IR担当者のつぶやき

上場企業に勤務する公認会計士の、IR担当者として、また、一個人投資家としての私的な「つぶやき」です。

ときどきIR担当者的株式投資の視点も。


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10/2、カジュアル衣料卸を手がけるクリムゾン(2776・JQ)は、2005年7月中間期以降の決算において、在庫の評価額を過大計上するという不適切な会計処理があったと発表し、JASDAQは同日、上場廃止基準に該当するおそれがあるとして同社を監理ポストに割り当てました。


■クリムゾン 業績に影響を与える事象の発生について

 http://www.crymson.co.jp/images/cms/1191255813_1_eikyoujisyouhassei.pdf


■JASDAQ クリムゾンの監理ポスト割当て

 http://www.jasdaq.co.jp/files/jasdaq/company_report/1191279865747.pdf


■クリムゾン ジャスダック証券取引所による当社株式の監理ポスト割当てについて

 http://www.crymson.co.jp/images/cms/1191326265_1_kanripost.pdf


監査法人は、新日本監査法人です。


しかし、しばらく前(7/10)にみすず監査法人との共同監査体制から、(みすず解散による)新日本一社体制へ変わるというリリースが出ています。


■会計監査人の辞任に関するお知らせ

 http://www.crymson.co.jp/images/cms/1184058794_1_kansa-jinin070710.pdf


(・・・、共同監査だったとはいえ、新日本監査法人、やられましたね(^^;


同社は、新日本の指摘を受けて、弁護士などで構成する調査委員会を設置、調査を進めてきており、その結果を上記リリースで公表した形になります。


同報告によれば、実際には存在しない在庫をアウトレット店舗の在庫として計上するなどの手法で、各決算期の在庫を2億数千万円~3億円程度づつ、2007年1月期までの累計で9億円超も不正に増額することを繰り返してきました。


クリムゾンでは、管理部門担当取締役の藤田氏を、10/1開催の取締役会で解任することを決議したそうです。




在庫を使った粉飾は古典的ではありますが、衣料品だとアウトレット店に出してある、という形を使うんですねぇ。


なぜ粉飾するのに在庫に手を出すかというと、やさしく言うと、


 在庫(期末棚卸高)を実際よりも過大に計上

→売上原価が過小に計算される

→粗利(売上総利益)が過大に計上される

(※売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高)


という会計上の計算構造があるからです。


(そういう古典的な注意ポイントなので、内部統制監査のうえでも、細かいところはまだしも、在庫のチェックはしっかりやろうね、ってことになっていますよね)


でも、いったん不正した期末棚卸高は、翌期の期首棚卸高になって、そのまた期末で不正にかさ上げして・・・、と連綿とつながっていきますから、いったん在庫調整に手を出すとなかなか元に戻すのは大変なんですよね。

それ以外の、営業外損益とかで財テクやってる、とかのほうが、まだ経常利益や当期純利益をかさ上げすることに関して容易な気もしますが・・・。

営業利益重視、あるいは在庫も含めた部門損益を業績指標にしているのだとすると、部門としては在庫いじるくらいしか手がないのかもしれません。


リリースではこうした不適切な会計処理が行われた理由・温床は書いていなかったように思いますが、新聞報道では「業績目標を達成するため」となっていました。


クリムゾンの業績は、


2005年1月期 売上 18,059、営業利益 957 (百万円)

2006年1月期 売上 18,589、営業利益 1,049

2007年1月期 売上 15,722、営業利益 ▲462 

(2007年1月期のみ連結ベース、それ以前は単体ベース)


と業績が低迷しました。

しかし、在庫調整に手を染めたのが2005年7月中間期以降だとすると、2006年1月期の増益は怪しかった、ということになりますかね。


トレンドを見誤らせたという投資家ミスリードは、厳しく指弾されなければならないと思います。


一方で、会社の事務方もたいへんなことになっていると想像されます。


弁護士の調査委員会はまだ継続しているでしょうけれど、決算訂正の作業もしなければなりません。


在庫金額の適正化も含めて、中間決算-四半期決算-年度末決算・・・と、ぐるぐる回っていく決算数字を全部直していかないと、当中間期の期首の利益剰余金の金額が適正な金額に直りません。


その作業を終えて、ようやく当中間期の中間決算監査が実施できる。

しかも、タイムリミットは、7月中間期だから、10月末の半期報告書の提出期限まで(最悪、提出遅延もありですが・・・)ビックリマーク


当然、取引所を通じた適時開示(決算短信)と、財務局に対する訂正報告書も、同期限までに提出しておかないと、話のスジがおかしくなっちゃう。


こりゃ、てんてこ舞いの忙しさですな。

中間期で株主総会が噛んでいなかっただけ、まだましかはてなマーク


投資家のみなさんには残念でした、というほかはありませんが、会社の事務方のみなさんは、身体をこわさないように、

がんばれよー!!(涙)



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