2016年09月25日(日)

Thu 160901 山形県酒田市/秀麗の鳥海山/松尾芭蕉と逆向き(をせばおつま・ボクの細道1)

テーマ:ブログ
 ちょっと東北地方を旅することになった。せっかく東北を旅するなら、やっぱりお手本にすべきなのは「奥の細道」である。

 松島 ☞ 平泉 ☞ 最上川 ☞ 庄内平野。松尾芭蕉は東から西に向かって東北の真ん中を横断した。ならばアマノジャクなワタクシとしては、逆方向に庄内から最上川を溯り、さらに東進して松島・仙台に至るルートを旅してみたい。

 このアマノジャクについては、2012年以来2回の地球一周を試みた「ンラゼマ」の旅と相似形である。西向きに地球を一周したマゼランと逆に、アメリカ ☞ アルゼンチン ☞ ドイツと、ひたすら東進に東進を重ねたわけだから、マゼランを逆にして「ンラゼマ」と名づけた。

 だから今回の東北の旅は、「をせばおつまなボクの細道」と題することにする。松尾芭蕉 ☞「まつおばせを」を反対向きに読めば「をせばおつま」になる。ただそれだけの、マコトにバカバカしい話である。

 東北地方の腰のあたりを横断する旅については、実は6月下旬に決行するはずだった。計画では、
① 羽田から庄内空港に降りて、まず鶴岡に1泊
② 横断後は仙台に一泊して松島や平泉に立ち寄り
③ 岩手県の山奥の「鉛温泉」の後は、秋田に1泊
④ ばせおに倣って象潟に向かい「雨に西施がねぶの花」と、シミジミ呟いてから帰京
そういう温泉三昧のつもりであった。
鳥海山
(秋田・山形県境、秀麗の山・鳥海山の勇姿。標高2230mを超える名峰、酒田市郊外から望む)

 しかし今回はちょっと時間が足りなくて、そういうノンビリ東北湯けむり旅を実現するわけにもいかない。父の生まれ故郷である最上川の秋の風景を、駆け足で眺めてくるだけの短い旅である。

 驚くなかれ諸君、今井君の父方の祖父は、1854年生まれである。ペリーが浦賀にやってきて日本中が「たった4ハイで夜も寝られず」とひっくり返っていた頃、祖父の生命がそのまたママのお腹の中に芽生えた。生まれたのは「日米和親条約」締結の頃である。

 この祖父がなかなかのツワモノであって、70歳過ぎてから25歳の妻を迎えた。それが3人目の妻だったというのだから恐れ入るが、そこからコドモが3人も生まれたというのだから、孫としてはまさに恐れおののくしかない。その3人のうちの1人がワタクシの父・三千雄である。

 父の故郷は、山形県酒田市から「陸羽西線」のローカル線のディーゼルカーで30分ほど内陸に入った村。「清川」という最上川のほとりの静かな村である。「五月雨をあつめて早し」の句が生まれはあたりだ。

 大正15年4月5日生まれ。「あれれ、大正って14年までじゃあーりませんか?」というアナタ。大正15年は12月下旬まで続き、ホントのギリギリ&ギリギリで「昭和」に変わったのである。

 この地域での今井家の勢力は、かつて「隆盛」というコトバにビシッとあてはまる状況であった。幕末ヒーローの一人に「清河八郎」という人物があるが、まず彼が清川村の出身。その栄光とは全く無関係であるが、ワタクシのジーサマとオジサマは、庄内平野で「村長」の大役を務めた。
酒田駅
(JR酒田駅。国鉄時代の華やかさはすっかり消えていた)

 その村の名前は「古口村」。「古口」と書いて「ふるくち」と読むが、ジーサマが「今井コサク」、オジサンが「今井モンゾー」。庄内平野の一番奥、最上川のほとりで強大な権力を誇った。

 父・三千雄は、そういう家庭環境の中でスクスク育っていった。小学校入学の段階で、彼のパパ=小作は80歳。中学校入学の時にパパが85歳を超えている。そりゃいろいろツラい評判も立っただろうが、三千雄どんはどんなウワサを立てられても一向に動じなかったようである。

 その証拠に、村の小学校優等生に授与される「村賞」を獲得。続いて「郡賞」も獲得。戦前の山形県東田川郡で、飛び抜けて優秀なコドモだったらしい。

 そういう栄光の成績を引っさげて、三千雄どんは旧制・酒田中学校に合格する。現在の酒田東高校。鶴岡南高校とともに、庄内平野を代表する伝統校である。

 今井君は大学入学直後の「クラスコンパ」で、酒田東高校出身の男と遭遇した。仮に「G君」としておこう。まさかグレイト君ということはありえないから、要するに後藤君か権藤君であるが、さすがに敬愛するオヤジの後輩であるから、「お、いるぞいるぞ、酒田東高校」と快哉を叫んだ。

 ワタクシと山形県酒田との付き合いは、かくのごとしである。濃厚&濃密な蜜のようでもあれば、淡交中の淡交、冷たく澄んだ冷水のような交わりでもある。
初孫
(庄内平野の酒と言えば、何と言っても「初孫」。旧友G君オススメの銘酒である)

 こういうふうだから、最後に酒田を訪れたのはもうずいぶん昔のことである。「数年前」というか、数十年前というか、数百年前というか。そうカンタンには判断もつかない。

 しかし小学生時代には、夏休みには父の故郷を毎年欠かさず訪ねた。8月中旬の最上川は、すでに赤トンボが大量に飛び回り、セミの抜け殻は数限りなく、夏の花々よりむしろコスモスの花が咲き乱れる季節なのであった。

 もう秋が迫っていても、夏休みの小学生はただひたすらに泳ぎたい。秋田発午前10時の急行列車に乗っても、陸羽西線・清川の駅に到着するのはもう夕暮れに近い。「すぐに最上川に泳ぎに行きたいよ」とダダをこねても、オヤジは「墓参りが先だ」と言って頑として応じなかった。

 外は夕暮れ、遥かな森ではニイニイゼミとヒグラシがマコトに哀れそうに鳴き競っている。タイルばりの風呂桶では、今朝イトコたちが川で捕まえてきたたくさんのメダカたちが、すでに息も絶え絶えである。それでも諸君、もしそこに川があれば、小学生は意地でも泳ぎに行きたいのである。

 そうして、激しく叱られる。昔の小学生は、今よりはるかに激しく自己主張を繰り広げ、今よりはるかに激しく一家中の叱責の対象になった。

 それでも決して後に引かない。夏の盛りに冷たい水が流れる川のほとりの村にきたら、水浴びのチャンスを1日たりとも延期したくない。そんなの当たり前である。親の言うことを何でもカンタンの受け入れるようじゃ、親孝行のように見えて、実は心が弱すぎるだけなのかもしれない。
アンジェロ
(駅前で唯一、ヒトの動きを察知できたのはこのビジネスホテル。ランチを貪った「アンジェロ」も、このホテルの中にあった)

 というわけで、今井君にとって「酒田」という街は「コドモ時代の夏にはずいぶん叱られてばかりだったな」という渋くてツラい記憶がこびりついている。

 2016年9月24日、ヒコーキが庄内空港に接近して美しい日本海が見えてくると、あのころのツラい記憶がギュッと脳細胞からはみだしてくるのであった。

 確かに諸君、遥かな鳥海山は秀麗、富士に負けない美しさで9月の秋空にその勇姿を現している。日本海からの季節風と砂嵐を防ぐために江戸時代から植林された防砂林も、どこまでも続く松の緑がこの上なく美しい。

 しかし空港から酒田ゆきのバスは、要するにその辺の路線バスと一緒である。「鶴岡ゆき」のほうは豪華リムジンバスなのに、ライバル酒田ゆきは、都営バスや小田急バスと同じ構造。狭くて固い座席で「ピンポーン」という世界である。

 そして約40分の乗車の後、ようやくたどり着いたJR酒田駅に、ビックリ仰天しない人が存在するんだろうか。なんにもネェ、蕎麦屋もネェ、飲み屋もネェ、パチンコ屋さえネェ。その「ホントに全くなんにもネェ」の駅前は、まさに間違いなく吉幾三の世界であった。

 これが真冬なら、直ちに命の危機を感じる状況だ。立ち食い蕎麦屋すら存在しないのは、今年7月に立ち寄った山陽本線「厚狭」の駅の惨状を遥かに凌ぐものであった。
ナポリタン
(酒田駅前アンジェロの「懐かしのナポリタン」。ホントにホントにおいしゅーございました)

 そこで発見した助け舟が、駅から歩いて約2分「ホテル酒田イン」1階の「アンジェロ」である。ウルトラなビジネスホテルの1階にテナントとして入ったこのイタリア料理店で、ワタクシは陸羽西線の発車まで約1時間半を過ごすことにした。

「懐かしのナポリタン」、おいしゅーございました。酒田の誇る銘酒「初孫」、おいしゅーございました。そして何より店のオバサマのサービスぶり、マコトに快いものでございました。

 今回はこれだけで酒田を去るけれども、諸君、酒田はホンマに素晴らしい街である。倉敷を凌ぐ雄大な規模の山居倉庫群。「本間さまには及びもないが、せめてなりたやお殿さま」と歌われた本間家のお屋敷。キチンと整備すれば、世界中の観光客が殺到しそうな歴史と伝統の街である。

 確かに駅前は余りに閑散としているが、こんなスンバラスイ街が父の故郷と知れば、ギュンギュン鼻が高くなって今井君はもうピノッキオ状態。これから陸羽西線の電車で新庄の街に向かうが、その鼻高々ぶりは周囲のお客を威圧せんばかりである。

 ま、いっか。久しぶりに父の故郷を目にするワタクシとしては、秀麗の鳥海山、実りに実って収穫を待つばかりの広大な水田とダダチャ豆畑、9月の雨をあつめてもやっぱり早い最上川、それらを父の故郷に重ねあわせて、まさに幸福はパンパンに膨れ上がり、破裂寸前のアリサマなのであった。

1E(Cd) Michael McDonald:SWEET FREEDOM
2E(Cd) THE BEST OF JAMES INGRAM
3E(Cd) Peabo Bryson:UNCONDITIONAL LOVE
4E(Cd) Four Play:FOUR PLAY
5E(Cd) Akiko Suwanai:SOUVENIR
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