2016年09月28日(水)

Sun 160904 オランダせんべい/宮沢賢治と賢治弁当(をせばおつま・ボクの細道4)

テーマ:ブログ
 山形県の庄内地方は、いつも意気軒昂である。そこがいい。いつでも元気いっぱいなのである。「意地でも負けない」というより「負けるはずがない」なのだ。

 空港だって、普通に「庄内空港」ではなくて「おいしい庄内空港」と名づけた。お隣の秋田出身・ウルトラ秋田人として、その自信タップリな意気軒昂ぶりが羨ましい。

 何しろ諸君、
「本間サマには及びもないが せめてなりたやお殿サマ」
という、その大商人♡本間サマの本拠である。東回り廻船に西回り廻船、江戸時代に河村瑞軒どんが江戸&大坂と東北を結んだ交易ルートは、全て本間サマに牛耳られていた。

 その意気軒昂は21世紀にも受け継がれて、確かに酒田駅前は言語道断に閑散としてはいたが、たくましい庄内の人々は「鉄道になんか頼るもんか」と喝破するのである。

 鉄道なんてのは、19・20世紀のものであって、言わば前世紀の遺物に過ぎない。「鉄道なんか恐るるに足らず」であって、21世紀は鉄や石炭や石油からの脱却を図り、どこまでもソフト優先の世の中にしていかなければならない。

 コンクリートから人へ、鉄からオモチとセンベイへ。太平洋側の人々が新幹線というハードな鉄の恩恵に浸ってヌクヌクしている間に、庄内の人々は着々とソフトな湯気の上がるオモチ♨パワーで逆襲の準備を重ねている。
オランダ煎餅
(秋の稲田を背景に、酒田米菓「オランダせんべい」の勇姿)

 そのあたりのバイタリティは、お隣の秋田県人としても学ぶ所が多い。秋田県人は、マコトに淡白である。負けたら負けたでヨシ。ダメだったらダメだったでヨシ。新幹線が仙台 ☞ 盛岡 ☞ 青森 ☞ 函館、そうやって意地でも日本海側を無視するなら、別にそれで構わない。酒さえ旨けりゃそれでいい。

 しかし諸君、山形の人は違う。虎視眈々と大逆転を狙っている。蕎麦にモモ、サクランボにブドウ、スイカにナシに米。ありとあらゆる農産物の品種改良を続けながら、姿勢をグッと低くして、遠い最終回の大逆転を待ち受けているのである。

 オハギにも、庄内では昔は砂糖をほとんど使わなかった。「砂糖なんか使ったら、貧乏に帆がかかる」と、お互いに諌めあったのである。「真田丸」ならぬ「貧乏丸」が、最上川の急流に流されていく。その貧乏丸に高く帆がかかって、ますます貧乏の速度が上がっていく。なかなかいい表現である。

 そういう山形人の意気軒昂ぶりを如実に示すのが、お菓子メーカー「酒田米菓」であり「でん六」である。「でん六」は山形市の豆菓子メーカー、「酒田米菓」は酒田市の米菓メーカーとして、日本全国のマメ菓子とコメ菓子を牛耳っていると言っていい。

「でん六」は、1924年創業。「でん、でん、でん六豆、旨い豆」のテレビCMは、昭和の小学生なら誰でも知っていた。甘納豆にピーナッツ菓子が主力で、サッカーのモンテディオ山形にも、いろいろずいぶんオカネを出しているようである。
最上川田園地帯
(新庄盆地の穏やかな稲作地帯。分水嶺はまだ先である)

 一方の「酒田米菓」は、庄内平野のエース。中でも有名なのが「オランダせんべい」であって、秋田での小学生時代、今井君のオヤツと言えば秋田銘菓「もろこし」「酒まんじゅう」「金萬」「りんご餅」に続いて、塩辛い薄焼き ☞ 酒田米菓のオランダせんべいであった。

 秋田のお菓子はみんなマコトに甘いのであって、甘さを抑えたはずの酒まんじゅうも金萬も、「渡辺のオレンジジュースの素」「ソーダラップ」みたいな甘いドリンクには合わない。

 夏の真っ盛り、麦茶に飽きてしまった今井君は、「ソーダラップとオランダせんべい」という絶妙の取り合わせを愛したのである。夏休みのオヤツは、オランダせんべいとソーダラップがベストの組み合わせであった。

 甘くシュワシュワするメロン味のソーダラップ。その甘さをギュッと上から抑えてくれるオランダせんべい。いやはや、強烈なノンベエになる前兆は、あの頃からビシッとワタクシの全身を取り巻いていたのである。
渓流
(美しい渓流。プロ顔負けのオトーサマ達が、ホンキでカメラを構える熱い迫力に圧倒された)

 酒田米菓のHPによれば、「庄内平野は米作りに最適な水・大地・気候に恵まれた環境。古くから米どころとして知られている。こしひかり・あきたこまち・ひとめぼれなどのブランド米も、元を正せば庄内で生まれたものである」とある。おお、相変わらず意気軒昂だ。

 今すぐ近くのコンビニに走って、どこでも売っている「うす焼き」を買ってきたまえ。オランダせんべいのパリパリ感は、まさにその「うす焼き」と同じであるが、諸君、味の濃厚さが全く別格なのだ。

 たったいま目の前でバターを溶かし、たったいま目の前でチーズがチリチリ焦げたばかり。そういう濃厚な臨場感のこもったカホリが、一口パリッと噛んだだけで、頭蓋骨の内側で激しく反響するのである。コドモの頃の今井君は、バターとチーズの旨さをオランダせんべいで理解したわけである。
新花巻駅
(東北新幹線・新花巻駅。ローカルな釜石線のタタズマイに感激)

 こういうふうで、9月24日のワタクシは、何とか仙台にたどり着いた。仙台にさえ来てしまえば、ビュワーン&ビュワーンの新幹線も走っている。翌25日、午前9時からの岩手県花巻での仕事だって、何の支障もなく150%の授業が可能である。

 ただ、腹は減る。せめて御弁当ぐらいはワシワシやらないと、午前120分&午後120分の授業には耐えられない。新幹線・新花巻駅で「賢治弁当」を手に入れた。言わずと知れた宮沢賢治、彼にちなんだ豪華な御弁当である。

 ただし諸君、この豪華さはどうも納得がいかないのだ。日本人なら誰でも知っている「雨にも負けず&風にも負けず」によれば、宮沢賢治の理想は「一日ニ玄米四合ト、味噌ト少シノ野菜ヲ食ベ」なはずである。

 ああそれなのに&それなのに、21世紀の「賢治弁当」は、余りにも豪華を極めるのである。海老フライに豚肉の煮物、ビーフカツに焼鮭に玉子焼き、タップリの白米に甘—いハチミツ漬けの梅干しが2つ。ちっとも「玄米四合ト&味噌ト少シノ野菜」なんかじゃないのだ。
賢治弁当
(豪華な賢治弁当。こんなに豪華で、宮沢賢治どんは大丈夫か?)

 しかしちょっと待てよ諸君、「玄米4合」とはいかなることでござろうか。コメ4合は、お茶碗で約8杯分だ。1日3食として、朝3杯、昼2杯、夜3杯。こりゃなかなかの贅沢じゃないか。

 もしそうなら、「雨にも敗北&風にも敗北」なダラしないワタクシでも、みんなにデクノボーと呼ばれ、ほめられもせず&苦にもされなくとも、「さういう者にワタシはなりたい」と思うのである。米の飯さえワシワシ出来るなら、ステーキも生牡蠣もムリに貪らなくていいのだ。

 宮沢賢治どんの理想のうち、今井君にも実現できそうなのは
① 雪ニモ … 負ケヌ丈夫ナ身体ヲモチ
② 慾ハナク … イツモ静カニ笑ッテヰル
③ ヨク見聞キシ&ワカリ ソシテ忘レズ
④ 喧嘩ヤ訴訟ガアレバ ツマラナイカラ ヤメロト言ヒ
の4点ぐらいですかね。

 こうして諸君、21世紀の「賢治弁当」に贅沢に盛られた、賢治に相応しくない美しい白米にエビフリャー、豚肉・玉子焼き・焼き鮭をワシワシやりつつ、9月25日の今井君は岩手県の授業4時間に臨んだのである。

「朝9時開始」という慣れないプログラムは、さすがにちょっとキツかったが、その辺をどう乗り越えたかは、さすがに今日も長く書きすぎた、また明日の記事で詳述しようと考えるのである。

1E(Cd) Take 6:BEAUTIFUL WORLD
2E(Cd) Kazuhiko Komatsu & Saint Petersburg:貴志康一/SYMPHONY ”BUDDHA”
3E(Cd) Akiko Suwanai, Dutoit & NHK響:武満徹 ”FAR CALLS” ”REQUIEM FOR STRINGS”etc
4E(Cd) Amalia Rodrigues:SUPERNOW
5E(Cd) Haydon Trio Eisenstadt:JOSEPH HAYDN:SCOTTISH SONGS 1/18
total m20 y1585 d19290
最近の画像つき記事
 もっと見る >>

Ameba芸能人・有名人ブログ

芸能ブログニュース

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。

    Ameba芸能人・有名人ブログ 健全運営のための取り組み
    芸能ブログニュース