指圧がどんなメカニズムで固まった部分が緩むのかを簡単にご説明しますね.

 

これは人間の身体に起こる生理学的視点からのものです.

 

 

凝り固まった部位、例えば腰としましょうか.

その部位を圧されると(圧刺激)「感覚神経」と名付けられた神経線維をつたって電気信号が脊髄に入り、脊髄をつたって脳に到達します.

「圧された」という感覚は脳に到達してはじめて認識されます.

ということは・・・もし、途中で神経線維が切れていたりすると、「圧されてた」感覚は分からないんです.電気信号が脳に到達しないと分からないんですよね.

 

で、神経線維はいくつもの枝に分岐したり、他からきたものと束になったりして身体中を走っています.そんなこともあって、感覚神経の電気信号は必ずしも脳に行く(求心性)ばかりではないことがあります.なんと逆行して末梢(遠心性)の方に戻ったりするんです.

これは「軸索反射」という、人間の身体に備わっている危機管理システムである「反射」のひとつです.

 

「反射」でよく知られているのが、「膝蓋腱反射」ですね.

膝をポコッと軽く叩くと足がピョコッと勝手に上がっちゃうアレです.

 

さて、話を戻して「軸索反射」ですが、圧刺激を加えられた凝り固まった腰に 電気信号が逆行してきたときに CGRPという物質を放出されます.

CGRPは血管を拡張するはたらきがあるため その部位が血流が良くなります.

血流が改善されると筋肉や神経細胞に充分な栄養と酸素が運ばれることになります.

 

それまで酸欠で 栄養不充分で苦しくて苦しくて仕方がなかったところに、充分な栄養と酸素が運ばれることで 健康な状態に向かうことができるので、硬結やコリが改善されるんです.

神経細胞が元気でいないと、電気信号を機嫌良く送り届けることができないし、筋肉などの組織が元気でいないと必要な動きができない.

 

神経線維は電線とイメージしてもらうといいかな.

電線が途中で切れたりボソボソとしていたら電気はちゃんと届かないから、停電みたいなことになるわけで.電線が健全でいるために作業員さんが点検をしてくれているんだね.ありがたいことです.

 

これはなにをあらわしているかといいますと・・・

 

「力づくてゴリゴリと圧さないとコリってほぐれないんじゃないか?」

 

という、伝説は間違いってことです.

 

人間の身体の高性能な危機管理システムである「軸索反射」があるので、イタ気持ちいいの手前ぐらいの刺激で充分にコリをほぐすことができるんです.

 

さらに筋肉は「筋性防御」という…

これも危機管理システムのひとつなんですが、筋肉をグッと収縮させることで弱い部分を守ってくれるシステムが備わっています.

ボクサーがお腹にパンチを食らうときに、思わずグッとお腹に力を入れますよね?

アレです.アレが「筋性防御」です.

 

ということは・・・

強すぎる刺激は筋肉がグッと収縮してしまうから、ほぐそうとしているのにそれをさせてくれない状態を作っちゃうんです.緩めたいのにわざと収縮させるという、意味の分からないことをしてしまっているんです.

 

ちょうどいい圧刺激の目安は、イタ気持ちいいの手前ぐらい

 

自分の身体のメカニズムを信頼しましょう.

身体はちゃんと分かっていますよ.

 

 

 

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