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嘆けとて 月やはものを 思はする

かこちがほなる わが涙かな

20151208 倭塾・動画配信サービス2


嘆きなさいと言って月が私に物思いをさせているのでしょうか。
いやそうではなく、月のせいにして私の涙は流れているだけなのです。

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俗名は佐藤義清で、大ムカデ退治で有名な俵藤太(藤原秀郷)の末裔。
はじめ鳥羽院の北面の武士を務めるが、二十三歳で出家して高野山に入る。
五十歳から陸奥や中国、四国などを旅し、讃岐では崇徳院の慰霊を行なっている。

.つまり「(涙が流れるのは)嘆きなさいと月が私に言っているから。でも本当はそうじゃないよね」という意味です。
このことから、西行法師は月を見て涙を流しているのではなく、月にかこつけて別の理由で涙を流しているということが分かります。

西行法師は、平安末期から鎌倉初期を代表する歌人です。
高級官僚への道を捨てて出家した彼は、仏道の修行をしながらたくさんの和歌を詠みました。
一介の僧侶の身でありながら歴史に名を残せたのは、全国を流浪してたくさんの和歌を詠んだからではなく、混迷する時代の中にあって、政争を嘆きながらも、自分の立場でできる最大の努力を惜しまなかったからだと思います。
そういう西行法師を代表する一首として、また、混沌とした時代を代表する歌として、藤原定家は八十六番にこの歌を配したのです。


『ねずさんの日本の心で読み解く百人一首』
~31文字に込められたもうひとつの思い~
http://goo.gl/WicWUi



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