平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。


テーマ:

【タイトル】『みえない雲

【評価】☆☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】グレゴール・シュニッツラー

【主演】ハウラ・カレンベルク、フランツ・ディンダ

【製作年】2006年

【あらすじ】

 高校生のハンナが授業を抜け出し、同級生のエルマーとキスをしていると、原子力発電所の事故を知らせるサイレンが突如鳴り響く。二人は後で会うことを約束して別れるが、パニックで逃げ惑う人々の中、会うことは出来なかった。そして、放射能を含んだ雲がハンナを追いかけてくる。

  

【感想】

 久し振りのドイツ映画だった気がする。原作の小説は、チェルノブイリ事故の翌年に発表されたベストセラー小説だとか。チェルノブイリの原発事故はつい最近のような気もするが、既に20年の歳月が流れている。原発への関心が薄れつつあり、また原発への依存を高めざるを得ない現在、こういう映画の公開はタイムリーなのかも。

 映画の前半は、原発事故とは何の関係もない青春モノの趣があった。緑に囲まれた街を舞台に、お金持ちの転校生と主人公の女の子との恋物語。そんな瑞々しい雰囲気が色濃く漂っていた。物語が転調するのは、原発の事故を知らせるサイレンの音。不気味な預言者にも思える。

 ある種のパニック映画だが、軍隊や原子力発電所の有様はほとんど出てこない。スポットライトを浴び続けるのは、事故に右往左往する極々普通の市民。放射能の恐怖に逃げ惑う人々の姿を丹念に捉えていた。そして、出来事の1つ1つがやたらと切ない。大作映画のような派手なシーンはなかったが、事故に翻弄される主人公の姿には力強いメッセージが込められていた。

 後半、少し饒舌気味になるが、それでも骨太の映画に変わりはなかった。もし原発の事故が身近な場所で起こったらと、ついつい考えたくなってしまう。おそらくは、訳も分からぬまま逃げ惑うしかないのだろうけど。放射能は目に見えないだけに、不気味さを宿している。

 監督の主張は徹頭徹尾、原子力発電所建設反対というもののようだった。映画の終わりにも、さりげなくメッセージを書き込んでいる。とはいえ、電力を思いのまま使っているのも事実で、無邪気に反対するだけでは何も変わらないのだろう。まぁ原発云々を抜きにしても、恋愛映画として十分見応えがあったので、満足のできる映画だった。

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

imayouo610さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。