2016年09月04日(日)

Thu 160811 ビアリッツという高級リゾート/BとMとWの転換のこと(ボルドー春紀行29)

テーマ:ブログ
 近現代に超高級リゾート地としてその名を高めたビアリッツも、中世には捕鯨で生計を立てる漁村であった。暗黒だったはずのヨーロッパ中世、「漁村でホゲイ」とは、ずいぶん激しい生活を選んだものだが、浅瀬に迷いこんで弱ったクジラを捕らえるぐらいなら、まあ考えられなくもない。

 18世紀ごろから、「転地療養の格好の地」として、医者が推薦するようになる。「海に面した環境が健康にいい」というわけだが、それもまたフシギな話であって、「海に面した環境」なんてのは、海沿いの町ならどこにでも転がっている。

 秋田に酒田、八戸に釧路、高知に高松に徳島、どこだってみんな「海沿いの町」であって、海に面した環境がいちいち健康にいいなら、それこそ世界中ナンボでも存在する。なのになぜビアリッツばかりが「転地療養に格好の地」とされたのか。ま、「海+絶景」、絶景というプラス要因が必須だったのである。
ビアリッツ1
(高級リゾート・ビアリッツの風景)

 1854年というから、ぺリーが浦賀を訪れて徳川幕府のヒトビトをゲロゲロ慌てさせた翌年のこと、フランス皇后・ウージェニーというドエリャー女性が、ビアリッツに別荘を建てさせた。現在の高級ホテル「オテル・ド・パレ インペリアルリゾート&スパ」である。

 このへんからビアリッツは脚光を浴びることになった。だから、ウルトラ高級リゾート地としての歴史は160年ほど。明治維新以来の近代日本の歴史とほとんど肩を並べるほどの長期にわたる。うへ、そりゃスゴい。

 ニースにハワイ、バリ島に熱海、軽井沢にプーケット。いったん有名リゾート地化すると、急激に「大衆化」の道をたどるのが一般的。150年以上もの長きにわたって、延々と「超高級」であり続けるのはマコトに難しい。

 イングランドのヴィクトリア女王やエドワード7世もここを訪れたんだそうな。スペインの王様もいらっしゃったんだそうな。「超高級」を継続できた秘密は、どうやら「王侯貴族の定期的なご訪問」というあたりにあったらしい。
ビアリッツ2
(この日のビアリッツは荒れ模様。マイナスイオンが健康によさそうだ 1)

 ビアリッツは、フランス語のスペルなら「Biarritz」であるが、「バスク語」での表記なら「Miarritze」になる。ま、スペルどおりに発音すれば、「ミアリッツェ」ということだろう。

 BがMに変わるとは、そりゃなかなかたいへんなことのように思われる。しかし諸君、「B」「M」「W」の3つの綴り字は、ちょっとしたハズミでしょっちゅう入れ替わる傾向がある。

 例えばひどい鼻風邪を引いて、鼻の穴が右も左もパンパンにつまってみたまえ。実は今井君自身、思い起こせば26歳の秋だったが、そういう物凄い鼻風邪を引いて、両鼻腔が膨れ上がるほどのたいへんな思いをした。

 すると諸君、「IMAI」という発音が困難になる。どう頑張ってもMはBに変わって「IBAI」としか発音できない。「イマイです」「イマイです」といくら頑張って言ってみても「イバイ」と判断されるのである。

 所用があって電話をかけてみると
「は、イバイさん?」
「イバイさんって、いったいどなた?」
「ははあ、イバさんですね? 」
というありさま。ちょうど同じ職場に「井場さん」というヒトがいて、イバイとイバが混線するハメに陥った。
ビアリッツ3
(この日のビアリッツは荒れ模様。マイナスイオンが健康によさそうだ 2)

 同様に、「M」と「W」も何かのハズミでカンタンに入れ替わる。こちらは「丁寧に言おう」「丁寧に発音しよう」と心がけるあまりに発生する混乱であって、例えば京都から近鉄の特急電車に乗って奈良を目指すと、3回に1回ぐらいの割合で、異様に丁寧な発音の車掌さんに出会う。

 彼の車内放送は、例えば以下のように聞こえてくる
「まうぉなく、やうぁとさいだいじ、やうぁとさいだいじ。近鉄奈良方面は、お乗り換えでございうぁす」

 もちろんこの場合、「まもなく」が「まうぉなく」、「大和西大寺」が「やうぁと西大寺」、「ございます」が「ございうぁす」、要するにすべて「M」から「W」への転換であるが、悪気があるわけでもなければ、鼻風邪で鼻腔が膨れ上がっているわけでもない。

「丁寧に」を心がけると、「MからW」以外の様々な転換も発生する。昔の昭和な日本マダムがよく使用した「おうぇんあすうぁせ」なんてのがその例である。

 本来の発音なら「ごめんあそばせ」であるが、「G」「M」「B」の発音で息を強く出すと、意思をハッキリ伝えるニュアンスが高まってしまう。それを「下品」と感じて、Gを省略し、MとBをWに変換すれば、あっというまに「おうぇんあすうぁせ」に変わるわけだ。
ビアリッツ4
(この日のビアリッツは荒れ模様。マイナスイオンが健康によさそうだ 3)

 閑話休題、4月9日のイバイ君はバイヨンヌからビアリッツに向かうのであるが、よせばいいのにこんな時でも「路線バス」を使用する。バイヨンヌ市民が日常的に利用する平和なバスに、東洋のクマが乗り込むわけだから、いろいろ事件も発生する。

 バイヨンヌからビアリッツまで、片道30分ほどの道のり。雨模様のこの日、バスの乗客はイバイ君以外に3組。1組は地元の穏やかなオバサマ連であったが、残る2名はちょっと危険なニオイのする男子であって、すでに顔見知り、かつ長い敵対関係にあるような様子である。

 一方は20歳代後半と思われる若い男子。大きなヘッドフォンをつけ、ヘッドフォンからの音漏れは、スーパー級というかウルトラ級というか、バス車内は「シャカシャカシャカポーン」「ズッタラズッタラ、ドンズカ&ポーン」の騒音に満たされた。

 もう一方は、70歳代前半ぐらいのジーサマ。まだバスのヌシにはなりきっていないが、相当ヌシに近づいている感じ。要するに「準ヌシ」なジーサマであって、目つきにも表情にも行動にも、かなりヌシ的なカホリが充実してきている。
マリアさま
(巨岩を噛んで荒れ狂うガスコーニュの大波の真っただ中、マリアさまが神の御子を居抱いて立ち尽くしていらっしゃった)

 この2人が、やがて口論を始めた。口論と言っても、ジーサマが一方的に喋りまくるのだけであるが、明らかに酔っぱらった口調で若者のスーパー音漏れを非難している。もちろん若者の例に漏れず、「シカト」「完全シカト」が続き、それにまたジーサマが激昂する。

 日本でもお馴染みのパターンであるが、諸君、まさにその時、今井君とジーサマの視線がギュッと正面からぶつかりあってしまった。他に味方のいないジーサマとしては、ここははるばる東洋からやってきたクマどんを味方に引き入れるしかない。

 うぉ、こりゃ困ったことになった。ワタクシは今、素晴らしい高級リソートヘの小旅行の途中である。大作家ユゴーによれば、「ビアリッツよりも魅力的な場所を、私は他に知らない」。そういう場所にルンルン気分で向かう道連れとして、準ヌシなジーサマはさすがに避けたい。

「2つの浜辺のどちらを選択するか躊躇する場合、ビアリッツは常に2つの選択肢の一方である」。こんなコムズカシイ発言をする人もいたらしいが、「道連れの選択に躊躇する場合、準ヌシは決して選択肢の1つではない」というのもまた今井君の名言。できたらこちらへの接近はヤメにしてもらいたい。

 しかし諸君、今日はもう長く書きすぎた。このジーサマと今井君の短い交流については、また明日の記事に詳細を書くことにしたい。あえてこのジーサマを「AIWAジーサン」と名づけておこう。なぜ「AIWA」なのか、その秘密は明日の記事で明かされることになる。

1E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DAS RHEINGOLD 2/2
2E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 1/4
3E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 2/4
4E(Cd) Solti & Vienna:WAGNER/DIE WALKÜRE 3/4
5E(Cd) Akiko Suwanai:INTERMEZZO
total m55 y1300 d19005
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