2015-03-10 09:21:01

中古マンション業者として迎えた3月11日

テーマ:ACSのこと
それぞれの3・11があるのだと思います。
私ごときが語るべきではないかもしれませんが、ある中小事業者としてどんな風にあの震災を迎えたかを書こうと思います。

あの日、少人数で運営するACSは早々に帰宅することを決め、それぞれがそれぞれの方法で帰途につきました。
翌日、オフィスには出社せず、ある事柄を手分けして行うことにしました。

それは販売中物件に重大な問題が発生していないかの確認でした。
あの当時、4-5名のメンバーで一人当たり5-6物件を回ることにしたように思います。
私はとりわけ気になる城東地区(江東区・江戸川区といったエリア)を担当し見て回りました。

ここで背景を一つ語る必要を感じます。
当初、中古マンション再生・再販事業を手がける上で、「どのエリアを選択するか」という大変重要なテーマを随分と議論しました。
とても簡単に言うと、ACSは当初「(住むにおいて)人気のエリア」に投資していました。
(これが見事な失敗を生み出すわけですが、今日は端折ります)
この「人気エリア」仮説失敗のほぼ唯一の例外が城東地区でした。

厳密に言えば、城東地区は必ずしも人気ではありません。
しかし、東西線沿線にせよ、総武線沿線にせよ、都心距離が近い割に城西・城南よりも安い価格で物件を供給できるという強みは確かでした。
そんなことで、各不動産会社とも一様に「城東は売れ行きがいい」と発言していましたので、これは人気エリアなんだろうと投資対象に選んだわけです。
(その後、不動産業界で通説的に言われていることは、本当に全く当てにならないということを骨の髄まで知ることになるのですが、当時はまだ少しは信じていました)

こうしたことから、震災前、城東地区への投資を加速していました。
城東地区は東京の中でも歴史の長いマンション供給エリアです。
そこで、「築古」と呼ばれる昭和世代に作られたマンションに積極投資し、そこに質の高いリノベーションを施すことでバリューアップを目指していました。

話を戻します。
こうして積極的に投資していた城東地区の昭和世代マンションたちが、果たして無事だろうかと、私は震災当日から気を揉んでいました。
不動産に投資して回収する事業というのは(賃貸運用はまだしも、ACSがやっている再販・開発型ビジネスモデルは)つくづく大変だと思います。一つの仕事で二つ分、三つ分の利益が簡単に吹き飛ぶのです。
その額も大きい。しかも大概の場合、それを借金して運営するという尋常ではないビジネスモデルなのです。
(なんでやってるの? とここでは聞かないでください。どこかでお答えしますので)

その損失の恐怖が一挙にやってきて、いったいどのくらいまでいくんだろうか……最悪を想定していくと、途中で考えたくなくなりました。
だから、各物件がどれだけの被害状況なのかこの目で確かめたかった。物件がしっかり立っているのを確認して、迫ってくる恐怖を緩和したかったのでしょう。

震災翌日、静かな、でも明らかに雰囲気の違う江東区内に車を走らせました。
都心から一番近くにある物件。その外観を見たとき、ゾワッと血が逆流するのを感じました。
壁一面に何本ものひび割れが走り、一部はぱっくりと歪な穴が空いていて鉄骨も見えている。道路に散らばったコンクリの破片は痛々しいばかりでした。
エレベーターは使えなくなったと知らせる手書きの張り紙。住民の方々は室内の片付けに追われ忙しなく行き来します。
階段を登りながら、上層に向かえば向かうほど、揺れが激しかったことがわかります。普段なら感じないはずの階段のコンクリの厚み。それがどうも薄く感じられて壁に手を付かずにはいれませんでした。
大量の荷物を廊下に運びだしている住人から、まいったなぁ、こりゃダメだというような呟きが聞こえてくる。いや、聞こえた気がしたのかもしれません。

8階にあった保有物件のドアは軋む音こそすれ、すんなりと開いてくれました。室内にはさんさんと陽光が降り注いでいて、建物の惨状とは不釣り合いな平穏が流れていました。そこにできた大きな亀裂。明るいはずの室内なのに、どういうわけか目の前は真っ暗でした。

時間切れで、本当に書きたいことまで書けませんでした。もう一回だけ、この件、書かせてください。一週間以内で。

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