2017年05月10日(水)

Mon 170417 役に立ちましたか?/スーツケース君の卒業旅行(モロッコ探険記42)

テーマ:ブログ
 昨日の記事の書きっぷりだと、「おお、今日でモロッコ探険記も終了かいな」と、誰もが思ったに違いない。

 冷たい雨に降られて、熱いタジンでカラダを温める。寒そうなネコを撫でながら、次のマラケシュ訪問のことを決意する。うーん、普通の旅行記なら、シメにちょうど良さそうなシーンじゃないか。

 読者諸君も、ホッとしていたんじゃあるまいか。マラケシュとかフェズとか、そんな英語学習とも大学受験ともちっとも「カンケーねーこと」を、毎日こんなにたくさん読まされたんじゃ、たまらねー。予備校講師の身辺雑記にしか「興味はねー」。

「よかった、これでやっと身辺雑記を読める」「どんな先生と、どんな飲み屋で、どんな話をしたか、そういう話を読みたい」。正直な話、ブログとはまあそんなタイプのものだ。モロッコだのキューバだの、地球の裏側のことを綿々と書き続けるのは、どうかしているのかもしれない。

 しかし諸君、このサトイモ入道を甘く見てはいけない。マコトに残念ながら、モロッコの旅の記録はまだ4回分も残っている。いやはやサトイモというものは、ホントにねっとり、ムカつくほどしつこいのである。
先輩
(今回の旅を最後に卒業するスーツケース君、外国旅行31回、450日をともに過ごした素晴しい友であった)

 1月20日は、午前3時に起床。おやまあ、今朝もまた早起きですね。まだ暗いうちから起きだして、おじーさん、山に柴刈りにでもいくんですか?

 そうだなバーサンや、オマエは川に洗濯かい? 間違っても「桃太郎」なんちゅうメンドーなものを拾ってこんようにな。桃は見なかったことにして、そのままどんぶらこ、シカトして下流に流してしまうんじゃよ。何事もスルーする。淡白な人生が一番じゃ。

 確かにその通り。ブログなんてものも、是非そういう淡白な態度で読んでくれたまえ。15年前、ブログが一気に世の中に広がった頃、ブログの本質は「日記の公開」であり、それを読む人は「他人の日記の盗み読み感覚」を満喫する、そういう気楽にスルーする性格のものだった。

 それがいつの間にか、その功利性を云々するようになっちゃった。「カンケーねー」「読んで損した」みたいに、いちいち「カンケー」とか損得勘定を優先、書く側も自らの活動の宣伝媒体と考えるようになり、書く人間の減少につながった。

 するとブログを運営する側もつい弱気になって、損得ばかり気にし始める。「この記事は役に立ちましたか?」をアンケートして、「役に立った」「あまり役に立たなかった」「全然役に立たなかった」みたいな、息苦しい5段階評価が始まっちゃった。

 そもそも日記の公開に「役に立った」も何もあるはずはないのだ。他人の日記なんか、あくまでスルーする気持ちでお気楽極楽にニヤニヤしながら読めばいいのに、5段階評価の重苦しい世界が、この15年で一気に構築されてしまったわけである。
4代目
(部屋に飾られた薔薇も4代目。ホテル「ES SAADI」とも、これでしばらくのお別れだ)

 もちろん真面目な今井君は、旅立ちの朝でもいつもと変わらず、「今日も今日とて」と呟きながら、長いブログを1本更新するのである。書き上げて、推敲して、お世辞にも良好とは言えないネット環境と戦いながら、写真を5枚掲載。時計を見たら、もう午前4時半に近い。

 こりゃたいへんだ。ヒコーキの出発は9時。出来ればホテルを6時にはチェックアウトして、空港に向かいたいと思っていた。だって諸君、やっぱりここはモロッコだ。早朝のホテルにはタクシーがいない可能性も考えなくちゃいけない。

 そこで早速スーツケースを広げて、荷物をまとめはじめた。ワタクシはこの作業が得意である。長くて30分、短ければ15分もかからない。出発の日も、帰路につく日も、荷造りについてはたっぷり余裕をコイてかまわない。

 それというのも、今日の写真1枚目に掲げたベテラン♡スーツケース君のおかげである。2007年12月、ニューヨークに旅立つ3日前に、新宿高島屋で購入。以来10年、ワタクシの外国旅行にはいつも後ろから元気に付き従ってくれた。
リビング
(このお部屋ともお別れ。2週間、ホントに楽しかった)

 しかし「寄る年波にはかなわない」。頑健を誇ったスーツケース君も、とうとう2016年12月、シドニーへの旅の直前に壊れてしまった。ダメになったのは、把っ手の部分。縦の把っ手にも、横の把っ手にも、大きな亀裂が入ってしまい、持ち運ぶ手の皮膚が挟まれるのである。

 それでも今井君は、何が何でも物を大切にする人間だ。仕事用の鞄も18年目。靴は8年目。スーツの中には20年目というのもあるし、冬のコートは30年も着ている。把っ手に亀裂が入ったぐらいで、ポイ捨てする気にはならなかった。

 そこで12月のシドニーには、応急処置として把っ手にハンカチをグルグル巻きつけ、それで往復したのである。帰国後、透明のビニールテープを巻いて修理。「これでオマエもモロッコに行けるな♨」と、涙ながらに語りかけたりしたのである。

 しかしさすがにそろそろ限界だ。写真を見ても分からないが、ビニールテープもすぐに剥がれてしまう。限界に達したものを無理やり引きずって、10年にわたる旅の思い出を傷つけるのも、かえって悲しいじゃないか。
玄関
(卒業の旅を前に、部屋の玄関で記念写真を撮影する)

 だからこのスーツケース君がワタクシのオトモをするのは、今回が最後になるのである。「長い間、ホントにありがとう」「マジで楽しい10年だった」。よその人が見たら「気は確かか?」と訝るだろうが、あくまでマジメにスーツケース君に頭を下げた。

 以上が、1月20日早朝の記録である。荷造りは、5時半に完了。冷蔵庫から無料のコカコーラを出して、14泊お世話になったホテル「Es Saadi」にも別れを告げた。

 いよいよ卒業するスーツケース君とともに、部屋を出てチェックアウトに向かう。部屋の外も静寂、フロントも静寂。コイツの卒業式にマコトに相応しい、深い深い静寂のモロッコの夜明けである。

 可愛いコイツとともに旅した全記録を、最後に掲載しておこう。合計31回。1回15日として、450日にもわたって海外のワタクシを支えてくれた。もちろんこの他に、国内の旅もある。2008年以降、夏の河口湖合宿でも、常に近くで見守ってくれた素晴らしい友である。

2007年12月 ニューヨーク
2008年5月 コモ湖・ミラノ
2008年11月 マドリード
2009年5月 フランクフルト
2008年12月 ロンドン
2009年9月 ダブリン エジンバラ
2009年12月 ウィーン ブダペスト プラハ
2010年5月 リスボン
2010年9月 バルセロナ
2011年5月 ミュンヘン
2011年9月 アテネ ミコノス サントリーニ
2011年12月 グラナダ サンチャゴ・デ・コンポステラ
2012年5月 イスタンブール
2012年9月 ブエノスアイレス
2012年12月 パリ
2013年1月 ブリュッセル
2013年4月 ボストン ニューヨーク ワシントンDC
2013年9月 サンパウロ シカゴ
2013年12月 パリ
2014年4月 アムステルダム
2014年9月 マルセイユ
2014年10月 シンガポール
2014年12月 フィレンツェ ローマ ミラノ
2015年4月 ナポリ
2015年9月 マルセイユ
2015年10月 サンフランシスコ
2015年12月 ベルリン ライプツィヒ ドレスデン
2016年4月 ボルドー カルカソンヌ
2016年9月 パレルモ シラクーサ
2016年12月 シドニー
2017年1月 マラケシュ

後輩
(キューバ&メキシコから、コイツと旅することになった)

 最後に、素晴らしい先輩の跡継ぎ、2017年4月からの後輩も紹介しておきたい。ハバナ・メキシコシティ・カンクンの旅から、上の写真のコイツが、ワタクシの新しい友となった。今後ともよろしくお願いしたい。

1E(Cd) Krause:BACH/DIE LAUTENWERKE・PRELUDES&FUGEN 2/2
2E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 1/3
3E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 2/3
4E(Cd) Karajan & Berliner:BACH/MATTHÄUS-PASSION 3/3
5E(Cd) Harnoncourt:BACH/WEIHNACHTSORATORIUM 1/2
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