北朝鮮の金正日総書記の訪中を受け、日本政府は4、5日の両日、外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長を北京に派遣した。「金総書記が外交カードを切った」(外務省幹部)とみて情勢を注視している。

 金総書記の訪中は、6カ国協議の議長国である中国が協議再開に向け再三、招請していた。ただ、その意味合いは3月末の韓国海軍哨戒艦沈没事件で一変。これまでの調査で事故説はほぼ消え、北朝鮮関与疑惑が濃厚になるなか、米国が韓国に調査団を送り、日本も4月下旬に高官が訪韓して韓国政府と今後の対北政策の調整を行っている。

 韓国が行っている事件調査は14日にも報告書が発表される予定だ。北朝鮮の関与が明らかになれば、国連安保理への提訴も視野に入ってくる。

 現在、日米韓は「沈没事件の調査結果次第で6カ国協議再開は困難となる」(同)との立場で一致しているが、日本政府は、今回の金総書記の訪中で、中国側の対応に変化が見られるかに注目している。

 金総書記の訪中は「(中国からの)支援獲得と状況の打開」(北朝鮮専門家)と見られるが、韓国の哨戒艦沈没事件も絡み、日米韓vs中朝の構図で北朝鮮問題の行方全般が不透明となっている。(久保田るり子)

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