観戦記 -Aspects- -4ページ目

悲愴払拭

 タジアムにて。

 「最近、乾君のブログは悲愴感が漂ってるよね」

 というようなことを言われました。

 

 更新の暇がなく、ほったらかしになっていたブログ。

 試合にもなかなか行けず、試合ごとに記事を書くのも苦しくなってきた。

 このままフェードアウトしていつかなくなっていくのもそれはそれでいいかな、と思っていたのですが、悲愴な感じというのは自分のイメージと少し違っていまして。これはまずいぞと。消えるなら消えるで、もう少し爽やかに終わっていくべきではなかろうかと。

 

 そんなことを考えた次第。

 悲愴なイメージが払拭できるまで、もう少し頑張って続けてみようと決意する。

 まぁ、頑張ろうとしたって更新頻度がそうそう上がるとも思えないのですが。忙しいし。

 

 

 

 とりあえず、そんなわけで今日の試合の感想。

 

 試合前。自分の中にある「楽勝」のイメージに、自身が一番困惑した。横浜FCに勝ち、愛媛に勝って連勝中のチーム。どちらも決して「楽勝」ではなかったはずの試合を後にして、しかし心の中に「そろそろチームとして固まってきた」、「今日も相手は調子の悪い福岡だし」という油断が、自分の中にあったことをひしひしと感じていた。

 自分ひとりの中にあるだけならいい。その役割を小さく見るわけではないが、自分ひとり分の声が試合の結果にまで影響を及ぼすことなどまずないのだから。問題は、存外、自分が感じていることというのは、他のサポーター仲間やひょっとすると選手たちまで、同じように感じている可能性が高いのではないかということ。

 何年か、ゴール裏で過ごしてきて。調子が上向きになり始めた頃合、ゴール裏の雰囲気が物凄く緩む傾向があるように、思う。そしてそういったタイミングの試合は、当たり前のように結果も奮わないことが多いのだ。

 

 今日の試合。

 選手たちが福岡を甘く見ていたのかはわからない。

 だが、福岡の選手たちに勢いがあったわけでも、失礼ながら巧さがあったわけでも決してなかった。負けたような調子で書いているが、決して負けたわけではなく、ゴールを割られたわけでもない。実際、特に前半はともかく後半は、怖い時間帯は殆どなかった、と言ってもいいほどだった。

 にもかかわらず、福岡のゴールを割れなかった。というか、ヴェルディはヴェルディで決定機を作り出すことが殆ど出来なかった。前半は、「相手に回させている」というでもなく、といって「相手に回されている」わけでもない緊張感のない膠着状態のまま、福岡のボール支配率ばかりが上がっていった。後半になってようやくヴェルディもボールを持てるようになったが、落ち着きのない速攻と、攻め手を欠いて一度最終ラインまで戻すパスの数が多く、やっと作れたシュートチャンスも相手DFにしっかりと対処されることが多かった。

 

 チームの一体感が大切だというのは、一面的には絶対的な真理であるにもかかわらず、他方では皆が一様によくない方向に向いてしまっているときに誰も気付くことができない、修正できないという悪い点もある。

 その点で、今日は初のスタメンとなった富所、那須川にチームの雰囲気を変えてくれるよう期待していたのだが、どちらかというと二人とも「飲まれてしまっていた」部分が大きかった様子。あまり印象に残るプレーは見せてくれなかった。

 二人とも今後に期待、といったところか。今のままではスタメンに定着することは難しいだろう。

 

 とまれ、今日の試合は0-0。内容的には非常に見所の少ない凡戦。

 負けなかったことを良しと取るか。勝てなかったことを悪しと取るか。受け取り方は人それぞれかもしれないが、私個人としてはここ数試合も、「勝てていた」、「少しずつ形が固まってきた」だけで、決して過信できるほどの勢いを得ていたわけではなかったという前提。今日の試合に関しても、妥当な結果だったのではないだろうか、というのが正直な感想だ。

 悪化した点を敢えて挙げるなら、今日の出来の福岡を相手に、このところ得点はそれなりに取ってきた攻撃陣がゼロで終わった。その点は強く反省すべき点だったのではないかと印象を受ける。

 

 間を空けず、次の試合は平日ナイトゲーム。

 相手は岡山。2勝6分7敗と、決してよい成績ではないが、侮ってよい相手でもない。今日も、愛媛に1-3で敗戦していながら、喜山はしっかりと点を取ったようだ。

 1点では勝てないだろう。勝つためには、2点以上得点を重ねなければ苦しい。

 

 平日ナイトゲーム。

 仕事がすんなり終われば試合開始に間に合うのだが、どうせまた残業あるんだろうなー。

 

 + + + + +

 

 札幌のフリープランのチケット。まだ買ってません。個人的に、明日が多分購入のラストチャンスだと思います。うわ何気にピンチじゃん。

 ちなみに、前回の記事で「今月は残り全試合行けそう」とか言ってましたが、28日は仕事の後にミーティングが入っていたことをすっかり忘れていました。しょぼーん。

 

 さ、結局また、締めくくりが悲愴な感じになっちゃったぞと。

愛媛欠席

 い。

 やや天候がぐずついたゴールデンウィークの反動か、この週末から週明けにかけて酷く暑い。晴れるのは結構、おかげで5日の横浜戦で雨に濡れた幕もようやく日に干すことが出来た。とはいえこれからの時期にじわじわと暑くなってくることを考えると、冬でも薄着で過ごせるほどに暑がりな自身としては憂鬱を禁じえない。

 

 慮外、今の時期の暑さはことさらに厳しい。

 自宅の自室も、職場も、いまいち風通しが悪く。それでいてまだ冷房を入れるような時期でもなく、特に職場は技術的な問題で六月にならないと冷房が入らないとの話も。

 ましてや客の入る職場。自分の感覚など優先順位は下の下。季節の変わり目には、「暑い」と「寒い」のクレームを同時に受けることもしばしばで。

 

 まぁ、関東の都会に近く住んでいると、もはや季節の移り変わりに情緒を感じる余裕も持てなくなってくるなぁと、反省半分自身の感覚に淋しさも抱いたりするわけである。

 

 無論、試合を追っていればそんな風情など歯牙にかける余裕もない。

 昨年までを思い返せば、夏は暑さを避けるためにナイトゲームばかりとなるJリーグ。開門の2時間前からスタジアムに集まるサポーターにとっては、酷暑の盛りをこそスタジアムの外の日を避ける場所もない炎天下ですごす環境。選手たちが練習に出てくる頃にようやく日が落ち、気温もそこそこに落ち着くわけだが試合が始まればまた体感温度は急上昇。終わった後に、せめて「今日はビールが美味いぞ」と家路を笑顔で歩ければ御の字、といった過酷な世界だ。

 

 そんな真夏にはまだ少しだけ余裕があるものの、先日の愛媛戦を録画で見、現地に向かった人たちにとってはそう遠くない過酷な環境だったのではないだろうかと気持ちが曇ってしまった。

 

 試合欠席。理由、仕事の日程により。

 

 ここまでの試合。総計14。

 行った試合は7。行けなかった試合も、7。

 現在の仕事は、基本的に会社から提示されるシフトどおりの勤務日程を遵守とする。定休は毎週月曜。他、土日のどちらかを交代で休む週休二日制だが、実際にはもう少しシフトの組まれ方が複雑。「土日連勤の週」、「土曜休みの週」、「日曜休みの週」、「土日連休の週」の4週間を1セットとし、28日の合計で8日間の休みがもらえるよう組まれている。

 リーグの開催曜日も土曜、日曜とランダムであるため、確率の上で試合に行ける日は50%。ここまでは正しく数字どおりの結果になっているのだが、実際には参加した日は祝日や、平日夜の勤務明けといったパターンもあり、土日開催に限って言えばどうも出席率は50%を割っている様子だ。

 

 どうしてもこの日に休みたい、という場合も認められてはいるが、基本的には当該月の半月前までには要望の提出を必要とする。慶弔も当然認められているが、基本的に定数の勤務者が必要となる職場のため、そのような休みの取り方を誰かがすれば、最悪、その日が休みであるはずの他の誰かが突如呼び出される、という可能性もある。職場の仲間のことを思えば、なかなか、無闇に嘘をついて休むわけにも行かない。

 

 年に1回のことならばともかく、試合は過密な日程で用意されている。嘘や暴挙を重ねて、毎月数日分も休日を動かすわけには行かない。

 昨年までふらふらと遊んでいた身。これも社会人になるということかと、試合に行けなくなることは甘んじて受け止めている。ただ仲間と共有できなくなってしまっている部分の感動、そして周りへかけてしまっている迷惑は、どうにも申し訳なくてたまらない。

 

 愛媛戦。

 ヴェルディスタ主催のバスツアーは、空席が多く大きな赤字を出してしまった。

 試合を見て、現地で応援している仲間たちの姿を見る。番組の意図的な作り方とは考えにくいので、実際にそうだったのだろう。圧倒的な少人数の中でも、ヴェルディサポーターの声は愛媛サポーターのそれを圧倒していた。

 実況と解説者が、選手たちが試合中に水分補給する姿を何度か強調していた。応援する身もまた、渇きと疲労が厳しい環境だったとは想像に容易い。

 

 林陵平のヘディングで、1-0の辛勝。

 満腹の内容には程遠い試合だったように、テレビでは見えたが。せめて帰りのバスの中で、SAで飲む酒が美味かったことを願い、羨むばかり。毎週毎試合行っていたあの頃には、試合前のあわやかな期待も、試合中の楽しさと苦しさも、試合後の歓喜と余韻も、あるいは悔しさと脱力感も、何と貴重なものだったのかと感じ入る。

 ……それでもまぁ、半分は試合に行っているわけではあるのですが。

 

 今月は残り4試合。

 今のところは、この4試合は全部に行けるシフトなのでありがたい。

 特に札幌は、久々の遠方アウェイ。楽しさも辛さも、ついでになんか遠いとこに旅行に行く楽しみとかも、久々に味わってきたいなと思っている。うん、金ないんで旅行のチケット取るの給料日待ちなんですが。

 

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 とにもかくにも、この愛媛戦にて今シーズン初の連勝を飾ったヴェルディ。勝敗もようやく五分に戻って、いつの間にやら順位も一桁。ここからが勝負! と思いきや、そろそろ第1クール終わっちゃうんですね。いや、ここからが勝負なのは本当なんですが、なんかもうすぐ「残り2クール」だと思うと、意外にシーズン短い気がしてしまって。

 ……うん。半分しか参加してない奴が言うなって。そのご意見は甘んじて受け止めます。

対草津戦

 ぁ、もう壊滅的に更新頻度が下がってきているぞ、と。

 これはもう、ブログ閉鎖も目の前ですね。

 

 などと後ろ向きなコメントから始めてみる草津戦前夜。鳥栖戦の快勝、甲府戦の惜敗に続いて明日はどんなサッカーを見せてくれるのか。この、今年に入って特有の、試合前日に感じる奇妙な不安感は未だに落ち着かない。

 不安材料の一つ一つは、例えば負傷者の続出。土屋、河野、に引き続き、今週は飯野の負傷が発表されてしまった。今年のヴェルディでは「全治6週間」が流行っているのだろうか。発表された目安時期が確実だとも思わないが、とまれそう軽い症状ではないということも窺える。

 一方で、明るい材料もある。ルーキーの林が少しずつチームに馴染み始め、頭角を現し始めていること。若手でいえば晃誠も、少しずつ攻撃に積極的になり始め自分の持ち味を発揮し始めていること。そして何より、大黒が少しずつ点を取り始めていること。チーム全体の方向性として、まだまだ未熟なところの方が多いが、それでもこういう「個の力」を持った選手が活躍し始めることで、どちらに進めばよいか少しずつ見えてくるところがあると思う。

 

 良しと、悪しと。材料はそこそこに揃えど、最終的にチームの評価を下すとすれば、現時点では「不安定」の一言に尽きる。前節はよい試合だった。しかし今節は全く崩れてしまうかもしれない。逆に前節はボロボロだったけれど、今節見違えるようによいプレーをしてくれるかもしれない。それもまた良し悪しだとは思うが、悪しきところを強調して言えば、とかく今のヴェルディには持続性がなく、一つのチームとして持つべき「流れ」が見当たらない。悪いときは悪いなりに、チームとしての流れがあるもの。しかし今のヴェルディからは、リーグ戦の試合をひとつずつ順番にこなしているというよりは、単発の試合を繰り返しているような、ぶつ切りの雰囲気を感じてしまう。

 

 明日は雨。

 しかも風も強く吹くらしく、天候的には酷いコンディションになりそうだ。

 正田スタジアムも、どの程度の芝の様子かはわからないが、小規模なスタジアムであること、最悪、水浸しのどろどろのピッチになってしまう可能性も覚悟しなければならない。

 そういう状況の中で、逆に、ヴェルディが好調を発揮して大勝してしまう。そんな予感もなくはない。 

 ただし、その予感が当たったとしても、単発の勝利で終わってしまえばその意味はあまり大きくはない。鳥栖戦は、1人少ない状況でもよい内容で勝てた。あるいは酷いコンディションで、まだどうなるかはわからないが、例えば結果を出せたとしよう。その流れを、次節、次次節へつなげていかなければ、最終的には意味がない。

 

 厳しいだろうとは思うが、まずは明日。ただの勝利ではなく、「チームとして意図の見える勝利」を目指してもらいたい。そしてその意図を、次節以降にもしっかりとつなげていってもらいたい。

 

 蛇足の形になるが、草津には廣山や常澤、元ヴェルディの選手が意外に在籍している。彼らに拍手を送りつつ、今のヴェルディががんばってやっているんだという姿を見せてやりたいところ。無様な試合だけは、絶対に出来ない。

 

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 さて来月。

 まだ詳細なお仕事日程が発表になっていなくて個人的にも「早く出せよ会社」な状況ですが、とりあえず札幌戦のとこではお休み頂けそうな二転三転。まぁ、それより先に岐阜に行けるかどうかを確認しないといけないんですけどね。

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 のところ、ブログを更新する暇――というかアメブロのページを開く暇さえ、全くなくなってしまった。

 4月から仕事が忙しくなるのは覚悟の上だったが、毎節試合のたびに、スタジアムが行けるときも行けないときも、90分間の試合を見るのが精一杯。開門前から待機したり、試合前に各紙のプレビューを見たり、試合後のレポートを見たり。そういった、今まで当たり前のようにやっていた「試合に付随してきた時間」が、めっきり取れなくなってきている。

 次節の小瀬も、5月の愛媛も。遠い距離のアウェイは出来るだけ行きたいなと考えていたのだが、それも難しそうだ。札幌は行けるだろうと旅程を組んでいたのだが、次月のシフトの正式決定を前に急転直下。それも難しくなりそうな様相を呈し始めている。 

 まぁ、1年がスタートしたばかりの今が一番忙しい時期。ここから2、3ヶ月は特に厳しい時期だろうと覚悟の上だったので仕方がない。行ける試合にしっかりと足を運び、選手たちの苦しみと喜びを、支えていければと思う。

 

 うーん。

 なんか仕事の愚痴みたいなブログになってるなー。

 本題はそこじゃないんですよ?

 というわけで、私は行けないんで行ける人は是非アウェイ行ってきて応援して来てくださいって話。

 

 甲府戦も、草津戦も、まだまだバスツアー参加者募集中 だそうですので。

 

 是非是非、まずは甲府戦。

 初めての小瀬。久々の林健太郎に拍手を送って、いしかわごうダービーをしっかりと勝って、チームを勢いに乗せて来てくださいませ。

 よろしくお願いいたしますです。

 

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 それにしても、林のゴールは見事でした。最近は、入ってもなんかあんまり夢中になって喜べないゴールが多かったので(ほら、栃木戦とか)、林のヘッドは久々に胸が透きました。今後に期待です。

勝点無為 対栃木勝利

 合翌日の筋肉痛。

 空に掲げて、振り回した右手。

 飛び跳ねて、酷使した両足。

 たかだか90分の応援で翌日に痛みが響くのも、情けない方が先に立つべきなのだろうが。案外と、この筋肉痛の状態でごろごろと過ごす休日も心地よい。月曜定休の我が勤務地。試合日の休みが取り辛いという難点は絶対的だが、運よく日曜開催の週に日月と連休が取れた日の幸福は、満喫して価値のあるものかもしれない。

 

 昨日の試合。

 正直、内容的な部分は殆ど印象にない。

 惜しいシュートが前半、いくつかあったか。滝沢。河村。ミドルレンジからの勢いのあるシュートは期待も感じるが、いまだ結果には結びついておらず。チームとしての意図が感じられるプレーも少ない。

 後半。自分たちの目の前に攻めてくるようになって。

 感じたことはひとつ。ボールを持っていない選手の動きがあまりに少ないということ。サイドを崩そうと駆け上がった選手が栃木のDFに3人、4人と囲まれ、その周囲に味方が誰一人もいない。中盤でボールを持って、出しどころがなく最終ラインにまで戻されたボール。しかしそのボールをもう一度引き出そうと動き出す選手が周囲におらず、やはりプレッシャーをかけてくる栃木FWに簡単に奪われ、あるいはパスミスを頻発してしまう。

 ボールを持った時の意識も、確かに高くはない。

 しかし、ボールを持っていない選手の意識の低さに、正直愕然とした。

 前を向こうとか、挑戦しようとか、その段階の話には、私には思えなかった。

 ミスをするのを怖がって、誰もボールを持ちたがっていなかった。そんな風に見えた。

 

 後半30分を過ぎた頃から、少しだけ、攻撃の機会が増えた。平本、永里が後退出場した辺りからだったと思うが、彼らの動きによって、というよりは単に栃木の運動量が減り始めたことによったように見えた。如何にフォローのない単発の攻撃ばかりだとて、攻めてくるヴェルディの選手1人に3人4人ついていくのでは、いずれ体力にも限界がきていたはずだ。

 そして、それでもヴェルディは尚、試合の主導権を握ることが出来ないでいた。疲弊した栃木を相手に、どうにかこうにか試合を4-6から5分ほどの展開に持ち直すことが出来、相手ゴールにも近付くことができるようになった。その程度。90分を通して一瞬たりと、ヴェルディは栃木を「上回る」ことはできていなかった。

 少なくとも私には、そう感じられた。

 

 後半30分を過ぎた辺りで、私は、今後のヴェルディを見ていく上では今日は勝った方がチームのためになるのかもしれない、と考え始めた。

 水戸戦では、最悪の内容の末、敗戦した。その展開は、一度忘れ去ってリセットされるべきものだったにもかかわらず、「悪い流れ」は断ち切られることもなく栃木戦にまで持ち込まれた。

 であれば、栃木戦では最悪の内容の末、それでも何とか「勝利」という結果を出すのもよいか、と感じた。ここで勝点3を手に入れたところで誰も喜びはしないだろう。せめて少しでも気分をリフレッシュした上で、余裕を持った上でさてそれでも課題はまるで改善されていないぞ、と正面から受け止めてもらえるのではないか。選手もサポーターも、今のチーム状況の酷さを冷静に受け止められるのではないか。そう感じていた。

 

 果たして、結果は1-0の辛勝。悪い流れは悪い流れのまま、望外に手に入れた一本のPKで試合の勝敗が決した。

 自分の中には、勝利の喜びなど欠片もなかった。ここで得たなけなしの勝点3に、一体どれだけの価値があっただろう。真に昇格を目指すのであれば、苦しい中で拾った勝点3にも価値は見出せるだろう。だが、この試合に勝利の喜びを見出し、安堵の息をついているようなチームが「真に昇格を目指す」チームであるとはとても思えない。

 

 昨日の試合の、選手の迎え方。私はブーイングをした。それが、この試合に対する妥当な評価であると思ったし、今後に向けての警鐘にもなると考えたからだ。

 他のやり方もあったかもしれない。拍手。激励や鼓舞のメッセージ。チームコール。だがその中で、ブーイングというやり方が、最悪のものであったとは思わないし最良のものでなかったとも思っていない。

 

 自分の思いをまとめれば、畢竟。

 あのブーイングに憤りを感じ不満をぶつけてきた選手たちに、「格下相手にあんな内容でどうにか勝った試合で、俺たちに喜んで欲しいのか。そんな安っぽいサポーターにお前たちは支えられたいと本気で思っているのか」と訊ねたい、ということなのだ。

 

 + + + + +

 

 富澤は、ブーイングを受けてサポーターに向き合いもしてくれずに帰ってしまいました。それが、サポーターとしては一番悲しい。

 義成は、ブーイングに関して話を聞いてくれようとしていました。彼が激昂したのは、そこにつまらない野次が向けられたからだと聞いています。義成の怒りはブーイングそのものに向けられたものではなかった。私はそう解釈しています。