2016年05月22日(日)

Thu 160428 クライマックスの設定 カルカソンヌの夜景を満喫する(ボルドー春紀行10)

テーマ:ブログ
 旅のクライマックスは、本来なら日程の真ん中あたり、8日の旅なら4日目、15日の旅なら7日目、その辺にもっていくのが定石だろう。

 大昔の国際人ゲーテでさえ、「せめて一生に一度だけイタリアを旅してこよう」と決意したときには、ヴェネツィアをどのタイミングで訪問するかに苦慮したはずだ。

 もちろんゲーテの場合、あんまりイタリアが気に入っちゃったので、何度でも繰り返し訪問したくなり、岩波文庫で2冊もある「イタリア紀行」を執筆するに至った。

 しかしそのぐらい気に入ってしまったのも、旅の計画が巧妙だったからである。クライマックスを序盤に設定したり、最終盤まで我慢したりすれば、旅のバランスが取れなくなる。

 大相撲なら、序盤にあたる2日目とか3日目とかに横綱どうしの対戦を組んだみたいな感じ。完全に間延びしてバランスが前のめりになり、旅の後半がヌラヌラ&ベロベロ、マコトにシマリのないものになるのは必定である。
お城夜景
(カルカソンヌ、マクロな夜景)

 むかしむかし大昔、お相撲に全くシマリがなくなってしまった頃、「初日から大関同士の対戦」なんてのもあった。初日から大関が横綱にぶつけられたり、まあダラしない大関の奮起を促した取り組みだったと思う。しかし刺激剤として役には立っても、15日全体のマクロなバランスを崩してしまうことになった。

 逆に、旅のクライマックスを最終盤までもったいぶっていると、「帰りたくない病」の発症が必然的になる。そりゃそうだ。例えばイタリアに2週間はとバス旅行に出かけるとして、12日目とか13日目にヴェネツィアを持ってきてみたまえ。

「もう日本になんか帰りたくない」
「ずっとヴェネツィアにいたい」
「いつまでもアドリア海の波に揺られていたい」

 まあ、そういう症状を呈するのは当たり前。あんなに自己を抑制できたゲーテでさえ、少年少女同様の「帰りたくない♡」を経験したのである。
夜景のスタート1
(午後7時過ぎ、夕焼けの中でライトアップが始まる)

 そこで諸君、旅慣れた人間の旅行計画では、クライマックスは必ず真ん中にもってくる。「ウワバミ文庫」から、2013年の今井君「夏マルセイユ滞在記」を参照してみたまえ。

 2週間に及ぶマルセイユ滞在中に、何故かヴェネツィア1泊を挟んでいるが、そのウルトラワザも、キチンと2週間の真ん中に持ってきている。白鵬 vs 稀勢の里の大決戦だって、むしろ中日8日目あたりにしたほうがよかったのかもしれませんな。

 クライマックスを真ん中に持っていく効用は、
① 疲労の少ないうち、つまり旅の疲労が蓄積しないうちに、クライマックスを満喫する
② 旅の後半をクライマックスからのクールダウン期間と考える。例えばイタリアはとバス旅なら、ミラノやローマやボローニャで、ヴェネツィアやナポリの激しい興奮を冷却する
の2点にあるだろう。
夜景のスタート2
(カルカソンヌ、夜景はいよいよクライマックスへ)

 ミラノは、まさにそのための街と言ってもよくて、ドゥオモと「カステッロ・スフォルツェスコ」「グラツィエ教会」以外には、そんなにたくさんMustが並んでいるわけではない。

 もちろんコモ湖やマッジョーレ湖まで脚を伸ばしたり、「この際ジュネーブまで行ってくるか」とか、ベルガモ・クレモナ・マントヴァ・ブレーシャ・フェラーラなど、郊外の街を訪ねる丹念さがあれば別だが、むしろ冷却期間として、ヴェネツィアの熱を冷ますのに最適だろう。

 ま、そういうことである。クライマックスは旅のバランスを重視して、旅の中間地点に設定する。これが旅のベテラン今井君のアドバイスである。

 ところが諸君、2016年4月、ワタクシは自らのアドバイスにも関わらず、ついつい前のめりになって、15日の旅の頂点を2日目に持ってきてしまった。

 その結果、どんなふうに精神と肉体のバランスが崩れ、その後どんなふうに激烈な風邪を引き、ボルドーのベッドでブルブル震えて過ごすテイタラクになったか。その顛末はまたこの後の旅行記に詳述することにする。
クライマックス
(カルカソンヌ夜景、クライマックス)

 4月4日夕刻、カルカソンヌの今井君は、そんな情けない日々をまだ夢にも知らないのである。午後7時、暗くなりかけたカルカソンヌ城を抜け出して、急坂を麓の街まで降りていった。

 城壁のライトアップが、そろそろ始まりかけている。日本のオシャレな旅行雑誌なんかでは、とっくにカルカソンヌの特集を組んでいて、マコトに美しい城壁の写真を掲載している。

 うーん、負けてはいられない。CREA Travellerに勝るとも劣らない写真をたくさん撮ってきたいじゃないか。もちろん持参のカメラはCasioの小型デジタルカメラであって、夜景のコンテストで勝利できるようなシロモノではないが、せめて読者諸君のカルカソンヌ熱をあおるぐらいはしたいのである。

 中世の城下町から、オード川にかかったポン・ヴューをわたる。空は夕焼けから夕暮れにかわる頃。橋のたもとには古い病院の廃墟があり、廃墟で生活する野良猫の表情にも、どこかヒトをヒヤリとさせる冷酷さがある。しかしまあ、中世から延々と続く町だ。その程度のことでコワいとか言ってはいられない。
ポンビューの夜景
(カルカソンヌ、ポン・ヴュー(中世の橋)の夜景)

 いやはやワタクシは、この夜景を撮影する写真マニアや中世マニアが、橋のたもとにタップリ&ワンサカ溢れているものとおもっていた。しかし諸君、カルカソンヌのお城は意外なほど人気がないらしい。

 城の勇姿を撮影しようと川端に陣取った同志は、多く見積もっても3人ほど。4月上旬の川の夜風をマトモに受けて、「風邪ぐらい引いたってかまわないじゃないか」という覚悟のヒトなんか、他にはほとんど存在しないのであった。

 それならそれで、ちっともかまわない。写真でご覧の通り、カルカソンヌのお城は息をのむほど美しい。ライトアップが始まった直後からすでに夢を見るようだし、夜の闇が深まるにつれて、城壁の輝きがオレンジからゴールドにかわっていくプロセスもまたタマらない。

 城壁ばかりではない。オード川の流れも、中世の橋ポン・ヴューの眺めも、夜が更けていくに従ってますます美しくなっていく。せっかくカルカソンヌに宿泊したのに、こんな眺めを眺めに来ないとは、世界中の観光客もやっぱりガッツにかけるじゃないか。

 やがて時計は夜9時を回った。ちっともお客の入らない川岸のレストランの人々も、廃病院でエサをあさる野良猫諸君も、「そろそろネグラが恋しくなった」という雰囲気である。

 ワタクシもそろそろお部屋に戻ろうじゃないか。何しろ世界遺産のお城の中の部屋だ。満喫しなきゃ、バチがあたるというものだ。

1E(Cd) Wand:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & N0.9①
2E(Cd) Wand:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & N0.9②
3E(Cd) Courtney Pine:BACK IN THE DAY
4E(Cd) Wand:SCHUBERT/SYMPHONY No.8 & N0.9①
5E(Cd)Akiko Suwanai:BRUCH/VIOLIN CONCERT No.1 & SCOTTISH FANTASY
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