2004-11-15 03:22:30

魚肉。

テーマ:日々の泡々
11月某日

 うちの近所には、野良猫がたくさん住んでいる。

 いつも高級車ベンツの上で寝ている「ベンツ」とか、
 いつも舌をだらんとたらしている「だしっぱ」とか、
 天気のよい日だけベランダにおいてある洗濯機の上で昼寝する「晴れ間」とか、
 足元だけ白い「靴下」とか、

 勝手に名前をつけている。


 今日はお買い物帰りに白猫に出会った。たまたまチーズ入り魚肉ソーセージを持っていたので、あげた。
 わたしも一緒に道端で魚肉ソーセージを食べた。
 白猫の名前は「魚肉」にしよう。

 
 魚肉ソーセージ、って、猫にとってみたらかなり魅惑的な名前なのではなかろうか。
 

 


いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2004-11-15 01:55:04

お知らせ。

テーマ:お知らせなど。
WEBマガジンで書いているエッセイが更新されました。
お暇な方は是非。
毎月1日と15日に更新です。 


http://webmagazine.gentosha.co.jp/ainoyamai/ainoyamai.html
いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2004-11-12 21:15:57

綺麗

テーマ:世界(小説)
 わたしは空から何かが落ちてくる気配を感じ、顔を上げた。とたんに顔にふわりと何かが当たる。
 「あ、ごめんなさい」
顔に乗ったまま、それは言った。
 「君、もしかして花?」
 顔の上のものは言う。私は少し肩をすくめる。
 「雑草だけどね」
 「でも綺麗だ」
 素直につぶやく顔の上のものに、私は少し気をよくする。
 「あなたは何?」
 「僕? 僕はちょっと前まで雨粒だった。でも気づいたら、体が白くなっていた」
 「変わったの?」
 「外に飛び出してみたら、変われたみたいだ。多分、僕は雪になったんだな。変わろうと思えば、変われるものなんだね」
 顔の上のものはぼんやりと空を見上げていた。その白い肌に私はほうっとため息をつく。
 「変わる前のあなたのことは知らないけど」
 わたしは、彼を見つめながら言う。
 「あなたも、綺麗よ」
 顔の上のものは、照れくさそうに笑うと、私は顔の上をつるりと滑って地面に落ちた。気がつけば、足元には白い雪がしんしんと積もりはじめていた。
いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)
2004-11-11 06:09:44

家族カレー

テーマ:日々の泡々
11月某日

 久しぶりに、ひとの作ったカレーを食べた。

 知り合いのご夫婦のお宅で、たまたま作り置きされていた、奥様のカレー。

 お客さま用じゃなくて家族のために作ったカレーは、飾り気がなくて、あったかかった。

 美味しくっていっぱい食べた。

 カレーライスって、家族の味がする。

 カレーが美味しい家は、素敵な家族って証明になるね。


いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)
2004-11-10 03:33:23

柔らかい

テーマ:日々の泡々
11月某日

 「君の本を読んだとき、なんだか、柔らかいなあ、と思ったよ」

 と言われた。

 嬉しい。

 とてもとても。

 
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2004-11-09 01:51:55

二人ビール。

テーマ:日々の泡々
11月某日。

 敬愛する映画監督Y氏と打ち合わせがてら二人でビール。

 Y氏行きつけであるそのお店には、生ビールなどというものがなく、お客自らが冷蔵庫から瓶ビールを出して、飲む。

 必然的に、ビールを注ぎあったり、あるいは手酌したり、そのタイミングをぼんやりと計りながら、飲むことになる。

 そのたびに、「一緒にお酒を飲んでいるのだ」ということが確認できて、なんだか嬉しい。

いいね!した人  |  コメント(10)  |  リブログ(0)
2004-11-08 03:07:13

観察。

テーマ:日々の泡々
11月某日

 ブログ開設をする夢を見た。
 わたし、結構嬉しがってるのだな。



 知り合いのデザイナーさんの事務所へ遊びにゆく。
 「恋愛を長続きさせるコツは?」
 と尋ねたら、
 「相手を観察すること」
 と、彼は答えた。

 観察する。

 変な言葉だけど、納得。

 子供のころ、「観察日記」ってつけさせられたよね?
 朝顔とか、蟻とか、糸瓜とか。
 もしも朝顔に興味があったら、「観察日記」は、とても丁寧に愛を持って書かれるだろう。
 でも、「蟻なんか嫌い」って思ってたら、きちんと見もせずに、適当に書いちゃう。

 「興味を持てない人」は、すでに「好きではない人」だ。

 好きでい続けようと思うなら、興味を持ち続ける。

 知っていたけど分かっていなかったこと。

 一緒にいてくれる人に、きちんと「興味」を持っていきよう。
 それこそ、「観察日記」、つけちゃうくらいに。

いいね!した人  |  コメント(6)  |  リブログ(0)
2004-11-06 02:38:30

はじめまして。

テーマ:日々の泡々
はじめまして。


 狗飼恭子です。
 作家です。
 
 少し緊張しております。
 
 小説やエッセイでは書けないような、ほんとうに些細なことを、
 ゆるりと綴ってゆきたいと思っております。

 どうぞよろしく。
 
 



いいね!した人  |  コメント(12)  |  リブログ(0)
2004-11-05 13:02:16

あしもとに広がるもの

テーマ:世界(小説)
 灰色の雲の上で、さっきから僕は下ばかり見てはため息をついた。何だって僕は、こんな所から落ちなくちゃいけないんだ?
 「それが雨粒の運命ってやつだよ!」
 隣にいる鳥が知ったような口をきく。僕だって鳥みたいな羽を持っていたら、落ちることを怖がったりなんかしない。
 「運命がなんだよ。与えられたものなんかに従えないよ。僕は、僕のやりたいようにやりたいんだ」
 「じゃあ、君のやりたいことって何さ」
 分かってたら悩んだりしない。何で僕は雨粒なんだろう。何でここから旅立たなきゃいけないんだ?
 「文句を言うのは、与えられた運命ってやつを試してからでも良いんじゃないの?」
 運命を試す。そんなこと、考えたこともなかった。でも『考えたことなかった』ことは、これから考えてみればいいこと。
 僕は小さく頷くと、体中に力を込めてジャンプした。ふわふわの雲がロイター板みたいに弾んだ。冷たい冬の空気が僕の体を包み込み、真っ逆さまに世界へ落ちる。
 僕は確かに、空を飛んでいた。
いいね!した人  |  コメント(9)  |  リブログ(0)