Sun 160605 岐阜がどれほど盛り上がったか 湯気モーモー 柳ケ瀬の夜は更けていく | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 160605 岐阜がどれほど盛り上がったか 湯気モーモー 柳ケ瀬の夜は更けていく

 6月27日、岐阜の会場は「岐阜金宝町校」の校舎内大教室であった。加古川・四日市・金沢・姫路・福岡・松山・熊本など、我々の誇る大規模校は全国各地に散らばっているのであるが、岐阜金宝町もその1つである。

 公開授業1時間前、今井君がノコノコ校舎内に闖入していくと、もうすでにその盛り上がりは「異様」と言っていいほど。エントランスからエレベーターまで、興奮は熱い湯気にかわり、湯気はモクモク白い雲に変じて、遠くの壁が霞んで見える。

 ほとんど「視界不良」と形容していいぐらいであって、「この熱気、長い人生で何度も経験したことがあるな」と思ったら、要するに銭湯や温泉の大浴場にソックリなのであった。何のことはない、テルマエ・ロマエの今井バージョンである。

 控え室のドアの外側から、ニコニコ&ニヤニヤ、熱心にクマ助を眺める若者たちがいる。視線が合うと、こっちももちろんビックリポンだが、覗き込んだ側も負けず劣らずビックリするらしく、そのたびに「ホンモノだ!!」「ホンモノだ!!」「すげ!!」「カッケー!!」の叫びがロビーを満たすのである。

 動物園のクマじゃあるまいし、そんなに恐る恐る覗き込まれても困るし、いちいち「スゲ!!」「カッケー!!」というのもおかしな話だ。立ち込める湯気の向こうにボンヤリ浮かんだ若者たちの顔を眺めながら、「ボクってそんなに異様ですか?」とスタッフに尋ねたくなるほどであった。
看板
(岐阜会場エントランスの看板が、ウルトラ大盛況を予告する)

 公開授業開始、20時ちょうど。大教室に集まった高校生は約150人。かなり早い段階から「満員〆切」「キャンセル待ち」になっていたが、それでも当日いきなり「まだ入れますか?」と強引に突破を試みる諸君もいたらしくて、大急ぎでテキストを増刷。開始に何とか間に合ったらしい。

 ワタクシが登場して壇上に上がると、恐るべき大喝采で迎えられる。喝采だけ聞いていると、300人とか500人とか、定員の2倍3倍の聴衆が結集したんじゃないかと錯覚するほどだが、見渡せば会場は湯気と霞と雲に潤んで、いったい何人集まったんだか、確かなところはわからない。

 大喝采と大爆笑は、いつまでたっても収まる気配がない。諸君、これはチョイと困るのだ。この大聴衆の中に30名ほど「今日初めて東進に来てみました」という、いわゆる「外部生」が含まれている。

 今日の趣旨は、この外部生にググッと激しく感激してもらって、「こりゃ絶対に東進に来なきゃ♨」と決意してもらうことにもある。それなのに冒頭からこんなに激烈にボンボン沸騰しちゃったら、外部生がみんな「仲間はずれにされた」と思って引いちゃうじゃないか。

 そこで今井君はここで「メッタヤタラに正直作戦」「HONESTY告白作戦」に出る。つまり、「今日は『公開授業』と銘打っているけれども、実際には広報宣伝活動であり、営業活動なのだ」といきなり冒頭からスッキリポン、公開授業の真のネライを白日の下に晒してしまうのである。
岐阜1
(湯気モーモーの大迫力 @ 岐阜会場 1)

「いいかね諸君、『公開授業』と銘打っているからと言って、『授業なんだ♡』『長文読解でもやるのかな』と単純に思い込むようじゃ、そりゃ16歳17歳18歳の人間として、余りにナイーブ過ぎないかね?」

「夏休み直前のこの時期、予備校が大規模なイベントをやって、東京からチョー大物講師がやってくる。オトナの感覚で考えてみたまえ、広報宣伝活動以外、考えられないじゃないか」

「健康器具にダイエット食品、青汁に家電に調理用品。『いま使っているヤツじゃダメなんです』『私たちのこの製品なら、オドロキの効果が出ますよ』。要するに今夜は、我々の授業がどれほど優れているか、そのサンプルです。サンプルだから、もちろんダントツに優れた見本ですよ」

 ここまで正直に告白されれば、さすがの高校生も「怪しいぜ」「もしかして宣伝なんじゃん」「ダマされてはいけません」とか、そんなコドモっぽい発想を捨てざるを得なくなる。だって「怪しい」「ダマされるな」も何も、最初から「宣伝です」と素直に言われたら、黙って真剣に話を聞くしかなくなるのは当たり前だ。

 そういうわけで、この世には「100%正直」以上の戦略も戦術もなければ、今井君を上回るほどの策略もナシ、忍者も忍術も存在しないのである。恐るべし、正直グマ。「がおー、ワタシはアナタを食べちゃいます」と告白したオオカミの真っ赤な口に、いったい誰が逆らえると言うんだい?
岐阜2
(湯気モーモーの大迫力 @ 岐阜会場 2)

 今から15年も前、「代ゼミ四天王」として君臨していたワタクシには、「洗脳されちゃうほど」という評判がついて回った。「今井の授業に出ると洗脳される」「危険なぐらいだぜ♨」と、陰で悪口を言うヒトたちがいたほどである。

 あの頃のボクチンは「ずいぶん臆病な諸君だな」と苦笑したものであるが、よく考えてみれば、やっぱりワタクシが悪かった。まだまだ未熟だったのである。いまや今井君にはその種の未熟な要素は一切ナシ。どこまでも正直、ビックリするほど正直、腰を抜かすほど正直だ。

 こんなに正直になれたのも、授業の最後までジュッと焦げちゃうほどの熱さを生徒たちが維持するのも、教室にモーモーたる湯気が上がり続けるのも、全てはこのブログと、ブログ愛読者諸君のおかげである。

 だって読者諸君、こんなに誠実に自らを晒し続けているのだ。昨日の記事が8年目、365日×8年+うるう年2回=2922回にわたる更新で、書いた原稿の分量はA4版9000枚に迫る。こんなにたくさん書き続けたら、そもそも「隠しごと」なんか、最初から無理な話じゃないか。

 以上、岐阜会場のモーモーたる湯気は、100分の間にモーモー&モーモー、「このぶんじゃ火災報知器でも作動するんじゃないか」という危険水域に達して、21時45分にようやく終了。生徒諸君の大喝采は、又吉どん流の火花でもバチバチ発生しそうなアリサマであった。
鮎
(祝勝会は岐阜・柳ケ瀬の「安兵衛」で。新鮮なアユの塩焼き、おいしゅーございました)

 こうなると、「無事に会場を出られるか」という不安感がスタッフを満たすのである。「逃亡」というか、「逃散」というか、とにかく我先に会場から逃げてしまわないと、とても祝勝会どころの話ではなくなってしまう。

「サインください」「握手してください」「いっしょに写真いいですか?」。そういう求めに1つでも応じたが最後、全く収拾がつかなくなって、サイン会でも握手会でも、気がつけば日付が変わっている。この夜の岐阜は弱い雨。雨の中をスタッフの傘に入って、懇親会場の柳ケ瀬に向かった。

 岐阜の柳ケ瀬と言えば、言わずと知れた美川憲一「柳ケ瀬ブルース」の舞台。昭和40年代までは東海地方を代表する大歓楽街であった。しかし諸君、いまや柳ケ瀬は一大シャッター街。梅雨の雨に濡れた黒々とした闇の姿は、もはや「見る影もない」の一言だ。

 入った店は「安兵衛」。午前1時まで店を開けているが、お客の姿はカウンターに地元のオジサマが3~4人だけである。奥には30人ほど入れるテーブル席のスペースがあるが、わずかに昭和の繁栄を偲ばせるのみ、今夜のお客は我々だけのようである。

 だから、こんなに蒸し暑くてもクーラーは入っていない。入口のドアを開け放して、それが冷房代わりである。出てきたオシボリは、10日洗わなかったフキンみたいなニオイがする。キチンと殺菌&洗浄してビニール袋に入っているが、それでもこのニオイということは、よほど客の回転が悪いのである。
日本盛にごり
(岐阜の地酒「日本盛」。おいしゅーございました)

 お店のオバサマは、異様に不機嫌である。これだけ蒸し暑くて、お客は不入りで、馴染みのオジサマたちがドッカと腰を据えて帰ろうともしないんだから、この不機嫌も「ムベなるかな」であるが、とにかくヒトカケラの笑顔もない。

 不機嫌もここまでくるとシュールであって、シュール大好きの今井君なんかは、もう楽しくてたまらない。「ヒトはどこまで不機嫌になれるのか」。むしろそのあたりを観察してヨダレが糸を引くほど面白い。

 しかも、出てくる酒は例外なく旨いのである。「日本盛」という岐阜の銘柄が中心で、「濃姫」「秀吉」その他、いかにも美濃&尾張のど真ん中。中でも「にごり」が美味。日本酒ソムリエでもある岐阜の先生とともに、深夜1時まで大好きな日本酒を満喫したのである。

 店の外は、梅雨の末期を思わせる濃厚&濃密な雨。「未明から明け方にかけて、雷をともなって激しい雨になります」と天気予報で連呼していた通りになった。贅沢を承知で、タクシーを呼んでもらった。名古屋まで1時間、ちょうど1万円ほど、マコトに楽しいタクシーライドであった。

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