2015年09月23日(水)

Sun 150830 メロン購入 マクワウリ物語 船でレスタックを目指す(また夏マルセイユ9)

テーマ:ブログ
 8月29日、オランジュからマルセイユに帰還したクマ助は、ホテル近くのスーパーマーケット「ラファイエット」に立ち寄って、旅の友 ☞ メロンを1コ購入した。

 お金持ちの生まれではないから、コドモのころからメロンはとにかく憧れの対象。別に高価なマスクメロンである必要はない。アンデスメロンでもハネジューメロンでも、スーパーの棚に無造作に置かれたそういうヤツで十分だ。

 昭和後期、スーパーで買えるメロンは何よりもまず「プリンスメロン」。奈良平安の時代から大正昭和に至るまで、日本の代表的デザートだった「マクワウリ」とちっとも変わらない。しかしそれでも冷蔵庫でキリッと冷やせば「こんな美味しいものがあるのか」と目に涙が滲むほどであった。

「マクワウリ」については、縄文 ☞ 弥生の頃から日本でも食されていたと言われ、遺跡から炭化した種子も発見されているんだそうな。すると諸君、日本の農耕文化は、コメよりもむしろウリから始まったんじゃないか。北の縄文人♡クマ助が無類のメロン好きなのも、何となく納得が行くというものだ。
メロン1
(マルセイユのスーパーで購入、プロバンスのメロン)

 八幡太郎♡源義家の伝説にもマクワウリが登場する。「古今著聞集」の中の記述であるが、登場人物は藤原道長・安倍晴明・医師の丹波忠明と源義家。時代の合わない人々の寄せ集めだから、作り話に過ぎないんだろうけれども、そのあらすじは以下の通りである。

 南都・奈良からたくさんのウリを道長に献上してきたのだが、安倍晴明は占って「この中の一つのウリに毒の気配があります」と言い、ウリを一つ取り出した。

「祈祷をしたら、その毒が明らかになるでしょう」と言うので、ある僧正に祈祷させると、おや、やがてそのウリがムク&ムクムクッとうごめいた。

 道長は医師・忠明に毒を制するよう命ずる。医師はウリを手の中で転がしながら、サッと2ヶ所に針を突き立てた。すると、ウリの動きはピタリと止まった。

 これを見た源義家は「おのれ、怪しいウリめ!!」と腰の刀を抜き、ウリをサクッと一刀両断。ウリの中で小さな毒蛇がとぐろを巻いていた。

 名医・丹波忠明の針は、蛇の左右の両眼に刺さっていた。義家は狙いもなくウリの真ん中を切ったように見えたが、見事に蛇の頸をスパッと切ったのだった。「どうかい? スゴい人たちだろう」「どうかい&どうかい」という説話である。
メロン2
(メロンが熟したら、源義家よろしくスパッと真ん中で切断。お椀の形にして、スプーンですくって食す。今井君の旅の伝統だ)

 以上がマクワウリの話。そのマクワウリと、何とかいうメロン種の交配で、1960年代前半に誕生したのがプリンスメロン。「高級メロンなんか一生手が届かない」という庶民の間で、「昨日メロンを食べました」と言えば、そりゃ確実にプリンスメロンのことであった。

 ちょうどその頃、「福田章二」という名の新人作家が発表した作品が「喪失」。愛する少女の頭上のメロンを、ライフルで撃てるかどうか。「ウィルヘルム・テルも怪しいもんだね」と軽口を飛ばしながら、青年たちは愛と魂の純粋さを喪失していく。

 作家は東京大学2年生、当時19歳の青年であった。マコトに育ちのいい東大生作家は、この10年後にペンネームを変えて芥川賞を獲得するのだが、いやはや、マスクメロンを見たこともない幼い今井君なんかは、「そんな高いものを遊びに使うなんて♨」とハラハラしながら読んだものだった。

 21世紀、たとえ安いメロンであっても、たった1サジ口に含むや思わず快哉を叫びたくなるほどに甘いものがほとんど。日本の農業は、メロンとともに生まれ、メロンとともに進化し、メロンとともに日進月歩を続けているのである。
港の風景
(マルセイユを出航する船からの眺望)

 一昨日、熊本から東京に帰るヒコーキの中で、熊本メロンの特集番組をやっていた。熊本のおいしいメロンを香港に売り込もう、そのためなら県知事も躊躇することなく一肌脱ごう、そういう機内番組である。

 番組には蒲島郁夫・熊本県知事も登場して、知事室でメロン売り込みの戦術を語り合う。この知事さん、なかなかスゴいヒトであって、政治学者でもある。東京大学名誉教授、「新しい日本をつくる国民会議」の運営委員もしている。「専門は政治過程論と計量政治学」というのだから、メロンぐらいカンタンに売り込めそうだ。

 知事室の壁には、素晴らしい達筆で記された漢詩らしきものの額がかかっている。額の文字を読むと、「樺島強逆境 才華馥郁夫」。うにゃにゃ、番組を見てこの文字にまで気づいたヒトが、今井君以外にいるだろうか。あえて縦書きにすると、

      才  樺
      華  島
      馥  強
      郁  逆
      夫  境

「樺島は逆境に強い」「その才華は馥郁たるカホリがするほどの男・郁夫だ」というのである。うぉ、こりゃメロンの売り上げもどんどん上昇するだろう。
フェリー
(マルセイユには、毎日チュニジアの巨大フェリーが寄港する)

 さて、こうしてマルセイユのホテルに帰還したクマ助は、我がベランダに降り注ぐプロバンスの陽光をタップリとメロン君に浴びさせ、夜は夜でランプの光を惜しげもなくメロン君に与えて、いつかも貪り食う日を楽しみに、ヨダレを流しながら待つのである。

 ところが今年のメロン君は成熟が驚くほど早く、あっという間にお部屋はメロンのかぐわしいカホリに満たされた。「かぐわしい」という段階はあっという間に過ぎ去り、あまりのメロン臭に睡眠さえ中断されるありさま。「かぐわしい」と「いかがわしい」の類義語関係にさえ思い至るほどなのだった。
危ないよ
(まもなくレスタック。小さなお船と鬼ごっこになる。皆さん、こういう危険な行動はヤメましょう)

 そこで諸君、翌朝の朝食に、このメロンをおいしくいただくことに決めた。スパッと切断すると、ムクムク動きもせず、怪しい毒蛇も現れず、おお、素晴しく甘い。「これでたった3ユーロかい?」であって、さすがプロバンス、安いメロンも決してバカにしたもんじゃないのだ。

 8月30日、「また夏マルセイユ」の旅の3日目がこうして始まったのである。3日目に目指すのは、レスタックの町。マルセイユから西に向かって、船で30分ほどの穏やかな町である。

 船もいいが、電車でも行ける、マルセイユ・サンシャルルの駅から、「コートブルー線」で30分ほど。昨年夏は電車で通りかかっただけの町であるが、何しろこの電車、落書きが厚塗りの油彩画みたいに塗り重ねられ、「眺めるだけでゲッソリ」というシロモノ。船を利用する方が身のためだ。

 朝10時のお船に乗りこんで、いよいよレスタックに向かう。あまり繁華ではないが、セザンヌやジョルジュ・ブラックが愛した静かな町で、ゆっくりランチでも楽しんでこようじゃないか。

1E(Cd) Bobby Coldwell:AUGUST MOON
2E(Cd) Bobby Coldwell:CARRY ON
3E(Cd) AZERBAYJAN TRADITIONAL MUSIC
4E(Cd) Menuhin:HÄNDEL/WASSERMUSIK
5E(Cd) Menuhin:HÄNDEL/WASSERMUSIK
total m150 y1426 d167337
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