2016年04月13日(水)

Sun 160320 10歳までの読書 1ユーロのクリスマス市(ドイツ・クリスマス紀行22)

テーマ:ブログ
 昨年の夏ぐらいから、「10歳までの読書量で人生が決まる」みたいなタイトルの本が売れているらしくて、全国紙の第1面、コラムの真下あたりによくその広告を発見する。

 そのキャッチフレーズはマコトに素晴しいので、塾の先生がたは教育熱心なママたちを前に、
「コドモには読書をさせなさい」
「ゲームなんか全て禁止にして、ひたすら読書&読書」
「変な習い事なんかより、たくさん本を読ませなさい」
とニコヤカに語りかけるだろうし、ママたちも笑顔で熱心に頷き続けるはずだ。

 ただしここで気をつけなければならないのは、「10歳までの読書量で人生が『どう』決まるか」なのであって、
「読書量とテストの偏差値が比例する」
「読書したから東大に入れる」
「読書すれば、現役で医学部に合格できる」
「ひたすら読書した結果、人間国宝になれました」
みたいな、そんな安直な話では全くないことは言うまでもない。
東欧
(ブダペストからきたユーロスターで、ドレスデンからベルリンに帰る。車両も何となく東欧風だ)

 場合によっては、「10歳までの読書のせいで、人生はマイナスの方向性に決まる」ということになるかもしれない。読書で人生が悪いほうに曲がっちゃうことなんか、いくらでも考えられるはずだ。ママも塾の先生も、そこんトコロをキチンと熟知しなければならない。

 例えば昨日書いた「講談社 少年少女世界文学全集」では、よく見てみると、ゴーリキー「チェルカーシュ」なんかが平気で収録されている。コドモ向きに書き換えられているとしても、10歳のコドモが「チェルカーシュ」を読んで、何をどういうふうに理解してしまうか、マコトに危なっかしい。

 かくいう今井君は、10歳までの読書量では滅多に他者に負ける気はしない。国立大学総長だった伯父サマだの、ウルトラ読書好きの叔父サンだの、そういう人々が競うようにプレゼントしてくれた文学全集合計50巻、嘗めるように繰り返して読んで、ほとんど暗記しちゃったような巻もある。

 じゃあそれで「IQが上がりました」「開成や灘に合格しました」「東大理Ⅲに現役合格しました」「ノーベル賞候補です」みたいなことになったかと言えば、いやはや諸君、現在のワタクシはご覧の通りのアリサマ。大学入試と、その後の社会への順応の所でスタックして、ちっとも輝かしい人生なんか歩んでいない。
経由
(ブダペスト発、ハンブルグ行き。さすがユーロスター、経由地もマコトにエキゾチックである)

 子供時代の文学全集の目次を今さら眺めてみるに、そこにはたくさんの放浪礼賛があり、立身出世への強烈な批判があり、敗者への讃歌・堕落への誘惑・放縦の肯定があって、必ずしも「ほれ、ガンバレ」「ほーれ、努力せよ」「負けるなワッショイ」「赤勝て、白勝て」みたいな人生応援団ばかりが揃っているわけではないのだ。

 読書で人生が好ましくないほうに決まる危険もキチンと指摘しないまま、読書の効用ばかりをあんまり宣伝してはいけないように感じるのだ。というか、そもそも読書を「量」で論じていいもんでしょうかね。質を常に考慮してあげないと、ダメなんじゃございませんか。

 では今井君はどうなのかと言うに、「いやはや、いろんなところでスタックして悪戦苦闘の人生をやっていますが、豊かさという面では誰にも負ける気がしません」というのが正直な感想である。

 昨日フランス南西部の旅を終えて、昨日はパリに移動。ポイントを貯めて獲得した「無料宿泊特典」でパリに4泊するが、何と諸君、かかるオカネは0円だ。0円で泊まれる部屋なんか、普通そのホテルで最も地味な部屋になりそうだが、うぉ、パリでも今井君は「プレステージ・スイート」に案内された。
フランスドーム
(ベルリン、フランスドーム)

 スイートにもいろいろあって、ジュニアスイート・シニアスイート、キングスイートにロイヤルスイート、ま、上にはどこまでも上があって、部屋の中で運動会ができそうな強烈に広大なのもあるだろう。プレステージ・スイートは、シニアスイートの上、ここもたいへん豪華である。

 そういうパリの深夜、ボルドーの赤ワインをグラスにドボドボ注ぎつつ、4ヶ月前のドイツの旅の記録を書く。うぉ、豊かである。ライプツィヒ ☞ ドレスデン ☞ ベルリン、「いったいオレは今どこにいるんだろう」、それさえ分からなくなるほど豊かな夜だった。しかも今は、いきなりモンサンミシェルに出没してこれを書いている。

 もしも「10歳までの読書量で人生が決まる」とすれば、その決まり方はこんなふうなんじゃないか。別に偏差値も上がらないし、社会的な地位も向上しない。人間国宝やノーベル賞は完全に別世界でござる。しかし自分への満足感は、常に圧倒的。これほどの豊穣の世界、こんな豊かな人生って、そんなにあるもんじゃない気がする。
ステーキパン
(入場料1ユーロのクリスマス市、ステーキパンが旨い。パンからハミ出たのが全部ホンモノのステーキだ)

 12月24日、ドレスデンからベルリンへの列車は、ブダペストからやってきたハンガリー国鉄のEUROCITYである。ブダペスト ☞ ブラチスラバ ☞ プラハ ☞ ドレスデン ☞ ベルリンを経由して、ハンブルグまで北上する。

 さすがクリスマスイブの長距離列車だ。「乗っているのはサンタさんばかり」という和やかな雰囲気。東ヨーロッパ全域から集まったトナカイさんたちに引かれて、列車はグイグイ北上していく。こうして旅行記の上のワタクシは、ドレスデン16:54発、ベルリン18:58着。無事にベルリンのホテルに帰った。

 翌日は、朝からクリスマスのベルリン探訪。ホテル前から「200番バス」に乗り込んで、ベルリンの街を闊歩した。ベルリンは丸1日快晴。風もそんなに冷たくなくて、「あれれ、12月下旬のベルリンがこんなに暖かくて大丈夫なの?」と拍子抜けするほどである。

 何と言ってもこの日第1の収穫は、「1ユーロの有料クリスマス市」を発見したことである。たった1ユーロ玉1コだけれども、入場料を払わなければ入場できない。しかし諸君、店の人々の対応もグーンとよくなって、有料だからこその優良クリスマス市なのである。

 場所は、フランスドームとドイツドームに挟まれたあたり。コンチェルトハウス前の広場で、正式名称は「GENDARMENMARKT」。チーズパン(ラクレット)・ねぎパン・ステーキパン・ソーセージパンなど、クリスマス市の定番がすべて旨い。
チーズパン
(入場料1ユーロのクリスマス市、焼きたてチーズパンも旨い)

 店の人にも「入場料をもらってんだ」という自覚があり、みんな最高の笑顔でサービスに努めている。お客の側にも「入場料を払ったんだから」という自覚がムンムンしていて、だからこそゴミもチャンと捨てるし、無闇に周囲を汚すようなことはしない。

 そりゃ諸君、無料に越したことはない。それは明らかだ。しかしお店の人が舌打ちを繰り返したり、お客に怒鳴り散らしたり、お客どうしでニラミあいになったり、そこいら中ゴミだらけになったり、そんなんじゃ、せっかくのお祭りが台無しだ。

 わずか1ユーロでこんなにいい雰囲気になれるなら、1ユーロ、お安い御用じゃないか。あんまり気に入ったので、実は今井君は翌日も、さらにその翌日も、このクリスマス市を訪ねたのである。

 3日連続で同じクリスマス市に行く。「あんたもずいぶんヒマですね」であるが、なるほどワタクシはヒマな人間であって、ベルリンではひたすらステーキパンとソーセージパンを貪り、ラム酒入りのホットワインを満喫した。

 こういうクリスマスが一番楽しいことは、10歳のころに文学全集を嘗めるように読みながら、すでに本能的に感じていたこと。あの時の感触に、やはり間違いはなかったようである。

1E(Cd) Grover Washington Jr.:WINELIGHT
2E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
3E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
4E(Cd) Lee Ritenour:WES BOUND
5E(Cd) Marc Antoine:MADRID
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