2016年09月05日(月)

Fri 160812 アイワなジサマとの会話/善男善女/ボルドーマラソン(ボルドー春紀行30)

テーマ:ブログ
 バスで出会った準ヌシなジーサマは、やがてついに今井君の至近距離にまで接近(スミマセン、昨日の続きです)。小さな声で「あんた、日本人だろ」とおっしゃる。

 世界中を旅していて、みんなどうやって見分けているんだか分からないが、中国人や韓国人と間違えられることは滅多にない。間違えるとしても、それは小学生か中学生ぐらい。20歳以上と思われる人は、一発で「日本人」と判断するようである。

 考えてみればこれはたいへんなことであって、諸君、一目で「フランス人とスペイン人」「オランダ人とデンマーク人」「ドイツ人とポーランド人」の区別がつくなどということが、考えられるだろうか。

 いつだったか、イタリアのレストランで、ワタクシのほうをみんなで眺めながら、「日本人と中国人の見分け方」について語り合っているグループがいた。カッコいいオヒゲのオジサマが「カンタンだヨ … 」とマコトに自信ありげに、仲間たちに講義していたのである。

 いやはや、そんなにカンタンでしょうかね。ワタクシ自身、中国や韓国どころか、たまにウズベクやモンゴルのヒトビトと自分の区別さえ、一目ではつかないような気がするほどなのだ。
ボルドー
(ボルドーに帰還したのは、すでに午後8時だった)

 しかし、バスの後方で20歳代の若者と激しい口論を続けていた準ヌシ♨ジーサマもまた(スミマセン、ホントに昨日の続きなんでございますヨ)、「区別はカンタン、アンタは日本人」と、今井君に目星をつけた。

 ヘッドフォンの音漏れをめぐり、若者の超シカト戦術によって、ジーサマはマコトに不利な状況にあった。日本人の判官ひいきを熟知しているのか、「あんた、日本人だろ。『アイワ』を知ってるよな」と、聞き取れるような聞き取れないような、フシギな音量で話しかけてきた。

 この「聞き取れる vs 聞き取れない」という微妙な音量も、また見事な戦術であって、こうなるとこちらのほうもグッと身を乗り出し、「何とか聞き取ろう」と集中力を発揮せざるをえない。大きな声で言うより、返って相手を会話に引き込みやすいわけである。

 この至近距離で、まさかシカトなんかできない。この距離でのシカトは、強烈な精神力を必要とする。「おっかないから、直ちに下車する」という逃げの一手も残っているが、諸君、バイヨンヌとビアリッツの中間、全く土地勘のない雨の田舎道に降りるなんて、余りに絶望的な行動じゃないか。

「はあ、アイワ、知ってますよ」と、そう答える以外、選択肢は残っていない。だって、アイワ、知ってるのだ。1951年創業の音響メーカー、やがて東証一部上場を果たし、20世紀後半の日本を駆け抜けて、2002年にソニーに吸収合併される。2008年、ブランド名も消滅した。
マラソン1
(ボルドーは、ボルドーマラソン開催中 1)

 若い諸君は、もうアイワなんか知らないかも知れない。21世紀生まれの高校生はもちろん、平成生まれのHey Say Jumpな諸君だって、アイワの全盛期のことは記憶にないんじゃないか。

 アイワと言えば、カセットデッキにラジカセ。うーん、懐かしい響きでござるね、「ラジカセ」。今や「ラジオカセットレコーダーの略称なんだよ♡」と説明しなきゃ分かってもらえない、そのうち「まんが日本昔ばなし」に登場するんじゃなかろうか。

 今井君の大学時代は、オカネがなくていつもヒーヒー言っていたから、ソニーのラジカセが欲しくても手が届かない。東芝・日立・パナソニックは、何となく中途半端。安いのを求めればまずシャープがあり、もっと安いのを求めればサンヨーがあり、もっともっと安くと思えば、そこにアイワがあった。

 シャープ・サンヨー・アイワの衰退こそ、「失われた20年」の象徴である。オカネがない学生は、みんなアイワのでガマンする。もちろんアイワだって、品質はソニーにそれほど劣らないのだが、やっぱり何となくカッコ悪い。そういう時代だった。

 ウォークマンが全盛だった時代、東芝は「ウォーキー」で対抗。うーん、この命名、悔しくなかったのかね? 一方のアイワは「カセットボーイ」。諸君、かつて「カセットボーイ」だった青少年も、今では立派な中年に成長して、白髪や抜け毛に悩んでいる頃である。
マラソン2
(ボルドーは、ボルドーマラソン開催中 2)

 だからワタクシも、アイワなら「知っている」どころか、感謝しているほどだ。かつて我が下宿には「AIWA」と勇ましくブランド名を記した音響機器がズラリと並んでいた。「はいはい、アイワ、知ってますよ」とジーサマに答えたのも、まんざらテキトーにゴマかしたわけでもなかったのだ。

 ジーサマも、懐かしそうに目を閉じた。「いい会社だった」とおっしゃるのである。「ソニーも、シャープも、日本製品はみんなよかった」。そう言ってシミジミ両眼を閉じてもらえれば、日本人としてうれしくないはずはない。

 しかし諸君、会話はそれで途切れてしまった。ジーサマが降りる停留所が近づいたのである。「は?」であって「ほ?」であり、「へ?」であって「ん?」である。いったい何だったんだ? ジーサマは、アイワとソニーとシャープを褒めるためにだけ、ワタクシに接近を図ったんだろうか。

 ジーサマが去った車内には平和が復活。何事もなかったかのように、ヘッドフォンからの激しい音漏れが、「シャカシャカシャカポーン」「ズッタラズッタラ、ズカボーン」と、いつまでもいつまでも続くばかりであった。
トラム
(マラソンの翌日はマコトに平穏。トラムも平常運転に戻った)

 到着したビアリッツは、昨日の写真に示した通りの盛大な荒れ模様。砂浜には大波が押し寄せ、波は岬の巨岩に砕かれて白く渦巻き、純白のマリアさまは神の御子をしっかと胸に居抱いて、荒れ狂うガスコーニュ湾のかなたを見つめていらっしゃった。

 それでも善男善女は列をなし、マリアさまを拝もうと岬の先端まで雨をついて前進する。強風に息もできないほどだが、さすが善男善女だ、マリアさまといっしょに写真に収まってニッコリ、歯をむきだしてマコトにワザとらしい微笑みを浮かべるのである。

 今井君としても、こりゃマイナスイオンをタップリ呼吸して帰りたい。4日前に苦しめられた強烈な風邪は、まあ治ったと言っても、まだカラダのフシブシに筋肉痛の名残が残っている。崖下で渦巻く獰猛な波のしぶきを眺めつつ、雨の中30分もウロウロしつづけたものだった。

 バイヨンヌまでバスで戻り、バイヨンヌからは電車で3時間、ボルドーに帰ったのは、もう午後8時であった。
公園
(4月10日、ボルドーは春まっさかり。公園の若葉が美しい)

 この日のボルドーは、「ボルドーマラソン」を開催中。午後8時、トップクラスの選手たちはとっくにゴールについた後で、いま走っているのは「もうヨレヨレ」「もうフラフラ」な一般ランナーの皆さん。それでも沿道には観衆が列をなしている。

 観衆からは盛んに「アレアレ!!」「アレアレアレ!!」の声援が飛ぶ。「アレ」とは、決して「あれ?」や「あれれ?」ではなく、フランス語の「Allez」であって、日本語なら「行け!!」「行け行け行け!!」と言うところ。「行く」の命令形である。

 例えばフェンシングなら、主審による「Allez」のヒトコトでシアが開始される。「はじめ!!」であり「行け!!」であって、こういう声を聞いていると、「おお、フランス語っていいな♡」と、思わずニヤニヤしてしまう。

 ただし、マラソンレース中の街を縦断して駅からホテルまで戻るのは、それなりに至難のワザである。縦断中、コースを4度も5度も横切るのである。

 警備の警官が大勢でが手伝ってくれるが、ヒトビトの集団はランナーの至近距離を、ランナーと衝突しそうになりながら駆け抜ける。バイクや自転車で横切る人も少なくない。うーん、こりゃあぶのーござりまするな。

 ま、こんなふうな長ーい一日であった。明日は明日で、ボルドー近郊アルカションの街を散策する予定。平穏な一日になることを祈りつつ、いそいそベッドに潜り込んだ。

1E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 4/4
2E(Cd) Mascagni & Teatro alla Scala di Milano:MASCAGNI/CAVALLERIA RUSTICANA
3E(Cd) Molajoli & Teatro alla Scala di Milano:LEONCAVALLO/I PAGLIACCI
4E(Cd) Solti & Chicago:HÄNDEL/MESSIAH 1/2
5E(Cd) Akiko Suwanai:DVOŘÁK, JANÁĈEK, and BRAHMS
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