銀漢の賦
テーマ:時代小説- 銀漢の賦/葉室 麟
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「銀漢の賦」
葉室麟・著
文藝春秋・出版
『男たちの人生と友情と生き様』
本書も、北上さんの年間ベスト本から選ばせて頂きました。
北上さんには、色々言っていますが、いつも所謂物語としての"小説"というものに
きっちり着眼点を置いて、いい本を選んでいる書評家として認めています。
(エルロイや、SFが読めないという保守的な面もありますが)
西国の小藩、月ヶ瀬藩(実在の藩ですか?)が舞台の時代小説です。
描かれるのは、幼馴染の二人の侍、日下部源五と松浦将監。
同じ道場に通った二人ですが、その後の出世と人生は大きく違ってきています。
方や、今でも郡方の下士、もう一方は、他国まで噂になるほどの名家老にまで出世しています。
この二人が、藩内の争いに際し、、、というのが、大まかな設定ですが、
これだけでは、説明不足です。
というのも、地味な時代小説ですが、
人物設定というより人間関係が、とてもよく作りこまれていて
中々簡単に説明できません。
そして、構成も凝っていて時間軸を自由に飛べる小説の手法を屈指し二人の人生いや、
その先代(父親の世代の)の因縁まで描き出しています。
二人は、もう人生の老境にさしかかった年頃です、過去の自分のなしてきたこと思ったり
いやまだ、もうちょっと出来るだろうとか思っています。
(この思いは、今の団塊の世代にあてはまりますか?)
実は、この二人だけのお話しというのも間違いで、この二人が道場に通っていたころに
知り合いその後一揆に参画する農民十蔵も大変魅力的に描かれています。
脇役も含めてですが、概ねすべての登場人物みんなが、自分たちの境遇、しがらみ、又は、
運命をしっかり受け止め、我慢し、耐え、よりよく生きようと奮闘している様がしっかり描かれていて
好感が持てます。これは、敵役であるはずの家老でさえ簡単に悪役にせず、きっちり描かれていて同じです。
とは、いえチャンバラのシーンもあり押さえるところは押さえている
時代小説として地味ながら好作品です。






