ソマトサイコロジストのロペスです。

勉強を始めました。痛みの理学療法ではなく、今後のためです。アリとキリギリスではありませんが、ネット上のうわさにあるようにセラピストが仕事なくなるのなら、保険制度が終わるのならば準備しようということです。

さて、久しぶりのこのシリーズですが、とてもわかりやすい症例がいたので、追記します。
帯状疱疹後神経痛の方で背中と左腕が痛いとのことです。ちなみに帯状疱疹ができたのは背中でも左腕でもありません。帯状疱疹はその出現した部位が痛くなることが多いですが、では今回のケースのような背中と左腕の痛みは何が原因なんでしょうか?
この場合はneglect like syndromeが痛みの原因となっていました。つまり神経障害性痛の認知機能面と運動障害があり、おおもとに感覚乖離がそれを構成していました。評価すると脊柱安定性は坐位で全くなく、掌側上肢の不随意運動が認められました。今回は脊柱不安定に起因する左上肢neglect loke syndromeを改善するような目標を立てました。ニューロリハです。ここではパピーポジション、腹臥位での運動を繰り返しました。
3回のリハで背中と左腕の痛みはかなりなくなりました。可動域制限も改善しています。

何気ない不随意運動でしたので危うく見逃すところでしたが、反応が出てよかったです。neglect like syndromeは神経系の異常であり四肢の麻痺という表現型ともいえるような徴候を見せるので
脳卒中っぽいニューロリハの戦略が必要です。高齢の方ですが、自宅での運動も継続しているようで、今後症状が落ち着くとよいなと思いました。

neglect like syndromeは様々な仮説が提示されていますが、感覚乖離による動きの統合異常だとすると頭頂葉がカギになるんじゃないかなと思います。神経障害性疼痛はリハビリも難しくなりますが、まずは患者さんをよく見ることは何事においても基本ですね。

今日も読んでくださりありがとうございました。

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