グノーシスの薔薇 | 個人的読書

グノーシスの薔薇

著者: デヴィッド・マドセン, 大久保 譲
タイトル: グノーシスの薔薇
デヴィッド・マドセン著、「グノーシスの薔薇」

 これは、西洋歴史小説です。
16世紀初頭、1515年ごろの、イタリアを舞台にしたもので、
 宗教革命で有名なマルチン・ルターの
批判をあびた、時のローマ教皇のレオ10世をそのレオ10世の
近くに侍った、近習のグノーシス派の小人の目を通して
えがかれています。

 ブックカバーにも、10ヶ国で訳されるが、
その内容により、物議をかもし出していると、
在りましたが、
 正にその通りで、
我々が教科書で学ぶ、世界史が表の歴史だと、すると、本書の内容は
 裏のアングラの部分から、光の当る、表のローマ教皇や宗教改革を
見たもので、
内容は強烈で取り分け、キリスト教社会の西洋では、
そのショックたるや、いかほどのものか、想像できません。

 キリスト教の各宗派については、全く理解していないのですが、
カタリ派や、グノーシス派については、取り分け。

 ラストで、その小人によって語られる、グノーシス派の考えに近い
メッセージがあるのですが、  
 神が創ったとされる、この世界を見渡してみろ、と
欲望と傲慢に満ち、この残酷な世界は、一体どうなんだと、

 これが、心に残ります。

 みんながもうほんの少し、良い方向に向けるだけで、
世界がよくなるのに、
(映画「ペイ・フォワード」のコンセプトに近い考え方)
 と、思ったりします。