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2012-02-14 21:27:12

トウキョウサンショウウオ

テーマ:両生類

千葉県に生息するサンショウウオは、トウキョウサンショウウオ一種類のみです。トウキョウサンショウウオは群馬以外の関東各県と福島県相馬地方に分布し、地域、気候によって変動はあるものの、房総半島においては12月下旬から4月上旬にかけて繁殖期を迎えます。


繁殖の場所は、主に山間の、湧水のある湿地や水たまり、谷津の奥の田んぼなどです。そうした場所で、日中は水底などに隠れ、夜間に交尾・産卵行動を行うのです。

DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20120214 袖ヶ浦市)


そうして産まれた卵嚢は、二つで一対のバナナ型で、一つの卵嚢に数十から百数十個ほどの卵が入っています。孵化した幼生 は初夏には変態を開始し、夏にはだいたいが上陸して地上生活に移ります。成体は繁殖期以外はほぼ水には入らず、その近辺の湿った林床などに分散し、主として小型の無脊椎動物を捕食して暮らすのです。サンショウウオというとオオサンショウウオのイメージが強い方もいらっしゃるかもしれませんが、あんなに大きいのは日本ではオオサンショウウオだけで、このトウキョウサンショウウオは最大でも16cm程度、他の種もまあほぼ似たり寄ったりの大きさです。房総半島の方言で、「ハタケドジョウ」なんていう異名もあります。畑を耕作している最中に掘り起こされたり、落葉の層の中から見つかったりすることがあるからです。


つまり、この種を保全するためには、繁殖場所である水辺と、それに連結する森林をセットで保全することが必要とされるのです。トウキョウサンショウウオもまた、谷津田での稲作と伝統的な里山環境に適合した生物のひとつであると言えるでしょう。


そうした環境そのものの荒廃、またアライグマやアメリカザリガニのような外来生物による成体、幼体、卵嚢への捕食圧が近年の減少に拍車をかけています。房総半島においては、一度野生絶滅もしくはそれに近い状態になってから狩猟目的で人為的に放獣されて爆発的に増加したイノシシによる捕食と地形改変による影響も無視できません。2011年度の千葉県レッドデータブック改訂により、そのランクは「B(重要保護生物)」から「A(最重要保護生物)」へと引き上げられています。


※トウキョウサンショウウオ

環境省レッドリスト・VU(絶滅危惧Ⅱ類)

千葉県レッドリスト・A(最重要保護生物)

千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)



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2012-02-12 20:44:51

アオバト

テーマ:鳥類

本日はとあるワークショップに参加するために鴨川市は内浦山県民の森に行っておりまして。


プログラムの途中で、参加者のSさんが私をつかまえ、「鳥、お詳しいですか?」と言います。変なハトがいるというのです。様子を聞くとどうもアオバトのようです。たまたま県民の森のスタッフのYさんもそこにいらっしゃいましたので、「ここ、アオバトいますかね」と尋ねると、いることは確かだが、滅多に姿を見ることはないとのこと。


・・・即座に三人で、Sさんがハトを見たという木立の奥に入ってゆくと、


DAYLIGHT RAMBLER  

(20120212 鴨川市)


本当にいました。しかもわざわざ、手前の枝にとまってポーズをとってくれるというサービスの良さ。


アオバトはキジバト などとほぼ同大で、青というより黄緑色に見えます。海岸に塩水を飲みに行く習性があり、ここでもそうした行動が確認されているとのこと。房総丘陵では周年見られ、繁殖もしているようですが、その生息状況はいまだ詳らかではないようです。


「良かったですね~」「素晴らしい~」などと無邪気に喜んでいた我々三人ですが、当然はたから見れば、プログラム中にいつの間にか消えていたことになるわけです。山の中で三人もいっぺんに蒸発してしまったため、他の参加者の皆様の間では、「あの人たちはどこへ行ったんだ!?」と軽い騒ぎになっていたそうです。申し訳ありませんでした。


※アオバト

千葉県レッドリスト・B(重要保護生物)



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2012-02-10 17:30:27

ニホンアカガエルの卵塊・2012年

テーマ:両生類

寒波の影響か、それ以外の要因も関係しているのか、今年はニホンアカガエルの産卵行動 が例年よりややスローです。それでも今月に入ってから、谷津田の奥の水たまりではぽつぽつと卵塊が見られるようになってきました。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20120210 千葉市若葉区)


この卵塊は、数百から時には3000個もの卵が寄せ集まってできています。長かった冬の終わりが見え始めた頃に流れのない浅い水の中に産みつけられ、温かくなると孵化するというサイクルです。このニホンアカガエルの繁殖パターンは、日本人が古来続けてきた水田耕作に実によく適合していました。日本人が田んぼをつくる民族でなかったら、アカガエルはごく一部の湿地にだけ分布する珍種とされるようなカエルになっていたかもしれません。


しかし今、圃場整備による乾田化のため、冬季には田んぼの水が抜かれてしまうようになり、アカガエルは現代の田んぼから割り算のようなスピードで姿を消しつつあります。このままでは近い将来、アカガエルは本物の珍種になってしまうでしょう。


こういう言い方を、不用意に扇動的あるいは情緒的に用いることは大変に危険であることはよくわかっているのですが、私には、やはり野生の動物にも意志や思考があるように思えてならないのです。もっとはっきり言えば、見れば見るほどそうとしか思えないのです。例えそれが人間の意志や思考の形態とは大きく異なったものであるにせよ、彼らは彼らなりに目の前の状況に対して文字通り必死で選択を下し、進むべきだと思う方向に進んでいるように、私には見えるのです。


孵化して卵の寒天質を破って水の中に泳ぎ出す時、変態して上陸していく時、そっと息をひそめて冬眠する時、春の訪れとともに目覚める時、そして死んでいく時、彼らはどのような風景を見、何を考えているのでしょう。彼らの目に映る世界は、一体どのようなものなのでしょう。


※ニホンアカガエル

千葉県レッドリスト・A(最重要保護生物)

千葉市レッドリスト・A(最重要保護生物)



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2012-01-31 17:14:36

浅瀬で採餌するコガモ

テーマ:鳥類
人間の三大欲と言えば、食欲、睡眠欲、性欲です。これはそのまま多くの生き物の行動の基本原理でもあり、食べる、休む、子孫を残す、というのが彼らにとっていかに大切であるかは、野外で数多くの生き物に出会えば出会うほどに理屈ではなく感覚的に理解できます。なぜなら、私のような者が野生の生き物たちに近づくチャンスがもっとも強くなる時間帯は、まさしく彼らが食べているか寝ているか、さもなければ交尾している時に他ならないからです。この三つこそは彼らが生きていく上で一番、必要とするものであり、そのためには多少の警戒心を放棄しなければならないほど重要なものなのです。

とは言え、やみくもに接近してはいけないことは当然です。私は、人間と野生の生き物の大きな違いのひとつは、「相手の失敗を許すかどうか」だと思っています。例えば、相手が人間であったなら、うっかり足を踏んじゃったりとかしてもちゃんと謝れば、まさか一生許さないとは言われないでしょう。でも、野生動物相手に不注意で足を踏んづけるようなことに類する真似をしてしまうと、だいたいその時点で関係はおじゃんです。鳥や哺乳類のような知能の高いひとたちならなおさらです。

前置きが長くなりましたが、要するに浅瀬で採餌しているコガモの雄を発見し、そーっと真後ろまで近寄って動画を撮ってみたと、こういうわけです。

 
(20110129 千葉市中央区)

途中で「どーも変だな」という感じで採餌をやめてきょろきょろしますが、あまりにも近過ぎて目に入らなかったのか、気にされずに済みました。

コガモは動物質から植物質まで様々なものを食べます。以前、川で逆立ち採餌するところを照会しましたが、このようなごく浅いところでは、嘴を巧みに用いて水底の有機物を掘り返し、濾しとるようにして摂取することもできます。ここでは植物の種子や根などを狙っていたのでしょう。

途中、風でカモの羽が乱れるシーンもありますが、それにしてもこの日は寒かった・・・。


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2012-01-30 17:34:37

セグロカモメ@綿打池

テーマ:鳥類

この冬はどうもユリカモメ の飛来が少なく、毎年大量に来ているはずの綿打池でも、どうもごく少数しか見ることができません。


この日もさっぱり出会えずじまい。杭の上に一羽だけいたのは、セグロカモメ でした。本来この季節のこの池であれば、たくさんのユリカモメに混じってぽつぽつといる、という感じであるはずが、その「ぽつぽつ」の方しかいないというのはちょっと心配です。


DAYLIGHT RAMBLER  DAYLIGHT RAMBLER  

(20120130 千葉市中央区)


セグロカモメは、ユリカモメよりもずっと大きく、カラス以上のサイズがあります。白くて太って見えるので、実際に目のあたりにするとかなり大きな鳥という印象を受ける鳥です。やはり日本には冬鳥として飛来し、繁殖地はユーラシア大陸や北アメリカ大陸の北部を中心とした地域です。首から頭部にある薄黒い斑は夏羽では消えます。もっとも、私は夏羽のセグロカモメを実際に見たことはないのですが・・・



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