2017年04月18日(火)

Sun 170326 マラケシュの暗闇/ホテルのバー/エルバディ宮殿(モロッコ探険記24)

テーマ:ブログ
 こうして(スミマセン、昨日の続きです)夜8時、ワタクシを乗せたバスは国鉄マラケシュ駅前に到着した。往路3時間 + 復路3時間。合計6時間の長旅に、さすがのサトイモ法師ももうすっかりヘトヘト、疲労困憊のていであった。

 諸君、「夜8時のモロッコ」と聞いて、すぐに「治安はどうなんですか?」と表情を歪める。そのへんは日本人の悪いクセである。旅に出ても観光に訪れても、すぐに「治安」「治安」と連呼、姿勢を低くしてコソコソ走り回るばかり。そんなんじゃ、楽しいわけがない。

 マラケシュ駅前から滞在中のホテル・エッサーディまでは、「人通りの余り多くない暗闇」を30分近く歩かなければならない。うぉ、そりゃコワい。でもそんなのは、別にモロッコに限ったわけじゃない。埼玉でも千葉でも神奈川でも、毎晩そういう通勤通学を繰り返しているじゃないか。

 まずマラケシュ駅から、カルフールを中心とした巨大ショッピングモールまで一気に南下する。この間15分、出会う人はごくわずかである。おー、コワい。ただしCOP22の開催を機に、このあたりの治安はググッと改善されて、警官や兵士が要所要所でキチンと安全を確保してくれている。
中央駅
(夜のマラケシュ駅。夜も相変わらず豪奢である)

 カルフールは、夜10時まで元気に営業中。今井君ももちろんカルフールでお買い物をして行かなきゃならん。ヨーグルト、プリン、カマンベール。口内炎に苦しむ人間の3種の神器を揃えてから帰りたい。

 あと、やっぱりほしいのはビール。BECK’Sやハイネケンでももちろん構わないが、モロッコの地ビールも旨い。口の中の固形物を押し流すのに、まだまだこれからもビールのお世話になりそうだ。

 ところが、マラケシュ駅から駆けつけたカルフールでは、お酒のお店はもうとっくに閉まっていた。カルフール全体は10時まで元気に営業中だが、酒類を扱うコーナー「CAVE」だけは、夕方6時頃で閉店しちゃうのである。

 まあそのあたり「さすがイスラム圏」であって、モロッコはルールがずいぶん緩んじゃっているにしても、厳しいことには変わりないのである。

 今のワタクシにとって「ビールなし」はキツいけれども、そこはガマンしなければならない。幸い、一般の売り場でも「ノンアルコールビア」だったら手に入る。今夜はそれで晩飯の固形物を飲み込もうと思う。
カジノ
(宿泊中のホテル「エッサーディ」では、カジノも営業中)

 カルフールを出たところで、90°左折する。ホテルまでの無人の暗闇はまだまだ続くのである。しかもここからは、買い物袋を下げている。世界中の悪者にとって、大きな荷物に悩まされている観光客はターゲット中のターゲット。「おお、コワい」な道中は、まだ15分続く。

 暗闇の道をもう2回左折して、目指す我が家「エッサーディ」に到着。すでに時計は9時半を回っている。夜空にはシリウスばかりかお馴染みオリオン座も上がって、エッサウィラからの生還を祝ってくれる。

 このホテルには、シアターもあればカジノも併設されている。おお、カジノ。「治安」についてうるさい人は、ますますうるさく言いつのりそうだ。「夜中まで飲んで騒いで金銭をやりとりしているような場所は、いろんな攻撃の対象になりやすい」とおっしゃる人もいる。

 もちろん今井君はチョー♡マジメなサトイモ入道であるから、賭け事でオカネをアブクのように儲けたり失ったりする遊びには、全く興味がない。何も知らずにホテルを予約したら、偶然そのホテルにカジノが併設されていただけのことである。

 というわけで、この日のモロッコも無事に終わった。大西洋の岸辺まで、思えば遠くまで行ってきたもんだ。その感慨があれば、カマンベールとプリンとおせんべいの晩飯を、ノンアルコールビールで押し流しても、やっぱり間違いなく旨いのである。

 ただし、日本のノンアルコールビールとは、どうやら話が違っている。いやはや、こりゃいけませんな。500mlの缶を開けてみたのだが、半分も飲めずにヤメてしまった。このぐらいなら、コーラにファンタにスプライトのほうがずっと旨いのである。

 しかもワタクシのお部屋では、冷蔵庫の中のソフトドリンクが全て無料。0円というか、正確には0ディルハムであって、飲んだ分は翌日に補充され、補充分も全部0ディルハム。うーん、それならコカコーラ、ナンボでも飲んじゃおうじゃないか。
コウノトリ1
(マラケシュの町を睥睨する大型のコウノトリ)

 しかしそうやっていろいろ飲むうちに「やっぱりこれじゃ寂しすぎるな」と思い始めるのは人情の常。1階ロビーのバーを訪れたくなった。広いロビーの一角に、イスラム圏だけれど外国人が半・大っぴらにお酒を注文できるバーがあったのだ。

 注文したのは、とりあえずモロッコの地ビール1本と、アイリッシュウィスキー「JAMESON」。もう10年近く昔のことになるけれども、アイルランドのダブリンを訪ねた時に飲んでから大好きになった。それを「ダブル、ロックで下さい」。おお、カンタンにOKしてもらえた。

 結局このバーには、マラケシュ滞在中に3回も訪れた。バーテンダーもすぐに記憶してくれて、ワタクシが席についた瞬間、「モロッコビールと、JAMESONのダブルですね?」と嬉しそうに聞いてくれるようになった。

 ま、今井君のこの風貌もそうだし、注文するお酒にもずいぶん特徴がある。閑散としたバーの中で、座る位置も同じ。それじゃむしろ記憶しない方が不思議なのかもしれない。
コウノトリ2
(エルバディ宮殿にて。ここもコウノトリに占領されていた)

 翌1月13日も、また快晴であった。この日がちょうどマラケシュ滞在の中間地点。後半はフェズへ、片道10時間の1泊旅行も予定している。エッサウィラ再訪を含めて、ますます激烈な日々になりそうである。

 後半に移るこの日あたりから、モロッコ全体で気温が下がりはじめたようである。最終的にはさらにこの1週間後、ワタクシが帰国の途についた頃から、モロッコ全体に大雪警報が出たりしたのであるが、今思い出してみれば、確かに1月13日頃から、ぐんぐん気温が低下していったように思う。

 旅の後半は、まず「エルバディ宮殿」の訪問から開始することとした。「Palais El Badi」、王宮すぐ近くの宮殿である。16世紀、サアード朝のアフマド・アル・マンスールが建造した。

 歴史をたどれば、「アルカセルキビルの戦い」において、ポルトガル軍がモロッコ軍に敗退。ポルトガルが支払った身代金が、エルバディ宮殿の建造費となった。
コウノトリ3
(エルバディ宮殿のコウノトリ。宮殿屋上から眺めたマラケシュは、パラボラアンテナとコウノトリの町であった)

 宮殿の建造には、イタリアの大理石とスーダン産の金を使用。建造当時はマコトに豪華な宮殿だったとのことであるが、後にアラウィー朝のムーレイ・イスマイルがこの宮殿を破壊。おお、もったいなことをするもんでござるね。

 というわけで、今は城壁の他に井戸や地下牢しか残っていない。城壁にはコウノトリたちが巨大な巣をそこいら中に作り、勝ち誇ったように乾いた笑い声を立てている。

 笑い声は、大きなクチバシを打ち合わせた打撃音である。コカカカカカ、コカカカカカ、コカカカカカ。宮殿の屋根から響く人をバカにしたような打撃音が、古都マラケシュの旧市街に響きわたる。

 そのマラケシュ旧市街は、CS放送受信用のパラボラ・アンテナの洪水である。パラボラ・アンテナとスマホ。どんなに町が貧しげな人々で溢れている様子であっても、この2つだけは意地でもゆずらない。

 その様子を宮殿の屋根から見守りながら、コウノトリたちもまた「コカカカカ」、数千年前から変わらない乾いた打撃音を、空に向かっていつまでも響かせつづけているのであった。

1E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 2/3
2E(Cd) Ashkenazy(p) Müller & Berlin:SCRIABIN SYMPHONIES 3/3
3E(Cd) SECRET OF ISTANBUL
4E(Cd) 1453
5E(Cd) Jarvi & Goteborg:GRIEG/PEER GYNT 1/2
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