2016年09月10日(土)

Wed 160817 撤退とルルレのレー(ボルドー春紀行35/第2996回/カウントダウン4)

テーマ:ブログ
 営業の基本3原則は、① 笑顔 ② 落ち着き ③ 軽快なフットワークであって、顧客の目の前で笑顔を失ったり、鈍重だったり、慌てふためくアリサマを見られたりしたんじゃ、営業マンとしては明らかに失格である。

 塾講師というものは、もちろん「先生」であるのは間違いないし、講師本人が塾の商品であることも確かであるが、ある意味ではトップ営業マンでもあって、講師が生徒の前で笑顔を忘れたり、冷静さや沈着ぶりを失ったりすれば、とりあえず営業面では2流3流と見なされることになる。

「いや、私は自らをあくまで教師だと考えています」
「教えること以外に興味はありません」
「営業とか商売とか、そんな下品な話は考えたことありません」

 そういうドエリャー考え方もたいへん結構であるが、それなら高校教師なり大学教授の道を選ぶべきだったのであって、本職にせよアルバイト気分にせよ、とりあえず塾や予備校講師という職業を選択したからには、笑顔と落ち着きを忘れた瞬間に、1流であることを諦めたに等しい。
ルルレ
(モンサンミシェルでの宿泊は「ルルレ」。フランス語のスペルなら「Le ReLais」、バルコニーから島の勇姿が24時間堪能できる)

 それは大学生として塾講師のバイトをやる時でも同じなので、時間ギリギリに校舎に飛び込んできて「間に合ったー!!」とか絶叫し、息をハーハーさせつつ教室に駆け込むなんてのは、まあ最悪のバイト講師である。

「ボクはテキストなんか使いません」「独自プリントで勝負します」。そういう時間講師のセンセも少なくない。おそらくご自分が予備校生だった時に憧れた偉いセンセに影響されたのだろうが、とにかく「テキストなんか下らない」「テキストなんかサイテーだ」とワメキ散らすのである、

 そういうタイプの講師は、確かに最初の2回か3回は素晴らしい授業を展開する。その2回か3回で生徒をトリコにしてみせて、経営者の覚えも目出度いのであるが、5回6回と回を重ねるうちに、次第にタネが尽きてくる。

 だってそうじゃないか。自分がかつて予備校で習った偉いセンセの得意技を、受け売りしていただけなのだ。バイトの大学生講師に、そんなにたくさんの得意技が泉のように湧き出してくるはずはない。得意技が尽きた時が、講師の運のツキ。生徒はどんどん離れていく。

 こうなると、彼または彼女から笑顔が消える。時間ギリギリに駆け込んできて、塾の本棚の前に立つ。適当な問題集のページを開いて、今度はコピー機に走る。生徒の人数分コピーすると、教室にダッシュする。すでにチャイムが鳴って3分経過。経営者の冷たい視線を感じたりする。

「やれ!!」のヒトコトとともに、「試験監督」とか「抜き打ちテスト」とか、とにかく15分か20分は時間が稼げたわけだ。机間巡視と称して教室をウロウロしながら、生徒といっしょに問題を解いてみる。
勇姿1
(ルルレからの勇姿)

「オレは予習なんかしないんだ」
「オレは天才だ。予習しなくても、授業なんかいくらでもできる」
「緊張感を保つには、むしろ講師は予習しちゃダメなんだ」
その種のことを呟いてみせたりする。

 ところが諸君、教室内でウロウロしつつ、「あれれ、この問題、解けないぞ」「わからねー」「ヤベ!!」ということもよく起こる。すると先生は、慌てて講師室に駈け戻る。コピーした問題集の解答欄を確かめに行くわけだ。だからこういう先生は、やたらに教室と講師室の往復が多い。

 笑顔も冷静さもなくし、自分がキチンと説明できないと、再び問題を罵倒し始める。
「重箱のスミをつつくような問題だ。実力はつかない」
「これは出題者の責任。ダメな問題の典型だ」
とおっしゃるのであるが、あれれ、そのプリント、先生ご自身の作製だったんじゃあーりませんか?

 というか、塾や予備校のセンセがテキストを罵倒して「こんなテキスト、つかえねー」「サイテーのテキストだ」「オレは独自プリントを使う」と宣言した瞬間、それは例えばレストランのウェイターが、「うちのメニューは最悪ですよ」「私のレシピで勝負します」と暴言を吐いたのとソックリだ。
勇姿2
(バルコニーからの勇姿)

 というわけで、話はモンサンミシェル戻るのだが、4月12日の今井君は、余りの大混雑に辟易して、いったん島からの撤退を決めた(スミマセン、昨日の続きです)。

 島内にいたのでは、参拝もできないし、ランチにもありつけない。何より困ったことには、島内にいたんじゃ、せっかくの島の勇姿を眺めることができない。島から1kmの距離まで撤退して、モンサンミシェルの勇姿を眺めながらのランチを楽しもうと決めたわけである。

 宿泊先は「ル・ルレ」。「ルルレ」という響きで思い出すのは、やっぱり「レレレ」であって、ルルレに泊まって天才バカボン中の「レレレのレー」が出てこないようでは、昭和人間の代表とは言われない。

「ルルレのレー♡」「ルルレのルー♡」と楽しくお歌を歌いながら、撤退を開始する。楽しいじゃあーりませんか。穏やかな春の野道を、モンサンミシェルを背にのんびり歩いていった。

 ただしこの撤退、すぐ背後に世界一の絶景があるのに、それを見ることが出来ないという難点がある。島を見ながら後ろ向きに歩けばいいのだが、それはマコトに危険であって、いつ意地悪な石ころや段差のエジキになってひっくり返るか分からない。

 だから今井君は、10歩か20歩ごとに島を振り返り振り返り、1kmの道のりに30分もかけてノンキに撤退していったのである。たどり着いた先はルルレのレー。ホテルにチェックインする前に、道路をはさんでルルレの向かいのレストランでランチを楽しむことにした。
夕暮れ
(夕暮れの勇姿)

 そして諸君、このレストランでワタクシは、今日の前半で書いた営業の基本をつくづく考えることになったのである。

 店を切り盛りしているのは、
  ① やたらに要領の悪い女子
  ② その上司であると思われる中年男子
  ③ ごく普通の女子
であったが、この3人の関係がマコトにシュール。お客としてとても落ち着いてメシなんか食べていられない。

 まず③であるが、日々のシュールな状況に呆れてしまったのか、もう仕事なんかする気はほとんどない。店の奥に陣取って、滅多なことでは出てこない。何と言っても問題なのは、②の中年男であって、おお、走る&走る。常に大汗をかいて走り回っている。

 営業の基本は確かにフットワークであるが、どんなに軽快なフットワークでも、ドタドタ走り回っちゃダメだ。走りすぎてハーハー息も荒く、ヒタイから汗が噴き出し、ワイシャツがビッショリ濡れているほどである。

 この彼が、①の女子をヤタラに叱りとばすのである。上司なんだから部下を叱るのは当然なのかもしれないが、叱るのに忙しすぎて客の応対をする暇がない。怒り心頭に発して、客の注文を忘れてしまうほどである。
拡大図
(夕暮れの勇姿、拡大図)

 あー忙しい忙しい。コカコーラの空き缶を片手に3つも4つも握りしめ、テーブルを片付ける。慌てすぎて、その缶を床にみんな落としちゃう。ついでだから、段差で蹴つまずく。蹴つまづいた自分にイライラして、コブシで宙を打つマネをする。

 ①の女子がゆっくりと歩み寄リ、やおら缶を拾い集める。ところが何と1個ずつ厨房に運んでいくので、4個の缶を片付けるのに、事件現場と厨房を4回往復する。4個の缶が片付くのに、3分も経過する。

 すると中年男は、その行動を入念に注意する。「4個の缶をまとめて運べば1回で済むじゃないか」「何度言ったら分かるんだ」「もっと要領よく仕事をしなきゃダメだろ!!」。その勢いに、お客のバーサマがビックリして食べ物をノドにつまらせそうになる。

 そのまま約1時間、オジサマウェイターは女子を叱り続け、叱る合間に激しい駆け足を繰り返し、蹴つまづき、また怒り、客の注文を何度でも忘れ、忘れては客の叱責を受け、客の叱責は3倍にも4倍にもなって①の女子にふりかかり、③「普通女子」はますます奥に引きこもる。

 あまりシュールさに、今井君は楽しくてたまらない。むかしバイトで仕事をしたダメ塾の様子が浮かんで、「おお、そっくりじゃのお、ルレレのレー」と爆笑しているうちに、オムレツもムールも、その味はちっともわからなくなってしまったのであった。

1E(Rc) Solti & Chicago:DEBUSSY/LA MER・PRÉLUDE A L’APRE MIDI D’UN FAUNE & RAVEL/BOLERO
2E(Rc) Bernstein & New York:/SHOSTAKOVITCH SYMPHONY No.5
3E(Rc) Rozhdestvensky & Moscow Radio:BARTOK/DER WUNDERBARE MANDARIN & TWO RHAPSODIES FOR VIOLIN & ORCHESTRA
4E(Rc) Darati & Detroit:STRAVINSKY/THE RITE OF SPRING
5E(Cd) S.François& Cluytens & Société des Concerts du Conservatoire:ラヴェル/ピアノ協奏曲
total m85 y1330 d19035
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