【ロングステージ 後編】
みんなかなりいいペースで歩いたおかげで次のCP2には14:07分についた。
タイムリミットの50分も前だった。
一度休憩すると、痛みが強くなる。
休憩後は幸四郎のペースが上がるまでかなり時間がかかる。
次も幸四郎の荷物をまさおくんがまた持った。
すでにこの時点でまさおくんは、6時間も幸四郎やジーニョのリュックを担いでいた。
自分の荷物だけでも20キロ近くあるのに、、、
人のためなら底知れぬ力を発揮するまさおくん。
人以上に重いリュックを背負い、誰よりも人のサポートをサラッとやってしまうまさおくんのタフさに、みんながいつも驚いていた。
このステージもみんなの支え合いがあり、無事クリア。
ワンコたちは今日もずっと一緒だった。
このあとは、ゴツゴツした塩が待っていた。
足の怪我も多い中、いけちゃんはずっこ幸四郎の荷物の中身を、自分のリュックにいれて持ってくれていた。
この日はいけちゃんのペースはいつもよりかなり落ちていたから、きっと身体にきていたんだと思う。
でもさすがのいけちゃん。辛い顔は一切見せず、淡々と自分のペースで前へ進んでいた。
このあと、大砂丘が待っていた。
わたしとはるぱぃは先頭を登った。
はるぱぃは、三日目まで体調はよくなかったが、だんだんいつもの元気なはるぱぃに戻っていった。
そんなはるぱぃは
ほんまにこれ登るん?
もう笑うしかないやん!
ははは
といって、笑っていた。わたしも笑った。
しかし笑えたのは初めだけ。
風も強いし、坂は急で、何度も何度も立ち止まらないと登れなかった。
下を見下ろすとみんなも続々と登り始めていた。
にゃんちゃんは登りきったと思ったら、自分の荷物を置いてまた砂丘を下り、メンバーのサポートへはいった。
にゃんちゃんはこの後も、登っては下り、登っては下り、を繰り返していた。
幸四郎が登ったあと、カーマは力尽きて、砂丘の真ん中で倒れていた。
風が強くもう日が沈みかけていたので、みんなここでダウンなどを着て防寒をした。
このあと石の岩など幸四郎にとってしんどいコースが待っている。
せめて明るいうちに次のチェックポイントまでいきたい。
みんな夕方ということもあり、なかなかスピードがでなかったが、なんとか、20時過ぎにCP5についた。
ここでスタッフをしていたどどちゃんが、みんなにコーラを配ってくれた。
大会側から選手へのプレゼントだった。
わたしたちはコーラで乾杯をした。
15分休み次を目指した。
次のチェックポイントまで行けば、仮眠テントが用意されているし、温かいお湯ももらえる。
次のチェックポイント着いたらねれるぞー!
というこうちゃんの掛け声に、みんな少し元気になった。
幸四郎は暗いと見えないため、らんぼうにひっぱってもらっていた。
風が強くてジーニョは呼吸がしづらく、とても辛そうでペースもかなり落ちていた。
3日目から一緒に歩いているワンコたちも、長い1日をずっとずっと一緒に歩いてくれていた。
22時過ぎにチェックポイント6についた。
仮眠テントはいっぱいかと思いきや、ガラガラだった、、、。
速い選手はとっくにキャンプ地のゴールをしているし、休まずに歩く選手も多いんだろう。
ずっと苦しかったジーニョは食事を摂らずにそのまま眠りについた。
他のメンバーは食事を取り、23:00から2時間仮眠をとった。
1:00に目覚ましで起き、
らんぼう、カーマ、幸四郎は痛み止めを飲んで出発に備えた。
夜中の1:30、ドイツ人の女性選手とイスラエルのニールさんも一緒にスタートした。
街灯もない真っ暗な道は、一人で歩くより、誰かと歩いた方が安心だからだろう。
寒い中、眠い中、みんなで歩いた。
途中のチェックポイントは焚き火が用意されていたものの、止まれば体が冷えたため、あまり休まずに歩き続けた。
キャンプ地までは、とてもとても長い道のりだった。
そして、朝日が昇った。
とっくに痛み止めの効き目はきれ、トボトボ歩く3人組はいつの間にかみんなからロキソニンズと呼ばれていた。
ロキソニンの偉大さと、痛みをいつも共感し合っていた。笑
そして、9時前、ようやくキャンプ地の旗が!!!
太鼓の音が聞こえ、みんなが待ってくれているのが見えた。
わたしたちは手を繋ぎ一列になった。
今日が終われば、もうレースはクリアできたようなもの。