、採取・加工の際にごく稀にボツリヌス菌と言う細菌が混入する事があります。ハチミツは生なので菌は死滅せず、体内に入ると消化器症状や食中毒を起こす危険があります 身近なものでもたくさんの危険な食べ物がありますね食べ物はワンちゃん、ネコちゃんが届かないところに保管してあげてくださいね 第2弾もあるのでお楽しみに看護師 宮島

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  • 08 Jun
    • 消化管内視鏡検査について

      元気食欲はあるけど、よく吐く事がある。 便が柔らかい、またはよく下痢をする。 このような症状がみられる場合には、病気が潜んでいる可能性があります。 上記のような慢性の嘔吐、下痢には様々な原因が考えられます。 例えば、 ・感染症(ウイルス、細菌、寄生虫など) ・異物摂取 ・悪性腫瘍(消化管型リンパ腫、胃がんなど) ・炎症性腸疾患 ・肝臓や膵臓の病気 ・その他 これらの病気の診断には一般的には血液検査、レントゲン検査、超音波検査、糞便検査などを行いますが、実は胃腸の病気の多くが、これらの検査だけでは確定診断は出来ません。 ・レントゲンにはっきりと写らない胃内異物 ・シコリを作らない事が多い消化管型リンパ腫などの悪性腫瘍 ・特徴的な異常所見が無い場合が多い炎症性腸疾患 そのためこれらの病気を診断するためには、内視鏡検査が必須です。 (内視鏡検査でも診断がつかない場合には、試験開腹での診断が必要になる事もあります) ~症例紹介~ 2~3年前から元気食欲はありましたが、間欠的な嘔吐、下痢を繰り返していました。 ここ数週間で症状が悪化し、体重が減少してきました。 血液検査で炎症反応や栄養状態の低下がみられましたが、レントゲン検査、腹部エコー検査などでは明らかな異常所見は診られませんでした。 そのため内視鏡検査で胃、十二指腸、結腸を観察し、それぞれ数カ所ずつ組織を採取しました。 病理診断の結果、中等度~重度のリンパ球形質細胞性腸炎(炎症性腸疾患)という病気である事が判明しました。 この病気は通常の嘔吐や下痢の治療では改善する事が出来ません。 完治することは難しい病気ですが、食餌療法や様々な投薬により出来るだけ快適な生活を送ることができるかもしれません。 動物病院に内視鏡が普及するまでは、これらの診断にはお腹を開いて腸の一部を採取しなければなりませんでした。 しかし内視鏡検査が出来るようになってからは、状態が良ければ日帰りで、しかも翌日には食餌をとることも出来ます。 内科治療で十分な改善がみられない慢性の嘔吐や下痢でお困りのわんちゃんは一度詳しく検査することをお勧めします。 アイリス動物病院

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  • 05 Sep
    • 安静時呼吸数を測定しましょう。

      わんちゃんの安静時呼吸数(1分間の呼吸回数)を測定することで、いち早く心不全の徴候に気づいてあげましょう。 高齢犬に最も多く発症する心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」で病期が進行すると「肺水腫」を発症することがあります。 この肺水腫というのはかなり危険です。発見が遅れると数日以内に亡くなってしまうこともある緊急の状態です。 本来は肺水腫を出来る限り起こさないように定期検診、投薬、食事管理、運動制限などを徹底することが望まれます。 しかし、興奮や緊張などをきっかけに急に肺水腫を発症してしまうこともあります。 肺水腫になると、呼吸が苦しくなり、呼吸回数もどんどん早くなってしまいます。 そこで、ご自宅でもその兆候を少しでも早く気づいてあげるために、元気なうちから「安静時呼吸数」を測定してあげて下さい。 <測定方法>わんちゃんが安心して横になっている時などに1分間の呼吸回数を測ってみましょう。15秒での回数×4、30秒での回数×2などでも構いません。1分間に25回以下が正常です。心臓病を患っている場合でも元気なうちは同じです。しかし呼吸が苦しくなると、どんなに落ち着いていても1分間に30回以上になります。呼吸回数の増加は、心臓病以外でも痛みや熱中症、呼吸器疾患など他の病気でもみられる事があります。 このような場合には、すぐに動物病院にご相談下さい。 ※スマートフォン(iPhone, Android)で安静時呼吸数の測定補助、記録してくれる便利なアプリもありますので、心臓病を患っているわんちゃんを飼われている方は、ぜひご活用下さい。 → iPhone アプリ → Google play アプリ

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  • 01 Mar
    • 眼の下から膿が!?(露随による外歯瘻)

      今回は、臼歯の破折による露随が原因で、根尖膿瘍から外歯瘻を形成した症例です。 わかりやすく言うと、 硬いものを噛んだことで臼歯が折れ、歯の中にある神経や血管が露出します。 ↓ そこから入った細菌が歯の根っこに溜まります。 ↓ 目の下に穴が空き溜まった膿があふれてきます。 症例は、13歳のチワワの男の子です。 2年ほど前から、右目の下から膿が出始めました。 他院では、歯石や歯肉炎がみられたため、「歯が原因だろう」とは言われていましたが、高齢のため歯の治療をせずに抗生剤を飲んでいました。一時的には良くなりますが、完全に治ることは無く、何度も排膿を繰り返していました。そのため見た目にも痛々しく顔を触ろうとすると、痛がって怒るようになってしまっていました。 根本的な治療をしなければ、これ以上良くはなりません。 飼主様と十分お話しした上で、麻酔に耐えうるかの判断基準として身体検査、血液検査やレントゲン検査などを実施しました。 幸いにも、他には何も異常が見つからなかったため外科的な処置をすることになりました。 術前の状態です。 歯のレントゲン写真です。 歯槽骨が融けてしまっています。 処置前の歯の状態です。 歯石を除去すると、・・・破折、露随が確認されました。 歯周ポケットはそれほど深くなく、歯槽膿漏は軽度でした。 原因の歯を抜歯→膿がたまっていた部分を洗浄→歯肉の縫合をしました。 2週間後の状態です。 大きな傷も塞がり、以前よりもよく食べてくれるようになりました。また顔を触っても怒らなくなったそうです。 今回の抜歯したのは「上顎第4前臼歯」です。実はこの歯が最も破折しやすい歯です。 第4前臼歯は別名:裂肉歯といわれ、肉を切り裂くための構造になっています。(上の一番大きい奥歯です) 犬の歯は人のように硬いものをすり潰すようには出来ていないのです。そのため硬いものを咬み続けていると、刃こぼれが起きてしまいます。 お家のわんちゃんの歯は大丈夫ですか? 左右の歯の形を比較するなどして時々チェックしてみて下さい。早期に発見出来れば修復することができるかもしれません。 今回の症例では歯が割れてしまった原因はわかりませんでしたが、硬いおもちゃ(牛の蹄など)やブラスチック、石などは、破折の原因になることが多いため、十分注意して下さい。 アイリス動物病院

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  • 21 Feb
    • 外科手術による消化管内異物摘出(腸閉塞)

      今回は、異物摂取により腸閉塞を起こしたため、外科手術を行った症例をご紹介します。 症例は11歳の女の子の柴犬です。 3日ほど前から食欲が全くなく、嘔吐をしているとの主訴で来院されました。身体検査で腹部にシコリが確認されました。 血液検査では脱水による異常値が確認されました。 レントゲン検査では、シコリの部分に何かが写っています。 異物や腫瘍などが考えられます。 エコー検査でも消化管(小腸)内に何かが入っているように見られました。 エコー所見では腫瘍の可能性は低く、「異物」であると思われます。 しかし腸閉塞でよくみられる消化管内液体貯留は確認されませんでした。 飼主さんは異物摂取を確認されていませんでしたが、症状と各検査により異物摂取の可能性が高いと思われました。 通常消化管内異物摘出には、外科手術以外にも催吐処置、内視鏡による摘出などもありますが、今回の異物の位置からどちらも適用外と判断し、外科手術に踏み切りました。 ちなみに、それぞれの摘出方法の適応です。 ◉催吐処置:異物が胃の中にあり、消化管を傷つけたり食道に引っかかる可能性が無い ◉内視鏡 :催吐出来ないもので、食道、胃、十二指腸にある ◉外科手術:催吐出来ないもので、内視鏡でつかめないサイズ、形。または十二指腸よりも奥に流れてしまっている 外科手術により小腸に詰まっている異物が確認されました。 摘出した異物は、2.5cmほどのおもちゃでした。 術後数日で退院し、今では元気に生活しています。 異物摂取は若齢のわんちゃんに多くみられますが、今回のように中高齢のわんちゃんでも飲み込んでしまうことがあります。 口に入る大きさのものや食べたら危険なものは、絶対に届かない場所に置くようにしましょう。 アイリス動物病院

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  • 20 Jun
    • 犬や猫のリンパ腫について

      リンパ腫とは、免疫細胞であるリンパ球の悪性腫瘍(ガン)です。 化学薬品(工業地域、塗料、除草剤など)がリンパ腫のリスクが高めるとも言われていますが、はっきりとした原因は不明で中高齢の全犬種に発生する可能性があります。 リンパ腫は血液細胞の腫瘍であるため、外科手術で完治させる事は出来ません。しかし化学療法(抗がん剤治療)によく反応してくれることが多い腫瘍です。 残念ながら、現時点では完治する事はほとんどありませんが、QOL(生活の質)の回復を維持しつつ、生存期間の延長が望めます。少数ながら2年以上生存することもあり、積極的な治療が勧められています。 その他の治療法として放射線療法、免疫療法、遺伝子治療が研究されています。一言で化学療法といっても、様々な薬剤と、その組み合わせ、また使用間隔や期間が研究されています。 ~症状は?~ 免疫細胞のガンであるため、身体中の様々な場所に腫瘍塊が発生し、それに伴って食欲、元気減退などの全身症状がみられ、貧血、敗血症、多臓器不全等で命を奪われてしまいます。 ~予後因子~ リンパ腫といっても、様々なタイプに分類されます。またタイプにより抗がん剤の反応、生存期間などが大きく変わります。 ①発生部位 発生する身体の部位によって、様々なタイプに分けられます。 犬で最も多くみられるタイプである多中心型は抗がん剤に反応する事が多く、消化器型や皮膚型の方が予後が悪いといわれています。・多中心型リンパ腫(体表リンパ節) ・消化器型 ・皮膚型 ・縦隔型 ・節外型(腎臓、鼻腔内、眼内、心臓など) ②臨床ステージ分類(WHO)ステージⅠ単一のリンパ節または臓器のリンパ組織に限局した浸潤ステージⅡ複数のリンパ節への浸潤ステージⅢ全身のリンパ節への浸潤ステージⅣ肝臓や脾臓への浸潤ステージⅤ血液や骨髄、あるいはその他の臓器への浸潤サブステージa(全身症状なし)、b(全身症状あり) 診断は触診だけでなく、血液検査やレントゲン検査、超音波検査で体内のリンパ節やその他の臓器、また血液中への腫瘍の浸潤の有無を判断します。 ※ステージⅤは予後が悪い場合が多い ※サブステージbはaに比べて予後が悪い ③免疫表現型リンパ球には元々いくつかの種類があり、それらの違いにより腫瘍のタイプを分類しています。そのため採取した腫瘍細胞を用い、遺伝子診断(クローナリティー解析)を実施します。・B細胞性・T細胞性・Non-B,Non-T性 ※B細胞性の方が抗がん剤の反応が良く、生存期間が長い。 ※猫では免疫表現型が犬ほど予後と相関しない。 ④細胞形態(組織学的グレード) 顕微鏡で観察される腫瘍細胞の特徴で分類されます。当院では専門機関の病理診断医に判定してもらいます。 簡単にいえば、細胞の大きさが小型なものはlow grade、中型はintermediate grade、大型はhigh gradeに大別されます。   ※一般的にlow gradeの方が予後がよいとされるが、報告はまちまちであり、免疫表現型の方が信頼性が高い。 ⑤ウイルス感染 猫では、猫白血病ウイルス(FeLV)感染で62倍、猫免疫不全ウイルス(FIV)感染で6倍、両方の感染で72倍、リンパ腫の発症率が高まるとの報告があります。 またFeLV感染では抗がん剤の反応が悪い事が多いようです。 このように一概にリンパ腫といっても、発生場所やステージ、細胞形態や免疫表現型など様々な因子により、抗がん剤の反応や生存期間などが異なります。 出来る限り早期に発見する事は大前提ですが、より正確な診断を下し治療を開始する事が大切です。 しかし抗がん剤には様々な種類のものがあります。そして反応がよかった薬でも耐性が出来て徐々に効かなくなっていきます。またある程度の副作用も免れません。 さらに抗がん剤治療では治療にはある程度高額な費用がかかります。 それらをふまえた上で、病気になった犬や猫たちそして飼主様にとって何が最善の治療法であるか、飼主様と動物病院とが十分に話し合っていく必要があります。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook

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  • 18 Jan
    • そろそろ "健康診断" を考えてみませんか?

      犬や猫では、皮膚・耳の病気などは、見た目ですぐにわかるため飼主様も早い段階で気付き病院に連れて行くことができます。 しかし内臓、血液、関節などの多くの病気では初期症状が分かりづらく、かなり進行して明らかな症状が出てから来院されるケースが後を絶ちません。 高齢で一般的にみられる病気の初期症状には、次のようなものがあります。 また、初期では全く症状がみられないこともあります。 ★ 飲水量、尿量の増加 ★ 元気がなくなる ★ 食欲の低下 ★ 体重減少 ★ 運動不耐性(あまり運動しなくなる) ★ 太りやすい ★ 被毛が薄くなる このように 「高齢だからこんなもんかな。仕方ないか。」 「ちょっと気になるけど、元気だからもう少し様子を見ようかな。」 などと思わせるような症状が多く、どうしても発見が遅れてしまいます。 <中高齢の犬や猫で一般的な疾患> ・歯科疾患(歯肉炎、歯槽膿漏、歯根膿瘍、口腔内腫瘍など) ・内分泌疾患(犬:副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、糖尿病など) (猫:甲状腺機能亢進症、糖尿病など) ・腎臓病 ・膀胱炎 ・便秘 ・前立腺疾患 ・心臓病(僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症など) ・肝臓、胆嚢疾患 ・関節炎 ・腫瘍 ・その他 もちろん全ての病気が完治するわけではありませんが、病気の早期発見、早期治療には下記のような様々なメリットがあります。 ① 治療の成功率をあげる ② QOL(生活の質)の向上 ③ 病気の進行を遅らせる ④ 疼痛の緩和 ⑤ 生存期間の延長 逆に言えば、進行してからのメリットは何もありません。 治療もより困難になり、大きなリスクを伴う手術が必要になる事もあります。 強い痛みや苦しい思いをさせてしまうかもしれません。 また長期間の入院や大量の薬が必要になる事もあります。 <一般的に動物病院でよく実施される健康診断> ・身体検査(眼、耳、口、心肺検査、関節・神経検査、腹部触診など) ・糞便検査 ・尿検査 ・血液検査(一般血液検査、血液生化学検査) ・レントゲン検査(胸、腹部) ・エコー検査(心臓、腹部) 大切な家族である犬や猫のため、そして大好きなご家族である飼主様と1日でも長く一緒にいられるように、6~7歳頃からの健康診断をお勧めします。(もちろん、もっと早くから始めてもOKです!) 「まだまだ元気だな」と思えるうちに考えてみて下さい。 ※ 犬や猫の1年は人間の約4年に相当すると言われています。これは1年で人間の4年分老化するという事です。そのため1年に1回の検査では間に合わない病気も多々あります。大変ですが10歳以上の高齢の動物では年に2回以上の検査が理想的です。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook

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  • 12 Jan
    • 尿が赤い!(血尿について)

      「おしっこに血が混じっている!!」このような主訴で来院されるケースがあります。 また、 「以前血尿をした事があるんですが、様子を見ていたら治っちゃいました。」 と言われているのも聞いた事があります。 「血尿=膀胱炎」 と思われる方が多いようですが、実際には様々な原因があります。 実は、尿が赤い場合には、大きく分けて次の3つが考えられます。①赤血球尿②血色素尿③ミオグロビン尿 少し分かりにくいので、もう少し詳しくみていきましょう。 ① 赤血球尿(出血による血尿)尿に血液が見られる場合には、尿路系(腎臓、尿管、膀胱、尿道)や雄の前立腺などから出血が考えられます。また雌では子宮や膣から出血してる場合にも外陰部からの出血が見られます。 <出血の原因>腎結石、腎盂腎炎、尿管結石、膀胱炎、膀胱結石、尿道炎、尿道結石、腫瘍、 外傷、前立腺炎、前立腺腫瘍、凝固障害(血小板減少症、播種性血管内凝固症候群)など ② 血色素尿(ヘモグロビン尿)体内で短時間に大量の赤血球が破壊される事により、肝臓や脾臓での処理が間に合わず、赤い色素が尿中に排泄される事が原因です。 <溶血の原因>免疫介在性溶血性貧血、バベシア症、ヘモプラズマ症、フィラリア症、 タマネギ中毒、薬物や毒物など   ③ ミオグロビン尿筋肉の細胞が破壊(融解、壊死)される事で、筋肉内に含まれるミオグロビンと言われる蛋白が血中から尿中に排泄される事が原因です。 <原因>急性筋炎、過剰の運動、長時間の発作など この中で最もよくみられるのは腎臓・膀胱疾患による「赤血球尿」です。細菌感染であればお薬での治療になりますが、結石や腫瘍であれば療法食、外科手術、抗がん剤などが必要になります。またこれらの病気を鑑別するためには、尿検査だけでなくレントゲン検査や超音波検査などが必要になる事もあります。 ~~膀胱結石の例(レントゲン写真)~~ しかし、血尿も様子を見ていると肉眼では分からないくらいに出血量が減る事があり、見た目ではあたかも治ってしまったように感じる事もあります。また膀胱炎でよく見られる頻尿(何度も少量の尿をする)も必ず見られるわけではありません。 そのため、様子を見ている間に膀胱から腎臓への感染拡大、結石の拡大や尿道の閉塞、腫瘍の拡大や転移など、結果的に大切な犬や猫たちを苦しめてしまう事になりかねません。 血尿や頻尿等が見られる場合には、必ず早期に動物病院にご相談下さい。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook

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  • 20 Sep
    • 多飲多尿(よく水を飲む、よくおしっこをする)

      お家のワンちゃんやネコちゃんは、1日にどれくらいの量のお水を飲んでいますか?お食餌の量は、しっかり量っている方は多いと思いますが、飲水量を正確に量った事がある方は少ないと思います。 また元気で食欲もあるのに、ただ水をよく飲むようになったというだけでは、病院へ行くきっかけにはなりにくいですよね。ですが、この飲水量と尿量が変化する背景には、様々な病気が隠れている可能性があります。 ★では、どれくらいの量のお水を飲んで、どれくらいの量の尿をすれば「多飲多尿」と判断されるのでしょうか?<多飲多尿の定義> 飲水量:80~100ml/kg以上 尿量 :40~50ml/kg以上これではよくわかりにくいですよね。では体重に上の数値をかけてみて下さい。 例えば体重5kgの犬だと、 飲水量:80~100 × 5(kg) 尿量 :40~50 × 5(kg) → 1日(24時間)に400~500ml以上の水を飲み、200~250ml以上の尿をしていれば、多飲多尿と判断されます。 では実際にお家の子達の飲水量と尿量をはかってみてください。 飲水量は比較的簡単ですが、尿量はなかなか量ることができません。特に外でおしっこをしている子は難しいですよね。 ですが、ペットシーツを使っている子はその重さを量る事でおおよその尿量を予測することができます。 ★では、これらの事でどのような病気が考えられるのでしょうか?<多飲多尿で考えられる病気> ・子宮蓄膿症(未避妊の女の子) ・糖尿病 ・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群) ・副腎皮質機能低下症(アジソン病) ・甲状腺機能亢進症(猫に多い) ・肝不全 ・慢性腎不全 ・腎盂腎炎 ・高カルシウム血症(特発性、腎性二次性、腫瘍随伴症候群など) ・尿崩症(中枢性、腎性) ・心因性多飲症(精神的なもの) ・その他 このように様々な病気が考えられます。中には多飲多尿以外にも他の症状がみられる事がありますが、初期であれば他に目立った症状がみられない病気もあります。そのためついつい様子を見てしまいがちになります。 進行すれば命に関わる病気も多くみられるますので、 「最近よく水を飲むなぁ」「よくおしっこするなぁ」と感じた場合には、ぜひ動物病院にご相談下さい。 アイリス動物病院HPアイリス動物病院Facebook

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  • 30 Aug
    • 犬の僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん へいさふぜんしょう)

      僧帽弁閉鎖不全症とは、中高齢の小型のワンちゃんに多くみられる心臓の病気です。 例)チワワ、シーズー、ヨーキー、トイプー、マルチーズ、キャバリアなど 僧帽弁といってもなかなかピンとこないと思いますので、 まず心臓についてご説明します。 ワンちゃんの心臓は、人と同じように4つの部屋で構成されています。 ー 左心房、左心室、右心房、右心室 そして心臓の中の血液が一方通行で流れるために、各部屋の間に弁がついています。 ー 僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、肺動脈弁 このうち、左心房と左心室の間にあるのが僧帽弁です。 ★正常な血液の流れ ★僧帽弁の位置 左心室が収縮することで、大動脈から全身に血液を送るのですが、 僧帽弁は、左心房に血液が逆流するのを防いでいます。 ところが、僧帽弁閉鎖不全症になると、左心室が収縮する時に血液の一部が 左心房に逆流してしまいます。 ★左心室から左心房への逆流 このように僧帽弁に異常がでる、はっきりとした原因は不明ですが、 加齢に伴い「弁」や、弁を支えている「腱索(けんさく)」などが肥厚し、 歪んだり伸びたりすることで、弁が正常に閉じなくなっていきます。 ~症状~ 血液の逆流が少なければ無症状です。そのためお家で気付かれる事はまずありません。 他の理由で来院された時に、たまたま聴診で心臓の雑音(逆流音)みつかる事があります。 進行すれば、元気が無い、疲れやすい、よく寝ているなどの症状がみられる事がありますが、 「歳をとったからこんなもんかな。」と思われがちです。 また心臓が拡大する事で、近くにある気管や気管支を圧迫することで、咳をすることがあります。 さらに進行すれば、 肺から左心房に戻る血液がうっ滞して、肺に水が溜まり始めます(肺水腫)。 胸を圧迫するような伏せの姿勢が出来ず、ずっとおすわりの姿勢で苦しそうに呼吸をするようになります。 また鼻水が出てくる事があります。 ※ 肺水腫は命を落とすこともある、とても危険な状態です。すぐに病院へ走って下さい。 ~診断方法~ 聴診で心臓の雑音を確認します。 また症状の有無、血液検査、レントゲン検査、心エコー検査などで病気の種類や進行を確認します。 レントゲン検査 エコー検査 エコー検査 ~治療方法~ 人と同じように、心臓の手術により弁の修復や人工弁を用いる方法が理想的ですが、 今のところ限られた施設でしか実施されていません。また高額な費用がかかります。 そのため、お薬を用いて心臓の負担を減らして病気の進行抑制したり、 症状の緩和を目的とした内科的治療が一般的に行われています。 (お薬の例)血管拡張薬、強心薬、利尿剤、抗不整脈薬など 一度進行し、変形した心臓は元に戻りません。 無症状である初期に病気を発見し、出来る限り進行を抑制する事が大切です。 また、投薬をしているからといって大丈夫というわけではありません。 定期的に検査を行い、心臓の変化を観察し病期にあった投薬が必要です。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook

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  • 13 Jul
    • 鼠径(そけい)ヘルニア

      以前、椎間板ヘルニアについてのコラムでも書きましたが、 ヘルニアとは、身体の中の臓器などが、本来の位置から脱出した(とびだしている)状態のことをいます。 そして、鼠径(そけい)とは、太ももの付け根のことをいいます。 正常であれば鼠径部は、 雄では「血管、神経、精索(精巣に繋がる管)」 雌では「血管、神経、子宮を支える靭帯」などが通っています。 鼠径ヘルニアとは、本来お腹の中にある脂肪、大網、腸などの一部が鼠径部から皮膚の下に出てくる病気です。悪化すると、膀胱や子宮などが出てくる事もあります。 通常初期であれば、指先程の小さな膨らみがみられ、指で押すと引っ込みます。進行すると、膨らみが大きくなったり、指で押しても引っ込まなくなります。 ~鼠径ヘルニアの原因~ 先天性 ・雌より雄で多い(特に潜在精巣の場合で多い) ・遺伝は証明されていませんが、関与していると思われます 後天性 ・先天的な筋肉の虚弱、鼠径輪の形成不全などの関与 ・中年の雌犬に多い ・妊娠、肥満、しぶり、活発な性格など ・外傷 ・その他 ~鼠径ヘルニアの症状~ ヘルニアにどのような臓器や組織が出ているかによって異なります。 また嵌頓性(かんとんせい)であるかどうかによっても異なります ※ 嵌頓性とは・・・とびだした臓器や組織が元に戻らなくなった状態 脂肪や大網が出ている場合には無症状の事が多いですが、嵌頓性になれば痛みを伴う場合もあります。 腸が突出すれば、元気消失、食欲不振、嘔吐、下腹部痛などがみられます。 膀胱が突出すれば、排尿困難な状態になる事があり、元気消失、食欲低下、嘔吐などの症状がみられます。 ~鼠径ヘルニアの治療~ 手術で、ヘルニア内容をお腹の中に戻し、再発しないように穴をふさぎます。 手術時期は、ヘルニア内容が何か、嵌頓性かどうかによって異なります。 しかし腸や膀胱などの臓器が出ている場合や嵌頓性である場合、または何らかの症状が出ている場合には早期に手術すべきであると思われます。 当院で最近行った鼠径ヘルニアの手術写真(セピア処理) 鼠径ヘルニアのわんちゃんは当院でもよくみかけます。 小さな嵌頓性でない鼠径ヘルニアであれば、早期に手術が必要であるわけではありませんが、指で押しても引っ込まない、急に大きくなって来たなどの変化が見られた場合にはすぐに手術が必要になる事もあります。 今は何の症状も無いからと安心し過ぎず、普段からよく観察しておいて下さい。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook 中村

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  • 23 Jun
    • 『てんかん』と『けいれん』

      てんかんとけいれんの違い、ご存知でしょうか? よくわからない、という方が多いと思います。 そこで今回は、これらを正しく理解出来るように、少しまとめてみました。 ちょっとややこしい内容になるかもしれませんが、ご了承下さい。 まず、“てんかん”とは「様々な原因によって発作を起こす脳の病気」のことを言います。 “てんかん”という病気で起こる発作を“てんかん発作”といいます。 そして、てんかん発作の主な症状に“けいれん”があります。 すなわち、『てんかん≠けいれん』なのです。 つまり「てんかん」という病気になると「けいれん」を起こす事がある、ということになります。 しかし、けいれんの原因には、このてんかん以外にもあります。 中毒、肝性脳症、腎不全、低血糖、低カルシウム血症など様々な脳以外の原因で起こる事があります。 次に、脳に原因がある「てんかん」についてですが、 これも大きく2つにわけることができます。 ①特発性てんかん 脳に明らかな病変がみられないのに発作が起こる病気です。 ②症候性てんかん 脳に病変がみられます。例えば外傷、脳腫瘍、脳炎、水頭症などがあげられます。 ***けいれんを起こす病気*** このように、けいれんの原因は様々です。 けいれんが起きたからといって、けいれんを抑えるだけの治療をすればいいというわけはありません。 このけいれんは、脳に原因があるのか(てんかん)? それとも脳以外の原因があるのか(てんかんではない)? そして、てんかんであれば特発性なのか?症候性なのか? 身体検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査など様々な検査が必要にあります。さらには脳の中を確認するためにはMRI検査をしなければなりません。 年齢や犬種などにより、ある程度原因を推測する事が出来るかもしれませんが、見た目だけで100%判断する事は不可能です。 どんな病気でも共通することですが、正しい診断により正しい治療を開始する事が、結果的にはわんちゃんの負担やリスクを軽減することができるのです。 ~補足~ 短時間で止まる一時的なけいれんでは、すぐに命に関わる可能性は高くありません。 しかし、発作が止まらなくなること(重責発作)や何回も続けて起こること(群発発作)があります。これらの症状では救急処置が必要です。すぐに病院にかけつけて下さい。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook 中村

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  • 18 May
    • 犬の副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

      副腎皮質機能亢進症は、犬の内分泌性(ホルモン性)疾患のうちよくみられるものの一つです。7歳以上での発生が多くみられます。 副腎(ふくじん)と言っても、腎臓の近くにあるだけで腎臓とは全く異なる働きをしている臓器です。 他には、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症などがありますが、それはまた別の機会にお話しします。 ホルモンの病気と言われると、ピンと来ないかもしれません。放っておいても大丈夫そう、なんて思われるかもしれません。 実際に、この副腎皮質機能亢進症では、 ・多飲多尿(お水をよく飲んで、尿量が多い) ・多食(よく食べる) ・皮膚病変(薄い皮膚、脱毛、色素沈着、感染症など) ・腹部膨満(お腹が膨らんでいる) ・骨格筋の萎縮(手足の筋肉が落ちてくる) などの症状がみられることがありますが、多くの場合は見た目には元気で、始めから重度な症状を示すことはめったにありません。 ですが、進行すれば発作やふらつき、失明などの神経症状、また肺血栓症により突然の呼吸困難で死に至ることもあります。 そのため、早期発見、早期治療が必要なのです。 ★なぜこのような病気が起こるのでしょうか? この病気は、脳にある下垂体の腫瘍(下垂体性)、または副腎の腫瘍(副腎性)が原因です。 下の図のように副腎から放出されるコルチゾールというホルモンは、下垂体からの命令により調節されています(図:「正常」)。 しかし、下垂体の腫瘍により必要以上の過剰な命令が出されることで、副腎から過剰なコルチゾールが放出されてしまいます(図:「下垂体性」)。 また副腎自体の腫瘍により、下垂体からの命令に関係なく、過剰なコルチゾールを放出してしまうタイプがあります(図:「副腎性」)。 犬の場合には、下垂体性が80~90%、副腎性が10~20%と言われています。 ★どのように診断するのでしょうか? この病気を確定診断するには、単に血液中のコルチゾールを測定するだけで、すぐに判断出来るわけではありません。 コルチゾールの測定法もいくつかあり、一つの検査で診断がつかなければ複数の検査を実施しなければなりません。 (例:ACTH刺激試験、低用量デキサメタゾン試験など) その他にも十分な問診、身体検査に加え、血液検査、血液生化学検査、レントゲン検査、超音波検査などが必要です。 また、下垂体性であれば、下垂体腫瘍の大きさによって予後や治療法が変わるので、脳のCT検査やMRI検査により腫瘍の大きさを確認するべきであると思われます。 ★治療法は? 下垂体性であれば、腫瘍自体は多くが良性です。良性とは転移、播種することがない腫瘍です。しかしその場で大きくなるだけでも周囲の脳にダメージを与えてしまう可能性があります。そのため腫瘍の大きさによって治療方法を検討する必要があります。 ・内科療法(お薬で放出されるホルモンの量を調節する) ・放射線治療 ・外科手術 副腎性であれば、悪性腫瘍の可能性が高いので、基本的には 外科手術 が必要です。しかし、診断された時には、すでに近くの大きな血管を巻き込んでいたり、転移してしまっている場合もあり、手術が出来ないこともあります。 元気なうちは、「今は調子がいいから」と軽く考えてしまいがちですが、この病気は腫瘍性疾患で命に関わることもあります。 見た目で分かるほど調子が悪くなってからでは手遅れになることもあります。 7歳以上のわんちゃんで、はじめに書いたような症状がみられた場合には早めに動物病院にご相談下さい。 アイリス動物病院HP アイリス動物病院Facebook 中村

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  • 29 Mar
    • 椎間板ヘルニア

      「ヘルニア」というと、よく椎間板ヘルニアの事だと思われる方が多いようですが、実は他にも様々なヘルニアがあります。 ヘルニアとは、身体の中の臓器などが、本来の位置から脱出した(とびだしている)状態のことをいい、ヘルニアは椎間板以外にも様々な部位で発症する事があります。 その中でも、犬や猫によくみられるヘルニアには次のような物があります。 例えば、 ・臍ヘルニア(でべそ) ・鼠径ヘルニア(後ろありの付け根からの脱腸) ・会陰ヘルニア(肛門の横からの脱腸、未去勢オスに多い) ・横隔膜ヘルニア(横隔膜に穴があき、腸などの臓器が肺の方へ入り込む状態) などがあります。 では椎間板ヘルニアとはどういう状態のこと現しているのでしょうか。 犬や猫は人と同じように、首から腰にかけて脊椎(背骨)といわれる骨が並んでいます。 その一つ一つの骨を椎体といい、椎体と椎体の間に、椎間板があります。椎間板は、ゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪から成り立っており、椎体にかかる衝撃を吸収する役割があります。 「イラストでみる犬の病気」参照 椎間板ヘルニアになると、この椎間板の一部が上にとびだす事で脊髄を圧迫し、痛み、麻痺などを引き起こしてしまいます。 どの犬種でも起こりうる病気ですが、ミニチュアダックスフンド、ビーグル、シーズー、ペキニーズなどの軟骨異栄養性といわれる犬種で多くみられます。 ※ 軟骨異栄養性・・・遺伝的に若齢で髄核の変性、石灰化を起こしやすく、椎体にかかる衝撃を吸収出来難くなります。 例えば、下の図の赤丸のどこかで椎間板ヘルニアが発症した場合には次のような症状がみられ、重症度によって1~5まで分類されいます。(軽症:1→5:重傷) 「犬と猫の臨床神経病学」参照 グレード1:背中の痛み グレード2:後ろ足に軽度の麻痺はあるが、自力で立って歩く事が出来ます グレード3:後ろ足の麻痺により歩く事が出来なくなります グレード4:後ろ足が完全に麻痺し、足の皮膚をつねっても痛みを感じなくなります。また自力での排尿が出来なくなります グレード5:後ろ足が完全に麻痺し、足の皮膚をつねっても痛みを感じなくなります。さらには骨の痛みまで感じなくなります。また自力での排尿が出来なくなります。 グレード1では、あまり動きたがらない、段差を嫌がるなどの症状が多くみられます。 治療には、保存療法(内科的)と外科的治療があります。 保存療法では、ケージレスト(安静)、痛み止め、減量などにより、椎間板物質の更なる突出を予防し、また脊髄の浮腫や炎症を軽減します。 外科的治療では、いくつかの手術方法がありますが、どれも原因である椎間板物質の除去や、脊髄にかかった圧の除去が目的となります。 グレードが軽い場合は、保存療法でも高い改善率が得られますが、原因が取り除かれている訳ではないので、再発する可能性もあります。 そのため、どのグレードであっても、外科的治療の方が改善率が高く再発率も少なくなります。しかし、すでに脊髄のダメージが大きすぎたり、手術時期が遅れてしまうことで十分な改善がみられないこともあります。 ~進行性脊髄軟化症~ また、グレード4~5で重度の脊髄損傷を起こした犬の5~10%では、脊髄が出血、虚血を起こし、脊髄全体が壊死、軟化していく「脊髄軟化症」を起こす事があります。 脊髄軟化症は、発症部位から上行性(頭側)、下行性(尾側)に広がります。 下行性では、後ろ足の反射の低下、肛門括約筋の弛緩、尿道括約筋の弛緩などがみられます。そのため無意識に便や尿が出てしまいます。 上行性では、前足の麻痺、呼吸停止、心停止となり、命を落としてしまいます。 症状の進行が見られるまで、診断する事が出来ませんでしたが、今では精度の高いMRI検査などにより、発症前に脊髄軟化症の可能性がある事をある程度予測する事ができます。 しかし、現時点では脊髄軟化症を改善する方法、さらには進行を抑制する方法さえありません。そのため発症するとほぼ間違いなく2~10日で亡くなってしまう恐ろしい病気です。 椎間板ヘルニアは、保存療法、外科的治療のいずれにせよ、出来る限り早期に治療を開始する事が重要です。 症状が軽いからといって、安心は出来ません。 上記のような症状が認められた場合には、 1日でも、いえ1時間でも早く動物病院へ連れて行って上げて下さい。 アイリス動物病院 中村

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プロフィール

アイリス動物病院

性別:
男性
お住まいの地域:
大阪府
自己紹介:
こんにちは! 大阪府羽曳野市の「アイリス動物病院」獣医師中村です。 主に犬や猫の病気について、出...

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