2015年10月15日(木)

Mon 150921 リヨンの名店 LE NORDにて 川カマスのクネル(また夏マルセイユ26)

テーマ:ブログ
 今日の1枚目の写真を見て何を感じるかであるが、このマコトに充実した円筒形を眺めつつ「おや、健康そうな○○。毎朝チャンとこんなのが … たらいいな」と感じた諸君は、今井君と感覚を共有していると言っていい。若干お下劣で申し訳ないが、まあ正直な感想だ。

 もちろん、○○や … にどんな名詞や動詞を入れるかについては、それは諸君の自由であって、クマ助は何ら一定の名詞や動詞を指定するものではない。その人その人の趣味なり人生観なりに基づいて、好みのコトバを入れてくれればそれでいい。

 しかしこの形と重量感、さらにまたこの充実感は「人生の理想」ないしは「夢」の一部に違いなくて、人は誰でもこういう○○を求めて日々の努力を続けるのではないか。

 もしクマ助が神に助けられてこういう作品を創作し、美術展に出品するとしたら、「夢」ないし「理想」、おそらくそういうタイトルをつけるんじゃないかと愚考する。
クネル1
(川カマスのクネル)

 しかし諸君、これはフランス・リヨン地方の名物料理であって、ソーセージ、チーズ、ハム、竹輪ないし蒲鉾、そういうものを想起せられたい。正式名称はクネル、フランス語で書けばQuenelle de Brochetである。

 お魚のすり身を筒状に固めた食品であって、やっぱり竹輪なり蒲鉾なりとソックリなシロモノ。お魚の正体は、川カマスである。川魚を材料に作ったフランス風カマボコを、メッタヤタラに上品に盛りつければ、ポール・ボキューズのダンナのお店を代表する高級メニューになるわけだ。

 一方、これを召し上がるクマ助としては、当然のようにズッシリとした重量感を期待する。ハムでもソーセージでも、チーズでもカマボコでも、こんな理想的な夢のカタマリ、円筒形に凝縮した理想の固体を目にすれば、当然「ズッシリ」「むっちり」を期待する。

 ところが、ここで東洋のクマは意表を突かれることになる。意表を突かれすぎて、思わずナイフもフォークも取り落とすというか、バカバカしくてゲラゲラ笑い出したくなると言うか、まあそんなところである。
クネル2
(川カマスのクネル、断面図)

「ソーセージだと思ったら、ハンペンだった」
「チーズだと思ったら、スポンジ♡ボブだった」
「硬式野球のボールだと思ってバットを振ったら、軟式テニスのボールだった」
「ピンポン球だと思ってスマッシュしたら、生タマゴだった」

「ダマされた」という黄色い屈辱がドロリと鼻の穴から垂れてきそうな、マコトにイヤらしいスカスカ感とともに、パンペンの手応えすらない円筒形のコイツの中に、右手のナイフはニュルリと食い込んだのである。

 諸君、さっき今井君はコイツを「夢」ないし「理想」と名づけたはずである。夢や理想の中身を覗いて見たら、それが充実感からはほど遠いスカスカのスカ助だったとしてみたまえ、スカ助、スカ姫、スカ五郎。その時、ダマされた者の馬鹿笑いは、やがて冷汗を伴う屈辱感に変わる。

「名物に旨いものなし」とはよく言ったもので、美食の都リヨンを代表する郷土料理:川カマスのクネルは、こうしてナイフを入れた時点でそれをシミジミ実感させてくれた。
NORD1
(リヨン「LE NORD」、外観)

 しかし、見た目や感触だけで物を言うのは明らかに間違いなので、予備校講師は授業を受けてみなきゃその価値は分からない。見た目が焦げたサトイモだろうと、ツキノワグマみたいな毛むくじゃらの外観だろうと、授業そのものは絶品。そういう驚きが溢れているからこそ、この世の中は面白い。

 そこで諸君、「川魚のクネル」、感触や見た目はどうあれ、とにかく美食の都の代表選手だ。とりあえず食してみなきゃ始まらない。厚さ約5mm輪切りにして、その満月みたいなヤツをパクッと口に入れてみた。

 うーん。ま、そのヒトコトである。要するに、フワフワのハンペンである。カホリや味が極端に薄いハンペンのお月さまが、口の中で「オレはハンペンなんかじゃない」と主張して暴れている。

 しかしやっぱり意地でもこれはハンペンであって、本人がどれほど「ハンペン以外のものである」と主張しても、その主張はハンペン同様もろくも口の中で融けていく。

 テレビのグルメ番組なんかだと、「やわらかーい♡」「口の中で融けちゃったぁ」「臭みもありませんね!!」というのは、この30年来定番の褒め言葉である。

 肉でも魚でも、何が何でもヤワラカーくなきゃダメだし、噛む前に融けちゃわなきゃいけないことになっている。カタイものをキチンとワシワシ咀嚼する喜びなんか、グルメ番組の片隅にも置いてもらえない。

 しかし諸君、見た目のズッシリした充実感から考えて、クマ助はやっぱりズッシリ重量級の噛みごたえを期待したのである。サシの入った甘い牛肉より、ワシワシ咀嚼を要求する赤身がいい。全く同様に、融けちゃうカマボコや、ドロリと溶解するソーセージなんか、硬派のクマ助の趣味には合わない。
NORD2
(リヨン「LE NORD」、落ち着いた雰囲気の店内)

「臭みもありませんね!!」とタレントさんたちが熱く頷きあうのも、何だかケーハクで情けない。何しろこのごろはジビエ・ブームだから、シカにイノシシ、クマに野鳥、いろんなケモノの肉を試食する番組が増えている。千葉県で激増中の「きょん」も、「食べちゃいましょう」という意見が支配的だ。

 しかしそのたびに「臭みはないんですか?」☞「臭みはちっともありません」と頷きあうのは、ケモノとか野獣とかいう存在への侮辱のような気がする。

 ジンギスカンのヒツジさんは、その臭みこそ真骨頂。お嬢様&お坊ちゃま育ちの高級牛や高級ブタさんたちとは違うのだ。山野を駆け巡り、お嬢さま牛やお坊ちゃま豚が一度も目にしたことのない植物や虫や小動物をワシワシやってたくましく育ったヤツらである。

 その結果としての臭みなら、ジビエを楽しむ以上、むしろ熱烈に歓迎すべきものじゃないのか。肉の臭みはたくましさの証明、そう考えてあげられないものだろうか。

 たとえ「そうではない」という科学的証拠があっても、ちょっとやそっとの臭みで鼻を曲げ「臭い」「臭い」とわめき散らすようでは、そのオカタ自身にちっともたくましさを感じない。

「クサヤ」なんてのもある。納豆その他、日本はクサーい発酵食品の宝庫である。諸君、むしろ臭みを楽しみたまえ。それとも、プラスチックの天ぷらだの、発泡スチロールの刺身だの、臭みもニオイもない清潔な食品をお好みですかな?
赤ワイン
(この日の赤ワイン。マコトにおいしゅーございました)

 というわけで、再び「川カマスのクネル」に目を戻そう。円筒形ハンペンに、臭みやニオイはありや/なしや? 今井君としては、「川魚なんだから、川魚独特のニオイなり泥臭さがあって当然」と身構えていた。昔の日本の鯉とかナマズは、みんなそれなりに泥臭かったものである。

 しかし諸君、さすが上品なおフランス、しかも美食の都のポール・ボキューズさま。泥臭さなんか全く感じられない。かかっているのは「ザリガニのソース」。しかしザリガニ君もまた、パクチーを含む様々な香草をタップリからめて、意地でも泥のニオイなんか感じられないように配慮が凝らされていた。

 こうして諸君、リヨン「LE NORD」の1品目は、マコトに下品な連想で始まり、マコトに上品な無味無臭で終結。カラカラに乾いた真っ白いタイ米が付け合わせについて、これがまた無味無臭の極致である。

 平安貴族が旅の携行食とした「かれいい」は、漢字で書けば「乾飯」である。Mac君、何だい「彼良い」ってのは。リヨンの今井君は、1000年の時を経て地球の裏側に出現した乾飯に、目をシロクロさせながらひたすら2品目(ウルトラ大好物:フィレステーキ)の出現を待つことにした。

1E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 2/10
2E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 3/10
3E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 4/10
4E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 5/10
5E(Cd) Barenboim:BEETHOVEN/PIANO SONATAS 6/10
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