2017年05月11日(木)

Tue 170418 メキシコのニュース/マラケシュ出発/ヌーベルエア(モロッコ探険記43)

テーマ:ブログ
 5月11日午前10時、1時間半ほどゆっくりお風呂につかってから、いつものようにNHKニュースを眺めていた。すると諸君、「New」のマークのついたトップニュースの1つに「メキシコの殺人件数、内戦状態のレベル」の文字を発見した。

 圧倒的に国内ニュースが多い日本のニュース番組。よほどの大事件でないかぎり、国際ニュースや外国の話は後回しで、「こいのぼり」「たこあげ」「もちつき」「まめまき」が優先されるのが普通だ。

 それなのに、アメリカでもフランスでも中国でもなくて、メキシコのお話。こりゃもう初夏の珍事と言っていいほどの大きな扱いである。お風呂上がりの汗を拭いながら、ワタクシはいかにも真面目そうなアナウンサーの顔を注視した。

 ただし原稿を読んでくれたのは、わずか20秒。あっという間に「全国的に汗ばむ陽気」の話になり、「いやー、暑いですね」「驚いてます」「青菜に塩で、ヨレヨレです」「ケンちゃん、アイス買おうか?」と汗を拭う人々の笑顔が映り、後はお馴染み「では、為替と株の値動きです」になっちゃった。

 例えそうであっても、ワタクシはメキシコのお話をあえて選択してくれたディレクターさんに大いに感謝するのである。国内トピックス一辺倒より、是非これからも国際&海外ニュースをたくさん報道していただきたい。
空港ロビー
(1月20日、早朝6時半のマラケシュ空港。まだ誰もいない)

 何しろ今井君もホンの2週間前まで、まさにそのメキシコを闊歩していたのだ。犯罪発生率がきわめて高いことはもちろん知っていたが、「まさかそこまで!?」「内戦地域のレベル!?」と、両手が一瞬ワナワナ、冷たい飲み物の入ったグラスを床に落としそうになった。

 AFPの伝えるところによれば、メキシコでの殺人事件発生件数が2016年、世界2位だったというのである。イギリスのシンクタンク「国際戦略研究所」が発表した。

 その数、何と23000件。第1位のシリアが6万件だから、内戦が続くシリアの約1/3が、メキシコでは犯罪としての殺人の犠牲になっている。国際戦略研究所の発言を読むまでもなく、犯罪の犠牲者が武力衝突と同じレベルに達しているとすれば、唖然とせざるをえない。

 NHKニュースによれば、この数字は長く内戦が収拾できずに不安定な政情が続くイエメン・イラク・アフガニスタンをも上回るとのこと。ホントに驚くべき数字なのである。

 中米には、「北部三角地帯」というコトバがあるんだそうな。英語では、Northern Triangle。具体的にはホンジュラス・グアテマラ・エルサルバドルなんだそうだけれども、3国合計しても16000件。1カ国につき約5千件。メキシコは、その4倍である。

 しかも、その数は増加中。昨年は前年比11%の増加なんだそうな。麻薬がらみの抗争が終わらず、2006年から2012年までで10万5千人が死亡。すべて「意図的殺人」の犠牲者と言われているとのこと。状況は悲惨である。
エッサウィラ
(モロッコの思ひ出。エッサウィラの食料品店でのこの光景が、ワタクシとしてはモロッコでのベストショットだったように思う)

 うすうす知っていたこととは言え、2週間前までのワタクシは、何とも危険な所を歩き回っていたことになる。メキシコシティの薄暗い大混雑の地下鉄、武装警官が乗客1人1人の顔写真を撮影して回るバス、いま思い出せば、あれが深夜&早朝だったらやっぱりそれなりに危険なシチュエーションだった。

 では、モロッコはどうだったのか。1月20日午前6時、ホテル前からタクシーに乗り込んで、まだ暗いマラケシュの街を空港に向かった。要所要所に武装警官が立っているのはメキシコと同じ。武装警官は必ず3人ずつ1組になって、重そうな自動小銃を決して離さない。

 羽田空港には「中東・アフリカでラクダに触ってはいけません」というたくさんの掲示があるが、諸君、モロッコではそこいら中でラクダたちにも出会うのである。というか、荒野の中にいきなりラクダが立ち尽くして、例のトボケた顔で何やらクチャクチャ噛みつづけている。

 モロッコでの滞在は、2週間にわたってマコトに快適だった。治安の悪さも危険もほとんど感じなかった。もちろんワタクシの気づかないところで、不穏なヒトビトが蠢いていた可能性は否定できないけれども、犯罪に巻き込まれる危険を感じて怯えるような経験は一切しなかった。

 しかし、それでもやっぱり「オッカナビックリ」なのである。ネットには「人目につくところでカメラを出さないように」「金属製のものは何でも狙われます」「タクシー強盗に注意」みたいな情報が溢れている。

 10年前ぐらいまではヨーロッパの先進国だって、いろんな怪しいヒトビトを目撃した。「いわんやモロッコにおいておや」であって、今回のモロッコの旅はオッカナビックリに拍車がかかった。
上空から1
(ヒコーキから見た沙漠の町。アルジェリア上空と思われる)

 マラケシュ空港到着、6時15分。夜間は閉鎖されていて、たったいま明かりがついたばかり。空港内に人影はマバラである。開いている飲食店はフランスでお馴染み「PAUL」のみ。誰もいない空港で「出国カード」を記入しながら、またまた旅の終わりの悲しさがつのる。

 搭乗予定のヒコーキは、ついこの間も書いたがチュニジアのLCC「ヌーベル・エア」。「チュニジアのLCC」と言われた瞬間、情けないことに今井君のオッカナビックリ曲線はその極大値までビューンを急上昇してしまった。

 会社全体で13機しか所有していないそのヒコーキで、これからワタクシはサハラ砂漠を横切り、アルジェリアとチュニジアの上空を飛んで地中海をわたり、真冬のアルプスを見下ろしながらミュンヘンを目指す。

 アルジェとチュニスは1000年前、中世ヨーロッパを震撼させた海賊の根拠地であった。イタリアの長靴全体が恐怖におののき、400年にも500年にもわたってシチリアとサルデーニャは海賊の天下。被害はフランスにも及び、コルシカも今のコートダジュールも海賊の蹂躙を受けつづけた。
上空から2
(アルプスのトンガリ山がヒコーキからたくさん見えた)

 そういう歴史を思い出すにつけ、オッカナビックリ指数はさらにグングン上昇する。「怪物に食われるんじゃないか」「いや、食われるに決まっている」。あまりに馬鹿馬鹿しい恐怖であるが、強がっていても何しろサトイモだ。煮られたらひとたまりもなくダラしなくトロトロし始める。

 ついにマラケシュを出発、午前9時。ヒコーキは若干古びてはいるが、心配したほどのことはナシ。モロッコからミュンヘンに向かう乗客は合計30人ほどで、機内後方の座席はガラ空きの状態であった。

 窓のほとんどが汚れていて、お外が見えないほど積年の砂と埃で黄ばんでしまっている。しかし今井君の座席だけ、奇跡的と言っていいほどに窓が透き通っている。

「もしかして窓ガラスがないんじゃないか?」と思うぐらいだが、もちろんそんなのはコントのお話。おかげさまで、砂漠の街も地中海もアルプスも、みんなカメラに収めることができた。
上空から3
(ミュンヘンに向かって、ヒコーキは次第に高度を下ろしていく)

 LCCだけれども、無料でメシも出るのである。冷たいパン1個と、バターと、ジュース。食べなくてもかまわないが、むしろ中途半端なメシより、こういう「限界に挑戦」みたいなのもタマにはいい。ボクチンは残さず平らげたのである。

 地中海に出る頃から、客室乗務員の男子2〜3名が、少しヒマすぎるのか、後方座席のあたりで賑やかな雑談を始めた。これもちっともかまわない。

 キリッとスガスガしく勤務している姿はもちろん素晴らしいが、ムカッとしていたりイラッとしていたりオロッとしているのより、デレッとしているほうが安心だ。

「デレデレ」「ドロドロ」「トーロトロ」。安心安全が確保できるなら、緊張しすぎたコワーい雰囲気よりそっちのほうがいい。コテコテ不必要なサービスをテンコ盛りにされても、メンドくさいだけじゃないか。

 何しろ真冬のアルプス越えだ。快晴の空の向こうに、「もしかしてあれはマッターホルンか?」みたいなトンガリお山の大行列が見渡せる。

 モロッコの旅の締めくくりに、地中海とアルプスの光景が超お得なオマケみたいにくっついて、ミュンヘンには12時過ぎに無事到着した。まずはめでたし。サトイモ入道は、これからミュンヘンの街に出る。モロッコ帰りに、ちょっとミュンヘン。サトイモ君は、欲張りで、贅沢で、しつこいのである。

1E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 2/2
2E(Cd) Eduardo Egüez:THE LUTE MUSIC OF J.S.BACH vol.1
3E(Cd) Brendel:BACH/ITALIENISCHES KONZERT
4E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 1/2
5E(Cd) Casals:BACH/6 SUITEN FÜR VIOLONCELLO 2/2
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