公認会計士のインサイダー事件に続き、またもや資本市場のメインプレイヤーによるインサイダー事件が白日の下にさらされました。
国内大手証券会社の筆頭格、野村証券の、それもM&Aを取り扱う企業情報部が舞台になっていたとのこと。
何と、まぁ![]()
あの野村証券でも![]()
と、開いた口が塞がらないとは、このことです。
しかも、21銘柄の売買で4,000万円の利益を上げたといいますから、さすがにプロの証券マンがやると荒稼ぎ、というレベルに達しますね。
(会計士のインサイダーのときは損失も出ていましたものね)
しかも、大企業どうしの敵対的TOBとしては日本初のケースとなった王子製紙と北越製紙の案件も、材料として使っていたといいますから、意を決して野村が敵対的TOBのアドバイザー(王子製紙サイド)になったといって評判になったこの案件にもいらぬオチがついたことになりました。
この案件のときには、大手証券会社はTOBの防衛側にアドバイザーになることはあっても、買収側のアドバイザーにつくことは、多くの企業経営者に恐れを抱かせるため、それまでタブー視されてきたと言われたものです。
ある意味、この野村証券の行動が、日本でも敵対的TOBはタブーでも何でもないんだ、と多くの経営者の目を開かせたエポックメイキングな事件だったといえると思います。
それだけに、厳格に情報管理していたと思われますが、何のことはない、悪意を持った社員に対しては、情報管理も何ら防御足りえなかったわけです。
企業年金連合会も、株式や債券の運用に際して、野村証券に対する売買の発注を一時停止したそうです。
野村証券は企業年金連合会の売買シェアで6割を占める大口だということであり、再発防止策が出るまでは発注を停止する予定だとのことですから、これは野村証券の業績にも少なからず影響は出そうです。
しかも、野村グループのなかで、企業情報部を含む投資銀行部門は稼ぎ頭なのだそうです。
日経新聞の報道によれば、2008年3月期3Qの税引前利益のうちの13%、約225億円を稼ぎ出し、2007年のM&A助言シェアでは22%と国内トップ。
上場企業の約6割の主幹事・共同幹事を務め、株式IPOシェアでも2007年度は40%を確保するなど、とにかく、投資銀行部門は、花形といってよい職場なのでしょう。
それだけに、今回の事件が後々どのくらい尾を引くのか、心配されます。
これは、ひとり野村証券だけの問題ではなく、外国人投資家が積極的に日本株を売買する必要がない理由に、非効率・非公正な市場だから、という項目が追加されてしまっては、ますます日本株の低迷が長引いてしまいます。
余談ですが、ちょうどこの事件のちょっと前に、ウチの会社の決算発表後のワン・オン・ワンミーティングのアポ入れを野村証券に依頼していました。
そこに、この事件でしょ。
機関投資家さんから野村証券が出入り禁止でもくらって、アポが入らないかなぁ・・・と心配していたのですが、
4/22の朝一番に野村証券の企業金融部の方から電話がありました。
「誠にあいすみません、おさわがせいたしまして・・・
」
さすがに証券マン、朝が早いです(笑)
私も、この手の電話、もう慣れました。
プロネクサスでしょ、新日本でしょ、そして、野村証券・・・と。
あと、登場してないのは、信託銀行くらいですね(失礼
)
これまで毎決算発表ごとに、主幹事だから野村証券に義理立てしてアポ入れをお願いしてきたんですが、ちっとも入らなかったんです。
社長の都合つけて、一日預けても、虫食いで午前1社、午後1社とか。
まぁ、野村証券の力というよりは、当社の魅力の問題という部分も半分以上はあるように思いますが・・・。
それが、今回は野村証券さん、頑張ってくれて、ほとんど埋めてくれました。
この事件の折、貴重な顧客と見てくれたものか、それとも、時期的に当社の話を聞いてみたいと考えた機関投資家さんが増えてきたと純粋に考えたものか・・・。
いずれにせよ、ありがたいことです![]()
話を戻すと・・・、野村証券でも教育研修はやっていたようですが、ことコンプライアンスなど精神的な面となると、人の心の内面の問題ですので、なかなか徹底が難しいのかなと思います。
それでも、倫理教育はやり続けていると、少しずつでも成果は上がるのではないでしょうか。
私も会計士協会の継続研修単位(年間40単位)を履修しなければならないので、協会から送付される職業倫理に関する研修用CD-ROMを視聴していますが、延々、もう10何回目になるんでしょうか、毎回、八田先生(内部統制で有名な青山学院大学大学院教授)の
「おはようございます、倫理」
「いただきます、倫理」
「おやすみなさい、倫理」
のギャグとともに、職業倫理、倫理、リンリ、リンリ、リンリンリンリン・・・・
の声が耳に残っているくらい聞かされてきました。
まさに、口を酸っぱくして言ってもらって、ようやく身につくものなのかなぁと思います。
それでもなお、インサイダー取引に手を染める会計士を防止しきれなかったわけですから、資格を失うかもといった抑止力のない証券会社社員の世界で、何を歯止めに考えたらよいのでしょう。
やっぱり、最後は、自分が資本市場に関わっている、というプライドだとか、M&Aに携わる者としての使命感だとか、そういった精神面に頼らざるを得ないのでしょうか。
もちろん、上司の承認がないと、端末からM&A案件の情報を見ることができないといった、ITを駆使したハードウェアの整備も必要でしょうが、最終的には、人の心、ソフトウェアの面をしっかり作っていくことが大切ではないかと考えさせられました。
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1 ■やっちゃいましたね...
同じIR担当者として、いつも興味深く拝見しています。
このような記事が出たら、必ずIR資料収集?のために、お詫びのプレスなどを探しに行きます。
自社に何かあったときから探していたのでは、いざというとき間に合わないからです。
かなりの数をコレクションしていますが、結構参考になります。いくつか利用させていただいた悲しい経験もあります。
今回、野村さんのHPを拝見したんですが、その関係のプレスを発見できませんでした。
悪い情報こそ、隠さずにすぐ開示!
マスコミ対応は、正直に!
これは、主幹事証券さんや、証券取引所さんから耳にタコが出来るほどお聞きした内容なんですが...