2015-04-25 09:23:37

自分たちは小売業である

テーマ:ACSのこと
日経新聞のリアル版を取らなくなってもうだいぶ経ちます。
ネット版だけにするといくつか問題があります。
それは、1面をちらっと見て最終面もついでに見るという習慣がなくなったことが代表例です。

こうなったことで、日経新聞の「私の履歴書」欄をどなたが書いているのかわからないで過ごすことになってしまいます。
今月の「私の履歴書」がニトリの似鳥社長だと知ったのは今日です。
これはネット版の便利さですが、さっそくバックナンバーから読んでみた次第です。

その中で、似鳥さんが安さ追求を怠るまいと奔走していたことを知り、自分が営む中古マンション事業に通じるものがあるなと感じた次第です。
ACSではそもそも中古マンション事業を「投資」というスコープで見ていましたから、実は自分たちが「小売」をやっているという認識はありませんでした。
すると、どうなったかでいうと、積み上げ算で「売りたい価格」を決定するようなことになってしまいました。
その当時も一応「マーケットインで値付けしよう」などと言っていましたが実際のプライシングにおいて、「お客様はいくらでその物件を買いたいだろう?」とは真剣に考えていませんでした。

もちろん、そんな積み上げ算はそうそう成立しないわけで、マーケットの中でお客様がいくらで買いたいと思うのかを見るようになりました。
しかし、本当に手頃な価格で商品を提供しようという考えにまではなかなか到達できませんでした。
理由はシンプルで、中古マンションの場合、立地によって価格の大部分が決定しますから、それをリノベーションして再販する立場では「安く提供する」余地がとても少ないためです。

コスト積み上げ型でプライシングしないまでも、結局、なかなか「お買い得な」商品を作ることができない。
このジレンマを克服するための戦いに日夜挑んでいるのが現在のACSだと思っています。
少なくとも新築マンションや中古戸建よりは格段に安い。そして、首都圏内でもアクセスが良く(主要駅まで30分以内)、望まれるだけの十分な広さと部屋数があり、日照条件も申し分がない。もちろん、行き届いた設備更新が行われ現代風のデザインが施されている。
そうした物件を2880万円の一律価格で販売するのが理想だと思っています。

中古マンションの再販は全くもって小売業だと思います。
一つ一つがバラバラで、一律的に値付けができないという不動産の特性は痛いほどわかっていますが、小売発想から見れば、まずお客様が望む価格から決定されてしかりだと思います。
そんなことで、いまACSは、まず最初にお客様への提供価格から考えるサプライヤーを目指しています。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2015-04-21 09:22:48

時間経過の質

テーマ:ACSのこと
ワインの飲み方を論じるというのもキザなのですが、今回もそこから入りたいと思います。
ワインは必ずしも価格と美味しさが比例しません。
美味しさを決定する要素が実に多様だからというのが一つの理由と思います。
安いワインでも気の合う仲間と飲めば美味しいし、料理との相性の良さはときにお金で買うことができません。

高額なワインたちは、もはやどれだけうまいかではなくブランドによって価格が引き上げられてしまいます。
実際、うまいので文句も言えませんが、10万以上するワインはもはや価格決定のメカニズムは誰も説明できないのではないでしょうか。
ですから、一般的に手の届くワインで体験することから中古マンションに通じることを書くつもりです。

さて、話を戻します。
ある時入手した同じワインが10年後に全く別物になってしまうということが起きます。
これもまた入手価格が必ずしもうまさと比例しない例と思います。
それはなぜか?

出荷段階での問題(いわゆるブシュネと言われるコルク事故)は別として、全く同じ条件のワインが変化する理由は保管状態にあります。
良いワインを維持するためには、
・13~14度の温度を維持
・振動を与えない
・光が当たらない
といった要素が大事になります。

ですからワインセラーやワイン蔵のようなところで保管するということになるわけです。
ところが、悪条件下でほったらかされたワインはどんどん状態が悪くなります。
良い畑、良い作り手のワインを入手し、「10年後の記念日に飲もう!」と思っていても、保存状態が悪ければ、その10年間は劣化のためだけに時間経過したことになり、まったく美味しくありません。
(例えば、気温が上下する室内に放置しっぱなしなど、美味しさは期待できなくなります。逆に、早く飲んであげたほうがよかったということになるわけです)
逆に、作柄はイマイチだったり、畑はちょっと二流(?)みたいなワインでも、保存状態が良ければ、10年後に化けるということもあります。
(もしそれなりのワインを今買って、5年後、10年後に飲もうと思うなら、せめて冷蔵庫の野菜室には入れておきたいですね。できれば、もっと安定した環境に置いてあげてほしいと思います)

さて、中古マンションを手掛けていると、これが築20年なの? とか、これが30年も経過した建物か! と思えるほどピカピカに見えるマンションがあります。
その一方、まだ10年も経過していないのに、ずいぶんと陳腐化したものだなぁと感じるケースもあるのです。
また、時代は確かに感じるものの、良い年の取り方をしているなと、ちょっと人間を見るようなかたちで建物を見ることもあります。
つまり、中古マンションも時間経過のしかたがとても重要なのであって、必ずしも築年が新しければいいということではないし、同じ年代でも時間の過ごし方で全く別物になるということです。

マンションの保全は日常的な管理状態と定期的に実施される修繕によるものが基本でしょう。
やはり、管理が行き届き、植栽一つとっても木々が豊かに育っているマンションは素晴らしいなと思います。
定期的に修繕が行われ、共用部分が更新されていれば、古さはあまり感じません。

加えて重要だなと思うのは、私がこの場で何度か書いたことですが、そのコミュニティの質だと思います。
マンションの住民たちが少しでも気持ち良く長く大切に住みたいと考えているなら、おのずと良いコミュニティ=良いマンションができていく。
たとえば、気持ち良く住むことを考えていない住民たちの場合、せっかくのポーチスペースにタイヤを放置してみたり、他人には理解されない芸術品(?)が放置されていたり……
本来、共用部としてルールに基づいて活用しなければならない場所を自由勝手に使っているマンションは、やはり陳腐化が早いなと感じます。

私なりにコミュニティの質を確かめる一つの方法があります。
それは、マンション住民への挨拶です。
「こんにちは」「おはようございます」と元気に挨拶をしてみる。
で、常に明るく返答が返ってくるマンションはだいたいいいマンションです。
逆に、挨拶すれどもすれども、まったく反応がないケースもあるし、明らかに戸惑っているのがわかることもあります。
ああ、このコミュニティは相互に通じ合う関係がないし、周囲に関心がないのだなと感じます。
つまり、住んでいる場所への愛着が薄いのだろうと思うのです。

もし、新たな住まいをお探しなら、そこで「あいさつ」をしてみることをオススメします。
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2015-04-18 17:36:33

ミクロクリマ

テーマ:ACSのこと
ミクロクリマという言葉があります。
英語で言えばmicro climate。
ワインの世界では、気候条件のわずかな違いによってぶどうの作柄が著しく異なり、それが最終的なワインの品質を決定付けます。

たとえば、世界的な代表産地コート・ドール。
その26村々を南北に貫く国道974号線の西側にはまるで連なるように銘醸地が並んでいるのに、東側にはほとんど村名を名乗ることができる畑は存在しません。
つまり、道路一つ隔てただけで、そこから生み出されるワインの価値がまるっきり違うのです。

中古マンションの仕事をしていて、毎度のごとく、このミクロクリマのことを思い出します。
通り一つ隔てただけで価値がまるで違う。
そんなことが日常的に起こります。

すぐにわかることで言えば、やはり幹線道路に面したマンションは良い投資になる確率はとても低いと言えます。
いくら、その幹線道路のすぐ裏手が、優れた住宅地であったとしてもです。
あるいは、アドレス(地名)の違いもケアーすべきポイントです。
いくら同じ駅で、同じ徒歩分数であったとしても、差が歴然とすることもままあります。

それが有名な(誰でも知っているような)駅や地域で起きるならば、まだ私たちも納得がいきます。
ましてや、その違いが地域において公知となっていて、駅の南側と北側では価値が違うとはっきり言われているならば、まだ知りようというものもあります。
ところが、地元の方でもアドレスによる価値の違いを明確に把握していないということが実に多くあります。

考えてみれば、そこまで奥深く自分たちが住んでいるエリアの価値について比較するわけもありません。
だから、結局、それを自分たちで発見するしかないわけです。
ここでも、またデータ収集とその分析しか、確たる検証方法がないという結論になります。

徹底して疑いの眼で、よくよくデータを比較し合いながら見ていけば、違いには気付きます。
しかし、少しでも手を抜けば、違いを発見できず、大きな痛手となって自分たちに帰ってくるというわけです。
これは、お客様への提供価値に影響を与える要素でもあります。
つまり、駅の北側と南側で価格に差が生じている場合、安い南側を敢えて選ぶということもお客様の選択にはあり得ます。
もちろん、価格の高い北側であったとしても、そこに住むだけの価値を感じていれば、それを選択するお客様がいておかしくはありません。

供給者としての自分たちがお客様が感じるであろう価値を無視し、外形的な要素だけを並べて価値判断した時に、とんでもない問題が生じてしまいます。
となると、お客様と同じレベルでエリアを知り、そのエリアを愛す必要が出てきます。
さらに言うと、「よく知り愛す」ためにはそう多くの地域を対象とすることはできなくなるわけです。
ACSが投資している物件群を見ていただければ、お分かりいただけますが、そのエリアは相当集中しています。

納得いく商品を納得する形でお客様に届けるためには、浮気性ではやっていけないという結論になりました。
これも失敗体験からの結論だったわけですが……。
そんなことでACSでは知らない地域への投資を「落下傘降下」と呼び、まったく好んでいません。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-14 09:49:54

新築と中古〜その価格差からの脱却

テーマ:ACSのこと
中古マンション流通が今後ますます成長するだろうという仮説はこの事業を手がける以前から持っていました。
実際、日本のマーケットは少子高齢化しているし、これからも新しいものを作り続けるわけにはいかない。
マンションの構造は昭和後半から平成前半にかけてほぼ確立し、長期安定的に居住することができることも、その後知りました。
さらに、平成前半以降、居住面積に対する顧客ニーズは満たされていて、現在ストックとなっている平成築以降の中古マンションは構造上十分な広さを有しています。

そうなると、内装が更新されて、最新の設備が投入されたリノベーションマンションが新築と比較して安価ならば、中古リノベーションが選ばれて当然だろうと考えました。
では、新築と対比してどの程度安価なら、消費者は中古リノベーションを選ぶのでしょうか?
みなさんはいったいどのくらい安ければ中古マンションを選びますか?

これに対する初期段階の答えは「3割の差」でした。
リクルートの調査で消費者が中古を選ぶ価格差は「3割」と出ていたのが根拠です。
しかし、これは随分と雑なまとめで、果たして築年数で何年差までなら3割差でいいのか、逆に去年分譲された「新古」であっても3割差なのかなど、法則としては大味すぎて実際の投資にはあまり役に立ちません。

一般的には、新築マンションは積み上げ算で価格が決まっていて、実際の相場観を無視する傾向があります。
乱暴に言うと、中古相場を見て、新築マンションの価格を決めるデベロッパーはないということです。
つまり、新築は買った瞬間に安くなるというのが基本原則です。
(しかし、それと逆行する現象が10年に一度くらい起こる。そういうタイミングで買うとキャピタルゲインが得られたりするので話がややこしくなってきます)

この新築との価格差はなかなか明確なロジックが見いだせないまま今日まで過ごしています。
もしかしたら、新築との価格差を議論していること自体が不毛ではないだろうかと考えるようにもなっていきました。
新築との比較から脱却する。
それがいまのACSの立ち位置になろうとしています。

これは、相場変動に影響を受けない住宅供給を目指そうとするコンセプトとも一致する概念です。
相場に強く影響を受ける新築マンションと比較しないということは、相場から遠い場所で住宅を供給するということにもつながります。
つまり、ACSでは新築マンションや戸建てを購入検討対象にはおかず、あくまで中古マンションこそ購入対象だと強く決めているお客様にこそ、商品を提供していくべきだと考えています。
(もちろん、新築と両にらみで検討していただくお客様を排除することはありません)

そう規定することで、ACSの取り組みは明確さを増しました。
新築を選ばない方に供給する商品ですから、そのエリアで、同じような価格帯の新築MSや戸建てがあってはなりません。
ですから、ACSが手がけるエリアには、新築が存在しない(あるいは少ない)ことが条件になってきました。
裏返せば、そのエリアに住みたい人にとって非常に有益な選択肢を提供できるということです。
ところが、(もうお気付きの通り)そんな条件を並べていて、事業継続できるのかという壁に突き当たることになっていきました。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-11 10:29:30

ソーシャルとクラウドをめぐる二つの失策

テーマ:ブログ
今朝ですが、とんでもなくドキッとする事態に見舞われました。

その前に、まず私の最近のネットをめぐる失策の一つ目について関係する皆さんに謝罪です。
先日、後輩に勧められLinkedinにサインナップし使い始めました。
その際に、どうやら私のPC上にある連絡先へのアクセスを不用意にも許可し、その結果、スパム状態でもって、連絡先登録している皆様に「Linkedinを始めましょう」みたいなノーテンキなメールを送りつけていたようです。
申し訳ございません。
しかも、その後、アクセスするデバイスを変えて、せっせと情報を入力していたわけですが、それでもってまたも「つながりを増やしましょう」みたいなメッセージに乗せられて、どうやら再び連絡先へのアクセスを許してしまいました。
そうしたところ、二度(多い方ですとなぜか三度)も同じメールをお届けする結果を招きまして、会う人会う人次から次と「いやあ、せっかく誘ってもらったんだけど、Linkedinはやらないんだよね」とか「しつこいよね」とか当然と言えるご非難をいただきました。
すみませんでした。
でもって、さらに、わざわざ電話をもらって「やってない」とかメールで「やらないことにしている」など、結構な草の根のソーシャル普及調査みたいになってきまして、本当に恥じ入るばかりでした。

さて、今朝方ですが、えらい目にあいました。ソーシャル事故につづいてクラウド事故でした。
私、Dropboxのヘビーユーザーでして、何でもかんでもDropboxに入れているんです。
というのは、いろんな場所で仕事するのにすごくいいものですから、まあなんでもそこに入れていたわけです。
で、年間幾らかの金も払って何テラバイト使えますみたいになっていました。
ところが、最近、家のPCからアクセスしますと、「容量が超えていて同期できません」などというメッセージが出るようになり、テラバイト級で使えるのにそんなはずはあるまいと密かな怒りを抱えていたわけです。
そんなさなか、今朝方ですが、いよいよ「容量が超えている」というメッセージが気になり、「ああこれは、ローカルの容量が足りないってことかな」と思い、空き容量を見たらもうゲージが振り切れそうなくらい一杯になっていたわけです。
ああ、こりゃ随分と知らぬ間にデータが増えたものだななどと思いまして【マイファイル】に入っている(家のPCはmac)データをざっと見たわけです。
すると、どうやら全部に近く「これはDropboxにはいっているものとさして変わらんな」と。これは即刻解消せねばとばかり、全部デリートしたわけです。
まったく不安などありませんでした。なんせ全部Dropboxにバックアップがありますんで。
ところがです。
綺麗さっぱりゴミ箱に入れて、全削除して気持ちよくなってから、Dropboxを見て冷や汗が出ました。
どうやらそれって全部Dropboxと同期していたんですね。
綺麗に跡形もなくDropboxからデータが消失していました。
慌ててWiFi切ったりしましたけど、もうダメですよね。
でも、よかった。
もし同じように完全に同期しているならオフィスのPCにすべてあるはず。
そこから居ても立ってもいられず、愛妻が作ってくれた朝食も何を食べているかわからない状態で、取るものもとりあえず、こうしてオフィスに急行した次第です。
いま、Dropboxにバックアップしていたはずのデータをローカルにバックアップしています。もうなにがなんだか。
ああもう、とにかく利用方法を改善しないとやっていけません。
Dropoxでは選択的同期によってローカルのデータ量をセーブできるそうです。知らねえし。
ひとまず、以上です。

https://www.dropbox.com/ja/help/175
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-07 09:09:53

業界常識の呪縛

テーマ:ACSのこと
業界の特殊性ほど当てにならないものはないと以前から思っていました。
人材サービスを手掛けている時、ありとあらゆる業界の企業と取引をしましたが、ほぼ全ての業界が自分達は特殊だと主張します。
しかし、その特殊性はいくら考えても特殊とは言えないような類のものばかりで、閉じた環境の中で生きていると自分達が特殊だと思い込んでしまうのだなと感じたものです。

おなじような事柄に、地域の特殊性があって、支店展開する時に「名古屋は難しい」やら「京都の方が難しい」やら「実は大阪が一番閉鎖的だ」などなど。
やたらと地域の特殊性を聞かされたものです。
でも、それらは煎じ詰めると「閉鎖的だ」というだけであり、なおかつ、各地域ともに他地域と比較して明確に閉鎖的だということを証明する事実が見出せたことはありません。
考えればわかることですが、東京の会社(人)が取り立てて開放的なはずもありません。ただ単に、東京は人口も多く、企業も多い。それだけマーケットが大きいので開放的に見えるだけというのが私の考えです。
つまり、どうやら、みんな自分達が特殊だと主張したいようです。

中古マンションの再販をスタートした時、いろんな特殊性について教えてもらいました。
もっとも印象深いのが、「10勝1敗ならいいだろう」とか「4勝1敗くらいはしかたない」と言った話です。
(言う方によって、勝率が違うというのも印象深い点でした)
これは何かと言うと、「10物件取り組んでいたならば、そのうち一つくらいは赤字になるものだ」という教えでした。
(くどいですが、5物件に1物件が赤字、4物件に1物件が赤字などなど、言う方によって違いはありました)

最初、そんなことを聞いてすごく違和感を感じたことを覚えています。
そして、その後、もしかしたらそれは正しいのかなとも思いました。
理由は、負ける(赤字になる)プロジェクトが発生してしまう事実と出会ったからです。

うっすらとした違和感を抱えながらも、けっこう工夫しているのに赤字物件が出てしまう事実。
事実側を信じれば10勝1敗理論は成立する。
でもなんだかおかしい気がする。
そんな状態が長く続きました。

でも、ある時、自分の工夫が足りないだけなのだという結論に達しました。
つまり、常識的に考えて4勝1敗だろうとも10勝1敗だろうとも、一つの負け(プロジェクト赤字)も許されるはずがないのです。
赤字になるものは赤字になるべくしてなっている。
「赤字になる理由は最初からあった」という事実から目を背け、赤字になってしまったと「他人のせい」みたいにしていただけだとわかりました。

すごく簡単な話なのですが、「お客様に喜んでいただける物件だな」と思えるものは赤字になることはありません。
逆にお客様に「選ばれない理由」があるものは、一直線に赤字へと向かっていきます。
(実は、これ、とても良い効果があって、中古マンション事業を継続するためには「顧客満足」を真面目に追求しないと成り立たないということなのです)
それじゃ、「選ばれない理由」ってなんだろうとなるわけですが、これが全部ミクロの積み上げです。
多くの場合、選ばれない理由は複合的に発生します。つまり、理由が一つじゃない。
こういうバラバラの要因を属人的ではなく、形式知にすることが必要になっていきました。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-04-04 09:47:34

希少価値は価値ではない

テーマ:ACSのこと
中古マンションを再生して販売する仕事には制約がたくさんあります。
まず、投資し再生する物件の立地を変えることはできません。
それから、共用施設を変えることもできません。

2K3Hについてはすでに書きました。
住宅購入者が重視する5大要素ーーー価格、距離、日当たり、広さ、部屋の数。
このうち、中古マンションをリノベーション再販する事業者にとって可変的なのは価格と部屋数だけです。
駅からの距離も日当たりの良さも部屋の広さもリノベーターは変えることができません。
(もちろん、日照条件を配慮した内装や狭いスペースを有効に利用する策を講じるなどの工夫には常に余地があります)
そして、部屋数という要素についても、実際変更するケースは極めてマイナーなので、事実上、価格だけが事業者にとって可変的だというすごく窮屈な条件で仕事をすることになります。

こうした条件下で生きていく中で、行き当たった一つの解に「『希少価値」に価値はない」というものがあります。
一般的にいえば、希少価値というくらいですから価値はあるわけです。
しかし、ACSが手がけているリノベーションマンション事業では、その価値を一切認めなくなりました。

人材も不動産も同じものが二つ存在しないという点で共通しています。
同じような物件は存在しても、同じ物件はない。
つまり、個体ごとのバラツキがかなり大きいわけです。

当初、まだ多少は「希少価値の価値」を信じていた頃、手がける物件に「誰か一人買ってくれる人が見つかればいいんだから」という励ましをもらったものです。
しかし、その一人がなかなか出てきません。
そこで気づきました。簡単なことです。その物件は希少というよりもニーズがないスペックだっただけなのです。
(価格が安ければいい? これも危険な解だと言わざるを得ません。この考え方でも随分と失敗しました)

物件も希少かもしれませんが、買うお客様も希少だという当たり前の事実。
ところが、その希少な物件にも投資をしていった。
これまた理由はとても簡単で、それらは全て、物件だけ見ればとても良いものばかりだったからです。
しかし、それとて、買い手であるお客様を見ず、物件の良さだけを見てしまっていたから陥った過ちでした。

さて、前回後段に書いた「広い部屋が狭い部屋よりディスカウントされる」というロジックですが、ここには「お客様が買いたい価格」と「住みたい住戸のスペック」の見極めが前提条件として存在します。
「お客様が買いたい価格」と「住みたい住戸のスペック」が見極められていないと、このロジックはしっかりと働きません。
が、おおむね、ある水準以上の広さを持った住戸は大きくディスカウントされてしまうのが、日本の中古流通に共通する傾向だと、私は見ています。
なぜなら、1住戸あたりに住む人数が年々減っているから。住まう人数がどんどん減少していくわけですから、広さはある閾値を超えて以降、無駄でしかなくなるわけです。

話を戻します。
ここでは、広さ70㎡がお客様にとってほしいスペックの理想だとします。
それを3000万円で買いたいとしましょう。
そこに60㎡で3000万円のマンションと90㎡で3000万円のマンションがあるとき、お客様はどちらを選ぶかということです。

普通に考えれば、後者でしょう。
予算範囲で、理想よりも20㎡も広い家が手に入るわけですから。
でも、答えは逆になる確率が高い。

ここで、マンションにおける特殊要因を考慮する必要が出てきます。
それが管理費・修繕積立金です。
一般的にお客様はローンを組んで住宅を購入します。
物件価格3000万円を35ローンで買うと月々の負担は92,000円程度です。
一方、管理費等の負担は60㎡の場合、だいたい20,000円程度ですから、その負担割合からすると家の維持コストの2割程度にも達します。
ここで、90㎡を検討してみます。同じマンションだとした場合、管理費等は専有面積に応じて決定されますから、60㎡の住戸に比較すると単純に1.5倍の30,000円となります。
(お客様の理想とする70㎡の住戸がこのマンションにあった場合には、管理費等は23,300円)

さて、お客様は理想よりも10㎡小さい部屋を想定よりも月間3,300円安いコストで買うか、理想よりも20㎡広い部屋を月間負担を高めてまでも買うか、どちらだろうかという問題です。
多くの場合、答えは広さを犠牲にして負担を減らすほうに向かいます。
それほど、お客様の経済的負担に対する感覚はシビアですし、広さについては理想以上のものをわざわざ負担を高めてまで欲しいとは思わないということなのです。

このケースで90㎡のお部屋を買ってもらうためには、管理費等の負担分だけ物件価格から割り引かなくてはなりません。
ローン負担から逆算すると、それは約300万円。
ロジックを積み上げると、この90㎡の住戸は2700万円なら買ってもらえるということになるのです。

もちろん、これはあくまで仮想の話です。
現実には、ここまで綺麗にディスカウントされることはありません。
しかし、明確なのは、いらない広さにお客様はコストを支払ってはくれないということです。
こうした見方を重ねる中で、ACSでは「不要な広さ」を割り出す作業が始まりました。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-03-31 16:16:51

相場と無縁であろうといコンセプト(続き)

テーマ:ブログ
EDLPという小売りにおける標語はもうずいぶん古びた印象があります。
everyday low price。
ずいぶんと昔から、いろんな企業がそれを掲げ、目指しました。

ところが、最近、そうした企業がめっきり減っているように思います。
「良いものをいつでも安く」の精神は日本のマーケットではすたれてしまったのでしょうか?
あるいは、魅力のあるアプローチとは言えないということでしょうか?
それとも、あまりにも一般化したコンセプトであるがゆえに、語るまでもないということなのか、このあたりが私にもよくわからなくなっています。

最近たしかに給料が上がる、ベア復活と言った「いい話」を耳にするようになりました。
しかし、それでも、日本で生活する者にとっての先行きへの不安はぬぐえていないと思います。
ここのところ詳細なデータは見ていませんが、日本で生活する者たちの給料は全平均で見れば上がってはいないはずです。
株が上がる、資産が上がる……そうした効果を享受できる層はごく一部でしかありません。
やはり、二極化(中間層が消えていく)の傾向は変わっていないのではないでしょうか。

だからこそ、安定した価格でモノが供給されてしかるべきと私は思います。
それは住宅(とりわけ「中古マンション」)にも当てはまると思うのですがどうでしょうか?
住宅を資産ではなく「生活必需品」として捉えれば、わかりやすいはずです。

前回、ACSが「どのように街を選定しているか」を書きました。
今回はどのように「もの選び」しているかについて「生活必需品」供給者の視点で説明させてもらいます。
ACSでは2K3Hの「もの選び」を大原則においています。

2Kとは「価格」「距離」(通勤先・通学先への距離・時間、駅からの距離・時間)。
3Hとは「陽当たり」「広さ」「部屋の数」です。
一等はじめに、「価格」が出るのは、消費者の意識がそこに強く働いていることをデータでも、現場実感でも確認できているからです。
なによりも「買える価格」「ほしい価格」(つまりは安定した価格)で提供することが供給者には求められているのです。

それ以外の「距離」「陽当たり」「広さ」「部屋の数」にもお客様が望む典型像がしっかり存在していますが、なによりもやはり価格が大事だと私は捉えています。
そして、供給者として「価格」のコントロールが一番難しいといえます。
他の4つの要素は多少妥協する余地がありますが、価格だけは譲れません。
それは常にお客様が望む価格でなければならないのです。

ところが、当初ACSは、自分たちが供給できる価格でものを見ていました。
もちろん、当時もそんな意識はありません。相場を見ていましたし、取引事例を穴が開くほど見ていましたので。
でも、それはお客様が望む価格ではありませんでした。
いったいお客様はその物件をいくらで買いたいだろう? この極めて素朴な解をどう導き出すかがカギでした。

つまり、その価格で提供しようと考えると、自ずと物件のスペックが決まってくるようになったのです。
そこでおもしろい現象にも気づきました。
それは、同じマンションで専有面積の「狭い部屋」が「広い部屋」よりも理論上高く査定されるべきという結論が生まれ始めました。
もちろん、理論上ではありますが、価格を詰めて考えていくと、どうしてもそうなってしまう事態でした。
時間になりました。また、続きを書かせてください。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-03-28 07:50:00

できれば相場と無関係でありたいと

テーマ:ACSのこと
ACSで仕事をしていて不思議なことにあまり相場を実感しないということがあります。
理由として考えられる、もう一つのことは、相場の上昇・下降から遠い場所で取り組んでいるからだと見ています。

そもそも、不動産の仕事をするようになって、感じることの一つに「最近、いいんじゃないですか? 不動産は?」とやたらと言われるということです。
似たようなことは人材サービスを手がけていた時にも感じた気はしますが、その頻度が違います。
なるほど、みなさん、不動産の相場には関心があるのだなと思うのが一つ。もう一つはそんなにも相場から影響を受けるものだと思い込んでいるのだなという感想です。

確かに、不動産相場は注意深くみておく必要があります。なんせ重要な経済指標でもありますし、日本の土地が上がるか下がるかは重大な関心事でしょう。
しかし、一方、「住宅」という観点で見た時に、そんなに価値が上下したらたまったものではないと思いませんか?

下がるのは困るけど、上がるのは困らない? そうかもしれませんが、オーバーシュート気味に上がったものは必ず下がりますし、その時はオーバーシュート気味の下げになります。
振幅は必ず同じ大きさで調整されるものじゃないでしょうか?

住まいには、所有資産という側面と日常的に使用する生活拠点という側面とがあります。前者としての住まいが上がったり下がったりするのは納得できるかもしれませんが、後者としての住まいの「交換価値」が上下することは一般的にはとても不自由です。(お金持ちは無関係です。お金をたくさん持っている人にとって住宅資産は全体の中のほんの一部ですので)

いくらいま、アベノミクスで給料が上がりつつあると言っても、現実的にはそこまで所得は上がっていない。それなのに、買いたい場所の住まい価格がどんどん上がったりする。せっかく、コツコツと貯蓄していざ家を持とうと思ったら、買えない。これはどうでしょう?(日本が経済的に右肩上がりなら話は別です)

また、住宅を換金したいときに売りたい価格で売れないのも困りものです。あとで計算してみたら、家賃を払い続けるよりもたくさん払っていたなんてこともザラに起きてしまう。これもどうでしょう?

ACSがやろうとしていることは、すごく難しいのですが、ある意味で相場とは無関係な住宅供給なのです。前述の通り意義は大いにあります。問題はどうやってそれをやるかです。最初に申し上げなければなりませんが、この取り組みは勝てないチャレンジです。ただそうしようという努力だけです。そうすることで、多少望む場所に近づくだけで、永遠にそれを達成することはできません。(共産主義で不動産価格の統制でもしない限り無理でしょうし、バブル発生の原因となった土地価格の調整法を作るみたいなことはやってはいけないことと思います)

でも、努力すると多少はましになります。まず、新築では相場に抗うことはとても難しいです。そもそも資材価格がかなり相場を反映しますし、その結果工事費は時節に応じて上下します。また、土地調達価格も建物付きの現物とは異なり、相場を反映しやすくなりますから、新築価格は中古価格に比べて相場影響を受けやすいわけです。この点、ACSは中古マンション供給者ですから、相場に対抗しやすい要素をすでに持っています。

次にエリアですが、相場に影響を受けたくないなんて都心では不可能です。例えば、都心3区では無理です。経済が良くなれば真っ先に価格が上昇しますので。上がれば当然やがて下がるということでもあります。

それと、需給バランスが悪いところでは無理です。安定して需要と供給があって、ある程度均衡していれば価格は安定しやすくなります。となると、まずエリアでいうと、高度経済成長末期くらいに総合的に開発された住宅街がそれに該当します。中でも街の整備がうまくいっていて、教育環境も整っており、そこに住む世代が重層化している(2世代での引き継ぎが行われており、3世代目もそこに住もうとしているようなケース)ことが条件になります。

ACSではこういう街の姿を「コミュニティ力が高い」と呼んでいます(これについては、いずれお話できればと)。こうしたコミュニティ力の高いエリアは住民の循環がスムーズであるために、世代構成のバランスに優れており、その結果、需給が均衡的で価格が安定すると見ています。

さて、だいぶ書きました。エリア選びの後にはモノ選びとなりますが、時間となりました。また、機会をみて続きを書くつもりです。

実は、こうした相場影響を受けないことを目指すというコンセプトも当初から描いていたものではありません。自分たちがどんなお客さまにどんな商品を提供するのかという、ごく当たり前の決め事がない中で、漠然とした対象に漠然とした商品を提供していた。その反省が続いています。

そもそも、日本の不動産の価値が本質的に上昇する余地はそう大きくはないはずです。長期的には、むしろ、下がる可能性の方が高い。そんなごく基礎的な事柄と毎日の取り組みがどこかで繋がる必要があるんですね。そんなことを考えながら、中古マンション屋として励んでいます。
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2015-03-24 08:45:21

相場の波とニーズの潮目

テーマ:ACSのこと
このブログの下書きをevernoteを使って書いています。
なかなか便利だなと思うのは、noteに書いている内容に関連する記事が勝手に上がってきたりすることです。
前回書いたnoteに関連する日経新聞の記事として「中古マンション 一段高」なるものがありました。なるほど、ここ最近、やはり中古マンション相場は値上がりしつつあるのだなと、普段取り扱っている商品なのに、一般の人と同じような淡い感覚でそれを読みました。

中古マンション 一段高
日本経済新聞 電子版. 2015年3月20日
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDJ19H2A_19032015QM8000/

実のところ、私は中古マンション相場の上昇も下降も実感したことがないのです。
もう6年近くも事業として手がけてきたというのに!
相場が上がったなとも下がったなとも感じたことがありません。

もしかしたら、これはまだ手がけている戸数が少ないということが原因かもしれません。
あるいは、相場の上昇局面も下降局面も極端な「波」を経験したことがないので、その実感にかけている可能性もあります。
いずれにせよ、今、中古マンションが強く値上がりしている実感はないのです。
(もしかしたら、今後、そういう「波」を実感するかもしれません。そのときは、この場でそれを共有させてください。マンションを買おうとお考えの方には意味のある情報になるでしょうから)

さて、一方、相場の「波」は感じないのですが、季節性を中心としたお客様の「買い気」の強弱で生じる「潮」の干満は感じ取っています。
感じとるというよりも客観的に観測していると言っていいでしょう。
そういう仕組みを(まだまだ不完全ですが)、ACSでは構築してきたと自負しています。
つまり、ACSはマクロで生じる大きな波を見て経営する立場ではなくて、お客様の買い気のようなミクロな潮の満ち引きレベルで経営しているということかもしれません。

実は、この潮を感じ取って経営していくスタンスはとても大切だと考えています。
ACSは所詮小舟です。売上100億にも満たない小舟ですから、大きな波には身を任せるしかないし、波の影響を受けやすい大海原に出て行こうなどと無謀なことは考えられない。
よく知っている近海を慎重に航行する。それがACSにとって正しく海で生きていく方法になっています。となると、潮の満ち引きにはとっても敏感になります。

3月も残すところ1週間ほどになりました。
まもなく桜も咲き始める。そんな季節になると、潮はどんどん引いていくことになります。
日本の春は変化の時でもあります。
その季節に間に合わせる為に、人は様々に動くものです。
住宅購入・転居も同じです。もう春の住宅購入シーズンはとっくにピークアウトしています。
いま、ACSにとっての環境は完全なる引き潮。ですから、私たちは次のシーズンに備えて船の手入れをする局面に入っています。

ところで、そんなシーズンですから、もし住宅購入をお考えなら4月は狙い目だと思います。
とりわけ中古マンションをお考えならば、なおのことです。
5月のGW明けには潮は再び上がり始めます。つまり、お客様の買い気が上がっていくのが5月中旬なのです。
3月までの商戦で売れ残った良質な物件がマーケットにはたくさんあります。
お客様(需要)が少なくなっていく季節ですから、売り手(供給)側は値交渉に応じる可能性が増します。と言いつつ、4月はみなさん、お忙しいのですよね。

次回、なぜACSが相場に影響を受けないのか。
違うスコープで書ければと思っています。
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDJ19H2A_19032015QM8000/
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。

Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
芸能ブログニュース