2016年06月02日(木)

Mon 160509 キウィとアルコール クロマニョン今井 風邪の荒療治(ボルドー春紀行18)

テーマ:ブログ
 ようやくバイヨンヌを発車したボルドーゆきの列車は(スミマセン、昨日の続きです)、7割ほどの席が埋まった程度の、マコトに和やかな雰囲気。こんな風邪さえ引いていなかったら、さぞかし楽しい列車の旅になっただろう。

 通路をはさんで向こう側の4人席では、オバサマたちの夕暮れの宴が始まった。50歳ぐらいの気さくそうなオバサマが、バッグの中からおもむろに取り出したのは、キウィフルーツ。果物ナイフでキレイにキウィの皮をむいては、オバサマ仲間に配りはじめた。

 日本のローカル列車なら、まあありふれた光景である。もちろん「キウィ」という点は十分にドギモを抜くけれども、これをミカンやリンゴやカキに置き換えれば、例えば秋田の男鹿線とか五能線なら、日常的に目撃するホノボノした光景だ。

 しかし、夕陽を浴びたオバサマ4人の世間話が盛り上がる中、列車の歩みは相変わらずたいへん不承不承である。原因はもちろん、前を走る貨物列車(スミマセン、まだ昨日の続きです)。バイヨンヌ駅で目撃した通り、この列車のすぐ前をウルトラ♨ノロノロな重たい貨物列車が青息吐息で進んでいる。
長髪オジサマ
(ボルドー駅のポスターに「長髪のイマイ」を発見。クロマニョン人であるらしい)

 そのまま延々とノロノロ運転を続けた列車は、1時間後にやっとDAX駅に到着。ところが、「停車がずいぶん長いな」とイライラした頃に、切迫した早口の車内放送が入った。

「この列車はここから折り返し運転ということになりました」
「みなさん降りてください」
「ホームの向かい側に停車中の電車に乗り換えてください」
とおっしゃる。

 世界中どこでも同じことで、平常時には丁寧で聞き取りやすい英語アナウンスも入るのだが、いったん緊急事態が発生すれば、もう遠慮会釈なし。すべて現地の早口コトバのみにかわる。「英語で何とかなるよ」なんてのは、甘いのだ。

 「急いで乗り換えてください」とキツく命令されたんじゃ、もう是非もない。ハキケとブルブルがますますヒドくなる中、懸命に向かいのホームの電車に走った。電車の編成は短い。たった5両しかないのである。

 今まで10両編成に7割いた乗客が、5両編成に乗り換えたのだ。ギューギューの満員である。こういう時のクマ助はしぶといから何とか座席を確保できたが、今度はすぐ目の前の座席に、アルコールでかなりイカれた乗客が2名いらっしゃる。
ポスター
(クロマニョンな「長髪のイマイ」は、原始のラビリンス「鏡の迷路」の住人なのであった)

 1人は30歳前後の男性。2リットルのペットボトルにウィスキーを入れて、震える両手でボトルにしがみつくように飲み続けている。最初チラッと姿を見た時は60歳過ぎと思ったが、アルコール漬けの生活のせいか、外見もすっかり変わってしまったようだ。

 もう1人は女子。こちらはいくらか陽気な酒だが、周囲の乗客に大声でからみ、誰にともなく罵声を浴びせている。男子の妹かもしれない。家族であることは間違いなくて、この2人のママと思われるオバサマが、たいへん苦しげな表情で付き添っている。

 この状況でワタクシは、悪寒にブルブル震えながらDAXから2時間の旅に耐えた。ボルドー着、21時半。そのとき駅で発見して「コレだ!!」と手を打ったのが、今日の写真1枚目&2枚目のポスターである。

 タイトルは「Le Labyrinthe Préhistorique/Mirror Maze」。和訳すれば「先史時代のラビリンス/鏡の迷路」。何がそんなに嬉しかったのかと言えば、今もしもワタクシが丸刈りをヤメて、半年ぐらい髪を伸ばしてみたまえ、ポスターに描かれたクロマニョン人とソックリになるじゃないか。

 おおワタクシは、クマというよりクロマニョンだったんだ。「ヨシ、久しぶりに髪の毛を伸ばしてみるか!!」と思い立ったのである。「伸ばしてみっかな♡」、悪寒の真っただ中で、「ウフ♡」と超キモく微笑んだ瞬間であった。
駅補修中
(ボルドー・サンジャン駅は大補修工事中。鉄パイプの激烈さは、なかなか日本では目撃できないレベルのものだった)

 駅からさらにトラムに乗り継いで、ホテルに帰り着いたのはもう22時に近い。やたらに広いスイートルームが恨めしくなるほど、「息も絶え絶え♨」というアリサマであった。

「旅に病んで」という状況で、夢が枯野を駆けめぐりはじめたら、何より大切なのは、① 水分と、② 睡眠、その2大要素である。①は、水分なら何でもいいので、ホテルの冷蔵庫に入っているコーラ・ミネラルウォーター・オレンジジュース・オランジーナ先生・コマンタレヴー、別に何でもかまわない。

 そんなに切羽詰まっているのに、いろいろ難しいことを言うオカタは多い。「コーラじゃダメです」「お水以外は全部ダメです」とか、コッチは旅先で困り果てているのに、そんな贅沢を言われたってどうしようもない。この際お医者に何と言われようと「ビールで我慢♡」も十分にアリだ。

 諸君、間違えないでくれたまえよ。ワタクシはあくまでビールで「我慢♡」なのであって、自ら進んでビールを選択するのではない。水分を求めてお部屋の冷蔵庫を探ったら、ミネラルウォーターやオランジーナ先生が明らかに不足していたのだ。

 その分、何故かビールだけがヤタラ豊富に冷蔵庫の中を占領中。こりゃ冷蔵庫というより、ビール倉庫である。近くのスーパーで買い込んでおいたハイネケンの緑の瓶が立ち並び、庫内のビール密度は極めて高い。マニラやハノイやジャカルタの人口密度にも、決してヒケをとらない。
ホテル
(ホーホーのテイで、ついにボルドーGrand Hotelにたどり着く)

 ま、とりあえずマジメにミネラルウォーターをグビグビ。「もうこれ以上の水分はとれません」と天を仰ぎ、1歩歩むごとにポンポンの中で水がタップタップ波打つのを感じた段階で、「それでは睡眠」とベッドに凭れ込むことにした。

 ただし諸君、旅先で風邪を一気に追い出すワザとして、どうしても欠かせないのは「汗まみれ作戦」である。朝までの7~8時間で、Tシャツ4~5枚を汗でグショグショにしなきゃいけない。要するに今飲み込んだ水分を、ほぼそのまま体外に排出するのである。

 そこで諸君、Tシャツの上からお部屋に備え付けのバスローブを着込む。着込むと言っても、本来とは反対向きに着なければならない。背中に来るほうをお腹にして袖に腕を通し、そのモコモコ&ムクムクなカッコのままベッドに仰向けに寝てみたまえ。暑苦しいことこの上ない。

 その上から、念入りにお布団をかぶる。もちろんまず毛布、その上からお布団。うぉ、こりゃ暑苦しい。お水1リットル飲んでから、バスローブをぐるぐる巻きにしてサウナに飛び込んだようなアリサマだ。うぉ、もう汗がダラダラ流れはじめて、「荒療治にも限度があるよ♨」と、自分で自分を責める瞬間である。
遠い
(部屋が広すぎて、エントランスからベッドルームにたどり着くのもヒト苦労だ)

 こうして諸君、2時間おきに目を覚まして汗を拭い、絞ればホントに水滴がポタポタ垂れるほどにTシャツを汗マミレにする。朝までにTシャツ4枚が台無し、やがてバスローブにも汗がジットリ染み込んだ。

 いやはや、これじゃさぞかしビールも旨いだろう。午前5時、ベッドからムックリ起きだした段階で、もう熱はほぼ平熱に下がった模様。この荒療治に耐えぬくあたり、さすがに鉄人、クロマニョン今井である。早速ビールをシュポン ☞ グビグビ、それが旨いのなんの、ただの「旨い!!」を超越している。

 もちろんここで「おお、そう言えば今日の分のブログがまだだった」と気づいたワタクシは、ホンの7時間前までブルブル悪寒に震えていたことも忘れ、我が友Mac君を開くや、1時間もかからずに原稿を一気に書き上げた。

 あの時のブログタイトルは、「Mon 160314 旅に病んで、それでもブログは書きまくる(ドイツ・クリスマス紀行16)」。どれほどクロマニョン今井がエネルギーのカタマリであるか、それを確認するためにだけでも、ぜひじっくり再読してくれたまえ。
 
1E(Cd) Bruns & Ishay:FAURÉ/COMPLETE WORKS FOR CELLO AND PIANO
2E(Cd) Carmina Quartet:HAYDN/THE SEVEN LAST WORDS OF OUR SAVIOUR ON THE CROSS
3E(Cd) George Duke:COOL
4E(Cd) Kaori Murachi/Kazufumi Ymasita & New Japan Philharmonic:CONCIERTO DE ARANJUEZ
5E(Cd) Samson François/André Cluytens & Conservatoire National Supérieur de Musique:RAVEL/PIANO CONCERTOS
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