2017年02月19日(日)

Fri 170127 口内炎で弱気の虜/酒も欲しくない/マラケシュまで4時間(モロッコ探険記3)

テーマ:ブログ
 1月6日、羽田から12時間の旅を経て、フランクフルトに着いたのが午前5時20分。マラケシュ行きの乗り継ぎ便は10時45分発だから、約5時間をラウンジで過ごしたことになる。

 激烈な口内炎のせいもあって、この段階ですでに肉体はヘトヘト、精神もナエナエ。ナエナエは、漢字で書けば「萎え萎え」であるが、心と身体を一緒くたにして言ってしまえば、要するに「ヨレヨレ」の状態で搭乗口に向かった。

 ナエナエやヨレヨレの時、人は重く湿った後悔の念に苛まれるものである。
「いったいどうしてワタクシは、こんな旅を始めたんだ?」
「オウチでヌクヌクしていれば、苦しむことはなかったのに」
今ごろ東京は午後7時。「飲みに行こうかな?」とニヤニヤし始める時間帯である。

 それに対してフランクフルトのワタクシは、口の中が痛くてタマらない。上の口蓋の粘膜がベロンと大きく剥げ落ちて、カレーもプレッツェルも痛くて食べられず、スコッチどころか、ビールもワインも飲む気がしない。

 諸君、これはウルトラ重症だ。今井君が「お酒も飲みたくない」と発言したのは、おそらく人生で3回目ぐらいである。お酒を飲みたくないサトイモ法師なんか、サトイモ君の名に値しないじゃないか。

 だってワタクシは、6年前の網膜剥離の手術直後にも、20年前の鼻ポリープの切除手術の時も、手術の翌日の夜からすでに「病院を抜け出して一杯、ちょっとひっかけるぐらいならいいかもね」と、悪だくみを巡らしたほどのサトイモ入道なのだ。

 もちろん上記2ケースのどちらでも、最終的には自重したのだけれども、要するに今回の口内炎は、網膜剥離や鼻ポリープの手術にも劣らない緊急事態だったかもしれない。
マラケシュ行
(ルフトハンザ、マラケシュ行き)

 この状況で「初めてのモロッコ」に向かう。すっかり慣れ親しんだイタリアなら、まあ耐えられる。スミズミまで旅をし尽くした観のあるフランスやドイツなら、口がきけないほど口が痛くても大丈夫だろう。しかしこの緊急時に、よりによって初モロッコ。気が重いことこの上ない。

 モロッコについて、ガイドブックの上での評判があまりにもよろしくない。「こんな危ない経験をしました」「こんなイヤな目に遭いました」。まるで「イヤな目コンテスト」だ。日本人がモロッコで遭遇したイヤな目について、みんな自慢話みたいにトクトクと語っている。

 ヨーロッパで台頭する極右政党なんか、ほとんどモロッコを目の敵のようにしている。オランダの自由党党首は「モロッコのクズどもを全部モロッコに送り返す」と、いやはや、平気でヒドい発言を繰り返す。フランスのルペンどんも負けていない。

 ワタクシは決してそんな発言に組したくない。「クズども」なんてのは、小学生低学年の男子&女子が「バカって言ったらオマエがバカ」と言いあうレベルであって、おやおや、あんなに知的なオランダのヒトビトとも思えない。

 しかし諸君、こんなに口の中が痛くて、ビールどころかお水を含んでも飛び上がるほどなのに、その痛みに耐えつつ初モロッコに上陸するとなると、やっぱり今井クマ蔵の腰も引けるのである。
地中海へ
(ヒコーキはいよいよイベリア半島から地中海に抜ける)

 フランクフルトからマラケシュには、ルフトハンザで4時間。時差が1時間あって、マラケシュに着くのは13時半である。暗い搭乗口で搭乗開始を待ちながら、「えっ、たった4時間で着いちゃうの?」と、またまた暗澹たる気分に陥った。

 搭乗口からヒコーキまでは、2両連結のバスで向かう。バス2両で足りる数しか、マラケシュに行く人はいないわけだ。「たったこれだけ?」と、またまた不安が募る。ヒコーキに乗り込んでみると、後ろの方はガラガラだ。

 この段階で、もう帰国の日のヒコーキが心配になってきた。行きはルフトハンザだからまあ安心だが、マラケシュからの帰国時に使うヒコーキは、「ヌーヴェルエア」という名も知らぬ航空会社である。

 帰国は2週間先だけれども、早くも「行きはヨイヨイ、帰りはコワい」「コワいながらも通りゃんせ」、マコトにおどろおどろしい気分になってきた。「まだ今でも引き返せる」という思いがこみあげる。口内炎、恐るべし。こんなに臆病になったのは久しぶりである。

 ヌーヴェルエア(Nouvelair) は、チュニジアのLCC。北東部の地方都市モナスティルを拠点としている。「チュニジアのLCC」だけでも何だかおっかないのに、「地方都市モナスティル」という情報までくっついてくると、口内炎がさらに燃え上がるように痛みだす。
アフリカ上空
(ヒコーキは地中海からアフリカ上空に入った)

 しかも、2週間後のマラケシュ→ミュンヘン便を検索してみると、何とヌーヴェルエアの時刻表には掲載されていない。間違いなくチケットはあるけれども、時刻表上は「幻の便」なのである。

 うひゃ、おっかない。何事もなく帰って来られるのかどうか、それさえハッキリしない。しかし時すでに遅し。マラケシュ行きのルフトハンザ機はすでに機体をふるわせて、滑走路に向かって動き出していた。

 ところが諸君、おっかない時は、どこまでもおっかないものである。わがルフトハンザちゃんは、「機体に雪と氷が大量に付着してしまった」という理由で、雪と氷を融かす薬剤をザブザブ浴びるために、滑走路脇の駐機場に移動。何だか汚い茶色の液体で翼をビショビショにされてしまった。

 この作業のせいで、離陸は50分遅れ。マラケシュ空港の出口には、ホテルから迎えのクルマが来るはずなのだが、1時間近く遅れることになるんじゃ、迎えのクルマの運転手さんもプンプン怒って帰っちゃうんじゃないだろうか。
マラケシュ到着
(マラケシュに到着。着陸まであと30秒ほど)

 11時半、ようやく飛び立ったヒコーキは、フランクフルトから南西の方角に向かう。アルプスを超えてフランス上空、さらにピレネー山脈を超えてスペイン上空を行く。イベリア半島に入ると、地面は信じがたいほどに赤茶けている。

 途中でお弁当というかランチというか、要するに軽食が出る。しかしワタクシは口の中が痛くて、とても軽食どころの話ではない。もらっておいて手をつけないのは申し訳ないから、タヌキ寝入りをしている間に、ホントに深い眠りに落ちてしまった。

 気がつくと、眼下はイベリア半島から地中海に出るあたり。翼の下に小さい港の風景が見えた。それが今日の2枚目の写真。ジブラルタルのあたりであるが、その向こうはいよいよアフリカ。船でモロッコに渡れば、最初に上陸するのはタンジールの街。今はちょうどその上空を飛んでいる。
空港
(マラケシュ空港。おお、キレイな空港だ)

 タンジール、モロッコはアラビア語とフランス語が公用語で、タンジールは短く「タンジェ」と発音する。タンジールの街の様子は、10年前の映画「ボーン・アルティメイタム」で見ることができる。

 CIAに挑戦するジェイスン・ボーンが、モロッコ警察に追われつつ、バイクで街を猛烈に疾走するシーンが、作品中盤のヤマ場になっている。その激しい映像を思い出しつつ、口内炎がますます痛くなってくるサトイモ法師なのであった。

 こうして14時半、ついにマラケシュが近づいた。ヒコーキが高度を下げて行くに従って、アフリカの急峻な山々が荒々しく姿を現し、赤い砂漠の遥か向こうにピンクに染まるマラケシュの街が見えて、さすがにここまで来れば、ワタクシの心にもビシ&バシと勇敢さが戻ってきた。

 もう「口が痛い」「喋るたびにビリビリ痛む」などと、ヒヨワで弱気なことは言っていられない。次から次へと難関を突破、2週間後にヌーヴェルエアでヨーロッパに戻るまで、ひたすら前進、前進あるのみである。

1E(Cd) Collard:FAURÉ/NOCTURNES, THEME ET VARIATIONS, etc.②
2E(Cd) Cluytens & パリ音楽院:BERLIOZ/SYMPHONIE FANTASTIQUE
3E(Cd) Lenius:DIE WALCKER - ORGEL IN DER WIENER VOTIVKIRCHE
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