2009年03月16日

吉原手引草

テーマ:時代小説
吉原手引草 (幻冬舎文庫)/松井 今朝子
¥630
Amazon.co.jp

「吉原手引草」
松井今朝子・著
幻冬舎・出版
『作家の力量全開、語りの魅力』

 直木賞受賞作です。


 吉原の花魁、葛城の失踪という事件を
各章を吉原界隈の関係者(遣手、女衒、猪牙船の船頭から、幇間(たいこもち)などまで)
の一人語りによって、ルポルタージュ形式に描かれています。(勿論小説なんですが)


 小説のメイン・ストーリ又、吉原のしきたり文化の調査もすごいのですが、
この"語り"が見事の一言。
 方言も含めて、作家としててのこのテクニックは、すごい!!。
 作家暦云十年の直木賞選考委員の御歴々皆々様も、
この作家としての手練手管にめろめろだったと思います。
 ただ、この方言が本当に正しいかは別。
 方言でも第三者はだまされてもネイティブの方が聞いて(読んで)
おかしい使い方っいっぱいあるので、、。
 この辺、卵の四角、花魁の誠となんて本書では、書いてありましたが、
見てきたかのように、嘘を書く商売である小説家と誠と花魁の誠は、
なんて書きたくなります。
 でも、やっぱりすごいとは思います。


 ルポルタージュ形式って書きましたが、本書は、そういう意味合いで
吉原とは、どんなところか、知るのには、最適の一冊かも、。
 色んな関係者、が登場するのですが、興味深かったのは、
人買いとか、まるで悪党の如くいわれる女衒ですかね?
 これが、やっぱり、どんな職業そうですが、奥が深いんですね、、。
 
 全体の構成としては、葛城の花魁になるまでのいきさつ、
この失踪事件そのものとその後と、一応ミステリ仕立てにもなっています。


 直木賞っていつもあげるのが、一年から二年遅いって気もするのですが、
本書もそうですね、、。
 松井今朝子さんの作品って「非道、行ずべからず」とこれしか、読めていませんが、
小説としては、「非道、行ずべからず」のほうが、上だと思います。


受賞を受けての松井今朝子さんのインタビュー


「非道、行ずべからず」の記事へ


つなさんが書かれた「吉原手引草」の記事へ

コメント

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1 ■直木賞

ほんと、いつも遅いですよね。笑
でも、直木賞をきっかけに知る作家さんもいるから、文句も言えないんですが・・・。

「非道、行ずべからず」も面白そうですね。
今度、読んでみます!

2 ■読みました~

そうそう!あのインタビュー形式(?)で話しが淡々と進んでいくんですよね。
最後の最後まで聞き手から遊女について語られることもなく・・・
 質問に答えている人からしか聞き手の容姿は分からないし、
私は読み終わった時、一番気になったのが聞き手の男の正体でしたよ。。
『非道、行うべからず』ですか!!是非読んでみたいです♪

3 ■これは

悪くはないけど、最高傑作でもないって話ですね。
「東洲しゃらくさし」だけ読んで「仲蔵狂乱」を積んでますが、次は「家、家にあらず」か「非道、行ずべからず」を買おうかなって、先に積んでるのを読まなくちゃ(苦笑)

4 ■吉原

いろいろは人の話を聞く形になっていて、それだけで、話の全体像を見せていくのが見事だと思いました。

5 ■無題

少しずつ葛城の謎が解けていくだけでなく、
吉原に生きる人々の息遣いまで浮かび上がってく構成が見事でしたね~。
何となくのイメージだったのが、具体的なイメージとして吉原の姿が浮かんできたような気がします。

6 ■つなさんへ

はい、読者サイドからするといつも遅いです。
松井さん、やっぱり上手い作家さんですね、
他の作品の読みたい度もUPです。


7 ■バステトさんへ

おお、そうか、聞き手の人か、、語りに圧倒されて全く気付きませんでした、、。
 「非道、行ずべからず」は役者たちの、なんともいえない
テンションの高さが、すごかったです。

8 ■青嵐さんへ

>最高傑作でもないって話ですね。
はい、はい、そういう感じです。
これで松井さんの力は見直したので、
私は、「辰巳屋疑獄」なんかも、ちょっと
リサーチしています。

9 ■花さんへ

ハイ、構成の力ですね、、。
ただ語らせるだけでなく、全体でミステリっぽい仕上がりになっているところにも、
感服いたしました。

10 ■エビノートさんへ

葛城が、すごい女性だっていうのが、
本当に伝わってくる構成になっていましたね。
後、吉原のしきたり、システムはほんと勉強になりました。

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