2016年04月12日(火)

Sat 160319 ケストナー 少年少女世界文学全集 おぐら(ドイツ・クリスマス紀行21)

テーマ:ブログ
 こうして諸君、2015年のクリスマスイブを、クマ助はあっけなくドレスデンで迎えることになった。12月24日朝、目が醒めたのはドレスデンのホテルの一室である。

 昨日一日まるまる履いた靴下は、さすがにクチャイ。今井君の足は中年に似合わず清潔で無臭、本来なら全然クチャくない。しかしやっぱり「まる一日靴の中で蒸れていた」ということになれば、さすがに自分でニオイを嗅ぐ勇気はない。

 そんなにクチャイ靴下では、優しいサンタさんだってプレゼントなんか入れてくれるはずもない。クチャイ靴下に鼻なんか突っ込めば、せっかくのサンタさんの白ヒゲが靴下臭くなっちゃうじゃないか。

 だから諸君、もしサンタさんのプレゼントが欲しかったら、日頃から靴下の洗濯に気をつけたまえ。洗剤にも「カホリがポン!!」なんてのだってある。カホリがポン!!と飛びだせば、サンタさんのプレゼントだって、ポポン!!と奮発してもらえるかもしれない。
アウグスト
(ドレスデンからエルベ河を渡って東側、ノイシュタットで。ザクセンのアウグスト強王は、ノイシュタットでもなおキンキラキンだった)

 いやはや12月24日、「あれれ、プレゼントがないぞ♨」と思ったのも当然であって、プレゼントがもらえるのは12月25日である。何だ、一日早かっただけであって、今井君の靴下がクチャかったわけじゃないのだ。ふー、安心して胸をズルッと撫で下ろしたクマ助であった。

 そこで諸君、ワタクシは午前中からお散歩に出て、ドレスデンからエルベ河を渡り、向こう岸の「ノイシュタット」を探険することに決めた。ノイ(neu)はドイツ語で「新しい」、Stadtは「街」、要するに「新市街」というマンマな命名の街である。

 命名はマンマだが、この街で児童文学の巨匠ケストナーが生まれている。ドイツの児童文学と言えば、この十数年「モモ」「はてしない物語」のミヒャエル・エンデばかりが目立ってきたが、諸君、昭和の時代には誰が何と言ってもケストナー先生しか考えられなかった。

 ケストナーの代表作は、「飛ぶ教室」「点子ちゃんとアントン」「エミールと軽わざ師」「ふたりのロッテ」。ロッテが2人もいると、思わずお菓子メーカーのお家騒動を思い出すが、まあ難しいお話は当事者の皆様の解決にお任せするしかない。
牛乳店
(ノイシュタットには美味しいミルクが有名なカフェが存在する)

 今考えれば幼き日の今井君は、読書環境にイヤというほど恵まれていたらしい。ケストナーの代表作も、みんな講談社「少年少女 世界文学全集」で読んだ。母方の伯父サマ&叔父サマがそろって読書好き。お正月やクリスマスのプレゼントに競うように世界文学全集を一冊ずつ買ってきてくれた。

 すると諸君、全50冊がいつの間にか揃ってしまったりする。昭和の出版界は奇跡的に優れていたので、当時の日本を代表するような翻訳者と挿絵画家の作品が、子供部屋の本棚にズラリと揃うことになった。

 せっかくだから、1958年に完結したらしい「講談社 少年少女世界文学全集」の大要を以下に示しておく。翻訳者と挿絵の担当者に、ドキッとするほどの大家の名前が何気なくズラリと並ぶから、細心の注意を払って読み込んでみてくれたまえ。

監修 安倍能成 小川未明 志賀直哉 辰野隆 福原麟太郎
。
訳は、井伏鱒二、阿部知二、吉田健一、石井桃子など。

☆1巻 古代中世編(1)
ギリシア神話 北欧神話 イソップ物語

☆2巻 古代中世編(2)
イリアス オデュッセイア 聖書物語 

☆3巻 古代中世編(3)
ニーベルンゲンの歌 きつね物語 剛勇グレティル物語
挿絵・ 佐藤忠良
訳・相良守峰 鈴木力衛 山室静 矢崎源九郎 柴田治三郎

☆4巻 イギリス編(1)
ロビン・フッドの冒険 アーサー王物語 イギリス民話
訳・中野好夫など

☆5巻 イギリス編(2)
ロビンソン漂流記 シェークスピア物語
挿絵・向井潤吉
訳・中野好夫 吉田健一

☆6巻 イギリス編(3)
ガリバー旅行記 クリスマス・カロル
訳・安藤一郎 西川正身

☆7巻 イギリス編(4)
宝島 フランダースのいぬ 幸福な王子
訳・阿部知二など

☆8巻 イギリス編(5)
ジャングル・ブック 黒馬物語

☆9巻 イギリス編(6)
ピーター・パン ホームズの冒険 名犬クルーソー

☆10巻 イギリス編(7)
ふしぎの国のアリス ひきがえるの冒険 山の伝書ばと

☆11巻 アメリカ編(1)
アンクル・トムの小屋 黄金虫 
挿絵・朝倉摂など
訳・西川正身 江戸川乱歩 山室静など

☆12巻 アメリカ編(2)
若草物語 銀のスケート

☆13巻 アメリカ編(3)
小公子 小公女
訳・村岡花子 伊藤整

☆14巻 アメリカ編(4)
王子とこじき トム・ソーヤーの冒険
訳・阿部知二など

☆15巻 アメリカ編(5)
子じか物語 あしながおじさん(ウェブスター)
訳・安藤一郎 曽野綾子など

☆16巻 アメリカ編(6)
ドリトル先生航海記 オズのまほう使い シートン動物記
訳・井伏鱒二 滝口直太郎など

☆17巻 アメリカ編(7)
二十一の気球 海をおそれる少年 赤毛のアン
訳・渡辺茂男 村岡花子など

☆18巻 ドイツ編(1)
ほら男爵の冒険 ハウフ童話集 くるみわり人形
訳・柴田治三郎 手塚富雄 国松孝二など

☆19巻 ドイツ編(2)
グリム童話集

☆20巻 ドイツ編(3)
みつばちマーヤの冒険 水晶 みかげ石
訳・山室静 手塚富雄 国松孝二 大畑末吉

☆21巻 ドイツ編(4)
愛の一家 悪童物語

☆22巻 ドイツ編(5)
バンビ 二少年の秘密
挿絵・朝倉摂など

☆23巻 ドイツ編(6)
飛ぶ教室 点子ちゃんとアントン エミールと軽わざ師

☆24巻 ドイツ編(7)
アルプスの少女 スイスのロビンソン

☆25巻 フランス編(1)
ローランの歌 ペロー童話集 ろば物語

☆26巻 フランス編(2)
ああ無情 三銃士
訳・山内義雄 鈴木力衛

☆27巻 フランス編(3)
家なき子 風車小屋だより 愛の妖精
訳・西条八十など

☆28巻 フランス編(4)
十五少年漂流記 海底二万里 にんじん

☆29巻 フランス編(5)
青い鳥 首なし馬

☆30巻~34巻 ロシア編
ルスランとリュドミラ イワンのばか チェルカーシュ
訳・中村白葉 中村融 米川正夫 和久利誓一など

☆35~37巻 北欧編
アンデルセン童話集 ニルスのふしぎなたび オーボー城の小人
訳・大畑末吉 山室静 矢崎源九郎など

☆38~40巻 南欧・東欧編
ドン・キホーテ プラテーロとわたし ピノッキオ クオレなど
訳・杉浦明平 会田由 矢崎源九郎など

☆41 ~44巻 東洋編
アラビアン・ナイト ラーマーヤナ 西遊記三国志 水滸伝 聊斎志異など
訳・奥野信太郎 邱永漢 矢崎源九郎

☆45~50巻 日本編
古事記 竹取物語 落窪物語 平家物語 曽我物語 東海道中膝栗毛 弓張月物語 今昔物語 平家物語 太平記 八犬伝 東海道中膝栗毛 雨月物語など
おぐら
(ドレスデン、ヒルトンホテル内に、懐かしいお寿司屋「おぐら」がある)

 諸君、このレベルだ。幼い今井君は、コドモ向けとは言え、これほどの強烈な人々が編集した文学全集を伯父サマ&叔父さまたちからプレゼントされ続けて、マコトに幸せな幼児期を過ごしたのである。

 ケストナーの銅像を横目で眺めながら、「素晴らしい日々だった」と痛感するが、その後はどうなりました?と尋ねられれば、「申し訳ありません」と、ノイシュタットをスゴスゴ退散するしかない。諸君、少年期 ☞ 青年期とたゆまぬ努力を続けなければ、幼年期の幸福はみんなムダになっちゃうのだ。
握り
(ドレスデン「おぐら」の正統派なにぎり寿司)

 さて、10年ぶりのドレスデンを後にするにあたって、今井君にはどうしても訪ねておかなければならない店がある。ヒルトンホテル内のお寿司屋「おぐら」である。

 思えば10年前、ドレスデンの駅前から聖十字架教会付近でデモが暴徒化した。巻き込まれかけたワタクシは、ほうほうのていで「おぐら」に駆け込んだ。ヒルトンホテルの中なら大丈夫だろう、そういう必死の思いだった。

 10年ぶりのヒルトンホテルは、ホテル自体が何となく古びた感じ、というか寂れた感じ。そのあたりは10年間のワタクシ自身の変化も関わっているので、ホントにこのホテルが古びてしまったかどうかは定かではない。
店内風景
(ヒルトンホテル「おぐら」店内。10年前と少しも変わらない)

 しかし「おぐら」は、今もなお健在であった。カリフォルニアロールではないホンモノののお寿司を、ドイツ東部の街で出し続けているダンナの意気軒昂に感激する。

 元気な女将サンの応対ぶりも、むかし通り。デモの暴徒化にビビっていた若き今井君に「大丈夫ですよ」と声をかけてくれたのも、この優しい女将サンだった。

 今井君は、ドレスデンが大好きだ。また10年後になるか、意外に来年か再来年あたりになるか。今の段階ではサッパリ予測がつかないが、「近い将来必ずまた来ます」と約束して、午後1時半、お店にしばしの別れを告げたのであった。

1E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
2E(Cd) Bobby Coldwell:COME RAIN OR COME SHINE
3E(Cd) Bobby Coldwell:BLUE CONDITION
4E(Cd) Boz Scaggs:BOZ THE BALLADE
5E(Cd) The Doobie Brothers:MINUTE BY MINUTE
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