劇場に近い呉服町にマンスリーマンションを借りて早や3ヶ月。
シャツがじっとりと肌に貼りつく梅雨。熱波に身を灼かれんばかりの盛夏。何度目かの台風を経てほのかに漂う秋の気配。

19歳で家を出て以来、故郷にこれほど長く滞在したのは初めてでした。監督と私でひたすら映画の宣伝活動に励む日々。宣伝費がほぼゼロの状況のなか、テレビやラジオに出演し、雑誌や新聞の取材を受け、福岡市と広報の連携を図り、工夫を重ねて映画の認知度向上に努めました。







昼は汗だくでチラシやポスターを配り、夜は肝臓を酷使しつつ酒席での営業。こうして地道に売り歩いたチケットは、実に3600枚。







チーム一丸となり、やれるだけのことはやり切ったつもりです。

結果、中洲大洋劇場での単館上映にもかかわらず、

・観客動員6000人突破
・2ヶ月の超ロングラン上映
・Yahoo!映画ユーザー評価ランキング第1位(7/30~8/7公開中作品において)


これは堂々たる成績といっていいでしょう。
利益主義やマーケティング主導ではなく自分たちが本当に作りたい映画を作り、多くの人たちにそれが支持された。作り手も受け手もみんなが幸せになった。まさにものづくりの理想ともいえる状況を実現できたのです。








とはいえ、単館でどれだけ好成績を収めようともリクープには程遠いのが現状。依然として現実は厳しいのですが、ただその点のみを以って「ほーら言わんこっちゃない」とか「無駄な努力だったね」とか言える人がもし業界にいたら顔を見てみたい。あなた方にこれだけの覚悟と信念があるのか、と。批判ばかりで自分の地位に安住している人、リスクを負わずに果実を得ようと目論む人、そういった事なかれ主義の人たちが業界をつまらなくしているのです。

それに興行は終わったわけではありません。むしろこれからです。今後は全国各地でどれだけ上映館を増やせるかが課題になります。また立ち上げ当初からのインディペンデント精神を大切に、地方自治体、教育機関などでの上映会も積極的に行っていきます。






今回の3ヶ月のみならず、昨年『なつやすみの巨匠』プロジェクトを立ち上げてから現在に至るまで、数多くの人たちとの出会いがありました。見返りを求めず共に汗を流してくれた人、心意気に応えて支援してくれた人、惜しみなく己の人脈を使ってくれた人。普段出会えないようなユニークな人たちとも沢山知り合いました。
世の中まだまだ捨てたもんじゃない。それを実感できただけでもプロジェクトを立ち上げた意味はあったと思います。

「やるかやらんかで迷ったら、やれ」

父の言葉です。
とにかく動くこと。どうするかは走りながら考えればいい。幸い、福岡の人たちは我々の心意気を買ってくれました。新しいことに挑戦しようとする人間に対し、協力を惜しまない。ネガティブなことは一切言わず、「とにかくやってみれ」と背中を押してくれる県民性。ますます福岡のことが好きになりました。

その福岡にきっと何年も何十年も残る映画を作ることが出来た。
私のこれまでの人生はこのためにあったのだとさえ思います。

本当に、やって良かった。
関わった全ての人たちに感謝の気持ちを伝えたいです。

ゼロからの資金集め、制作配給、福岡での先行ロードショー。
『なつやすみの巨匠』プロジェクトはまた新たなフェイズに突入します。

全国へ、そして世界へ。

皆さんと共に築き上げてきた作品がどこまで羽ばたけるか、ワクワクしています。
一緒に夢を見ようではありませんか。


今後とも応援よろしくお願いします!
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